扉の向こうの   作:招代

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予定通りに投稿。

どうでもいいことですが、
この作品の主要登場人物は8人を予定しています。
まだ1人出ていません。

登場話は近いのですが……投稿ペースがあれなので、
まだまだ現実の期間的には先になりそうですね。

それでは4話前編に行きましょう。



第04話 半引きこもりの特異原因 前編

平成25年4月17日17:06

 入部して今日で一週間。あの砂の城の件以降、とくに部活動らしい部活動をしていない。

 いや、あの砂の城すら部活動だったのかどうかも怪しい。そもそもの部活動は「調査及び解決」のはずなのだから。部活動説明の時のが正しければだが……。

 

 ただまぁ一週間もすれば何かしらの変化はある。

 例えば、俺はついに学校に携帯ゲーム機を持ち込んだ。なので部活時間は読書よりゲームをやる時間が増えた。部室内にはコンセントもあるので許可を貰って充電もさせてもらっている。

 そしてゲームをやり始めてから、津出さんからゲームに誘われることもあるようになった。その結果、船井さんや吹田さんと一緒にゲームをする機会もあった。

 なので俺も部活内での人間関係は良好な方だと思われる。最初のころを思えば驚くほど平穏な日常だ。

 

 

 

 と言うわけで、今日も今日とて周りの音が聞こえるように軽めにイヤホンをつけ、携帯ゲームに勤しむとしよう。これなら今日中に全話全ルート制覇もいけるだろ。

「……?」

 と、不意にノックの音が聞こえた後に、扉の開く音が聞こえた。幻聴だろうか? 俺は反射的にゲームをしていた指を止めて、音のしたらしき方を向く。

 視界の端では溜井も同じ方を向いているのが見えた。

 

「失礼しまーす……」

 幻聴だと思ったら扉の方から伺うような女の声が聞こえた。マジか。

 

「はーい。こっちに来てー」

 ソファに座っていた船井さんが俺たちの時と同様に声の主をこちらへ誘導する。

 恐らく、そこを使うと判断したのだろう。船井さんの反対側に座っていた溜井は出していたものをしまって、俺や菅さんの座っているテーブルの方へ移動をしてきた。

 

 

「失礼します」

 そしてすぐに棚の陰から一人の女子生徒があたりを見回しながら出てきた。靴を見るとどうやら同学年らしいが見覚えがないし、同じクラスではないようだ。

「こっちに座ってー」

「あ、はい。分かりました」

 女子生徒は促されて先ほどまで溜井が座っていた方のソファの真ん中に座る。

「麦茶で良い?」

「はい。大丈夫です」

「それじゃーちょっと待っててねー」

 にこやかにそう言うと、船井さんはソファから立ち上がって冷蔵庫へと向かい、麦茶を取りだしコップを運ぶ。

 

「2組の津軽(つがる)さんね」

 そんな様子をなんとなく見ていると、横からそんな呟きが聞こえた。

「……そうなのか?」

「ええ、間違いないわ。1年2組の津軽 亜希(あき)さんよ」

「へー」

 よく覚えてるな。と言っても、こいつのクラスを知らないから同クラスの可能性もあるのだが。

 とりあえずゲームはやめて話に耳を傾けよう。

 

 

 麦茶とコップをを運び終えた船井さんが、麦茶を注いで津軽の方に置く。

「あ、ありがとうございます」

「いいのよー。それで、どんな用件で来たの?」

「はい。その……こんな用件で来ていいのかもすごく迷ったんですが……どうしていいのか分からなくて」

 津軽は躊躇いがちに話し始める。

 まぁ、確かにどんな用件でここに来るのか全く想像つかないしな。

「その、実は……私の友人がニート……いえ、引きこ――半引きこもりなんです。ですから、それをどうにかしていただきたいんです!」

 何回か言い直して伝えられた内容は衝撃だった。ある意味で。

 

「「……」」

 ……は? つまり友人の引きこもりを止めさせたいということだよな……それはこの部活の活動範囲内なのか? 一応「引きこもり」と言う「出来事」を「解決」して欲しいということなんだろうけど……。

 横では溜井も呆気にとられたような表情をしている。多分俺もそんな感じなんだろう。

 

「つまり、あなたの友達の半引きこもりをどうにかして欲しいのねー。でも『半』っていうのは?」

 俺たちとは違い船井さんは落ち着いた様子で声をかける。

「えっと、基本的には外に出ないんですけど、深夜とか人のいない時間にはその辺を歩いているそうなんです」

 人のいない時間に外に出てるってことは、対人とか群衆恐怖症とかそういうのか?

