乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったのに...さらに破滅フラグが舞い込んでしまった!? 作:オタクさん
「ハーックション!」
私は今...ベットで寝込んでいる。
幻(イリュージョン)の幻に惑わされて湖に落ち、さらに肌寒いのにそのまま疲れて寝てしまい、結果...風邪を引いてしまった。
あっちゃん...。私がいなくなった後も元気にしていたのかな...。
前世のお父さん、お母さん、お兄ちゃん、あっちゃん以外の友達。みんな大切な人達なんだけど、FORTUNE・LOVERの世界に転生してからは、あっちゃんの知識に助けてもらっているから必然的にあっちゃんになったんだろうな。そういえば...なんであの時...ソフィアの姿があっちゃんの姿と重なったのだろうか?う~ん......考えても分からない...。まっ、いっか!熱で頭も痛いしこれ以上考えるのはやめよう。
「それにしても...暇だわ...いつもはみんな来てくれる時間だから余計に感じるわ...」
いや...まてよ...今来ても困る。だって───
みんなの前で色々と言ってはいけないことを言ってしまっただもの!
悪役令嬢カタリナ・クラエスに転生したとか、あっちゃんのことか、腹黒ドS王子が攻略できないとか...どう言い訳するのこれ!?この世界が乙女ゲームの世界だなんて口が裂けても言えないわ!あーもー!思い付かない!こうなったら...寝たふりをするしかない!
寝たふりするつもりで目を瞑ったのだが、いつの間にか本当に眠ってしまったのであった。
「今度は寝すぎて眠れない...どうしよう...。勝手にうろちょろするわけにはいかないし...。でも...喉渇いたし...よし!呼びに行こう!そうしよう!」
「いや...そこはわいに頼めばええことやで...」
意を決して立ち上がろうとした私をケロちゃんが止めに入る。呆れ果てた顔でこちらを見ながら、パタンと、大きな音を立てて本を閉じた。
あれ...いつの間に...ケロちゃん部屋にいたんだ。それに...あの本...。私の部屋にある本棚の本ではない...。私がソフィアから借りた本?...うん?ちょっと待って、この頃ソフィアから本を借りていないし、借りていた本もソフィアにちゃんと返したはずだ。...じゃあ...ケロちゃんはどこから持ってきた?それとも...ケロちゃんも私と同じようにソフィアと本を借り合う仲になったの?
「あのなぁ...あれほど心配させたのに...。また変なことをしようして...少しは人の気持ちを考えたことはあるんか?」
私がケロちゃんの持っている本を凝視していると失礼なことを言う。
ナッ...!!随分と失礼な言い方をするのね!そりゃあ...悪役令嬢のカタリナ・クラエスなら人の気持ちを考えないでしょうけど私は違うわ!
「私は人に嫌がらせなんかしないわよ!」
「......ハァ。......もうええ......」
なんか凄く呆れられた...。そんなに可笑しなことを言った?!人として当たり前のことを言っただけなのに...私ってそこまで悪役令嬢だと思われているの!?その勘違いだけは訂正しないと!
「あのね!ケロちゃん...」
「あーはいはい、おまえさんの言い分は聞かなくともわかっておるわ。けどな...わいの言いたいことはそうじゃない。おまえさんは...人の好意に無頓着すぎる」
好意?なんで今この話をするの!?
