ほむほむに転生したから魔法少女になるのかと思いきや勇者である 作:I-ZAKKU
……の前にやりたかった日常回じゃあ!!
一年前のあの日から私のすぐ側には彼女がいた。彼女の一番の親友の座はもう一人の友達のものだけど、それでも私と彼女がお互いにとって最高の友達である事実に変わりはない。
「え? ほむらちゃん明日あの映画観に行くの?」
「ええ。依頼も来てないみたいだし、前々から気になっていたからいいかなと思って」
相手が誰であろうとも、彼女は自分らしさを失いはしない。その人懐っこい性格は来るもの拒まずで、多くの人達が彼女の優しさに惹かれるのだ。
「ただ近場に上映される劇場がなくて……大橋のイネスになるのだけど」
「イネスかぁ。最近全然行けてないかも」
「折角だし、あなたも一緒に来る? 映画の後にショッピングなんてどうかしら?」
「いいの!? 行く行く!!」
いつも楽しそうに誰かと話している時の彼女はそれだけでも幸せそう。些細な事でもにへらとしまりなくだけど笑い、誰かが嬉しそうにしていると彼女も自分の事のように喜びを露わにする。
「おっ、なになに? イネス行くの?」
「映画とショッピングで。風先輩達も来ます?」
「映画って何を観るんですか?」
「迫り来るゾンビの群れをスタイリッシュなガンアクションで撃退するホラーアクション系の映画よ。プロモーションビデオを観たけど、ゾンビの見た目も動作もリアルで主演の銃の扱いも期待できそうなの」
「……アタシ無理、行かない」
「ホラー映画はちょっと……苦手で…」
「ごめんなさい、西洋発祥のお化けが目玉の映画は観る気になれないの」
「私もパス。剣道部の子に練習の指導を頼まれてるから」
ゾンビと聞いて一瞬で顔が青ざめた風先輩。姉ほどではないにしろ僅かに怯えた様子の樹ちゃん。相変わらず日本主義思想を貫いている東郷。最初と比べて丸く柔軟になった夏凜。個性が強いメンバーばかりが揃ったこの場所で、時に彼女は眩しく輝いて見える存在だったりする。
「「へぇ?」」
「なによほむら……なによ風! その気色悪い顔!」
「べっつにぃ~? あんなに文句言ってた夏凜が休みの日にも活動するなんてねぇ」
「う、うるさい! 頼まれたんだから仕方なくよ!」
「またそんなこと言って……素直じゃないわね」
「夏凜ちゃん剣道部の子にも教えられるの? 格好いいなぁ!」
風先輩と樹ちゃん、夏凜との出会いは偶然ではなかったらしいのだけど、それでも彼女と親しい関係でなければきっとここまで楽しい日々は送れなかったに違いない。それはみんなも同じに思っているはず……彼女がいなければ、事はここまで愉快に回っていなかった。この場所の中心にいるのはきっと彼女なのだろう。
「それじゃあ明日は私と友奈だけね」
「うふふ、二人とも楽しんできてね」
「うん! 明日が楽しみだよ~!」
結城友奈は私達の唯一無二の友達である。
◇◇◆◆◆
一年前の入学式の日に初めて出会った時から私は彼女に憧れていた。凛々しい顔立ちに真っ白な肌、綺麗に輝いて見えた紫色の瞳。そして艶やかな黒色のストレートのロングヘアー。
思わず目を引かれて声をかけ、芸能人なのかと聞いてしまったほど、私は彼女を第一印象だけでかなり気に入ってしまった。その直後に名前を聞くと、名前までも格好良くて絶対に仲良くなりたいって思うようになっていた。
だからそんな彼女が新入生代表者として前に出た時はビックリしちゃった。とっても美人さんで名前も格好良くて、そして頭も良いなんて本当にすごい!って思っちゃって……偶然だったけど彼女と目が合った時に名前を呼んで先生に怒られたんだった。だって嬉しかったんだもん。たくさんの新入生が並んでいる中、私を見つけてくれたみたいで。
でも一緒のクラスにはなれなくて……残念だと思ったけど、その気持ちは次の日には綺麗さっぱりなくなっていた。まさか次の日にまたばったり会うなんて、しかも私と東郷さんと友達になってくれたんだもん!
