乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったのに...さらに破滅フラグが舞い込んでしまった!?   作:オタクさん

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川が氾濫しました...

「やっほ~~!!」

 

「義姉さん!」

 

「カタリナ、調子に乗っては駄目ですよ!」

 

空を飛ぶのって、本当に気持ち良いわね!しかも夏だから風が心地良いわ!まあ...低空飛行で飛んでいるから、木にぶつからないように注意しないといけないけど...。クロウカードの攻撃を避ける練習と思えばいいか。しかし......

 

「もう...疲れたわ...。少し休憩しましょ...」

 

魔力が少ないのは大問題ね。この練習の成果で魔力が増えればいいのだけど...。この問題は早く解決しないと!なんせ、クロウカードを使うのも捕まえるのも、魔力が必要。魔力が切れると何もできなくなるだけではなく、疲労感が身体中に広がって動けなくなる。そうなると、危なくなるのよねぇ...。

 

私が木に腰かけて休んでいると.....

 

「カタリナ、大丈夫ですか?僕がお姫様抱っこを....」

 

「ジオルド様、その心配は要りません。家族である僕が、運びますので...」

 

「キース、君はひとりの女性として愛していると、宣言したのないですか?なら、僕の役目ですよ。だって僕は、カタリナの婚約者ですからね」

 

「それは今の話でしょ。義姉さんには、王子のお妃は務まりません。婚約を解消させていただきます」

 

私がこうして疲れて座っていると、ジオルドやキース、この場にいないメアリ、ソフィア、アラン、ニコル、ケロちゃんは物凄く心配してくれる。ジオルドとキースは率先して運ぼうとしてくれるし、メアリは「私が絶対運びますわ!ベットまで優しくお連れいたしますわ!」と、お嬢様育ちで非力なはずなのに、頑張って力になろうとしてくれる。ソフィアは運べない自分の代わりに、必死に兄であるニコルに頼み込む。アランとケロちゃんはアンを呼んできてくれる。ほんと、みんな優しいのだから!

 

「ジオルド様、キース、ありがとう。でも、ケロちゃんが呼びに行ったから大丈夫よ」

 

「そうですか...」

 

「そうなのですね...」

 

きっといつも通りにアンが運んでくれるから、大丈夫でしょう。...それにしても...二人とも首を下に向けてどうしたの?

 

「お~~い!」

 

「お嬢様、大丈夫ですか!?」

 

「ケロちゃん!アン!私は大丈夫よ」

 

「それはよかったです...。では、お部屋に戻りましょうか」

 

「いつもありがとうねみんな!」

 

アンは軽く会釈すると、私を優しく抱き抱えて屋敷に戻るのであった。

 

 

 

 

「ねぇ、みんな!川で水遊びをしない?」

 

「いけませんお嬢様。それにお嬢様は...もう少し...淑女の礼儀を弁えて下さい...」

 

「そうですよカタリナ。ここには男の人がいますからね」

 

「義姉さん!少しは恥じらいを持ってよ!」

 

「おまえさんはな...。そもそも今はそんな体力ないのに、どうやって遊ぶんや?」

 

屋敷に戻っている最中に川を見掛けた私は、思わず遊びたくなる。

だって夏と言えば水遊びでしょ!夏の暑さに、冷たい水が心地よい。でも...貴族の娘として生まれ変わったから、足出しは駄目みたいなのよねぇ~。何がいけないのかしら?前世では男も女も、下着とあまり変わらない水着を着るのに...。

 

「......?!クロウカードの気配があるで!みんな!気を付けるんや!」

 

「クロウカードが...」

 

「ついに...来たのですね...」

 

「......」

 

私が考え込んでいる間に、ケロちゃんがクロウカードの気配を察知する。ジオルドとキースは私とアンを守るように円陣を組む。アンは私を抱き締める力が強くなる。ケロちゃんは必死にキョロキョロして探る。

 

「......!?川の方からや!」

 

「「「「川!?」」」」

 

ケロちゃんが指を指す。その瞬間...

