乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったのに...さらに破滅フラグが舞い込んでしまった!?   作:オタクさん

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急遽、お泊まり会が始まりました...

「凄い部屋ですわ!」

 

私が提案をした次の日。歌(ソング)のカードを捕まえるため、私たちはジオルドとアランが住んでいるお城に泊まることになった。

しかし...本当に凄い部屋ねえ~。流石王族の住むお城だわ!泊まる部屋は男女で別れているのだけど、この部屋クラエス家のお部屋より広いよのねえ~。このソファーも物凄く柔らかいわ~。

 

「義姉さん!?そんな行動はみっともないよ!」

 

ソファーではしゃぐ私をキースがたしなめる。

 

「そうですよカタリナ。このお城は将来君が、ここで暮らすのですからね。一々はしゃいでいたら身が持ちませんよ」

 

「今は、ですよジオルド様。義姉さんには王子様のお妃は務まりません。クラエス家で面倒を見ますので、別の御方を探してください」

 

「そうですわ!カタリナ様には王子様のお妃は務まりません!」

 

「そうです!カタリナ様は宰相のお嫁さんが相応しいのですわ!」

 

「...えっ?!ソフィア!?」

 

「あいつら、また言い争っている...」

 

「また始まった...。いい加減にせんか!おまえさんら、今日の目的を忘れておらんよな!?」

 

「わかっていますよ。クロウカードの件がなければ、お泊まりなんて許されないですし...」

 

「よくお泊まりを許されましたね、ジオルド様」

 

「まあ...説得をするのは大変でしたよ...」

 

「どうやってお許しを頂いたのですか?」

 

「皆さんを夜遅く帰らせる訳にはいかないのと、クロウカードの封印が成功をしたあと一応、念のために様子見をした方が良いのでは?と言って説得をしました」

 

みんなを夜遅くに帰らせる訳にはいかないかあ...。

原作だとさくらちゃんたちって、思いっきり夜遅くても出掛けているのよね。しかも大人たちには黙って...まあ、黙るしかないけど...。でもよくよく考えてみると、知世ちゃんはさくらちゃんに送ってもらえるから問題はないし、小狼君は言うまでもないし、苺鈴ちゃんは魔力は無くても体術だけで闘(ファイト)のカードと戦っていたのよね。...うん、彼女たちが特別なだけね。私たちは夜遅くに帰っちゃいけないわね...。

 

「義姉さん...もう馴染んでいるね...」

 

私が座っているとキースが呆れていた。

そんなに呆れる?なんで?...まあ、前世の私だったら一日中はしゃいでいるだろうね。だってあの憧れのお城に泊まるのよ!とはいえ、これでも、クラエス家の長女として育てられたからには礼儀正しくなるのは当然のことでしょ!......最初の方は気持ちを抑えられなかったけど...。

 

「流石カタリナ...」

 

「ジオルド様、何がですか?」

 

「なんでもないです」

 

「そうですか...」

 

みんなが私を見てくる。ジオルドに尋ねても答えてくれない。

...そういえばみんな、なんでテンション上がらないのだろう?友達と泊まるのよ!?これからお菓子とか食べたり、恋ばなとかをして夜中まで夜更かしをして、盛り上がるのに!!

 

「カタリナ...お前今日なんで来たのかわかっているよな!?」

 

「わ、わかっていますわ!クロウカードを捕まえに来たのです!」

 

「本当にわかっていたか?」

 

アランに二回も聞かれる。

まだ信じてくれなそうアラン。微妙な雰囲気をソフィアが話し出して変えようとする。

 

「夜まで時間がありますし、せっかくですから、皆さんでお話をしたりして待っていませんか?」

 

「それは駄目や!」

 

ソフィアの提案をケロちゃんは否定をする。

 

「なんで駄目なの!?」

 

「おまえさん方...特にカタリナ...おまえさんは......」

 

 

「話に夢中になって忘れそうやからな!」

 

ケロちゃんに指を指される。

失敬な!そんな大事なことは忘れないわよ!た、ただ、今回の相手歌(ソング)は、危なくない相手だから気が緩んだだけだから!