友奈って私の名前を呼んでくれて、しかも東郷さんの足の事にも友達として助けるのは当たり前って言ってくれた。なんて優しい子なんだろうってますます尊敬しちゃった!
友達になってからも彼女のすごい所はたくさん見つかった。クールに見えるけど笑った顔はとってもかわいい所、勉強だけじゃなくて運動だって得意な所、喜怒哀楽がはっきりしていて子供っぽい所があるのかと思いきや、やっぱり格好良くて何でもビシッと決める所。もっともっとたくさんあるけど、色々な彼女の一面を知るたびに嬉しい気持ちになれた。
そうして私達は勇者部に入った。
初めは依頼もなかなか来なくて地道にやっていたけど、みんなで楽しく一生懸命頑張っていた勇者部の時間も、そうじゃない時の四人でお喋りしたり騒いだりした日常も、全部の思い出が私にとって大好きな宝物。
やがて樹ちゃんが入学してきて……本物の勇者になって……夏凜ちゃんがやって来て……。
彼女はよく風先輩が面白い事を言うとツッコミを入れる。東郷さんと真面目で難しい話をして勇者部をもっといい方向に盛り上げる。樹ちゃんが自信を持てるようあの子を優しくサポートしている。夏凜ちゃんとは最初はギスギスしてたみたいだけどいつの間にか打ち解けていた。
私だけじゃなくて、勇者部やクラスのみんなの中心になっている存在。暁美ほむらちゃんは私達の最高の友達である。
◇◇◆◆◆
「ほむらちゃーん、お待たせー!」
「おはよう友奈。遅刻せずにちゃんと来れたわね」
「えへへ、しないよー。ちゃんと起きたもん」
「そう、偉いわね。……それで本当は?」
「えっと…東郷さんに起こしてもらいました…」
「だと思った。あまり東郷に頼りっきりは良くないわよ?」
「はーい…」
駅で待ち合わせしていた時間の5分前に友奈が走ってやってきた。私もそこまで長い間待ってはいないから気にしてないけど、案の定東郷が起こしに行ってたみたいだ。
友奈が朝に弱いのは親しい人なら誰でも知っている。それ故に家が隣の東郷が起こしに行くのがお約束である。まあ東郷の事だから向こうも全然気にしないで、むしろ嬉々として起こしてるだろうけど……。
「それより早く行こう! 久しぶりのイネスだから昨日からずっと楽しみだったもん!」
「はいはい」
ネチネチ言ってても仕方がないわね。今日は来なかったみんなの分までいっぱい楽しまなくちゃ。
「はいこれ、あなたの分の切符よ」
「え? あ、ありがとう! 買ってくれたんだね」
友奈が来る前に買っておいた大橋行きの切符を渡して改札口を通る。電車がくる時間を見通して待ち合わせ時間を決めていたからそのままスムーズに電車の中に入って空いていた席に座った。
滞りなく電車は発進すると、そのタイミングで友奈は財布を取り出して聞いてきた。
「ほむらちゃん、切符っていくらだったの?」
「770円だったけど……ん、ああ、その必要はないわ」
「へ?」
友奈の代わりに買いに行ったけど、彼女はお金を後から私に払う方だと捉えていたみたいだ。べつに私は友奈から切符代を徴収するつもりはなかった。
「もともと今日のイネス行きは私が提案したものよ。切符代どころか、今日の費用はある程度私が持つわよ」
「えぇぇ!? だっ、駄目だよさすがに!?」
「友奈声が大きい。他の人達もいるんだから」
「あっ、ごめんなさい!」
慌てて他の乗客に頭を下げるけど友奈の顔は不服そのものだ。確かに友奈の気持ちは分からないことでもないけど……
まず切符代だけでも行き帰りの往復で1540円、そして映画のチケットも1000円、ドリンクやフードも頼むのであればもっと掛かる。映画の後にもフードコートでお昼を食べるはずだし、それからもショッピングが控えている。
