ほむほむに転生したから魔法少女になるのかと思いきや勇者である   作:I-ZAKKU

10 / 96
 ご指摘をいただいたので世界観について加筆修正を行いました。説明不足で皆様にご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。

 ほむほむのほむほむによるほむほむのためのほむほむをほむほむしてください!

 Let's HOMUHOMU!!


本編
第一話 「ほむほむに転生していました。」


 皆様は『魔法少女まどか☆マギカ』というアニメをご存知だろうか?

 放送前に誰もが可愛らしい女の子達の夢と希望が詰まった魔法少女アニメだと思っていたあの『まどマギ』だ。その実態は夢も希望も存在しない、衝撃的でありながらも悲劇的なダークファンタジー。

 

 3話で主人公達を導く先輩ポジションのメインキャラクターが死亡した(マミる)衝撃は後世に永遠に語り継がれるだろう。だが本編の絶望においてこの先輩の死亡(マミさんマミる事件)は序の口だったのだ。

 

 5話で敵対する魔法少女の登場。6話で明かされる魔法少女になることが人間終了と同じ意味だという真実。7話に失恋から暴走しだした主人公の親友。そして8話に明らかとなる倒すべき魔女の正体。9話で親友と仲良くなった魔法少女の二人が死亡。

 これらのように毎週のように視聴者に絶望が送られるのだった。

 

 誰もがこのアニメのマスコットと思われていた淫獣(キュゥべえ)を呪っただろう。私もその一人である。

 

 私は誰よりもキュゥべえと弱い自分を憎みながら、たった一つの希望を追い求めて終わりの見えない戦いを繰り広げた魔法少女。

 

 私の名前は暁美ほむら、中学生である。

 

 

 

 ………『まどマギ』のほむほむに転生していました。どゆこと?

 

◆◆◆◆◆

 

 

 私が自分がほむほむだということに気が付いたのは赤子の頃。鏡に映った自分の顔を見た時である。

 幼いながらも一目見て自分がほむほむだと分かり、両親から呼ばれた自分の名前がほむらだと気付いたと同時に前世の記憶が一つ残らず入り込んできた。

 

『ほむっ!?』

 

 思わず出てしまったこの斎藤千和ボイスの『ほむっ!?』が私が生まれて初めて泣き声以外で発した言葉である。ほむ!

 

 当然私の中には『まどマギ』の記憶もあるわけで頭の中は大混乱である。なにせほむほむは作中一番の絶望を背負うキャラ。だけどそれ以上に私は歓喜で泣き叫んでいた。『ほむううううううう!!!』って。

 

 何故なら暁美ほむらは私の一番の推しキャラだからだ。まどマギおりマギかずマギすずマギたるマギマギレコ全てを合わせた上でほむらが一番好きなのだ。

 

 私はほむほむ派です。ほむっ。

 

 アニメを観ていた最初は謎めいたクールなキャラという見た目通りの印象しか持ち合わせていなかった。でもどこか冷たいながらも優しさを見せ、悪人ではないだろうとは思っていた。

 

 だが8話で主人公の契約を防いだ際に泣き崩れるあのシーン。あれで私の心は揺れ動いた。

 クールそうに見えても彼女だってまだ子供なんだと彼女の弱さを見せつけられてしまった。

 同時に私の中で確信に変わる。

 

『ほむほむマジ天使』

 

 あのシーンでほむほむは私のお気に入りキャラクター入りを果たす。この時はまだ推しではない。

 

 推しになったのはそう……彼女の過去が明らかとなる10話。

 

 この事を話すとなれば私は永遠に語ることができるだろう。時間が無いので初めて10話を観たときの感想だけを言っておこう。

 

『ほむらちゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!』

 

 10話は何度観ても涙腺崩壊は避けられない。それどころか思い出すだけで涙がでる。ほむーん……

 

 ネット上では主人公をいつでも見張っていて劇場版での問題発言も合わさって人気は高いもののクレイジーサイコレズ扱い。

 そんなのがなんじゃい!! ほむほむはたった一人の友達を助けるために全てを犠牲にしてきた一人の悲しき女の子なんだぞ!! 貴様等全員あの時(8話と10話と11話と12話とゲームと劇場版とマギレコ)のほむほむの涙を忘れたとでも言うのか!!

 

 ですがほむらさん、使用済みの下着を盗むのは変だという疑問に対して「そこに価値があるのよ(ホムッ)」は擁護できません。

 

 とまあそんな訳でほむほむは私の推しキャラとなった。先程は外伝含めた全シリーズの中でと言ってしまったが、正しくは全てにおいて一番好きなキャラクター。

 

 私はほむほむ狂信者です。ホムー!

 

 ほむほむこそ全て! ジークほむほむ!! ほむほむの幸せの為なら何でもやります!!

 

 そんなほむほむマスターの私が名実共にほむほむになったのだ。ビバ転生! Thanksまど神様!

 

 レッツエンジョイほむほむライフ!! 私はキュゥべえの叶える願いよりも素晴らしい奇跡を得たのだ。

 この奇跡を私は充分に活用させてもらう。当然暁美ほむらとしてのグッドエンディングを迎えるために!!

 

 私の今世の目的は決まっている。それは原作のほむほむが辿り着けなかったPMHQ5人生存のハッピーエンド! まどか(ついでにさやか)を契約させずにワルプルギスの夜を乗り越える!