 

 

 

ザブン!!

 

水が大きな音を立てて、私たちの背よりも遥かに高い水柱が現れる。

噴水でもこんなに高くは作れないわよ!!やはりクロウカードの力は凄いわね!!

 

みんなは驚きすぎて呆然としてしまう。

けど、このカードの正体を見破った私とケロちゃんはカードの名を叫ぶ。

 

「「水(ウォーティ)のカードよ(や)!!」」

 

名前を呼ばれたカードはこちらに向かってくる。

...いやいや、ちょっと待ってよ!!名前を呼ばれたからってこっちに来ないでよ!!来てほしいくて、名前を呼んだ訳じゃないのよ!...ただでさえ、訓練したばかりの私は魔力がないのよ!これではお荷物になってしまってしまう...どころか!本当にお荷物だわ!...ああ~もうー!私が封印しないといけないのに!魔力が少なすぎて駄目じゃん!!

 

水(ウォーティ)は私たちを襲い掛かる。

 

「はっ!」

 

水(ウォーティ)の攻撃はジオルドが魔法で作り出した火とぶつかる。

火と水は互いに消し合いながら、一歩も譲らない。けど、火の方が劣勢だった。段々と火は消されて、水(ウォーティ)がこちらに近付いて来てしまう!

 

「みんな!こっち!」

 

キースはジオルドが頑張って止めている間に、土の壁を作り上げていた。その壁はとても分厚くて水(ウォーティ)の攻撃にも耐えられそうだ。

私たちは壁に隠れて一先ず休憩をする。

 

「カタリナ!夢で色々と知っているのですよね?!」

 

「ええ、そうよ...」

 

「なら!このカード...水(ウォーティ)の封印の仕方を知っていますよね?!どうやってやるのですか!」

 

いつも冷静なジオルドが必死に質問をしてくる。

私はその質問を答えたいのだけど...

 

 

状況が違いすぎる!水(ウォーティ)のカードは、漫画もアニメも、場所は違えど冷凍室で風(ウインディ)のカードを使って凍らせるのだけど...この世界には冷凍室なんてない!冷蔵庫すらない!凍(フリーズ)のカードも持っていない!持っていても、今は魔力がなくて無理!この状況でどうしろって言うの!!

 

「...あのね...。水(ウォーティ)のカードはね...。凍らせて捕まえるのよ...」

 

「凍らせるのですか!?今は夏なのにどうやって!?」

 

ぎこちなく言う私にジオルドが私の肩を掴んで、顔と顔がぶつかりそうになる。

いつもの雰囲気と違って、なんだか話しづらい...。焦ってしまう気持ちは痛いほどわかる。だから...

 

「一旦逃げよう!」

 

「「えっ...?」」

 

ジオルドの質問には答えになっていないし、キースは一生懸命に耐えようとしていたから拍子抜けにしてしまう。

けど今は、水(ウォーティ)を捕まえる魔力はないし、火は水に弱いし、土の壁は水を吸って崩れそう...。ぼうっと見ている場合ではない!とにかく速く!ここから離れなきゃ!水(ウォーティ)のカードは水辺から遠くまでは離れなれないはずだ!

 

「逃げるって言っても...どうやってやるのですか!?そもそも追い掛けて来ないのですか!?」

 

「そうだよ義姉さん。こんなの屋敷に連れて帰れないよ!」

 

「大丈夫よ!水(ウォーティ)のカードは水源から離れらなれないわ!川から距離を取ってしまえば、こっちのもんよ!」

 

「せやな。大体のクロウカードは、その場から動こうせんな」

 

「そうなのですね。...では、どうやって逃げるのですか?」

 

「走るのよ!」

 

「「「「...えっ...?」」」」

 

どや顔で私は答える。その答えにみんなは呆れ顔になる。

キースやジオルドのお陰で、充分休めた私には走る力はある。一先ず逃げて、また捕まえに行こう!