 

「おまえさんらが何しようと勝手やけど、楽しむならやるべきことを終わってからではないんか?」

 

「そうですわね...。まだ時間はありますし...程々に歌の練習に参りますわ。アラン様、歌の練習に付き合ってください」

 

「ああ、わかった」

 

ケロちゃんの指摘にみんなが納得をする。

メアリがアランを連れて部屋を出る。

 

「...僕たちも勉強をしたりして待ちませんか?」

 

「わかりました...」

 

その後に続くようにジオルドが勉強をする、と言い出す。キース、ニコル、ソフィアも勉強を始める。

...私もソフィアと同じ意見なんだけど...駄目?

 

私も観念して勉強を始めるのであった。

 

 

 

「むにゃむにゃ...。もう食べられないわよ...」

 

 

 

『義姉さん。あーん』

 

キース、クッキーを口元に持ってきても、もう食べられないわよ。

 

『カタリナ。君の好きなケーキですよ。口を開けてください』

 

ジオルド様もケーキを口元に持ってこないでください。今は口に物がいっぱいで入らないです...。

 

『カタリナ様!マフィンを持ってきましたわ!是非、食べてください!』

 

『メアリ様!カタリナ様!私はドーナツを持ってきました!食べてください!』

 

メアリ、ソフィア気持ちは嬉しいけど、同じタイミングでマフィンとドーナツを持ってきても、いっぺんには食べられないわよ。

アラン様は笑って見ているのなら止めてよ。ニコル様も穏やかな笑みで見ていないで止めてください。

 

『お嬢様、お嬢様の好きなお菓子と紅茶を持って参りました』

 

アンは笑顔で次から次へと紅茶とお菓子を持ってきているし...

 

視界は揺れ、世界が段々とぼやけていく......。

 

 

 

「義姉さん、義姉さん。もう時間だよ」

 

「......えっ!?時間!?」

 

キースに起こされた私は急いで飛び上がる。私の肩にはいつの間にか毛布がかけられていた。

...さっきのは一体......あれは...夢?だとしたら......

 

随分と変わった...悪夢?お菓子をもらえるのは嬉しいけど、お腹いっぱいの時に渡されると困るなあ...。

好きなお菓子を好きなだけ食べられるのだから、良い夢のはずなのに...。キースとジオルドが、限界まで口に入っている時に詰め込もうとするなんて...アランとニコルは笑って見ているだけで止めないし...メアリも、ソフィアも私にお菓子を次から次へと渡してくるし......変な夢...私はどうしてこんな夢を見たのだろうか...?いけない!そんなことを考えている暇は無いわ!時間が来たのなら、このカードキャプターカタリナの出番だわ!

 

「寝ちゃってごめんなさい!クロウカードは現れたの!?」

 

「ううん、現れていないから大丈夫だよ」

 

「そう?それは良かった...。ところでみんな......」

 

 

「なんで私の周りに集まっているの?」

 

みんなが私を取り囲むように集まっていた。

みんな...まさか......!?

 

 

私の寝顔がそんなに変だったの!?!?面白がって見れる程酷いの!?

私は慌てて顔のよだれとか確認をしようとすると...

 

「大丈夫ですよカタリナ。気にしないでください。それよりももう時間ですし、完全に夜になる前に杖の準備をした方がいいですよ」

 

ジオルドが私を落ち着かせ、準備をするように催促をする。

窓を見ると確かに日が落ちそうになっていた。

 

「もうそんな時間!?わかったわ。着替えてくるから待ってて!」

 

杖を用意するため私は急いで着替えに行くのであった。

 

 

 

「みんなお待たせ!」

 

私はソフィアが作ってくれた衣装に着替える。

本当にこの衣装を着ると気が引き締まるというか、原作を再現しているみたいでわくわくするというか...色々な感情を織り交じって、なんだか、不思議な気分にさせるのよねえ~。...やっぱりこれから、クロウカードに立ち向かうから...?まあ、いっか!考えてもわからないことだし、それよりも早速、あの呪文を唱えるわよ!

 

「闇の力を秘めし鍵よ。真の力を我の前に示せ。契約の元、カタリナが命じる。封印解除(レリーズ)!」

 

魔方陣が現れ鍵が杖となる。

さて!はっきりって行くわよ!......あれ...そういえば...歌(ソング)のカードって......

