乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったのに...さらに破滅フラグが舞い込んでしまった!?   作:オタクさん

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すり抜けてしまった...

僕、ジオルド・スティアートには婚約者がいる。その名はカタリナ・クラエス。その婚約者が最近、とんでもないもにハマってしまっている。

 

それはクロウカード。

クロウ・リードが作り出したカード。そのカードの封印が解かれた時、世界に災厄が訪れると言われている。その言葉通り僕たちの手に負えなかった。だから、関係者にはできるだけ早く引き取りに来てほしい。

 

クロウカードの件を早く終わらせるため、カタリナから夢の話をよく聞くようにしている。

カタリナは夢の話をしている時本当に嬉しそうに語る。そのことは良いのだが...

 

シャオランの話だけは気に食わない。

カタリナはシャオラン君と親しげに呼び、どんな風に立ち向かったのか、彼が魔法を使う動作が格好いいとか、魔法だけではなく体術も凄いのだと目を輝かせ、まるでソフィアとロマンス小説について語っている時のようであった。

 

気に食わない...!僕だって、カタリナを守るために頑張っているのに...。...まあ、幸いなことに、シャオランはクロウカードに選ばれたサクラという少女と付き合っている。

 

しかし...カタリナはクロウカードに害はないと言っているが、何を根拠に言っているのかがわからない。あんなカード、害でしかない。怪我をしなかったのも、誰も死ななかったのも、実力と運があったから無事にすんだのではないか。なのに...何故...?ソフィアも途中から、なんで怖くないって言い出すんだ!!?

 

なんでカタリナとソフィアは、笑顔で自信満々なのだろうか?恐怖を感じないのだろうか?...僕は...正直に言って....

 

クロウカードが怖い。

王族はみだりに魔法を使ってはいけない。だけど、国と民を守るために普段から訓練を行っている。言われた指示を楽々とこなすことが出来るほど、僕は魔法の腕も魔力も普通の人よりもあり、自信を持っていた。だけど...

 

クロウカードには効かなかった。

全力を出しても、クロウカードを倒すどころか、動きを止めることだけで精一杯だった。常に死と隣り合わせの戦い。生まれて初めて僕は死の恐怖を知る。けど...逃げたい思ったことは...

 

一度もない。

カタリナを見捨てるくらないなら、守りに行って死んだ方がましだ。僕はカタリナを喪いたくはない!彼女のいない世界で僕は生きたくはない!

 

こんな恐怖、カタリナを喪ってしまう恐怖と比べたら可愛いものだ。

 

「.........ジオルド様!」

 

「...なんでしょうか」

 

僕が窓の景色を眺めながら考え事をしていると、執事から声をかけられていた。

僕は渋々執事の顔を見る。これから話をする内容は知っているから、いつものような上っ面の笑顔さえもできない。

 

「...今度、モウブレー公爵家のお嬢様との縁談がありますが......」

 

「僕の婚約者はカタリナ・クラエスと決まっています。縁談の話は必要ありません」

 

「しかし...。今のカタリナ様には...王家に相応しくありません...。あのような禁術の類いある魔法に手を出してしまったのではありませんか。それに、カタリナ様は、ジオルド様の婚約を破棄してもよろしいと言っておりますし...」

 

「婚約者を一人も守れない人は王族を務まりませんし、クロウカードを野に放ってしまったのは僕の責任です。それと、カタリナとクロウカードの契約はほぼ事故みたいなものです。ですから、僕は婚約者として、一人の王族として、これからも守り続けます」

 

「ジオルド様......」

 

「とにかく、誰がなんと言おうと、僕はカタリナを守り続けます。例え王家から反対されて独りになったとしても、僕は自分の行動を貫きます」

 

僕がいつものように真剣な表情で言えば、執事は諦めて引き下がる。

執事のする話はいつもこれだ。カタリナとの婚約を解消のことだ。

 

カタリナが契約をしたクロウカード。

クロウカードには闇の魔力が秘めている。闇の魔力は生まれながら持っているものではなく、人を殺すことで手に入れることができる魔力。闇の魔力は人を操ったり、記憶を消すことが出来る危険で異質な魔力。その厄介さから、限られた者しか知らせないほどのものだ。だからこそ、闇の魔力を手に入れてしまったカタリナを王家に入れたくないであろう。しかし...