私が決意を固めていると、キースがやれやれと呆れた感じで溜め息を吐く。

 

「わかったよ義姉さん...。僕が土の壁をもう一回発動させるから、そしたらすぐに逃げられる?」

 

「ええ!逃げられるわよ!だって!キースの魔法は凄いのだから!」

 

「義姉さん...。義姉さんがそう言ってくれるのなら...頑張れるよ」

 

「...僕だって......頑張っているのに...」

 

「まあまあ、カタリナのことやから、単純に誉めているだけやで」

 

「君に言われてなくても、そんなことわかっていますよ...!」

 

「もちろん!ジオルド様も、アンも、ケロちゃんも。この場にいない、アラン様も、メアリも、ソフィアも、ニコル様も、みんながいてくれるから、頑張れるのですわ!」

 

私はムスッとしていたジオルドの手を握る。

そりゃそうだよねぇ。ジオルドも本当に頑張っているのに、省かれたらつまらないわよね。イラッとしてしまうのも当然だよね。しかし...原作ではカタリナに興味なかったジオルドが、婚約者の為とは言え、命を懸けて戦うなんて...本当に乙女ゲームの攻略キャラだわ。......あ、今度はキースがなんだかムスッとしている。なんで?

 

「はいはい、人誑かしは終わりにするんや。早よ、逃げるで!」

 

あ、そうだわ!逃げなきゃ!

水(ウォーティ)が土の壁を相手にしている間に、私たちは全力で走って逃げるのであった。

 

 

 

 

「なに!川でクロウカードに襲われだたと!?」

 

「ええ、そうなのですよ。アラン様」

 

逃げていきた私たちを屋敷で待っていたのは、アラン、メアリ、ソフィア、ニコルのいつものメンバーであった。彼らはジオルドほど遊びに来ていなかったのだが、クロウカードの件以降、ほぼ毎日屋敷に来るようになっていた。

 

「カタリナ様!ご無事でなによりですわ!」

 

「カタリナ様!ご無事で本当に良かったです!」

 

「ああ。みんなが無事でなによりだ」

 

メアリとソフィアは私に泣いて抱き付く。

いつも真顔のニコルもホッとしているようだ。

 

「ああ。無事で良かったな。...だが、どうやってそのクロウカードを捕まえるんだ?いつまでも、川に放置にはいかないぞ。カタリナ、夢の中ではどうやって捕まえたんだ?」

 

感動の再会の中アランが話を進める。

 

「え、え~と...それはですね...。凍らせて捕まえます...」

 

「凍らす?どうやってだ?今は夏だぞ」

 

「それは~......」

 

冷凍室で。なんて言えません...。ああ!もう!どうしよう!文明が前世よりも発達していないから、冷凍室戦法できないじゃない!どうすれば良いの?!

 

「カタリナ様!私は水の魔力持ちですわ!なので私が、水(ウォーティ)を止めてみせます!私が止めている間に、カタリナ様がカードを封印してください!」

 

私が悩んでいると、メアリが手を上げて代案を出してくれた。

そうか!火、水、風、土なら、その手の魔力持ちが干渉する手もあったんだ。原作だと魔力持ちって、かなり少ないからそんな発想は思い付かなかったわ!

 

「いや...それは無理やな...」

 

「そんなあ!私の魔力が少ないからですか!?」

 

「魔力の量の問題ではない。そもそも、クロウカードは、一枚一枚が災いクラスや。並みの人間では歯が立たん。弱らすことができても、干渉することは不可能や」

 

「そんなあ...」

 

「気をするなメアリ。相手が強すぎるだけだ」

 

自信満々だったメアリは、ケロちゃんに否定されてしょんぼりをする。そんなメアリをアランが慰めていた。

 

「冬までは待てないぞ」

 

「凍らすことはできなくても。何か...動きを止められれば良いのですが...」

 

ソフィアの言う通り、動きを止められれば良いんだよねえ...。何か良い案は...

 

「そう言えば...土の壁が水が吸い込んでいたけど...それを応用すれば、捕まえられるかな?」

 

土の壁が水を吸い込む...?...なんか、......閃きそう...。.........!?!?