 

「なるほどねー。それじゃーその友達はどうして家からでなくなったの?」

「そのー……その理由が一番問題で、信じてもらえないかもしれないんですけど、彼の周りではよくないことが起きやすいんです……そのせいで、不登校になって半引きこもってしまったんです」

 それはー……偶然じゃないのか? いや引きこもるくらいだから相当だったのかもしれないけど。

「そっかー……なら、『半引きこもり』じゃなくて『周りで良くないことが起きるのをどうにかして欲しい』ってことで良い?」

「そう、ですね。はい。半引きこもっている原因も全部それのせいなので……」

「分かったわ。それじゃー部長を呼んでくるからちょっと待っててねー」

 ソファから立った船井さんは向こうの部屋へと入って行った。

 

 初の部活動であろう内容が引きこもりの解決。その上周りで良くないことが起こるのをどうにかして欲しいとは……それはどうにかできる事なのだろうか? 何か幸先不安だな。

 横は横で何やら真剣に悩んでいる様子だし。確かに引きこもりは社会問題だが、内容が内容だけに俺にはそこまで真剣に考えることができない。

 ……というか、内容が何であれ客が来たのにゲームをし続ける津出さんと、本を読み続ける菅さんは良いのかあれで。

 

 

 

 そんなことを考えている間にも、吹田さんと船井さんが出てきてソファに座る。

「興味がある。質問に答えろ」

「あ、はい」

「そいつの名前は」

 座って早々に紙とペンを渡してぶっきらぼうにそう言い、津軽は紙に引きこもりの名前を書いて渡す。ここからだと少し遠いが恐らく「福間(ふくま) (こう)」と書いてある。

「いつから周りでよくないことが起きてる」

「えっと……覚えている限りでは最初からです」

「具体的に何が起きた」

「私には起きたことは無いんですけど、よくあるのは昂の近くを歩く人に鳥の糞や虫が落ちたり、よく転んだり階段を踏み外したり。集団登校とかで彼以外が一斉に氷で滑って転ぶとかもあったみたいです。あと、自転車にぶつかられた人もいたみたいで、どれも大事には至らないものでしたけど怪我をする人は多かったです。他には彼の近くで魚を食べると高確率で骨が刺さるとか」

 

「……」

 何だろう……確かにそれが真実なら良くないことは起こってるけど、転ぶ何ていうのは自己責任じゃないか? 骨だってよく噛むか取ればいい話だし。

 ……単に周りにドジが多いだけとか言う話じゃないよな?

 

「津軽さんは何もなかったの?」

「はい」

「……」

 それを聞いて、吹田さんは何やら考えるそぶりを見せている。

 

「超能力の有無は」

「誰からも聞いたことが無いですので、無いと思います」

「出歩く時間は」

「詳しくは聞いていないのですが、11時以降って言ってました」

「住所は」

「……昂に会うんですか?」

「見当はついたが確証はない。実際に見てみる必要がある」

「わかりました。でしたら、その時は私も一緒に行きます。彼、私以外の人が訪ねても玄関を開けないので……」

 津軽は沈んだ表情で先ほど名前を書いた紙に福間、だったかの住所をたぶん書いている。さすがに名前とは違い、文字が小さくてここからは見えないからな。

 

「福間君は一人暮らしなの?」

「……はい。家族の人とは色々ありまして……中学からアパートで一人暮らしなんです」

「そっか……」

「なら俺たちは今日11時に家に行く。その時間に来るといい」

「わかりました」

 