 

 え? キュゥべえと契約する気なのかって? 当たり前でしょ。私は暁美ほむらになれたのよ。暁美ほむらといえば時間停止を扱う、クールまたは眼鏡を掛けた魔法少女(リボンも可)。

 魔法少女じゃない暁美ほむらなんてドリルとおっぱいとイタリア語のない巴マミと同じ様なものよ。ケーキと紅茶しか残らないのよ。

 

 え? ワルプルギスの夜はどうするのかって? 私は転生者よ。故に本来のほむほむが知らない魔法少女の事を知っているのよ。神浜市の魔法少女とかね。

 

 傭兵フェリシアなんて千円で仲間になるし、美凪ささらみたいな正義感の強い魔法少女なら無償で手を貸してくれる筈よ。試してなくても私の行動次第で何人もの魔法少女が集まるわ。

 

 ふふふふふっ、この勝負もらったわ。中学生になるのが楽しみね。

 

 

『インキュベーター! 早く私を魔法少女にしてみなさーい!』

 

 

 

 

 皆様知っていますか? 私はほむほむに転生したのを奇跡と言いました。

 原作のキャラクター、佐倉杏子はこんなセリフを残しています。

『奇跡ってのはタダじゃないんだ。希望を祈ればそれと同じ分だけの絶望が撒き散らされる。そうやって差し引きを0にして世の中のバランスは成り立ってるんだよ』

 

 小学生の私、暁美ほむらはこの世界の真実に気付く。

 

『この世界……まどマギの世界じゃないじゃない!!』

 

 結論から言おう。この世界にはキュゥべえも魔法少女も魔女も存在していなかった。私はただの前世のアニメのキャラと瓜二つの一般市民でしかないのだった。

 

 そもそも原作のほむらは心臓病を患っていたのに私の体はずっと健康体。転校を繰り返していた筈なのにその経験も一度もない。

 これじゃあ見滝原の学校に行けないと思いながらも前世からの疑問を思い出す。

 

『見滝原って群馬でいいのかしら?』

 

 はい、ネットで検索しましたとも。結果は分からずじまいです。だって見滝原なんてこの世界に存在していないんだもん!!

 

 それだけじゃない……この世界がまどマギの世界じゃない決定的な違いがまだ二つもあった。

 私はこの世界で四国の香川県に生まれた。この事は原作ほむほむの明確な出身地は不明だったから、最初は全然気にはならなかった。だけどニュースで流れる報道はどのチャンネルも四国内のものばかり。日本の首都であるはずの東京や、大阪や福岡などの大きな街はおろか、外国のニュースすらも一度も流れなかった。

 

 この真相の答えは誰もが知っていた。この世界は四国以外に死のウイルスが蔓延し、人が住めない環境となっているらしい……ほむうぅ!!?

 ええ、勿論絶句しましたとも。ほむほむに転生したかと思いきや、日本なんて島国のたった四つの県しか機能していない世界で生きるようになっていたなんて……よく四国だけ無事だったものだ。

 

 しかもこの様に四国以外で生きられなくなったのはもう300年近く前の事らしい。そう、300年前である。西暦2015年かららしい。

 それじゃあまさか今は西暦2315年頃かと思ったけどそれは違った。神世紀299年である……何よ神世紀って!? 前世でもまどマギの世界でもそんな訳が分からない単語なんて聞いた事がないわ!!

 

 

 でもこれで確信してしまった。この世界は間違いなく私が望む世界じゃない。しかも四国以外が終わっている、とんでもなく大ハズレの世界だった。

 

 まどか…ごめんね……あなたを守れなかった……

 

 もし私にソウルジェムがあればごっそり濁っていたと思う。もはや私はただのほむほむ美人。つまりはケーキと紅茶しかないマミさん。

 

 結局私はただの暁美ほむらとしての人生を送るようになる。前世の記憶のおかげでテストはいつも100点。

 絶望したストレスを発散するためにスポーツにのめり込んだおかげで運動神経抜群。

 

 図らずも原作クーほむと同じ様になってしまった。

 さすがほむほむ。容姿端麗、文武両道、男女問わず学校中の注目の的である。

 

 だけど性格はクールで冷たく人付き合いはあまり良くない。小学生にして深窓の令嬢のようだと言われるようになる。

 

 こればかりは私の意地である。これ以上ほむほむ要素を失うわけにはいかない。せっかく見た目や成績でちやほやされるんだったらクーほむで行くしかないでしょう。

 

 でもクーほむにまどか以外に友達ができる訳ないじゃない。小学校の6年間はずっとボッチだった。ほむぅ……

 

 一人ぼっちは寂しいもんな……中学校では部活に入ろう。できればまどかみたいに私を引っ張ってくれる人がいる所がいいな。

 

 でもクーほむは貫いてみせる。魔法少女の道は断たれてしまったけど暁美ほむらとして生きていくことはできる。

 

「私の戦場は……ここしかない……」

 

 ……やり直したい。ちゃんとまどマギ世界でほむほむライフをやりたかった。けれど諦めるしかない。

 

 今の私の心境は原作一周目のメガほむ以上の超ネガティブ。

 

「あっ! あなたも新入生!?」

「……ええ」

「っはぁぁ! すごい美人さん! 芸能人!?」

「違うわ」

「違うの!? あ、私、結城友奈! あなたは?」

「……暁美ほむら」

「暁美さんかぁ…! 一緒のクラスになれるといいね!」

 

 そんなこんなで私は新たな一歩、讃州中学校へと入学した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。