ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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前回の続きになります。

また平和なお話なので、筆者が好きなオペレーターの話をしましょう。

私はドクとミュート、カプカンにイェーガーが好きですね。
ルークも好きですが、回復させてあげられるドクの方が自分は好きです。

と言っても死んでしまっては意味がないので、実際はルークを使うことの方が多いです


完璧な女とおばあちゃんと指揮官

 風呂から上がって二人と別れて寝られるかと思いきや、服が汚ないという理由で二人が服を持っていってしまったので、下着だけで脱衣所に取り残された私。

 

 しばらく待っていると416が自分と同じ服装を持って戻って来た。

 

「指揮官、私の服なら合いますよね?身長も体も似ていますから」

 

「そうだね。合うかもしれないけど、ある部分が似てないんだよね」

 

 早速、416の服を着てみたは良いものの彼女の胸に合わせて余分に長くなっている服を着た私は、スカートが隠れてなにも下に着ていないように見える姿になってしまった。

 

 それを見ている416は誇らしげに腕を組んで私の姿を見ていた。

 

「待たせたのう。ほれ、司令室にあったクローゼットから持ってきたスーツじゃ。おぬしなら似合うじゃろ」

 

「スーツ?これから寝るのにスーツはちょっと……」

 

「いい選択ね。指揮官、着てみましょう」

 

「えっ?なんで?」

 

 半ば強制的に黒いスーツを着ることになった私は、しっかりとスーツを着てはみたものの、意外とテンションが上がる服装で少し心が踊っていた。

 

「おぉ……似合うとは思っていたのじゃが……」

 

「し、指揮官……」

 

「どうかな?私のスーツ姿。できる女みたいでしょ?」

 

「いや、おぬし胸が無いからのう。喋り方が……こう……」

 

「うん?」

 

 ナガンが言いたいことは伝わってきたので、表情を変えてクールな感じをイメージしてみるとナガンが思わず拍手する程のできにはなったようだ。

 416はそんな私に目を合わせられないのか顔を背けて見ようとしなかった。

 

「私は、完璧よ」

 

「おお、それぽっいのう」

 

「私が居れば、それで十分」

 

「良いのう。良いのう!」

 

「最期の一呼吸が終わるまで……」

 

「ほぉお……スーツを持ってきて正解じゃった……」

 

 そんなやり取りをしていると416が脱衣所から居なくなっていたことに気が付き、私は何処へ行ったのかとふと下を見ると赤面して床で伸びてる416が居た。

 

「ありゃ、私そんなにイケてたかな?」

 

「うむ、良いものを見せてもらったのじゃ。うん?416 はダウンしてしまったようじゃな」

 

「じゃあ、416は私が部屋まで運ぶからナガンもそろそろ寝ようか」

 

 伸びている416をお姫様抱っこして、そろそろ本当に寝ようと私は416を宿舎に運ぼうとすると、ナガンが服を掴んで引き止めてきた。

 

「抜け駆けはさせんぞ」

 

「えっ?」

 

 何か勘違いしている気がするナガンは物凄い形相で服を引っ張っていた為、どうしようかと思っていると416が目を覚ました。

 

「ハッ……私は一体……」

 

「あっ、起きた」

 

「指揮か……っ!?」

 

 416は自分のされていることに二度三度とお姫様抱っこされている自分の体と私の顔を見た。

 

「はぅ……」

 

 そして、また赤面した416は私の腕の中で気を失ってしまった。

 

「指揮官、こうなった責任はちゃんと取らんとなぁ?」

 

「いやいや!ナガンが始めたことだったよね!?責任って言われてもどうすれば良いの!」

 

「それは勿論、一緒に寝ることじゃろ」

 

「えっ?そんなので責任取ったことになるの?」

 

「そうじゃぞ……。うん?……おぬし、寝るの意味わかっとるのか?」

 

「えっ、急にどうしたの?寝ることは寝ることでしょ?」

 

「あっ、そうじゃの~。その通りじゃ、ハハハ………穢れが無いんじゃな……」

 

 何かを察しているナガンが気にはなったけど、それよりも物凄い睡魔が襲ってきているから早く寝たかった。

 

「まあ良いか、指揮官。確か司令室にソファがあったはずじゃな?あそこで寝よう」

 

「座って寝るの体が痛くなるけど……早く寝たいしそれで良いや」

 

 私は416を抱えてナガンと一緒に司令室に向かい、416を慎重にソファに座らせて私が支えになり、ナガンは私の横に来ると帽子を足の上に置き、416と同じように体を私に預けてきた。

 

「ふぁ~あ………今日は色々あったなぁ」

 

「そうじゃのう、正確には昨日じゃ」

 

「あっ、そう言えばそうだった。いや~指揮官って暇なのか、忙しいのかわからないねぇ」

 

「忙しいはずじゃ、今日自分がやったことを忘れたわけじゃ無いじゃろ?おぬし。初就任したばかりの指揮官がやる仕事量では無いぞい」

 

「ハハハ、だからかな……凄い眠い……」

 

「ゆっくり休んで良い、ワシもそろそろ休まんとな……」

 

「おやすみ~ナガン」

 

「うむ……おやすみ……指揮官」

 

 私が目を閉じて夢の世界に行く前にナガンはすぐに寝息を立てて寝てしまい、私は目を閉じたまま眠りに……つくことができませんでした。

 そう言えば誰かと寝ることってしたこと無かったことを思い出し、二人が寝ている間に私は必死に目を閉じて寝ようとしていたけど、眠気はあるのに眠れないという地獄を味わっていた。

 

「あぁ……今……何時ぃ?……ハハハ、朝の9時半でぇ~す………早く起きて二人とも………私を寝かせてぇ……」

 

