刀剣は誰かに出会いたい   作:コズミック変質者

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新キャラの破戒はとても強そうでした(小並感)


第26話

 サラのアルコールが完全に抜け切ったのはガレリア要塞のホームに辿り着く数分前だった。目が覚めたこと自体は列車で移動してすぐのこと。

 クレアによって気絶させられたが、列車の激しくはないがしかし緩くもない揺れで無防備な三半規管が掻き回されたのだろう。目を覚ました瞬間に列車の御手洗へと駆け込んだ。

 

 まぁ何をしているのかは簡単に分かってしまう。だからといってその姿を見るのはプライバシー的にも如何なものなのか。しかしそれでも心配だからと、一時間以上篭っていたがアリサとエマによって介抱されて戻ってきた。全てを出し切ったという爽快な顔と消臭の魔法(アーツ)は歴史に名を残したくなるほど機嫌が良さそうだった。

 

 機嫌と体調を取り戻したサラは事前知識としてガレリア要塞のこと、そして帝国に併合されたジュライ特区について教えてくれた。と言うよりも復習と言った面も強いだろう。何せガレリア要塞は帝国国外でも有名な要塞であり、山岳を刳り貫いて造り上げられた難攻不落の大要塞。帝国の最東端を守護しているに相応しく、備え付けられている二門の導力砲《列車砲》は帝国有数の破壊兵器。未だに使われたことがないとはいえ、その光景は圧巻もの。

 

 もうすぐそこに着くというと、どうしても身体が強ばってしまう。これまでとは違う本格的な軍事拠点。少しづつ見えてきたが、全容は計り知れない。

 

 ホームに着いたあと、当たり前だが身体検査が行われた。危険物の所持や訪れるための確認書類。誰も彼も手を抜くことは無いということが、逆にここが前線であるという事実を深める。

 

《Ⅶ組》だから免除、なんてことはない。寧ろ《Ⅶ組》は入念に行われた。リィンやマキアス達といった帝国民はともかく、留学生に元猟兵。異色な経歴持ちが多い故に。

 

「やっと来た———いやこれが普通なのか。ともあれ現着したようだな」

 

「あ、ナイトハルト教官」

 

 身体検査から完全に開放されると、いつも以上に厳格な空気を纏ったナイトハルトが現れた。外套はいつもと同じものだが、しかしその下は帝国軍の佐官階級に与えられる軍服。

 この場にいる彼は単なる学院の教官ではなく、帝国正規軍第四機甲師団の一人である。

 

「ナイトハルト少佐。トールズ士官学院特務クラス《Ⅶ組》、生徒一名を除き担任教官含む十名の到着を報告します」

 

「11:30、了解した。欠員に関しても承知している。ようこそ、ガレリア要塞へ」

 

 規律正しい鋼の軍人らしいナイトハルトの敬礼にサラも負けていない。酔いが覚めればなんのその。何せサラにとってはここは敵地では無いものの、気の休まる場所では無いのだから。

 

「改めて、帝国正規軍第四機甲師団、ナイトハルト少佐だ。ここでは君達の案内役をさせてもらう」

 

 

 

 

 

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「貴公らの到着、待ちわびたぞ」

 

 用意された要塞内の一室にさも当然のようにベルグシュラインは立っていた。他人の空似だとかそんなことは全くなく、放つ空気も刀剣混じりの冷たさで、行方不明になっていた男がここにいた。

 

「待っていただと?幾度も貴様の勝手な行動に振り回されたこっちの身にもなれ」

 

 ユーシスが押し退けるようにベルグシュラインへと近づき、その胸倉を掴みあげる。ベルグシュラインは防ぎもせずに受け入れる。苦しそうな声も上げない。その思いは当然故に、この行動は正当だと。

 

「勝手なことは承知している。アルバレアの憤りは当然のものだ。気が済むのなら好きにして構わんさ。その資格が貴公らにはあるのだから」

 

「反省している、なんてことはないよな・・・」

 

「その通りだともシュバルツァー。此度のオレの行いはA班にとって優良な判断だったと思っている。その結果が身勝手なこの行動だが」

 

「いや、いいよ。分かっている。お前が気を使ってくれたこともな」

 

 恐らくだけれど、ベルグシュラインはA班に悪い空気を齎さないように勝手な行いをしたのだろう。ヴィクターさんに戦闘を挑むだけならまだしも、ベルグシュラインは俺達に刃を向けることで戦わせる動機にした。

 全てを許す、なんて口が裂けても言えないだろう。

 

 最初から最後まで悪いのはベルグシュラインだけど、それでも事が済めばベルグシュラインなりに気を使ったのだと理解する。他の皆がどう思っているのかは分からないけれど、生き方の方向性というのが明確に定まっており、かつ普遍的で分かりやすいラウラがどんな気持ちでいるのか、俺では想像もできないだろう。