 

「その手があったわ!!」

 

名案思い付いた私は、屋敷中に響き渡るほど叫んで、部屋の中を跳び跳ねながら回る。その様子にジオルドたちは目を白黒させて、アンは「お嬢様!お止めください!」と止めてくる。

今の私にはこの気持ちは抑えられない。だって、名案が思い付いたんだもの!

 

それは...

 

 

水(ウォーティ)を土で固めてしまえば良いのよ!

そうよ!畑仕事をすればわかるわ!じょうろの水が、畑を水浸しにしない。だったら...!水(ウォーティ)のカードが動けなくなるまで、土で固めてしまえば良い!

 

「カタリナ...。どのような案を思い付いたのですか?」

 

気を取り直したジオルドが聞いてくる。

私は得意満面になって答える。

 

「それは...そうですね...。ずばり!量で勝てば良いのよ!」

 

「.........量...?なんの...量ですか......?」

 

「土の量よ!」

 

「土...?それは...僕が、土の壁に水が吸い込んでいる、と言ったからですか?」

 

「そうよ。キース」

 

「......色々と突っ込みたいところがあるのだが...。どうやって水(ウォーティ)のカードに、土をぶつけるんだ?」

 

アランの疑問は最もだ。私は方法を必死に考える。

さて...どうやって当てようかしら?クロウカードって、結構素早いのだ。生半可な方法では、いとも簡単に避けられてしまうと思う。しかも、土そのままでは、当てるどころか、持ち上げることもできない。何か...持ちやすくて、当てやすい方法が.........あったわ!

 

「泥団子よ!」

 

「「「「泥団子!?」」」」

 

みんなの叫び声が揃う。

そんなに驚くものなの?みんなは泥団子を知らないの?泥団子って言えば、子供のお遊びの定番なのに...。しかも土と水があれば作れるから、この世界でも同じ遊びがあっても可笑しくはないのに...。

 

「...泥団子って...なんなのですか...」

 

「土を丸める遊びよ!」

 

「土を丸める...。...その遊びは楽しいの?」

 

「ええ、楽しいわよ」

 

「土を丸める遊びのどこが楽しいんだよ!」

 

「そうでしょか?結構楽しめますわよ。綺麗に丸の形の泥団子できた時には、達成感がありますわ。なんでしたから...アラン様!どちらが綺麗な丸の形をした泥団子を作れるか、勝負よ!」

 

「なんだと...!?お前からの挑戦なら!受けて立つ!」

 

「カタリナ様!」

 

「カタリナ様が楽しいとおっしゃるとなら、私も泥団子ぜひ作ってみたいです!」

 

「............」

 

「お嬢様!?アラン様!?」

 

「カタリナ!おまえさん、途中から目的が変わっとるで!」

 

私とアランは、庭まで自然と競争しながら向かうのであった。

 

 

 

「二人とも...なにしてんねん....」

 

「アラン...。カタリナの突拍子もない行動はともかく...なぜ貴方までもが、一緒になっているのですか?」

 

「義姉さん......アラン様......」

 

「お嬢様ったら......庭をこんなにもぐちゃぐちゃにして......」

 

「カタリナ様!私もご一緒にさせてください!」

 

「私も!」

 

「.........」

 

私が泥団子を作る準備を終えて、アランと競争をしていたところにみんながやって来た。遅れてきたみんなの反応は様々でケロちゃん、ジオルド、キース、ニコル、アンは物凄く呆れていて、メアリとソフィアはかなりやりたがっていた。私は呆れている組を一先ずおいて、メアリとソフィアに説明をする。

 

「いい?泥団子の作り方はね...。まず、土を水で濡らします」

 

「土を...」

 

「水で濡らす...」

 

メアリとソフィアが準備をできたところで、説明を再開する。

 

「そうそうそんな感じ。で...水の量を気を付けてね。量が少なすぎるとまとまらないし、多すぎると今度はベチャってなって、固まらないの」

 

