ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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416の喋り方が安定しない……。
完璧かつオカンみたいな感じってなんだろうってなってる筆者です。
今回はあの人のガジェットが登場します。


鉄血の罠、指揮官の奇策

 基地へ帰投した416達は女性の治療、回収したメンタルモデルの保管を行った。

 確認のため416は指揮官のいる研究室へ顔を出してみたが、指揮官はまだ休息を取っている様子だった為、そのまま研究室を後にした。

 

 ナガンと司令室で情報をまとめている時、ナガンと416は気になるところがあるような顔をお互いにしていた。

 

「変、じゃな」

 

「そうね。無事のメンタルモデルに、まったく鉄血の気配すら感じなかった市街地」

 

「メンタルモデルは運が良かったのかもしれんのじゃが、鉄血が居ないことは流石に疑うのう。あやつらが居ないなんておかしいと思わんか?」

 

「だから、情報に見落としがないか確認しているわけだけど、罠だったと判断するには材料が少ない……」

 

 416は何か引っ掛かるような感覚を覚え、一から情報を見て整理し、そして見落としがないか確認する作業を何度も行っていたが、確信に繋がるものは無かった。

 

「何か…何か無いの、なんだか引っ掛かるわ」

 

「空からわかったことはどれくらいじゃ?」

 

「空から見てわかったことは、墜落現場から離れた生存者を確認した建物を中心に鉄血が向かっていたこと、それからまだできたばかりの痕跡が作戦地域を出て何処かへ続いていたことね」

 

「うぅむ、何処かへ続いていたとな……。撤退した痕跡かもしれんのう」

 

「そうね。でも、それならどうして撤退したのかがわからない。鉄血は基本、目標を達成してもその場に残って巡回していたり、あてもなくその場に留まっていることが多いはずよ」

 

「……ふむ、そう考えると妙じゃな。何か理由がわかれば……416?」

 

 タブレットを見ながら416が突然頭を抱え、心配になったナガンは声をかけようとすると416がタブレットを渡してきた。

 

「私達が丁度出撃した頃、近くの基地が襲撃を受けたらしいの」

 

「うん?そんなことは珍しくなかろう。何処に頭を抱えるところがあるんじゃ?」

 

「ナガン、出撃する前は私が周りの基地の情報を集めていたでしょう?」

 

「そうじゃな。それが何か関係しとるのか?」

 

「その襲撃を受けた基地、私が情報を集めていた時は撤退した人形達を受け入れたばかりだったらしいの。墜落現場からその基地の方角を確かめてみて」

 

 ナガンは416の話を聞きながらその基地についての情報をタブレットで見ていると、その襲撃を受けた基地は壊滅してしまったようだ。

 そして、ナガンは416の言う通りに作戦地域から鉄血が向かった痕跡の方角を調べると、その方向には襲撃された基地があった。

 

「……やられたのう。撤退する部隊を追いかけたわけじゃ。となるとワシらが気付かなかっただけで、後を追いかけて来てるのかもしれん。そういうことじゃな?416」

 

「ええ、でもまだ確信を得るには……」

 

「大変だよ!二人とも!」

 

 司令室の扉を開けて中へ入ってきたのは、基地を騒がせたFMG-9だった。

 指揮官の他にも彼女も二人から説教を受け、反省していたはずのFMGを見た二人は今度は何かと思っていた。

 

「どうしたの?FMG」

 

「鉄血が…鉄血が大軍でこの基地に向かって来てるんだよ!」

 

 FMGの口から出た言葉に二人は顔を見合せ、すぐにFMGに詰め寄って真偽を確認しようとする。

 

「何処から?」

 

「えっ?」

 

「早く言ってFMG、本当なら時間がないの」

 

「う、うん、416達が帰ってきた方向からだよ……」

 

「まずいわ。FMG、鉄血の数は?」

 

「目視だと軍団規模くらいに見えたけど……」

 

「なんじゃと!?こんな小さな基地に軍団規模で攻めるとは……」

 

「で、でも、途中までは鉄血のハイエンドモデルが居たけど、何処かに行っちゃったからもしかしたら何とか……」

 