 

 元よりあった軋轢を何とかしなければと思っていたはずだ。何もせずに停滞を選び続けるなんて最も彼女らしくないことだ。でも自分からどう切り出せばいいのか分からないから、一歩目となるきっかけを探す、はずだった。

 

 運命を求めるというベルグシュラインが、その目的にヴィクターさんを定めなければ。

 

 運命というただ一つの行動原理。誰も知らぬその基準に、ヴィクターさんは合致してしまったのだろう。だから動いた。確かめた。ベルグシュラインからすればそれだけで、でも刀剣の合理性故に致命的に方法を間違えたから。

 ヴィクターさんを戦わせる為には最もな正解は、人道を良しとするラウラには致命が過ぎた。

 

 それにベルグシュラインも気付いていたか、一緒の空間にいることで起こるであろう悪影響を防ごうとしたのだろう。

 

「ユーシス、過ぎたことだ。今はこの辺りで」

 

「ちっ、次は余り勝手をするな。仮にするのであれば、まず仲間である俺達に言ってからにしろ」

 

 振り払うように手を離し、機嫌が悪そうに背を向ける。それでもなんだかんだ言って仲間と言っている辺り、ユーシスもベルグシュラインが気を使ったのは理解していたのだろう。ただやはり、難しいことだが行うなら行うで一言でもいいから事前に伝えて欲しかった。

 

 そして険悪な空気のまま、時間は過ぎていった。

 

 

 

 

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 このまま全てがよし終わり、なんてことはなく。事の次第を説明する義務があるため要塞のブリーフィングルームを一つ借りて、サラによる事情聴取が行われていた。問題となったのはユーシスも問い詰めた単独行動と、ヴィクターとの件。

 

 時系列的に話すべきはヴィクターのことからで、何があったのか、何故したのかを包み隠さず話尽くした。彼こそが自分の運命で、そうでなくとも無意味な刀剣に意味を与える光なのではないのかと。つまりはいつもの理由で挑んだのだと。

 

 これには一周まわって呆れるしかない。確かに運命に対するベルグシュラインの態度は一貫している。それが繋がるならば、そのものならばやらずにはいられない。良い意味でも悪い意味でも、そこだけは貫いていた。

 つまりはいつもの延長線上の事柄で、報告書にはいつものように運命がどうだと書かなければならないのだ。

 

 気に触った、とか殺したくなったとか、そういった理由を持つことが出来ない。無欲の刀剣が興味を示し、自ら行動するのは運命というものだけだ。

 

「まだアンタの処遇はどうなるか分からないわ。アルゼイド子爵の方はこれといって気にしてないって言っている。若気の至りだってね。だけど学院としては無罪放免にするわけにいかない。示しが必要なのは理解しているでしょう?」

 

「無論だ」

 

「そ、分かってるならいいわ。で、恐らく処罰は退学はないでしょうけれど最悪でも停学。良くて反省文と学院中の掃除とかの雑用。それと・・・」

 

 サラの目がベルグシュラインの左側、机に立て掛けられている鋼の刃に向けられる。

 

「今回の件は流石にやりすぎ、学内での武装許可の特権は無くなるでしょうね。没収はしないけど、校舎への持ち込みの禁止と、後は日課の鍛錬に持ち出すのも。つまるところは寮から出すなってこと。拒否できる立場じゃないのは理解しているわね?」

 

「全てはこの身が成したこと。どのようなことでも受け入れるさ」

 

「よし、じゃこの話はこれで解決として・・・」

 

 ようやく半分、というよりここからが本番と言ってもいい。決してヴィクターの問題が小さいという訳では無いが、しかしその処遇は学院が決めることであり、生徒の報告により明確な状況を把握しきれている。

 よって問題はその後、ベルグシュラインが今朝姿を眩ませた後、どうやってガレリア要塞に訪れたのか。

 

「ナイトハルト教官からアンタの尋問(・・)調書は受け取ってる。その時の状況も、発見した兵士から聞いてもらったわ。アンタがここで見つかったのは朝6時半頃。可笑しいわよね、そんな早い時間にレグラムからバリアハート、そしてガレリア要塞へ繋がる列車は走っていない」

 

 ベルグシュラインはカンパネルラの転移によって要塞内部のホームへと転移させてもらった。誰もいない、見ていない物陰に。だがそれは一時人がいないだけで、常駐している見回りの兵士によって呆気なく見つかった。元より大して隠れるつもりも無かったのだし、移動場所を明確に示してすらもいないのだが、何はともあれベルグシュラインは侵入者という形に当て嵌った。

 