「カタリナ様。こう...ですか...?」

 

メアリはかなり手間取っていた。逆にソフィアはとても慣れた手付きで、泥団子を作り上げていた。

...ソフィアって、お外で遊ぶような子だったかしら?でも...泥団子のことをさっきまで知ってなかったわよね...?...ま、いっか。

 

「そうよメアリ。その調子よ!」

 

「ありがとうございますカタリナ様!私、頑張りますわ!」

 

「あ、狡いです!私のどうですか?カタリナ様!」

 

「ソフィアは物凄く上手だわ!」

 

「ありがとうございます。カタリナ様!」

 

「私だって、負けませんわ!」

 

「見ろよカタリナ!綺麗な泥団子を作ったぞ!」

 

「ふふ~~ん...。アラン様、まだまだ甘いですわ。綺麗に形を整えても...固さが足りませんわ!」

 

「なんだと!?丸の形の綺麗さで勝負をしていただろ!急にルール追加とか、卑怯だぞ!」

 

「確かにルール状ではそう言いました。...ですが、その泥団子は投げる物ですわ。だからある程度は、強度が必要なのです。それに...綺麗さを競うのに......形だけではなく!光沢も必要ですわ!」

 

私はアラン様に、ピカピカに磨き上げた自信作を見せ付ける。

前世でたくさん作ってきたのですもの。そうそう簡単に負けませんわ。......まあ、ルールから揚げ足を取る大人げない方法だけど...。けど、アランは次は負けないぞ!と張り切っているから大丈夫か。

 

「おまえさん方はな...!!本来の目的はなんなのか!忘れとるわけないよな!...って!キース、ジオルド、ニコル!あんたらも何拘り始めておるで!!」

 

「ケロちゃん。...もう諦めましょう......」

 

ケロちゃんとアンは呆れているけれど、ジオルド、キース、ニコルも参加したことで、泥団子作りは順調に進むのであった。

 

 

 

「ところで...。どうやって、水(ウォーティ)に泥団子を当てるのですか?」

 

泥団子を作っている最中に、ジオルドが大事なことを質問してくる。

 

「投げて当てるのよ!」

 

「義姉さん...。そんなの無理だよ...」

 

どうやら私の解答は駄目みたいだ。

そんな時だった。ソフィアがスッと手を上げていた。みんなの視線がソフィアに向くと、ソフィアは兄のニコルと私を交互に見ながら話し出す。

 

「カタリナ様、私とお兄様の風の魔力で、水(ウォーティ)の動きを止められませんか?」

 

「俺とソフィアの魔力で、か....。そんなことは可能なのか?」

 

「確かに...風(ウインディ)...風の魔法で、よく、クロウカードの動きを止めるシーンはあるわ!」

 

「なら...できるのか...。でも...ソフィアにそんな危ないことはさせたくないな...」

 

「大丈夫ですわ!お兄様!それに...こんなロマンス小説のような出来事を、見逃したくはありませんわ!」

 

「そ、そうか...」

 

ソフィアの熱意にニコルは押され気味だ。

誰が見ても止まらないソフィア。そんなソフィアにジオルドは、やれやれと溜め息を吐いた。

 

「だったら僕は、火で水(ウォーティ)を弱らせて見せます。...力差では負けてしまいましたが...相手の動きを止めることくらいなら出来ます!」

 

本当にみんな、やる気が凄いわね。なんでこんなにもやる気があるのだろうか?ソフィアなら、ロマンス小説のような出来事に憧れているからって、理由がわかるけど...。

 

「まあ...取り敢えず、明日、クロウカードを捕まえに行くで!」

 

ケロちゃんの言葉に私たちは一斉に頷き、明日に備えるのであった。

 

 

 

翌日

コンコン。私の部屋の外で誰かがドアを叩いている。

 

「義姉さん。行く時間だよ」

 

「私準備があるから、先に行っててね」

 

「そうなの?わかった。外で待っているね義姉さん」

 

「うん。ありがとねキース!」

 

すぐに納得したキースは部屋から離れていく。

...さてと...。みんなを待たせるわけにはいかないから、準備を始めますか...。その準備は....ずばり、カードキャプターさくらの醍醐味とも言える...。そう...それは...!