「そうでしょうね。こんなできたばかりの小さな基地に軍団をぶつけるならわざわざボスが出なくても、物量で潰せる」

 

「416、これを見るんじゃ」

 

 ナガンが416にタブレットを渡すと、基地の近くにあるセンサーが敵を探知した表示が出ていた。

 基地周辺のマップを見ると赤い点が次々とマップの外から現れ、この基地に向かって来ていた。

 

「どうするか考えないと……」

 

「おっはよ~」

 

 416がどうするか考えようとしていると、司令室に元気な挨拶で入ってきたガスマスクをしてスーツ姿に白衣を着た指揮官に三人は目を向けた。

 

 

 ~指揮官の策~

 

 

 寝ている時に敵の接近を知らせる警報が研究室に鳴り響いたので、飛び起きて司令室に来たら二人が難しい顔をしてタブレットを見ていた。

 

「おっはよ~」

 

 挨拶すると三人がこっちを見て、FMG-9が駆け寄ってきた。

 

「ボス!大変です!鉄血が!」

 

「わかってるよ。大丈夫、何とかするから」

 

 FMGの頭を撫でてから416とナガンの近くに寄ってタブレットを覗くと、随分と多くの敵さん達が近くに来ているようだった。

 

「ほおほお、これはすごい数だね」

 

「指揮官、どうします?」

 

「う~ん、こんなに多いとちょっとねぇ……」

 

「策がないのなら、ここを脱出するのも手じゃ」

 

「勿論、考えはあるよ。ふーむ、そうだねぇ……。よし、ここを大学と同じ感じにしちゃおう!」

 

「大学?」

 

「どういうことじゃ?」

 

「そう、二人は知ってるよね?毒ガスで視界が悪すぎる…あの大学だよ」

 

「「え?」」

 

 ゲームをプレイしている二人は一瞬で目を丸くして私を見てきた。

 

 二人ならわかるはず、ゲーム内でシチュエーションの最後の任務は実際に五人の部隊で毒ガスで視界の悪くなった大学にある爆弾を解除をしなければいけない。

 

 つまりここを大学みたいにするというのは、視界が悪くなるほど毒ガスを周辺にばらまくということ。

 

「指揮官、まさかこの周辺を……」

 

「その通り、毒ガスだらけにしちゃいます。皆には防護服配っておくから、ちゃんと着るようにね」

 

「いやいや!おぬし、何を言っておる!やはり頭がイカれておろう!?」

 

「まあまあ、別にそれしか方法がないってわけでもないけど、一番大軍に効くのは毒ガスだよ」

 

「えっ?毒ガスって何ですか?」

 

「知りたい?命が惜しくないなら教えてもいいよ」

 

「えっ?」

 

「ふふ、冗談だよ、落ち着いて。で、毒ガスのことだけど……知らない方がいいかもね」

 

「そ、そうですか……」

 

 結構いい感じだったはずなのに困惑した顔をされてしまった。

 やっぱりあんなにカッコよくはできないのかな、私。

 

「よし、私は色々作るものがあるから研究室に籠ることになるけど、その間はみんなには時間稼ぎをしてもらいます。この戦いにはDPが重要になってくるから、彼女の援護が主になるね。FMGと416はついてきて。貴女達のユニークガジェットを作るから。ナガンは他の子達に指示をして」

 

「だ、大丈夫かのう……」

 

 二人を連れて研究室へ早歩きで向かい、私はすぐに作業に取りかかる。

 

「二人とも、緊急事態だから私の助手になって。と言っても道具を持ってきてくれるだけで良いからね」

 

「はい!ボス!」

 

「わかりました。指揮官」

 

 毒ガスの缶は既に作成、実験済みの為、手早く組み立てて木箱の中に寝かせて並べていき、木箱が一杯になったら今度はアクティブ・ディフェンス・システム、ADSを作り始める。

 

「は、速い……」

 

「FMG、手を止めないで。時間がないの」

 

「まあまあ、時間は無いけど物事急ぎすぎることなかれってね」

 