 見つけた兵士は驚き半ば、焦りのせいで覚束無い動作だったが警笛を鳴らし、あっという間にベルグシュラインは包囲された。後はそのまま流されるがままに。武装を取り上げられ独房の中に入れられて直ぐに、駆け付けてきたナイトハルトによって尋問室へと送られた形だ。

 

「珍しいことがあるものね。アンタが隠し事をするなんて」

 

 当たり前だがレグラムからガレリア要塞まで、走ってこれる距離でもない。直線距離で結べばもしかすれば、などと考えてしまうがしかしそれはあくまでも道中が平原であるのならという話で、だとしても不可能である。オマケに言えばガレリア要塞があるのは山岳地帯。

 

 よって方法としては正攻法で列車か、それとも導力飛行船か。前者はベルグシュラインの発見時間から逆算すればそもそも始発さえも走っていない時間であり、後者であれば余程の間抜けでもない限り天空を飛ぶ巨大な躯体を見逃すはずもない。

 

「誰がアンタをここに連れてきたのか、ちゃんと言ってもらわなきゃ困るのよ」

 

 よって残るは物理を超えた超常のみで、残念ながらサラは出来る出来ないかは別として、その方法を知っている。

 だが当たり前だが火を出して攻撃したりなどとは訳が違う。空間を繋ぎ合わせたりなどの座標操作、移動先で障害物に接触しない精密性。魔法(アーツ)の中でも最高峰の技術を、適性が低いベルグシュラインが果たして使えるのだろうか。

 

 サラは無理だと知っている。だからどこかにいたはずなのだ、ベルグシュラインに手を貸してガレリア要塞まで連れてきた第三者が。それに辿り着いたのは教官として詳細な調査書を読んでいたナイトハルトも同じである。しかしベルグシュラインは隠し通し、一向に口を割らなかった。

 

「これでもまだ言わないつもり?」

 

 眉間に突きつけられる拳銃。完全な零距離、武装もなく、椅子に座っているという動き出しに不利な姿勢。百戦百敗、もはや戦闘で勝てなくなろうともこれならば関係ない。サラとて最上でなくとも上級の遊撃士。回避や防御の為の動作の起こりに遅れは取らない。

 

 誰かに見られればやりすぎだと言われるだろう。しかし脅迫してでも吐かせなければいけない理由がある。ベルグシュラインの行動は出来る限り把握しておかなければならないと、サラは今回のことで再確認した。

 

 ベルグシュラインは強い。間違いなく最強だ。ベルグシュラインを倒す為にどれだけの戦力を出せばいいのか、策を弄せばいいのか、犠牲を出せばいいのか。

 敵にさせてはならないのだ。当たり前に強いというそれだけで。

 ベルグシュラインに思い入れというものはあれど、それを理由に肩入れしない。ベルグシュラインの内の何らかの条件を満たせば、誰であろうと容赦ない。人質等の揺さぶりさえも通用しない。

 

 そして今の状況は、本当に本当に危ういのだ。ただでさえ帝国に弓引いた過去を持ち、ラインフォルト社の圧力で在籍している状態。場合によってはたった一度のミスでベルグシュラインは学院を、帝国を追放されかねない。

 

 例えば追放されたベルグシュラインが帝国解放戦線に誘われたら、きっと断ることなく協力するだろう。言ったように思い入れはあれどそれは決して理由にならない。運命なのかというたった一つの理由だけで生きているようなものなのだから。

 

 第三勢力に、それも帝国と敵対している勢力にベルグシュラインという刀剣が渡ってしまうのであれば、今ここで砕く必要がある。

 

 確かな脅威判定を行えるサラだからこその決断で、それはどこまでも危うい刀剣を相手にするのであれば正しいものだった。

 

「それが正しいと思うのならば構わぬさ。その引き金を引くがいい」

 

「・・・撃てないとでも?アンタの運命探しもここで終わるのよ?」

 

「貴公ならば撃てると俺は信じているし、ここで潰えるのならばそれまでだ」

 

「迷惑な信頼ね」

 

 サラとて今や一人の教官で、若人を育てる側である。今やベルグシュラインとて猟兵という区切りではなく、士官学院の学生だ。たとえ幾らかのやらかしがあろうとも、上層部から決断が降りるまでは肩書きは変わらない。

 

 ゆっくりと、突きつけていた銃を引く。やはり今のままではベルグシュラインを殺すことは出来ないだろう。先述した肩書きと、ほんの少しの信頼がそうさせた。

 

「もし、アンタがまたなんかやらかしてフィーの、《Ⅶ組》の敵になるのだとしたら、その時は誰にも譲らない。今ここで撃たなかった責任として私が必ずアンタを殺すわ」

 

「是非もない。貴公が俺の運命ならば」

 

 警告は通ったのか、通らなかったのかは分からない。しかし、やはり、ベルグシュラインは変わらない。その宣告を運命たれと願うだけだ。

 

 

 

 