「本を片しながらアンを呼んでくるから、その間にわいの言ったことを考えておるんやな」
私の言い分を聞かずにケロちゃんは出ていってしまうのであった。
「そうですね。ケロちゃんの意見が正しいと思います」
「えー!そんな!アンもケロちゃんの味方なの!?」
水を持ってきてくれたアンに先程の話をしたけど...私の肩を持ってくれるどころか、アンも呆れた顔で私を見てケロちゃんの味方になった。悲しい...。
「現実で変な恋愛をよく見せ付けられているから、せめて本を読んでいる時は忘れたい、恋愛物を読みたくないと、ケロちゃんは嘆いておりました」
ケロちゃんにかなり同情しているようだった。
恋愛物は読みたくないか...うん?じゃあ...あの時ケロちゃんが持っていた本は一体...何?私の持っている本はロマンス小説だから恋愛物だし、ソフィアから借りている本も恋愛物ばかり。...どこから恋愛物ではない小説を持ってきたんだ?...考えても心当たりがない。本のことばかり考えていたら、前世からのオタク魂に火が付いて、ケロちゃんが読んでいた本を読みたくなってきた。
「ねえねえ!ケロちゃんが持ってきた本を読みたいの!動いたら...駄目...?」
「......わかりました...。ただし、お医者様に許可をもらってからですね」
アンはため息をつきながらも了承してくれた。
熱も下がったことだし、本を選んだらすぐにベットに戻ることを条件に、お医者様から許可を得た私たちはケロちゃんが持ってきた本が置いてある部屋に向かう。
「お嬢様、この部屋でございます」
アンに案内された部屋は廊下の奥の方にある使われていない部屋だった。その部屋には本だけではなく、ぬいぐるみや花、机の上には手紙がたくさん置かれていた。
明らかに物置ではない感じの部屋。...前世だったらあり得ない。いくら荷物が多くてもこんな良い部屋を物置にはしない。流石貴族ね...。と言うか......
「なんでこんなにも物が置いてあるの?」
「こちらにある物全て、お嬢様へのお見舞い品でございます。お嬢様の部屋には入りきらなかったのでこの部屋に置かせていただいております」
「え...じゃあ...私は...ただの風邪でこんなにもプレゼントを貰ったということ!?」
前世ではあり得ないわ!
近所のお婆ちゃんから林檎とかの果物を貰ったり、クラスメイトから休んだ分のノートを見せてもらうことはあったけど、たかが風邪で部屋いっぱいになるほど貰えるなんて考えられないわ!これが貴族の力なの!?
「ジオルド様、アラン様、ニコル様、メアリ、ソフィア、キースみんな...。いつもいっぱい貰っているのに...私って今回の件で物凄く心配させてしまったのね...」
「いえ、ここにあるお見舞い品は...いつもの皆様からではなく......お嬢様には知らないお方からのお見舞い品です。それとお嬢様、今回だけではなく、常に心配されていることを自覚して下さい」
質問に答えるアンは何故か歯切れ悪く、少し俯きがちになっていた。
...そんなに答えづらいのこの質問?まあ...確かに...。前世の庶民の感覚を残っている私には心苦しく感じる。しかも大したことのない風邪なのに......貰ったからにはしょうがない。本とぬいぐるみは大事にし、花はアンとかに花瓶に入れてもらい、手紙はちゃんと返事を出そう。...うん!そうしよう!それが一番の礼儀だわ!
「じゃあ早速...手紙を持っていこう。本を読むのは後回し。読まないと返事も書けないからね。取り敢えず、この手紙を読んでみよう。えっと...何々...親愛なるカタリナ・クラエス様へ。長きに渡る間闘病生活で不安と孤独だと思いますが、このぬいぐるみを友達だと思い...うん?ちょっと待って...。私風邪引いたけど、闘病生活と言われるほど酷くないし、みんな来てくれるから別に寂しくないんだけど...」
寧ろクロウカード騒動で騒がしくなることもあるし、みんな遊びに来てくれる上、封印する度にお友達が増えるから寂しくないどころか、毎日が楽しい生活よ。会ったこともない人にこんなにも心配されると...善意からの言葉だから相手が悪くないとはいえ、なんだか反論したくなる。
「なんか凄く勘違いされているけど...私ただの風邪よ。この人になんて返事をすれば良いの?」
「...返事はしない方が良いと思います。それに...今の表向きのお嬢様は病弱でございます。取り繕うことのできないお嬢様には無理なので書かないで下さい」
アンはきっぱりと言い放つ。
嘘つくのが下手なのは自覚しているけど...そこまで言わなくても良くない?!