 

「質問は以上だ。帰っていい」

「あ、分かりました。今日はありがとうございました」

 そう言って津軽は頭を下げる。

 ……何となくだが、お礼を言ってから頭を下げる人は好感が持てる。お礼を言いながら頭を下げる人はどうにもな……。

「お礼はどうにかなっていからで良いよー」

「……そうですね。それでは……昂のこと、お願いします」

 再び頭を下げて津軽は部室から出て行く。

 最後の方だけ見ればちゃんとした部活と言うか……まともに見えるんだが。

 

 

 

「話は聞いてたな。予定時刻にこの場所に集合。俺は確認することがあるから今日は帰る。千利乃、後は任せた」

「りょうかーい」

「おつー」

「……」

「お疲れ様です」

「お疲れ様でーす」

 

 そして吹田さんが出て行った後、俺たちは住所の書かれた紙の周りに集まる。

「みんな聞いてたと思うけど、今夜11時にここに書かれてる場所に集合ねー」

「わかりました」

「……」

「オッケー」

 いや……この人たちはなにやら当然のように言うが……

「えっと……分かりましたけど『ここ』ってどこです? と言うより皆さんは住所見ただけ何処か分かるんですか?」

「もちろん分かるわ」

 自信満々に言っている。

 ……ホントなら凄いが、お前が最初に答えると俺がお前に対して敬語を使ったみたいじゃないか。別にいいけど。

 

「……分かるのか?」

「ええ、この辺りの地理くらい頭に叩き込んであるわ。探偵として当然よ」

「そうか」

 まぁ、「探偵」についてはスルーしておこう。メンドくなりそうだから。

「先輩方は?」

「分からないけど、大丈夫よー」

「この住所で検索すれば場所は出るからね」

「あーそうですね」

 そうか、その方法があったか。

 

「と、言うわけで。今から地図をコピーするけど、必要な人は?」

 津出さんの問いかけに、溜井以外が手を上げた。まぁ、「分かる」って言ってたしな。

「オッケ。じゃ、少し待ってて」

 とりあえず地図待ちだな。ゲームに戻ろうか。

 しかし、夜に出かけるとなると全話全ルートの攻略は難しそうだな……仕方がないか。

 

 

 

 

 それから俺は地図をコピーしたものを貰って、ゲームをして部活時間を過ごし、いつも通りの時間に部室を後にした。

 

 

平成25年4月17日18:07

「……にしても」

「ん?」

 帰り道。俺は先ほど貰った地図を見ながらムロと並んで歩いている。の、だが……

「地図を見てもさっぱりわからんな」

 地図は二枚で、おそらく一番拡大されているものとあまり拡大されていない物がある。

 あまり拡大されていない方には学校の名前もあるのだが、他の名前の出ている建物は指一本で数えるほどしか分からないし、ましてや自分の家すら分からない始末。学校から地図を見て歩けば分かるかもしれないが、自信は無い。それに方向的には家からの方が近いはず。わざわざ面倒な遠回りをしたくはない。

 ……しかし、出不精に地図は厳しい。

「さっきから何見てるのかと思ったら地図だったのか。でも何で地図なんか見てんだ?」

「今日の23時にこのマークのある場所に集合なんだよ。お前はどのあたりか分かるか」

「んー?」

 とりあえずムロに地図を渡したが……これで分からなかったら親か妹に聞くしかないか。

 

 そしてムロの様子を見る事少し、何ていうか雲行きが怪しい。ムロは先ほどから地図をクルクル回して唸っている。

「んー……」

「……」

 駄目かな。

 

 

 

 それからさらに歩くと、困ったような顔をこちらに向けてきた。

「ぁー……これって今どの向きだ?」

「……おそらく学校から真っ直ぐ来てるんだからこっち向きだろう」

 俺でもそのくらいは分かるので、クルクルと回っている地図の向きを現在の向きに合わせてやる。

 無理かな。

「おー! そっかそっか、こっち向きな!」

「……期待してないから無理しなくていいぞ」

「いやいや、向きさえ分かれば大丈夫だぜ! この辺りは良く走ってるからな」

「そうか」

 期待はしないでおこう。

 