 416とFMGが手伝ってくれるお陰で作業が普段よりも速く進み、試作一号が出来上がった。

 

「よし、ここに置いて……」

 

 まずは試作一号を床に置いて離れ、毒ガス用の空き缶を投げると私の手元から離れてすぐに缶を撃ち落として見せた。

 しかし、缶の横にADSから打ち出された弾が当たっているのが私には見えた。

 それに動きも反応が遅れていて、ADSの近くで缶が撃ち落とされていた。

 

「おお!流石です!ボス」

 

「ううん、感知するセンサーが少し悪いみたい……。それに少し横にズレてたから精度も悪い。再調整!」

 

「えぇ!?……そんな風には見えなかったけど……」

 

「みんなの命を守ってくれるかもしれない物だから、ちゃんと作らないと」

 

 私は床に置いた試作一号を取り外し、微調整とついでに改良をすると、さっきよりも少し大きくなったADSが出来上がった。

 

「ちょっと大きくなりすぎかな……」

 

 試作二号を床に置いてさっきと同じように缶を投げてみたものの、確かに性能は上がったけど少し大きいのが気になった。

 ゲーム内で小型が無理だって言われるのも少しわかる気がする。

 けど三度目の正直で、ゲームのADSよりも小型で同じ性能の物が出来上がった。

 

「誰もが無理だと言った。これは戦車む──」

 

「指揮官、後にしてください」

 

 怒り気味の416に言われ、私は涙目で黙ってADSを床に設置し、缶を投げると今度は範囲も広く精度も良いことが確認でき、反応もバッチリの傑作が出来上がった。

 

「よし、それじゃこの完璧な最高傑作を…416。貴女の相棒として贈りましょう」

 

 416に出来上がったADSを取り外し、弾を一発再装填して渡すと416は受け取ったADSを見て、何か足りないと感じたのか作業台に置くと、空いているスペースに白いペンでHK416と名前を入れた。

 

「これで完璧です。指揮官、次はここに私の名前の刻印をお願いします」

 

「次からはそうするよ」

 

 どうやら気に入ってくれたようだけど、名前を入れるなんて意外と可愛いことするね。

 

「よぉし、後は実戦で試すことになるわけだけど……」

 

 タブレットを見ると鉄血の反応がもうすぐそこまで迫ってきていた。

 ナガン達の様子を見るために二人に手招きをして研究室から出て基地の入り口に向かうと、ナガン達は入り口近くで戦う準備を整えて待機していた。

 

「あ、指揮官!いよいよ始めての実戦だよ~、緊張するね~」

 

「私がセンターに立ちますから、ちゃんと見ていてくださいね!指揮官!」

 

「出撃の準備は出来ています。いつでも行けますよ。指揮官さん」

 

「ステンも居ますよ。私に任せてください!」

 

「可愛い後輩たちのことは任せて!指揮官!」

 

 周りを見渡すとHGのナガンとワルサー、SMGのステンとスコーピオン、ARのG3とK2、LMGのDP-28が私の命令を待っていた。

 L85A1とSIGは416の報告によると女性の看病をしているとのことなので、居ないのは仕方ない。

 

「よし、みんな!がんばるよ!」

 

「それだけか?指揮官。もっと他に言葉はあるじゃろうに」

 

「えー、でも、そうだね。真面目に言うと皆には無事で帰ってきて欲しいから、私からの命令は一つ!」

 

「必ず全員、生きて帰ることですね。勿論、全員そのつもりですよ。指揮官」

 

「あれ、416に言われちゃった。まあいいか!全員、生きて帰ってきてゲームしよう!」

 

「「「おおーー!!」」」

 

 いよいよ、敵との攻防が始まる。

 上手くいくかどうかは運次第なところもあるけど、負けるつもりは全く無い。

 私は皆にあるお願いをして、研究室へと戻ることにした。




いよいよ鉄血と戦闘になりますね。
上手く書いて良い感じに終わらせたい。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
では、また次回。


「グレネードが飛んできたら、教えてくれ」by.イェーガー
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