 目を開けて司令室にある時計を見て、死にそうな声でお願いするも、二人はよく眠っていて起きそうにない。

 二人が起きたのは昼になる前のこと、それまで私は死ぬほど眠いのに寝られない状態が続いた。

 

 

 ~指揮官代理~

 

 

「え~と、じゃな?指揮官が死ぬほど疲れているそうじゃから、研究室に行かせたわけじゃが……あれは間違いなく、ワシらのせいじゃろ?」

 

「そうね、酷いことしてしまったわ……。私は完璧なのに……気遣いができないなんて……」

 

 416は自分の完璧ではない点を悔しく思い、今にも死にそうな顔をしていた指揮官の顔を思い出して、とても反省していた。

 

「うぅ~む、とりあえず指揮官の仕事を代わりにやるわけじゃが……416。おぬしが代理なんじゃ、指示をせんと誰も動かんぞ」

 

「……そうね、指揮官に悪いことをしてしまったのだから、完璧に仕事をこなさないといけないわね」

 

 416は指揮官の使っているタブレットを開くと、使用者が人形だと認識したタブレットがメッセージを表示した。

 

 [このメッセージは代理の人形用にあらかじめ作っておいた予定表だよ。完璧を求めすぎて他の人形と揉めないようにお願いします。by.指揮官]

 

「だそうじゃ、それじゃ揉めないようにワシが見張り役をするとしようかの」

 

「ええ、そうね。指揮官の望まないことはしたくはない、それじゃまずは……」

 

 416はまず最初に人形達全員が基地にいるか確認し、近くの指揮官達がどんな状況なのか情報を集め、情報をまとめた後は本部から指示がない場合、ヘリや武器などのメンテナンスを行うと予定表にあった為、武器のメンテを終えてからヘリポートにやってきた。

 

「ヘリのメンテナンスをするけど、必要なものは全部持ってきた?」

 

「おぬしが持ってる脚立に、ワシが持ってる工具箱。うむ、必要なものはあるのう」

 

「それじゃ、仕事を始めましょう」

 

 416はタブレットにあったメンテナンスの方法を頭に入れ、順調にヘリのメンテをしていった。

 ヘリのメンテをしながら手伝ってくれているナガンを見ると、ナガンはヘリに付いている機銃を見て何か呟いていることに気付く。

 

 それがタチャンカの機銃をガトリングに変えたら強い等と言っていることに気付くと、それ以上は気にもしなかったが。

 

「416」

 

「何?」

 

「指揮官なんじゃがな、どうも純粋なようでの」

 

「そう、指揮官が汚れた人間じゃないなんてわかりきったことじゃないかしら」

 

「そうじゃないんじゃ。あやつな、恋愛について無知なようなんじゃ」

 

「……そう、そんな下らないこと考えてるの?ナガン」

 

「おぬしも乙女じゃろ。興味は持たんのか?」

 

「別に、そんなことより私は指揮官の役に立てればそれで良いの」

 

「本当かの~?指揮官のスーツ姿に惚れておったくせに」

 

「なっ!……変なこと言わないで。あまりにも指揮官が完璧すぎたから、見ていられなかっただけよ」

 

 416は動揺を隠しきれずに少し顔を赤くして作業のペースを速めた。

 それを見たナガンは笑い、その後はお互いに何も言わずに作業を進めていた。

 

「ふぅ、こんなところかしら……あとは整備後の飛行をしてメンテナンスは終わりね」

 

「ほお、飛ばすんじゃな。おっと、その前に……」

 

「わかってる。手を洗ってくるわ」

 

 416が油で汚れた手を洗いに戻っている間、遠くの山やヘリポートに降りてきた鳥達を眺めてナガンは待っていた。

 

「おぬしらも強く生きるのう。こんな世界じゃと生き辛いじゃろうに」

 

 鳥を眺めながら独り言を言い、ナガンは416が置いていったタブレットを覗くと、既に昼を過ぎておやつの時間になっていた。

 

「まだ指揮官は起きんじゃろうな」

 

 長く感じる一人の時間はナガンにとって色々なものに目を向ける良い機会だった。

 ヘリポートから見える自然は崩壊後も美しさが残っている場所があり、耳をすませば鳥の羽ばたき、鳴き声、そして緩やかな風の音が聞こえてくる。

 

 目を閉じて自然の生み出す音を聞いていると足音が聞え、目を開けると416が帰ってきた。

 

「待たせたわね。それじゃ行きましょう」

 

 416はヘリの操縦席の扉を開き、操縦席に乗り込むとヘッドセットをして指揮官に教えてもらった通りにヘリの始動を行う。

 ナガンはガンナー席に座ってヘッドセットを付け、飛び立つまでの間、ヘリに搭載されたミニガンの銃身を回し、ちゃんと動くか軽く確認をしていた。

 

「問題なし、ローターが十分な回転になるまで待機」

 

 自然の音をかき消し、ヘッドセット越しにも聞こえるエンジンの音がゆっくりとローターの回転する音に変わっていき、ローターが十分な回転になると416はヘリを少し上昇させてゆっくりと前へ機体を傾けてヘリポートから離れていき、速度をそこまで上げずに基地の周りを回るようにヘリを飛ばし始める。

 

 手伝うこともなく、ただ乗っているだけのナガンはガンナー席から小さく見える基地を眺めていた。




時間関係が全くわからなかったので、前回と今回で触れてみましたが指揮官が過労死しかねないハードワークしてる感じになってしまいましたね。

指揮官、強く生きて。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
では、また次回。



「アマチュアめ」by.キャッスル
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