 

平成25年4月17日18:22

 その後何やら唸ったりしているムロを無視して歩き続け、結局家の前。

 どうやら筋肉脳には厳しいものがあったようだ。

「着いたぞ」

「んー……」

「……車に轢かれても知らんからな」

 ムロは放置しておいて、家に帰ってゲームでもしよう。あ、その前に風呂か。地図はー……後で届けさせればいいか。

 俺は玄関まで来るとドアに手をかけて――

 

 

「ああ!」

 

 

 ――後ろから声がした。何事だ一体……ホントに轢かれたのか? もちろん冗談ではあるが。

 そんなことを考えていたら後ろからかけてくる音がする。

「ようやくこの場所がどこか分かったぜモリツネ!」

「あ、そ」

 無視して家に入ろう。

 俺はそのまま動作を続ける。

「いやマジだって!」

 肩を掴まれてしまった……馬鹿力め。痛くはないが無視は出来なそうだ。

「はぁ……で、何が分かったって? プロテインと合う料理か?」

「違ぇよ! もともと飲んでないし! じゃなくてこの場所だよ」

「はいはい……で、何処だって?」

「あぁ、驚くことにコレ……すぐそこの角を曲がって真っ直ぐだったんだよ!!」

「……」

「……」

 

 

 

 何?

「……どこの角だって?」

「だからすぐそこ、あそこだって!」

 そう言って指し示されたのは俺から見て左の方にある十字路。

「あそこを右に曲がって真っ直ぐだったんだよ」

「……マジか?」

「あ、ああ。俺も吃驚したんだがマジだ」

「……」

「……」

「……まぁ、何はともあれ助かった」

「気にすんなって」

 そう言って笑うムロ。

 なら気にしないべきだろう。

「そうだな」

「じゃ、また明日な。何すんのか分かんないけど頑張れよ」

「俺も分からん。またな」

 ムロは自分の家の方へと帰っていった。

 

 ……さて、どうなるやら。

 

 

平成25年4月17日22:50

 予定時刻より少し前に俺はアパートの前に着いた。他の部員もすでにいるし、ここで間違いないのだろう。

 道に関しては緩やかなカーブはあったものの、確かに真っ直ぐ歩いていたら着いた。

 

 

 にしても、また最後か。まぁ今回は溜井が突っかかってくることは無かったが。

「全員いるか」

「んーっと……」

 船井さんが人数を指さし確認していく。

「うんっ。全員いるわねー」

「そうか。予定より早いが問題ない。まずドアを開けさせろ。玲音は待機」

「わ、わかりました」

「……」

 坦々と吹田さんが指示をだし、それに従ってアパートに向かう津軽とその後ろを少し距離を開けてついて行く菅さん。

 でも何故菅さんがついて行くんだ……?

 

 

 そして一階の一番奥の部屋についた津軽がインターホンを鳴らすと、少ししてからドアが開いて中から男が出てきた。菅さんは二人の死角に隠れている。

 

 ……あれが福間か。薄暗くてよく分からないが、俺の頭の中にある引きこもりのイメージとは違う感じだ。髪もボサボサしてないし。清潔そうだ。

「どうしたんだ? 亜希……こんな時間に」

 俺の中の引きこもりイメージの気だるそうな感じは無く、心配そうな声が聞こえてくる。

「ご、ごめんね……こんな遅くに」

「いやいいけど。でもホントにどうしたんだ?」

「その、ね。昂のアレをどうにかできるかもしれない人達がいるの……だからお願い! 今から一緒についてきて!」

 津軽が手を合わせてそう言った瞬間、福間の顔が曇る。

「気持ちは嬉しいが……」

「お願い!」

「……」

「お願い!!」

「……」

「……駄目?」

「ぅ……わ、わかったよ」

「いいの!?」

「あ、ああ……でもその人たちは信用できるのか?」

 パッと顔を輝かせる津軽に見られたからか、たじろぐ福間。

 あの至近距離であれは照れるよな……タブン。そんな経験ないし分からんけど。

「うん。初めてこの話をちゃんと聞いてくれた人たちだから……」

「そっか、ありがとな」

「えへへ……」

 津軽は福間に頭をなでられて嬉しそうにしている。

 