 

 

可愛らしい衣装を着ることよ!

 

この世界には、衣装を作ってくれる知世ちゃんはいないけど!このカタリナ・クラエスには、公爵家の娘として、ドレスならいっぱいある!私だって、可愛らしい衣装を着て挑みたいわ!

私が意気込んでドレスを選んでいると...

 

 

「早よ行かんかい!」

 

ケロちゃんに怒られました...。

 

 

 

「みんな!お待たせ!」

 

「いいえ。こちらも来たばかりですから大丈夫ですよ」

 

「お前...なんで遅れて来たんだ?」

 

私は急いでみんなの元に走る。

アラン以外は特に気にしてはいなかった。

 

「実は...ちょっとね...」

 

「何故か急に、服を選び始めたから遅れてしまったんや!」

 

私が言い淀んでいると、ケロちゃんが勝手に言ってしまう。

 

「別に良いじゃないの!」

 

「義姉さん、服を変えるのは良いけど、もう少し時間を考えた方が良いよ」

 

「カタリナ様は何着ても、お似合いですから大丈夫ですわ!」

 

「と言うかなんで、服を着替えようとしたんだ?」

 

「それは...夢の中の少女が...可愛らしい衣装を着ているのが、羨ましくて...」

 

「カタリナ...。カタリナはなに着ても可愛らしいのですから、気にしなくて良いのですよ。もちろん、着飾った姿も見てみたいのですが...」

 

ジオルドはそう言って私の手を握る。

励ましてくれるのは嬉しいのだけど、私は単純にさくらちゃんの衣装が着てみたかっただけで、容姿を気にしているわけではないよ。...まあ、この悪役面は変えられるのなら、変えたいのだけど...。

 

「みんな!そんなことをしている場合ではないで!クロウカードの動き出すで!準備はええか!」

 

そうだ!準備をしなくては!

私は小さな鍵を握って唱える。

 

「闇の力を秘めし鍵よ。真の力を我の前に示せ。契約の元、カタリナが命じる。封印解除(レリーズ)!」

 

鍵を本来の大きさに戻す。

私が準備を終えた頃には、みんなの準備も終わっていた。

 

水(ウォーティ)も待っていたかの如く、私が唱え終わると動き出す。

 

「はっ!」

 

水(ウォーティ)の攻撃はみんなに当たることなく、ジオルドが魔法で作り上げた火とぶつかる。

今は拮抗としているが、力差ではそのうち負けてしまう。けど、私たちは一人ではない!

 

「行くぞ、ソフィア」

 

「はい!お兄様!」

 

ニコルとソフィアの風の魔力が、水(ウォーティ)の周りを包み込む。火と風が互いに混ざり合い、まるでクロウカードを二枚同時に使っているみたいだ。

 

「えい!」

 

「私だって!カタリナ様の役に立って見せますわ!」

 

「これでも食らえ!」

 

キース、メアリ、アラン、アンが泥団子投げ続ける。泥団子は魔法の風に当たって砕けるが、水(ウォーティ)の水を吸い込む。投げていくうちに、風は茶色く染まっていく。そのせいなのかはわからないが、水(ウォーティ)の動きが段々と鈍くなる。

 

「カタリナ!今がチャンスや!」

 

「わかったわ!」

 

私を腕を精一杯伸ばして杖を水(ウォーティ)に近付ける。そして勢いのまま、振りかざす!

 

「汝の在るべき姿に戻れ、クロウカード!」

 

カツンっと、甲高い音が鳴る。私は少ない魔力を振り絞って、水(ウォーティ)を封印しようとする。

 

「やったわ!カードを封印したわ!」

 

数十秒間の攻防の末、なんとか封印が出来たのであった。喜びのあまり私は、疲れも忘れてその場ではしゃぐのであった。

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