「というわけよ。中学生のお小遣い事情ではだいぶ厳しいでしょう?」
「いやいやいや!? そんなの分かってるよ! ほむらちゃんも中学生でしょ! 二人分もお金を出したら後が大変だよ!」
「だーかーら、そんな心配はする必要はないのよ。他ならぬ、あなたが来てくれたおかげでね」
「??? まったく意味が解らないよぉ…」
まあそうよね。立場が逆なら私もまったく同じ事を思いそうだし。ひとまず友奈を安心させるために事の詳細を教えるとしましょう。
「実は昨日私の両親に友奈と二人でイネスに行くことを伝えたのよ。そしたら二人ともいきなりお小遣いを弾んできたのよ。ざっと1万円」
「い!! いいいいい、いちまん!!?」
「こら友奈っ…! ああ、ごめんなさい…! だから声が大きいって」
「な、なんでそんな大金を…!?」
「二人共友奈の事をかなり気に入ってるから。いつも明るくて元気で……小学生の間ずっと一人ぼっちだった娘の初めての友達だもの」
小学生の頃の私はひたすら自分をクールな暁美ほむらであろうと振る舞い続けていた。その努力の結果は人を見る目はまるで見下しているように、話しかける言葉はまるで威圧しているかのように、そんな風に捉えられてもおかしくないものだった。普通なら憧れの的である成績の良さも、運動神経の高さも、完璧すぎる容姿も、逆に得体の知れない人物像を醸し出してしまった。
両親はずっと心配していた。勉強もできる、運動もできる、神に愛されるほどの美貌を持つ娘が他の子供達から畏怖の対象として見られていたのだから。
友奈はそんな私と初めて友達になってくれた子、そして私の周囲の印象を変える一番最初の切っ掛けとなった存在だ。おまけに他の人にはないあの性格だ……娘を大切に想っていた二人が気に入らないわけがない。
「友奈ちゃんと思う存分楽しんでこいって渡されたのよ。あなたが一緒に来てなかったら貰えなかったお金だもの。遠慮なく使わせてもらいましょう」
「い、いいのかな……?」
「当たり前よ。友奈はそうされて然るべきって思われたのだから。私の両親の顔を立てると思って……ね?」
「……うん! ほむらちゃんのお父さん、お母さん、ありがとうございます!」
そう今度は天を仰いで大袈裟に感謝の言葉を呟いていた。もしここが他に人がいる電車の中でなければ大声で叫んでいたでしょうね。
……違うのよ友奈。感謝の言葉を送りたいのはあなただけじゃないのよ。私が変われたのは勇者部に入ったおかげで。そしてその勇者部の輪の中に入れたのはあなたという存在がいたからなのよ。
あなたが私達を幸せにしてくれた。いくら感謝してもしきれない。ありがとう、友奈。
◇◇◆◆◆
「~~~っっ!! すっっっっごく面白かったぁ!!!」
「ええ!! 作品全体を彩ったハイクオリティなゾンビ!! 爽快感全開の派手な戦闘シーン!! 緻密に練られた伏線!! 意表を突かれた衝撃のクライマックス!! どれもこれも最高の出来だったわ!!」
イネスの映画館から出ながら未だにドキドキワクワクが止まらない私と得意気に感想を言うほむらちゃん。ほむらちゃんが注目していた映画は最初から最後までハラハラドキドキの連続で、クライマックスでその盛り上がりは最高潮を見せて私達を心から感激させた。
あはは! ほむらちゃんの目もいつもよりもピカピカ光って見える! こんなにワクワクしているほむらちゃんは初めてかも。またほむらちゃんの新しい一面を見つけられたかな!
「これは今後の情報も要チェックね! DVDが出たら買わなきゃ!」
「DVD! 買ったら私にも観せてー!」
あんなにすごい映画だったらまた観たい。今度はほむらちゃんだけじゃなくて、東郷さんも風先輩も、夏凜ちゃんも樹ちゃんも! みんな揃って一緒に観たい!