 ……何かいい空気だが、俺たち空気じゃないか? ってか「ちゃんと聞いてくれた人たち」とか言ってたが約一名はゲームし続けて、約一名は本を読み続けてたんだが……。

 

「それでその人たちは?」

「あ、向こうで待っててくれてるから」

「そっか。なら準備してくるから先に行っててくれ」

「うん」

 ドアが閉められて津軽がこちらに戻ってくる。その後に菅さんも戻ってきた。

 

「菅先輩は何のために行ったのですか?」

「念の為だ」

「念のため、ですか?」

「彼が出てこなかった時のためってことだねー」

「それに菅さん強いしね。万が一何かあっても大丈夫だから」

「そうなんですか?」

「ああ」

「……」

 溜井の問いかけに吹田さんが短く答えて、菅さんが無言で頷いた。

 

 

 

 それから少しして、落ち着かない様子で出てきた福間が遠慮がちに口を開いた。

「えーっと……いまさらで――」

「わっ」

 が、その言葉は突然強風によりかき消されてしまった。

 結構強いな……春一番か?

 俺はおもわず腕を目のあたりに持って言って風を防ぐ。と、僅かな視界の先で突然、菅さんの姿が消えたような気がした。

「……ん?」

 いゃ「ような」と言うか消えなかったか? 誰も気づいてないんだろうか……。

 

 

 そして強風が止んだので目をこすって先ほどまで菅さんがいたところを見てみると、そこに菅さんはいなかった。

「……?」

「さっそくか」

「あれ、菅先輩は何時の間にそっちにいっていたのですか?」

 と、吹田さんと溜井がこちらを向いてそう言う。

 ……後ろ?

「……」

「……」

「……うおっ!」

 振り向いたそこにはいつの間にか菅さんがいて、ワンテンポ遅れて驚いた俺はそこから跳び退く。

 

「いつの間にそこに……って、どうしたんですか?」

「……」

 何やら菅さんの視線が下を向いているのでよく見ると、菅さんの手に何か棒のようなものが握られている。

 すると津出さんがこちらに歩いてきてそれを受け取った。

「折れた枝だね。さっきの強風で飛んできたんじゃないかな」

「凄い風だったからねー」

「つまりモリツネ君に向かって飛んできたってこと、ですか?」

 菅さんが後ろにいるということはそうなるわけだが……モリツネ君? いゃ別にその辺は自由だし良いけどさ。

「……まぁ、こういうこともあるだろ。それに木が当たるくらい気にしないし」

「頭にな」

「……」

 頭かぁ……。

 

「あ、あの……えっと……」

「えっと、本当に今さらですけど……いいんですか?」

「あぁ」

「……そうですか。でも、気を付けてくださいね」

「大丈夫よー。何かあっても菅さんが全部何とかしてくれるから」

「……」

 無言で頷く菅さん。

 確かにこの暗い中で飛んできた枝を掴んだわけだし、本当に強いのかもしれない……流石に消えたのはただの強風で視界が悪くなったせいだと思うが。

「ですが部長、何をするのですか?」

「歩く」

「……それだけ、ですか?」

「確認作業だからな」

「そうなのですか。わかりました」

 

 そうして吹田さんの指示で俺たちは、とりあえずこの辺りをぐるっと一周することにした。

 




明日から暫くの間、
仕事時間が変更されて一番自由な時間の無い時間帯になりました。
今でも書けないって言うのに……気分が沈むなぁ……。

次回の更新ですが、
予定では13話を書き終えたらです。
頭の中に構想はあるのですが……大分先になりそうです。
申し訳ない。
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