 

それでも僕の婚約者はカタリナが良い!闇の魔力と言うものを持っていたとしても、彼女は人は殺していないし、クロウカードを全部封印すれば悪さはしなくなるとカタリナは言っていた。クロウカードのことは知識のある彼女の発言の方を信じさせれば良い。今は周囲の人達を納得させる方法よりも...

 

クロウカードの効果、行動、試練の内容が気になる。

未知の闇の魔力と言えども、他人を操ったりとできることは限られている。けれどもクロウカードは風を起こし、空を飛び、水を操り、泡で物を洗い、本を移動させる...出来ることが多すぎる。だからこそなのか、あんな危険な試練になってしまうのか...?どんなに考えても僕にはわからない。

 

試練についての悩みは、どんなに考えてもわからないので、一先ず置いておいて別のことを考え始める。この問題だけでもとても厄介なものだが、何も..敵は...クロウカードだけではない。周囲の大人達だ。

はっきり言ってクロウカード騒動は絶対にバレる。詳細はなんとか隠せても、異常事態が起きていることは隠すことはできない。怖がられるだけならまだましだ。カタリナをその人に近付けさせなければいい。問題は......

 

 

カタリナが利用されることだ。

第三王子として生まれ、何事も完璧にできる僕は常に大人達からおべっかが使われていた。僕の地位や能力を利用するために。もし、カタリナがクロウカードを自由自在に使えることがバレてしまえば......僕以上に利用されてしまうのは考えるまででもない。クロウカードの力を使えば、この国を乗っ取ることさえも簡単だ。しかもカタリナは、困っている人を見掛けたら、後先考えずに使ってしまうのであろう。僕はその優しさが好きだ。だからこそ......

 

 

その優しさを付け込む奴は僕が潰す!彼女の純粋な気持ちは誰にも傷付けさせはしない!

 

この先どんな危険な試験が待ち受けているのか、どんなに険しい道が待ち受けているのかは想像できない。けど僕は絶対、カタリナのことを守ってみせる!

とにかく、僕の意思は堅いのですからいい加減に諦めて下さい。誰になんと言われようとも、僕の幸せはカタリナの傍で生きることだから...

 

 

 

「ジオルド様、いらっしゃい!」

 

今日も僕と弟のアランはカタリナのところに行く。

カタリナは僕がプレゼントをしたドレスを着てくれており、笑顔で僕たちを出迎えてくれた。

カタリナの後ろにはアン、ケロちゃん、笑顔だけど苦々しい顔のキースとメアリ、無表情気味だけど笑顔のニコル、兄のニコルをカタリナをくっ付けるため、日々隙を狙っているソフィア。僕の後ろできょとんとしているアラン。

カタリナの笑顔が疲れていた僕の心を癒していく。この笑顔を守ってみせる!それと...皆さん、カタリナは僕のものですよ。

 

僕はカタリナを守る決意と共に、カタリナ争奪戦に負けないように常に気を配る。

彼らは僕の友であり、カタリナ守るための仲間ですが、同時に恋のライバルだ。

 

 

「ジオルド様!」

 

僕がお茶を飲んでいると、カタリナが僕の声をかける。なんだかその様子は意を決しているかのようであった。

 

「どうかしたのですか?カタリナ」

 

僕は安心させるようにとびっきりの笑顔を向ける。

...僕はいつも君の前では本物の笑顔なのに...気が付いてくれない。どうすれば君は、僕の気持ちに気が付いてくれるのでしょうか?

 

僕が尋ねてもカタリナは、恥ずかしそうにもじもじしている。

もしかして...これは...!?

 

カタリナが僕への気持ちを自覚し始めた!?あのカタリナが!?あの人の恋心に鈍感なカタリナが!?そんなことは...

 

いや、考えすぎはよくはない。だってあのカタリナだ。未だに蛇の玩具を投げる練習をしている、あのカタリナが...。...けど、僕と初めて出逢った時カタリナは、ベタ惚れで僕の傍から離れなかったのに...。...まあ、転んでからは、まるで性格が変わったかのように相手にされなくなってしまいましたが...。それがまた...いや、今はそんなことを考えている場合ではない!