「ところでほむらちゃん、お昼はどうするの?」
「そうね……友奈今お腹空いてる?」
「ううん、ポップコーンを買って食べてたからそこまではないよ」
「私もホットドッグを食べたし……それじゃあデザートにしない? たまにはそんな昼食も悪くないんじゃないかしら」
「いいね! 甘いものは乙女の活力って言うもんね!」
「風先輩ならそれにうどんも括り付けて言いそうね」
ふと考えて本当に言いそうな気がして笑ってしまう。そんな風にしながら映画館からフードコートに来て、デザートはどんなものがいいのか話し合った。
「う~ん……どれにしよう、クレープとかパフェとかジェラートとか色々あるね」
「確かに迷うわね。どれも食べてみたいし…」
「あれ? ほむらちゃんあの貼り紙見て」
「貼り紙?」
私が指差したジェラート屋さんの貼り紙。そこに書かれていたものを見て私はちょっと残念な気持ちになってしまった。
「来月閉店……なくなってしまうのね」
「そうみたい。ここのジェラートが好きな人にとっては残念だろうね……」
私はここのジェラートを食べたことはないけど、イネスは街の人達がたくさんやってくる場所だもの。きっとここのジェラートが大好きな人達だって少なくはないはずだ。好きなものがなくなってしまうのは悲しいよね。
「「私ここにするよ(わ)」」
まったく同じタイミングで同じ事を言って、そしてまた同時にお互い顔を向ける。
「「ぷっ、あははははは!!」」
ここまで二人とも同じリアクションだとなんだかとってもおかしい。でもそれ以上にとっても嬉しくなって笑い合った。
「ほ、ほむらちゃんもここにしたんだね…! あはは…!」
「ええ、友奈こそ……くくっ…!」
大好きな友達とこんなにも通じ合えているんだって思えて嬉しくてしょうがない。そしてこんな風に笑っているほむらちゃんの姿も見れて大満足だ。
「ふふふっ……来月には閉店してしまうんだったらもう食べられないもの。それになくなってしまうからこそ、今まで多くの人達をもてなしてきたここの味を今日の楽しい思い出の中に一緒に刻みたいのよ」
「うん、そうだね。私もそう思うよ」
ここのお店を忘れないためにも思い出の中に。もう一度二人で笑い合ってジェラート屋さんの前にいた家族の後ろに並んだ。小学生の男の子が2、3才ぐらいの男の子を抱え上げてメニューを見せている……仲が良い兄弟かな?
「おれはバニラ! お前はなににするんだ?」
「しょーゆ!」
「なんでんなもん食えるんだよ……姉ちゃんもだったし…」
「……しょうゆ味なんてものがあるのね」
「どんなジェラートなんだろ?」
なんだかちょっと変わった味のジェラートもあるみたい。その家族がジェラートを受け取って私達の番。メニューを見てたくさんの種類があったっけど、私もあの子みたいに王道の味で!
「バニラ味をください!」
「私はかぼちゃ味。それと……しょうゆ豆味のダブルで」
「ええっ!? しょうゆ味を頼むの!? それにかぼちゃ!?」
「なんだか少し気になって。かぼちゃは好きだけど、こういうのは食べたことはなかったから冒険してみようかと思って」
ま、まさかの選択…! でも私も気になる。しょうゆ豆味、そしてかぼちゃ味……どっちともジェラートやアイスにするには考えにくい物。果たして本当に美味しいのだろうか…。
ジェラートを受け取ってテーブル席に着いたけど、私の目はほむらちゃんの黄色と薄茶色のジェラートに釘付けだった。
「……そんなに見つめられてたら食べにくいのだけど」
「あはは、ごめんごめん」
こっちだって早く食べないと溶けてしまう。スプーンでバニラのジェラートを掬って口に含むと、まろやかな甘さとひんやりとした冷たさが口の中いっぱいに走り渡った。
「うわぁ、このジェラートとっても美味しい! バニラで大正解だよ~!」
さすがバニラ味、アイスクリーム界において王道と言える存在……これはジェラートだけど。優しい味でたった一口だけでも体全体に伝わる満足感……うんうん、これが一流のプロの業ってやつだね!