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 自由時間。やはりというか、フィーはベルグシュラインと共に居た。少し前にサラに呼び出されていたがその事は何も聞いていない。どうせいつものベルグシュラインに対する愚痴だろうと、限りなく正解に近い予想を立てている。

 

「ラウラのお父さん、どうだった?」

 

 ベルグシュラインがレグラムで何を起こしたのか、その顛末は一通り聞き及んだ。些か強引ながらもベルグシュラインは殺し合いを挑んだと。

 何も驚くことではなかった。特別実習前の会話で、もしヴィクターがレグラムに居るのであればそうなるだろうとは思っていたから。運命と、そのためならば無茶や無謀を平気で行うことを知っていたから。

 

「素晴らしい御仁だったとも。光の剣匠、その真髄、宿す光を余さず受け止めさせてもらったよ」

 

「でも満足してない。・・・そ、運命じゃなかったんだ」

 

「残念ながらな」

 

 ヴィクターのことを話すベルグシュラインの機微はいつもと一つも変わらない。仕事が終わり、団やフィーの元へと戻ってくる時と同じである。失敗、と言うよりかは的外れ。本人も言うように残念だったと、そういう感じ。達成感が欠片もない。

 

「確かに帝国最強の一人に数えられるだけはある。かの剛剣は俺がこれまで見てきた中でも選りすぐりの一振りだ。纏う闘気も『黒』ではなかったものの、それでも桁外れだったよ」

 

「流石はラウラのお父さん。ベルにここまで言わせるなんて」

 

 中々の高評価に、実は満足していたのでは?と訝しむ。口数が少ないベルグシュラインが他人に与える評価などは少しばかり辛口だ。それだけ求める物の高さを表しているとも言えるのだが、今回は今まで以上の高評だ。

 

「で、今度は何やってラウラの琴線に触れた・・・あ、違う。どういう意図でやったの?」

 

 後気になるのはこれだろう。何せ見るからにラウラの口数が少なかった。そんな自分を覆い隠すように時折口数が多くなって、また何かを思い詰めたような無口になる。そんなことの繰り返しが列車の中で起きていた。

 何が起きたのかは、凡そリィン達から聞き及んでいる。これまで自ら行動を起こさなかった刀剣が突如、自分勝手を通り越して大暴走を始めたのだから。聞かされた情報は《Ⅶ組》のこれまでのベルグシュラインという人物像を粉々に破壊した。

 戦闘に関しては誰よりも頼りになる寡黙な刀剣は、同時に容易に敵となり、さすれば誰も止めることができないと叩き込んだ。

 

「先程も言ったが素晴らしい御仁だった。そしてそれは実力だけではない。シュバルツァー達の会話を聞いていただけだが、それだけでも彼の人柄の良さは明快だった。アルゼイドが誇りに思うのも無理はない。だからこそ、そんな御仁の本気を引き出す為だ。予想通り、俺の暴挙に対して真摯に向かいあってくれたとも」

 

 語る言葉に乱れはない。本当にいつも通り、必要だから行ったという極めて単調な理由である。なんとも分かりやすく、ベルグシュラインらしい理由だという反面、どうしてもフィーに疑問が残る。

 

「《Ⅶ組》が心地いい。みんながいて、毎日が新鮮で楽しくて。これまでなかったものを、落としたものを貰えてる。うん、団にいた時と同じくらいここが好き」

 

「それは良かった。トールズに来た甲斐があったというもの」

 

 実際、得難いものは沢山あった。同年代の友人や、これまで必要ないと切り捨ててきた物事。安寧とした同じようなことを繰り返す穏やかな日々は、猟兵でいては決して手に入れることの出来ないものだ。

 それはとても大切で、尊くて。きっとこのことを団の皆に話せば大手を振って送り出してくれると信じられるものだったから。

 

「それをベルは壊そうとした。・・・実際に壊しかけてる」

 

「言い訳はせんよ。俺の起こした行動がどのような結果に繋がるか、その先は見えていたとも。ならば当然、こうなることも織り込み済みだ。だが全ては———」

 

「運命の為でしょ。だから言っておきたいの」

 

 いつもはそれを分かっていたから、そこで完結していた。でも今は違う。ハッキリと、フィーという存在に変革が訪れたように、ベルグシュラインとの関係にも進展なり後退なり、何らかの変化が必要な時が来たのだ。求めるものになる為に。

 

「ベル———ベルグシュラインの運命がもし皆を傷付けるなら、私がその運命を止めてみせる。そんな運命を、私は絶対認めない」

 

 この言葉がどのような結末を導くのかは分からない。それでも宣誓しなければならないと決意したから。

 

「だから私が、ベルの運命になる」

 

 傷付けるなら、せめて自分をと。小さな少女の決意が刀剣へと打ち込まれた。

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