 

今にもキースとメアリが邪魔をしようとしている。

さて、どうしようか?と僕が悩んでいると...。

 

「カタリナ?!」

 

「「「「「義姉さん?!カタリナ?!カタリナ様?!お嬢様?!」」」」」

 

カタリナが僕の手を取って部屋を出る。みんなの呼び止める声を無視して。

僕はカタリナに任せて屋敷を飛び出した。

 

 

 

「カタリナ...。どこまで走るのですか...?」

 

夢中で走っているうちに、いつもカタリナが登っている大きな木の所まで来てしまっていたようだ。

質問がいっぱいありましたが、カタリナが息を整えるまで待つ。

 

「カタリナ...。どうして僕をここまで連れて来たのですか?」

 

僕が尋ねてもカタリナは恥ずかしがっているのか、いつものように話をしてくれなかった。

そこで僕は話しやすくするために優しく声をかける。

 

「カタリナ。今はみんながいないから気にしなくていいですよ。いつものように気軽に話をしてみて下さい」

 

僕が尋ねてもカタリナは黙ったままだった。でも、恥ずかしくて黙るというよりも、何を話せばわからないようであった。

 

悩んでいたカタリナが木を見詰めて叫ぶ。

 

「ジオルド様は、木に登る女性がお好きですよね!?是非、私と一緒にあの木に登りませんか!?」

 

「!?」

 

カタリナの予期せぬ答えに僕は呆然としてしまった。

カタリナの行動の予想ができないことはいつものことだが、どうしてそのような結果に辿り着いたのかは検討もつかない。

 

呆然としている僕を見ているカタリナは、どうすれば良いのかわからず慌てている。

...そんな姿さえも、愛おしい。いや...今はカタリナに見惚れている場合ではありませんね。

 

「...わかりました。一緒に登りましょうか」

 

木に登ることはいけないことだが、カタリナとの二人きりのチャンス、せっかくのお誘いを断るわけにはいきません。...木に登ったことは一度もありませんが、見様見真似で出来るのでしょう。

取り敢えず僕は、カタリナに誘われるがままに木に昇りました。

 

 

それなりの高さまで登る。

二人分支えられる程の木の枝をカタリナが見付けると、そこに座るように勧められる。僕とカタリナはその枝の上に座る。

 

僕はカタリナを横顔を見詰めながら様子を伺う。

カタリナはなんて言おうか、今も迷っているようであった。ずっと見詰めていても飽きないのだが、それだと、カタリナが余計に話しづらくなってしまうから、待っている間景色でも見ていようか。

 

どこまでも広がる青空には、雲がふわふわと浮かび、鳥が自由に空を飛んでいる。

...そういえば、クロウカードの中には、フライという空を飛べるカードがあったはずだ。カタリナの魔力が強くなれば、二人乗りくらいなら軽く飛べると、ケロちゃんがそう言っていた。カタリナと一緒に空を飛ぶ。...なんて素晴らしいことなのだろう!

 

空に飛んでしまえば、誰にも邪魔をされることはない。カタリナと二人きりでいられる。どこまでも自由な空に、誰にも邪魔をされない空間で、僕はカタリナの手を取って愛をささやく。

 

「カタリナ...僕は、君だけを愛しています」

 

「ジオルド様...」

 

ここで二人は幸せなキスをするのですが...そんな展開にはなりませんよね。カタリナは空を飛ぶのに夢中になっていて僕の話なんか聞きませんね。

カタリナのことを考えいたら、自然と笑みが浮かぶ。そんな時だった...

 

「ジオルド様はそうやって笑っている方が良いです」

 

僕と目が合ったカタリナが言う。

カタリナが急に話をしたものだから、僕は驚いて目を見開く。

 

「ジオルド様は最近...疲れたそうな顔をしていて...」

 

どうやらカタリナは僕のことを心配していたみたいだ。

 

「私の魔力が多ければ...ジオルド様にもみんなにも迷惑をかけることなく、一人でやれるのですが...。...あ、でも、さくらちゃんでも、一人では無理だったしなあ...。だからと言って、みんなを巻き込むのは...」

 

困ったような笑みを浮かべてカタリナは言う。僕が反論をする前に話を続ける。

 

「とても怖かったですよね?眠れない夜もあったと思いますし...。私がクロウカードの封印を解いてしまってから、ジオルド様はとてもお疲れのようで...」

 

カタリナの言う通り、クロウカードの封印が解けてからは眠れない日があった。だけど、それは、クロウカードに襲われた恐怖よりも、カタリナを喪ってしまうかもしれない恐怖だ。