 

 

いつ現れるのだっけ?夜に出るしか知らないのだけど...。

 

「ねえ、ソフィア...」

 

「はい、なんでしょう?」

 

私に呼ばれたソフィアは首を傾げる。

 

「歌(ソング)のカードって...何時頃現れたの?私覚えていなくて...ソフィアは覚えている?」

 

「歌(ソング)のカードですか...?現れた時間は覚えておりません。時間がわかっているのは...時(タイム)のカードだけだと思います。ジオルド様、アラン様、お二人は歌(ソング)のカードが現れた時間を覚えておりますか?」

 

「すみません...。色々なことがあって覚えていないです...」

 

「悪い。俺も覚えていない...」

 

ソフィアも知らないらしく、ジオルドとアランに尋ねるが、二人も覚えていないようだ。二人は申し訳なさそうに謝る。

 

「仕方のないことですわ。気長に待ちましょう」

 

メアリがそんな二人を宥める。

 

「待つのはいいけど...どうやって待つの?」

 

「それはまあ...静かにできるもんと言ったら...勉強とかやろ」

 

「えー!また勉強!?今日、一日中勉強をしていたのに、また勉強をしないといけないの!?お泊まり会の醍醐味が無くなっちゃうじゃない!」

 

「カタリナお前...やっぱりわかっていないじゃないか!」

 

「開始五分で寝てる奴が何言うとるねん!」

 

アランとケロちゃんに私は怒られてしまう。

...開始五分で寝ていたの私!?

 

「アラン様、ケロちゃん、怒っていても仕方のないことですわ...。それに騒いでいたら、歌(ソング)のカードも現れなくなるかもしれませんので、ここは落ち着いて待ちませんか?」

 

ソフィアが私のことを庇ってくれた。

やっぱり友達は持つべきものね!...ソフィアも苦笑いを浮かべているのは気のせいよね...?

 

私たちはまた勉強に戻ることになったのであった。

 

 

 

勉強を再開してしばらく経ったあとの出来事。

 

 

「~~♪~~~♪♪~♪」

 

廊下から歌声が聞こえてくる。

遂に来たわね!!

 

「クロウカード!!!」

 

「しーー!静かに!」

 

私、キース、ジオルド、アラン、ニコル、メアリ、アン、他の召使の人たちや護衛の人たちはクロウカードに驚いて叫んでしまい、ケロちゃんに怒られ、ソフィアは指を口元に当てて注意をする。

 

驚いてしまった私たちは慌てて口を塞ぎ、護衛の人たちと共に、ゆっくりと扉を開けて音の鳴る方へ向かうのであった。

 

 

 

音は他の貴族たちが集まる大広間から聞こえてくる。

慎重に扉を開けたとはいえ、静かな空間に音は響いてしまい、歌(ソング)のカードは姿を消してしまう。

 

「また探さないといけないのですか?」

 

音が途絶えたことでメアリが不安を覚える。

 

「ううん、探さなくても大丈夫よ。メアリが歌ってくれたら現れるから」

 

私はメアリを励ますため笑顔で伝える。

 

「そうですか。それは良かったです...」

 

私の話にメアリがほっと胸を撫で下ろす。

 

「メアリ様が歌いましたら、歌(ソング)のカードが現れます。ですがその際に、先程のように声を出さないように気を付けてください。もしかしましたら、姿を消して現れなくなってしまう可能性がありますので...」

 

ソフィアが注意を呼び掛け、みんなが頷いて同意をする。メアリが一歩前に出て歌い出す。

 

メアリの歌は物凄くうまく、聞いた人を魅了させるものであった。

私はメアリを凄い、と言いたくなったのだが、ここで騒いでしまったらクロウカードの捕獲の邪魔になるので、我慢して歌(ソング)のカードが現れるのを待つ。

 

数十秒も経たない内に...

 

 

大広間の中心に薄紫色の円が渦を巻いて現れる。

円はすぐに消えて、元の姿である長い紫色の髪に白いドレスを着た少女の姿になる。

 

私はすかさず歌(ソング)のカードの近くまで行って杖を振るう。

 

「汝の在るべき姿に戻れ、クロウカード!」

 

カン、と甲高い音が鳴り響き、薄紫色の煙がカードの形をした光に集まる。そして......