「わ、私だって取り繕うことくらいできるわ!それに...!返事出さないと相手にも失礼だし...」
「良いですか、お嬢様。お嬢様が考えていること以上に問題は大きいのです。クロウカード騒動に他の知らない人たちを巻き込んではいけないだけではなく、クロウカードのことを知られてしまったら...お嬢様は大変な目に遭ってしまうのですよ。そこを理解して下さい。位の高い貴族が位の低い無下にすることはよくあることです。お嬢様が気にする必要はありません」
「でも...!」
「そうですね。よくあることでも駄目なことですが...今回は事情が事情です。仕方のないことなので、お嬢様は気にしなくても大丈夫でございます」
必死に食い下がる私に、ふっと柔らかな笑みを浮かべるアン。
「お嬢様は本当に...変わりましたね」
変わったか...。
高慢ちきな悪役令嬢のカタリナ・クラエスならともかく...今の私の価値観はどこにでもいる普通の高校生。前世でよく何かしてもらったらお礼は言いなさいと、よく言われていたから何もしないのは性に合わない。けれどまあ...幻(イリュージョン)の件も合ったし、あまりらしくない行動よそう。
「...わかったわ。手紙を書くのは止めるわ」
「ええ、それが良いと思います」
アンが良いって言ってくれたし...罪悪感を感じる前に本を選んでこの部屋を出ていこう。......うん?この違和感はもしかして......最近気が付けるようになったクロウカードの気配!?
私は違和感を感じた方向、本棚の上を見上げると───
細長い耳と尻尾、ピンク色の真ん丸胴体、短い手足の兎みたいなぬいぐるみが置かれていた。
「クロウカード!!」
「えっ!?クロウカード!?」
私が叫んで指を指すとアンは驚いて及び腰なっていたが、私の傍から離れずに隣に立ち止まってくれた。
跳(ジャンプ)の鋭い目付きが少し動いたかと思えば、部屋中にある大量のぬいぐるみが一斉に動き駆け回る。
「きゃっ...!!お嬢様大丈夫ですか!?」
「大丈夫よ。動き回っているだけだし、別に当たったところで痛くないから平気」
ぬいぐるみをぶつけられたところで、痛くないはないからなんともないし困惑しかない。
それよりも...どうやって封印しようかなこれ...。動きは速いから捕まえづらいし、跳(ジャンプ)の体を掴めたとしても、封印の鍵やクロウカードを持っていない今一緒に空を跳んだら死んでしまう...。う~ん...解決策が思い浮かばない...ええい!鍵やカードがなければ取りに行けば良いだけの話でしょ!
「アン!お願い!私の部屋から鍵とカードを持ってきて!私跳(ジャンプ)のカードを見張っているから!」
「ですが...!お嬢様が危険です!私が見張りますからお嬢様が取りに行って下さい!」
「私は大丈夫よ!それに...跳(ジャンプ)の動きは知っているから何か合っても対応できるわ!」
私のことを思って引き下がらないアン。
気持ちは嬉しいんだけど...怖がっているのに見張りを頼むわけにはいかないんだよね...。跳(ジャンプ)の体を掴まなければ危なくないし。問題は屋敷内の敷地から跳(ジャンプ)が逃げ出してしまうこと。アンには悪いけど早く取りに行ってもらわないと!
「アン!お願いだから!私のことは気にせずに早く取りに行ってちょうだい!」
「......かしこまりました...。ですが...お嬢様...逃げられても旦那様がなんとかします。だから絶対に無茶はしないで下さい!何か合ったら必ず逃げるよう、それだけは約束して下さい」
「わかったわ...アン」
私が頷くとアンは渋々背を向けて出ていく。
ガッシャーン!
暫く何もしないで様子を見ていると、私が何もできないと判断し馬鹿にしたのか、窓を悠々と破壊して外に出る。
「あー!もー!待ちなさい!人が何もできないからっていい気になって!絶対に逃がさないから!」
「義姉さん!」
「お嬢様!ご無事ですか!?」
「カタリナ、無事か!?」
ガラスが割れたのと同時に、息を切らしたキース、アン、ケロちゃんが入ってくる。
「私は大丈夫!それよりも!鍵とカードをちょうだい!」
アンから鍵とカードを受ける取った私は窓から外に出ようとするが...