 

「なんて声をかければ良いのかわからなくて、どうしようかなあと、迷っていたのですが...」

 

 

 

「笑顔になれて本当に良かった」

 

カタリナの笑顔が太陽と重なる。

 

「私、ジオルド様の悩みを解決することはできませんし、一人では何もできないから、終わるまでの間ずっと怖い目に遭わせてしまいます。本当は逃げても構いませんけど、ジオルド様は逃げる気がありませんよね...?」

 

カタリナが縋る目付きで尋ねる。

僕はすぐさま頷く。僕が頷くと、カタリナは少し残念そうな表情になる。

当然のことだ。誰になんと言われようとも、離れる気はありません。例え、カタリナから言われても僕の気持ちは変わりませんよ。

 

「私は一人で立ち向かえなくて、みんなを困らせてしまいますが、みんながいつもしてくれたように辛い時や悲しい時は傍にいます。ジオルド様の気が済むまで、お話を聞くことはできます。だから...」

 

 

「独りで抱えないで下さいね。ジオルド様。私はジオルド様が笑っている姿が一番好きです」

 

言い終えたカタリナが、僕の手を握って笑顔でお願いをする。彼女の笑みはまるで花が咲くように、朗らかで温かななものであった。

 

「だったら...お願いがあります...」

 

「?なんですか?」

 

僕の決意にカタリナは首を傾げる。

カタリナ、僕が笑っている姿が一番良いですよね?だったら、僕との婚約を破棄しませんよね?僕の気持ちに応えてくれますよね?

 

「カタリナ、僕との婚約を...」

 

僕はこの先の言葉を言えなかった。

 

「えっ!?!?何これ!?何これ!?どうなっているの!?」

 

カタリナの体が木の枝にすり抜けてしまっている!?こんな非現実的ことを起こす存在は...

 

クロウカードだ!

 

だが、今はどのカードがやったとかは関係ない、カタリナを引き上げることに集中をしなくては!

くそ!今のカタリナはいつ、どんな危険に遭うのかわからないのに、二人きりになれることしか考えなくて、カタリナを危険な目に遭わせるとは...!!婚約者として情けない!

 

どんなにカタリナを引き上げようとしても、カタリナの体は木の枝をすり抜けてしまう。

何があっても...絶対...この腕が折れてしまっても...!!離してたまるかあ!!

 

そんな僕の決意は無駄になる。

 

「ジオルド様!離して下さい!ジオルド様も落ちてしま...えっ!?」

 

僕の体も木の枝からすり抜けてしまった。

木の枝からすり抜けてしまった僕らは、そのまま地面に吸い込まれるように落ちていく。僕はカタリナだけでも守るために、カタリナを必死に抱き寄せて衝撃に備える。

 

僕はどうなっても良い!だから、カタリナだけは助けて下さい!僕は居もしない神様に願う。

 

僕の願いが通じたのか...

 

 

 

「なっ!?」

 

丁度空を飛んでいたケロちゃんに出会う。

ケロちゃんは急いで僕たちの服を掴んで持ち上げようとする。けれども、体格差がありすぎて持ち上げることはできなかった。

 

「うっうぅ...重いねん!!」

 

ケロちゃんも僕達と一緒に落ちるだけだった。

先程よりも遅いスピードで地面に向かっていく。死が刻一刻と迫る中、風が僕らを包み込む。

 

「カタリナ!ジオルド!」

 

「カタリナ様!ジオルド様!大丈夫ですか!?」

 

「ニコル、ソフィア。二人ともありがとうございます」

 

ニコルとソフィアが風の魔力を使って、僕達を助けてくれたようだ。いつものメンバーも来てくれていた。

僕はニコルとソフィアに礼を伝えてから、カタリナを優しく地面に下ろす。殺されそうになって怖がっているのか、ピクリとも動かなかった。

 

「もう大丈夫ですよカタリナ。地面に立っていますから...カタリナ......?」

 

僕が語りかけても返事をしないカタリナ。

カタリナの様子に不振に感じた僕は、カタリナの顔を覗き込む。そこには......

 

 

顔を真っ赤に染め上げて照れている彼女の姿が目に映る。

 

「......!!」

 

僕は思わず動きを止めてしまう。

あんな...わかりやすく...照れてくれるんだ...。物凄く可愛い。いつまでも見ていたい...駄目だ、今はクロウカードの封印に集中しなくては...。

 

そうこうしている内に、どこにクロウカードがいるのかわからなくなってしまった。

カタリナには悪いが、この木ごと燃やさせてもらう!