 

 

「やったわ!歌(ソング)のカードの封印が成功よ!」

 

 

 

 

「お疲れさまです。カタリナ」

 

「ううん、みんながいてくれたから封印できたのよ!それよりもメアリ、貴女の歌、とても凄かったわ!その場で褒めたかったぐらいだわ!」

 

「そんな...。カタリナ様にお褒めの言葉を頂けるなんて...とても嬉しいですわ!!」

 

「ああ、メアリは練習を頑張っていたからな」

 

「アラン様もありがとうございます」

 

クロウカードの封印が終わり、遂にお泊まり会が始まる。

机の上にはケーキやクッキーなどのお菓子が並べられ、紅茶の入ったカップが人数分置かれている。

 

「盛り上がっていくわよ!」

 

クロウカードを封印できた喜びと、念願のお泊まり会の始まりに私のテンションはずっと上がり続けている。

 

「お嬢様、ここはクラエス家のお屋敷ではありませんので、控え目にお願い致します」

 

アンに釘を刺される。

 

「わかっているわよアン。ちゃんと控えるから大丈夫よ!ねえねえ、なんの話から始める?」

 

「本当に...わかっていますか?お嬢様......」

 

「おまえさんもいつも大変やわな。...まあ、そこまで心配をしなくても大丈夫やで」

 

「?...それはどういうことですか?」

 

「今日はクロウカードを捕まえたから、失った魔力を補うためにすぐに眠たくなるずや。だから、心配をせんともすぐに静かになる」

 

「そういえば...そうでしたわね...。初めてクロウカードを捕まえた時はその場に倒れてしまいましたし...」

 

ケロちゃんとアンは話をしていた。

...なんだ二人とも、お泊まり会を楽しみにしていたじゃない。あんなに会話が盛り上がちゃって。...?みんなもケロちゃんたちの話が気になっているようだ。どうして気になっているのだろうか?

 

私がみんなの様子を見ているとキース、ジオルド、メアリ、ソフィアが私のところに詰め寄る。私が驚いて戸惑っていると先にキースが話し出す。

 

「義姉さん!恋ばなをしよう!僕は義姉さんの好きな人が知りたい!」

 

「私もカタリナ様の好きな人を知りたいのですわ!」

 

「私もです!」

 

「僕もカタリナが好きなる条件を知りたいです。婚約者として、君の好みに合わせたいので...」

 

みんなは恋ばなに夢中だった。

というか...恋ばなと言うよりも...私のことが気になってしょうがないようだ。...そんなに私の恋が気になるの?私の好きな人を知ってどうするのだろう?...あ!まさか!?

 

私がクロウカードの件で愛されていないと、勘違いされているから、愛されていると感じさせるために、私の好きなタイプの人を演じて、擬似的な恋愛ごっこをするんだわ!きっとそうに違いない!けど......

 

 

私の好きなタイプってなんだろう?

国外追放にしない人?自分を殺しに来ない人?そんなの誰だって思っているだろうし...。顔が格好いい人?お金持ちの人?性格の良い人?...ジオルドとアランは大金持ちどころか、王族だし、ニコルも宰相の息子だ。みんな顔も性格も良い。...キースも両方揃っているけど、前世ならともかく今世だと可愛い弟にしか感じないわ...。乙女ゲームの攻略キャラだから、現実の人間よりも強いだろうな......。けどそれでも、異性として好きなのはピンと来ない。何故だろうか?......やはり...いずれ破滅フラグが訪れるから!?

 

破滅フラグのことは言えないわよ!どうやって言えばいいの!?私自身がどんな人を好きになるのかわからない!けど、言わないと先に進まないし、みんなを安心させることができないわ!どうしよう?!なんて伝えよう!?えーと...えーと...わからない...それに......

 

 

考えている内に眠たくなってきた....。そうだった...この頃倒れることがなかったから忘れていたけど、魔力を使いすぎると眠くなるのだった...。頭を働かせたから物凄く眠いわ...。

みんなには悪いけど...私、この眠気には耐えられないわ......。

 

お休みなさい。

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