「な…なんて美味なの…! このかぼちゃ味のジェラート…!」
ほむらちゃんも私と同じ感想みたい……瞳がキラキラ輝いてる。光り方のせいで目が若干椎茸みたいに見えるけど、逆に言えばそんな風になってしまうほどすごかったらしい。
「かぼちゃの甘味と風味が生きている! 全く青臭くもないしクリーミーで滑らかで! 待って、もしこれをかぼちゃが旬の季節の秋に食べたのだとすれば……嘘でしょ!? そんなの極上の味わいに決まっているわ! そんな食べ物の存在が許されていていいの!?」
「そんなにすごいの!?」
「ええ! ほらっ、友奈も食べてみて!」
興奮しきった様子でかぼちゃ味のジェラートを掬ったスプーンを私の口元に運んできた。ほむらちゃんがここまで気に入ったジェラート……ゴクリ…!
「あーん♪ んん!!? なにこれこんなに美味しかったのかぼちゃ味って!?」
「でしょう!? こんなの自分がかぼちゃが好きって判ってから真っ先に食べるべきだったわ……私ってほんとバカ……」
バニラとかメロンとかイチゴとか、いつも有名な味ばかり食べていたから全然気付けなかったんだ……完璧に見落としてたよ。これがダークホースってやつなんだね……。
「ところでしょうゆ豆味はどうだったの?」
「……こっちはその、人を選ぶ味だったわ……あとかぼちゃが私にマッチしすぎて、それで……」
……不評だったんだね。でもあの小さな男の子は好きだったみたいだし、人を選ぶっていうのは本当なのかも。
でも本当に幸せそうなほむらちゃんが見れて嬉しい。普段ほむらちゃんが喜ぶ時って私みたいに大はしゃぎするわけじゃないからなんだか新鮮だなぁ。おかげで私ももっと嬉しくなった。
……ほむらちゃんと友達じゃなかったらこの幸せは存在しなかったんだろう。ほむらちゃんには出会った頃から色々助けてもらって、毎日私達を幸せにしてくれて……感謝してもしきれないなぁ。ありがとう、ほむらちゃん。
◇◇◆◆◆
それからも私達は今日一日を遊び尽くした。気に入った物を買ったりゲームセンターで遊んだり。洋服もお互い何着も試着したりして、友達との最高の思い出が出来上がっていった。
「名残惜しいけどそろそろ帰らないとね」
大橋市から讃州市までの距離は遠いから電車でも一時間近く掛かってしまう。両親から楽しんでこいと言われたものの、遅くに帰って心配させるのは悪い。
「ほむらちゃん! 最後にあれやろうよ!」
「プリクラね。もちろん構わないわ」
友奈が指差したプリクラの機械。今日の思い出をシールという形に作ってくれるものだ。反対なんてするわけがない。
「イエーーイ!! ほらっ、ほむらちゃんも一緒に! ピースピース!」
「イ、イエーイ…! は、恥ずかしいわよ…!」
「それじゃあスマイルスマイル! 私ほむらちゃんの笑顔が大好きだから!」
まったく友奈ったら……知ってるわよそんなこと。私だってあなたの笑顔が好きなのだから。
パシャッ
画面に写し出された笑顔の二人。あとはこの写真をデコレーションして、それも完成させれば私達だけの最高の思い出が出来上がる。
そんな中、私達二人は迷うことなくペンを走らせて文字を描いた。お互いのすぐ側に写し出された文字を見て、私達はまたしても笑い合う。
二つの『私の最高の友達』という文字を見て。
「友奈」「ほむらちゃん」
「友奈からでいいわ」
「ほむらちゃんからでいいよ」
「それじゃあ二人で一緒に言う?」
「うん! せ~ので一緒に言おうよ!」
「ええ」
「「せ~のっ!」」
「「ありがとう!!」」
帰りの電車の中で私達は話さなかった。二人して遊び疲れて眠ってしまっていたのだもの。肩をくっつけて手を繋ぎながら楽しそうに。
心が通じ合っている友達との大切な日常。それを脅かす存在の襲来まで残り僅か……
イネスに映画館なんてあるのかと書いてる途中に思ったけど、イネスマニアの勇者様の功績のおかげで大赦がきっと増築してくれたのでしょう。(丸投げ)
やったねミノさん! イネスファンが増えるよ!