 

「おい!?ジオルド!何やっているんだよ!」

 

「アラン様の言う通り!この木はカタリナ様がよく登っていらっしゃている...」

 

「それはわかっています!ですが!この木にクロウカードが現れたのです!」

 

アランとメアリが止めに入ろうとしたが、クロウカードと聞いて立ち止まる。けれど、この木と思い出深いアランは悔しそうに拳を握っていた。

 

「アラン...」

 

「アラン様...」

 

アランは迷いを振り払うと意を決する。

 

「...ッ!!仕方ない!さっさと捕まえるぞ!」

 

アランの決意に応えるべく、僕は火の魔力で木を燃やしてクロウカードを追い出そうとする。

 

「......あれ...?木が...木が燃えている!?」

 

木が燃えたことにより正気に戻るカタリナ。

 

「カタリナ!クロウカードが現れたで!」

 

ケロちゃんが僕らの代わりに説明をしてくれる。

 

「えっ!?クロウカードが現れたの!?」

 

「せやから!鍵を準備するんや!」

 

「......う、うん!わかったわ!ケロちゃん!」

 

カタリナは木を燃やされていることにショックを受けていたが、なんとか気を取り直して鍵を取り出す。

 

「闇の力を秘めし鍵よ。真の力を我の前に示せ。契約の元、カタリナが命じる。封印解除(レリーズ)!」

 

呪文を唱えるカタリナの足元には、太陽と月の黄金の魔方陣が現れる。周りを光で満たし、小さな鍵は段々と大きくなって杖になる。

 

いつも笑顔で、愛くるしい君が、この時ばかりは格好よく感じてしまう。また僕の心をざわつかせる。

...こんなことを考えている場合ではないのに考えてしまう。

 

気を引き締めなおして火を強めると、木から異国のドレスを着た女性の姿が現れる。

あれが今回のクロウカードか!

 

「ハアア!」

 

「逃がしません!」

 

クロウカードが動く前に、キースが土の魔力で壁を作り、ニコルとソフィアが風の魔力で壁ごと囲んで動けなくする。

 

「汝の在るべき姿に戻れ、クロウカード!」

 

動けなくなるとクロウカードの封印が始まる。

土の魔力や風の魔力で動けなくなったとはいえ、それでもまた、カードが暴れそうであったので僕は火の魔力で応戦をする。

 

「やったわ!カードを封印をしたわ!」

 

程なくしてクロウカードが元の姿に戻る。

カードを封印をしたカタリナがはしゃぐ。

はしゃぐ余裕があるということは...それだけ成長をしたようですね。

 

見届け終えた僕がカタリナを見ていると...

 

「ジオルド様!今後は無茶をしないで下さいね!」

 

カタリナはプンスカという疑問が聞こえてくるほど怒っていた。

カタリナだけには言われたくなかったが、心配をしてくれる気持ちは凄く嬉しかったので、甘んじて受け入れる。

 

けど、急にカタリナは笑顔になる。

 

「ですが...ジオルド様格好良かったです!」

 

その微笑みだけで先程までの怒りがあっさりと消えていく。

ああ...なんて癒されるのだろう...。

今度こそ、カタリナの様子を存分に見詰めていると...

 

「...って!あーー!!私のお気に入りの木が...」

 

「申し訳ございません。カタリナ様。私の魔力では...」

 

「......悪い...」

 

カタリナが変わり果てている木を見て愕然としていた。

アランとメアリが水の魔力を使って火の消火に当たっていたのだが、火の勢いに間に合わず、ほぼ全焼になってしまっていた。

 

メアリとアランが必死に謝っているが、カタリナは聞いていなかった。

これでは意味がありませんね...。カタリナの身を守ることは当然ことなのだが、泣かせては駄目ですね...。

 

早くクロウカードの封印を終えて、平穏な日々を取り戻すと、僕は誓いながらカタリナの傍に寄り添うのであった。




カタリナがジオルドが木に登る女性を好きだと勘違いした理由は、ゲーム本編で道に迷ったマリアが木に登ろうとしたところから出会い、そこからジオルドが興味を持ったからです。
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