「お嬢様!?何をなさっているのですか!」
「そうだよ義姉さん!この時間ならソフィア様たちが来て足止めしてくれているから扉から出ようよ!」
「おまえさん...窓よりも扉から出た方が...普通に速いんちゃうか...」
三人に驚かれ呆れられてしまった。
「カタリナ様!」
私達が来たことに気が付いたメアリが叫ぶ。急いで屋敷を出るとジオルド、アラン、ニコル、ソフィア、メアリ、護衛のマックスとフランク及び護衛の人達が魔法や剣で応戦していた。
跳(ジャンプ)のカードが攻撃をしかけているからしょうがないけど、ただのぬいぐるみ相手に火で燃やしたり、風魔法や剣で切り裂くのは大袈裟すぎる。わざとやっているわけではないから何も言えないけど、なんか...心が痛む光景だわ...。...あれ?気のせいかな...。やけにジオルドが狙われているような...。ううん!今はそんなことを考えている場合ではないわ!早く封印しないと!
「闇の力を秘めし鍵よ。真の力を我の前に示せ。契約の元、カタリナが命じる。封印解除(レリーズ)!」
魔方陣の光を見た跳(ジャンプ)が体を大きくしようとするが......
「ぬいぐるみがないと何もできないのね...」
何も考えずに相手にぬいぐるみを投げ付けた結果、無事なぬいぐるみがなくなり巨大化できなくなったようだ。水魔法で濡れただけのぬいぐるみもあったが、それも包まれた水の泡の影響で干渉できなくて持ち上がらないみたいだ。...本当にこの子アホな子なのね...。
キースが土魔法で作り上げたゴーレムの腕が、何もできずにきょとんとしている跳(ジャンプ)を押さえ付ける。
「義姉さん!早く!」
「...あ!うん!わかっているわ!汝の在るべき姿に戻れ、クロウカード!」
跳(ジャンプ)は白い煙に縛られてカードの形をした光の中に吸い込まれていく。
「やった!今回も無事に封印できたわ!みんなありがとう!ところで...ジオルド様...やけに狙われていましたけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、カタリナ。この通りなんともありません。君に心配されるのなら悪くないですね。......あっちが悪いのに僕に逆恨みですか...全く...筋違いですよ......」
ジオルドは私の手を取り安心させようとする。
最後の方は聞こえなかったけど、無事に跳(ジャンプ)のカードを封印することができた。
次の日
走って汗をかき、魔力を使いきるなどもあってぐっすり眠り風邪が治った私はキース、ケロちゃん、アンなどの使用人のたちと共に道具に化けているクロウカードを探していた。
「お嬢様...サイレントが絵画、ソードがピンブローチ、ショットはカード、クリエイトは本...で、よろしいのでしょうか?」
「うん、そうよ。見付けたら報告お願いね」
「かしこまりました」
アンはお辞儀をして去っていく。
「見付かると良いね、義姉さん」
「ええ、見付かると良いんだけど...他の家にあったら大変だし...」
まだスティアート家とアスカルト家なら問題は少ないんだけど、他の家や施設にあったら大惨事だ。手伝ってくれるメアリがいてもハント家は協力的ではないから見付かってはいけない...。他の場所で見付かる前にこの家で見付けなきゃ!
私達が一生懸命に探していると、何やら慌ただしくバタバタと廊下を走る音が聞こえてきた。
「カ、カタリナ!ソードがピンブローチに化けているのは本当かい!?」
ロックもせずにお父様が部屋に入ってくる。
いつもは礼儀正しくしているお父様が無礼義だ。これだけでも何か異常事態が起きたことが容易に伺える。キースも身構えて固まってしまっていた。
「ど、どうしたのですか!?お父様!」
「ああ、私の愛しのカタリナよ!私は...私は...!とんでもないことをしまったようだ!!」
とんでもないこと!?それは一体どういうことなの!?
「じ、実は......」
お父様の言葉を遮るかのようにドアが斬られ、レイピアを持ちぼんやりとした目のお母様が無言で入ってくる。ああ......そういうことね...って!呑気に納得している場合じゃない!!
「みんな!逃げて!!」
私が呼びかけても怖いのか、それとも状況についていけないのか、はたまたお母様が操られていることにショックを感じているのか、どの理由かはわからないけど私以外全員動けなかった。こうなったら......
「剣(ソード)!力試しがしたいのでしょ!私が相手よ!かかってきなさい!」
「義姉さん!?何を言っているの!?」
「お嬢様!?」
私は剣(ソード)に挑発をする。
剣(ソード)に操られてお母様が他の人には眼中ないようで、私に向かって一直線に突進してくる。
「...うわ!?」
私はなんとかギリギリで避ける。お母様が剣を振るった先の壁は綺麗に真っ二つに斬られていた。
...ジオルドのルートのバットエンドで剣で斬りつけられてもいいように対策を考えていたけど、まさか、ジオルドに斬りかかれる前にお母様に斬りかかれるとは思いもよらなかったよ...。
体勢を直したお母様がこちらに剣を向ける。
どうしよう...このままだと封印の解除の呪文すら唱えられない...。部屋中動き回って逃げるのも他の人に危険が及ぶからできないし...。私が次の行動に悩んでいる時だった──
「ミリディアナ!正気を取り戻すんだ!君が剣を向けている相手は愛する我が子なんだよ!」
「そうだよ義母様!いつもの義母様に戻って!」
お父様やキース、部屋にいた男の使用人たちがお母様の体を後ろ、橫から羽交い締めして押さえる。
「お嬢様!今です!」
「闇の力を秘めし鍵よ。真の力を我の前に示せ。契約の元、カタリナが命じる。封印解除(レリーズ)!」
みんなが頑張ってくれている間に呪文を唱える。
押さえてくれている間に私はお母様に近寄って剣を振り落とそうとするが──
「お嬢様!危険です!近寄ってはなりません!」
「でも!剣を振り落とさないとお母様はずっと剣(ソード)に操られたままなのよ!」
「だからといって、お嬢様が近寄る必要はありません!」
私もアンに押さえ付けられて近寄れなくなってしまった。
「アン!お願い離して!幻(イリュージョン)のカードを使って足止めしても、お母様が見る幻はお父様になるから意味ないわ!風(ウインディ)、影(シャドウ)、木(ウッド)のカードで押さえ付けたらお母様だけではなくて、お父様、キース、みんなを傷付けることになるから嫌よ!」
「カタリナ!私のことは気にしなくて良い!早くやるんだ!」
「そうだよ!義姉さん!僕も我慢できるから!早く義母様の動きを止めて!」
みんなが大丈夫だと言ってくれても...嫌よ!私のせいで傷付けたくないわ!私が行かずに...誰も傷付けずに...剣(ソード)をお母様から引き離す方法。う~ん......う~ん......思い付かない...。そんな良い方法あるのかしら!?ううん!諦めないで見付けるのよ!そんな夢のような方法を───
合ったわ!!これよ!!これならいける!!!
「鏡よ、人の姿になりて、かの者の持つ剣を振り落とせ!鏡(ミラー)!!」
私が行けなければ代わりに鏡(ミラー)が行けば良いのよ!しかも!鏡(ミラー)は特殊カードだからクロウカードの攻撃は当たらない!
甲高い音と共に本来の姿で鏡(ミラー)が実体化し、鏡(ミラー)は何も言わずに走りお母様の手に手刀をする。その衝撃でお母様の手から剣(ソード)は離れ空中に浮かぶ。私はその瞬間を逃さずに叫ぶ。
「汝の在るべき姿に戻れ、クロウカード!」
カードの形をした光から青白い光が現れて、細長い線となり剣(ソード)を縛って封印をする。
二日連続でクロウカード騒動が起きてしまったが、みんなのお陰でなんとか無事に終わることができた。
因みに...もう貰い物は懲り懲りだと、暫くの間は親しい者以外プレゼントされても受け取られないことになった。しかも変化はそれだけでなく──
「良いですか、カタリナ。ちゃんと握って下さいね」
「義姉さん、何も考えずに振り回すのは危ないからね」
「お前、ほんと...勢いしか良いところがないな」
「カタリナ......これからは勢いだけでは駄目なんだぞ」
先生から剣の勢いだけ褒められて認められていたのに、何故かジオルド、キース、アラン、ニコルに剣の修行をしないといけないことになった。