ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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今回からキャラ崩壊のタグを追加します。


鉄血とグリフィン

「ぐあぁぁぁぁぁっ!!」

 

 スコーピオンはボマーに吹き飛ばされた自分の操作するキャラクターを見ながら叫ぶ、その隣ではスケアクロウが淡々とテロハントの爆弾解除を進めていたが、解除中に来る敵の波に耐えられずにやられてしまう。

 

「ノーマルとは言えないですわね。常にハードモードですわ」

 

 一旦、隣に置いてあるK2が持ってきた紅茶をマスクを外して口に運ぶ、それを真似して隣に置いてあった紅茶を一緒に飲み始めるスコーピオン。

 二人は最初こそ、キル数、ポイントで争っていたが爆弾解除ができないことに一時休戦し、協力してクリアを目指しているのだが、なかなかクリアできずにいた。

 

「エイムだっけ?良くなりたいけど、良くわかないんだよね」

 

「感度の話ですの?でしたら、50から30にしてみるのが良いですわ。そこから上げるでも下げるでも徐々に調整していけば、自分に合った感度が見つかると思いますわ」

 

「うーん、感度は416の見てたからそれにしてたんだけど、やっぱり自分に合った感度じゃないと駄目かな?」

 

「勿論ですわ。他人の感度を真似して上手くなるのであれば、楽ですがそんな簡単には行きませんの。だから自分で研究するしかありませんわ」

 

「うへぇ……」

 

「このゲーム、頭を使いますわね。想像よりもとても面白い良いゲームですわ」

 

 スケアクロウはテロハントより指揮官から聞いていたマルチプレイをプレイしたいと思っていたが、まずは自分に合った感度とプレイスタイルに合ったキャラクターを探していた。

 感度は見付けたものの、盾役か、割り役か、サポート役か、ゴリ押し、万能屋、何が合うのか考えていた。

 

 そんな時、宿舎に416がやってきた。

 

「あら、鉄血人形じゃない。初めまして、HK416よ」

 

「初めまして、鉄血の下等人形、スケアクロウですわ」

 

「自虐?何の為にもならないわよ。それより、私の対戦相手になって欲しいの。部屋は作ったから、貴女が良ければ部屋に入れるわ」

 

「良いですわ。相手になりましょう」

 

「そう、良かったわ。じゃあ部屋に入れてあげるから、ちょっとそこを貸してもらえる?」

 

「ええ、どうぞ」

 

 スケアクロウが横へずれてパソコンを416に譲り、416が立てた部屋へ入れることができたら416は「すぐに始まるわ」と言って急いで部屋から出ていった。

 

「なになに?オンラインするの?」

 

 横にいたスコーピオンが紅茶の入ったコップを持ちながらスケアクロウの画面を覗き込んできた。

 スケアクロウは不測の事態を避ける為、スコーピオンが持っているコップを遠ざけて目を合わせた。

 

「サソリ、君は少し注意することを覚えた方が良いですわ。それをこぼして機器にかかったらどうするつもりですの?」

 

「大丈夫だよ。あたし、そんなに握力弱くないもん」

 

「グリフィンの劣悪人形は注意をすることもできませんの?グリフィンも大変ですわね」

 

「なにー!もう、わかったよ!置けば良いんでしょ!置けば!あっ」

 

 スコーピオンが強くコップを置くと残っていた紅茶が少し飛び散り、スコーピオンが使っているキーボードに紅茶が少しかかった。

 

「それで良いですが、ゆっくり置いて欲しいですわ」

 

 近くに置いてあったコップの水滴を拭くための布を使ってキーボードにかかった紅茶を拭くスケアクロウは、丁寧に一滴も間へとは逃がさずに拭き取り、拭き終わった頃にスケアクロウはパソコンを見るとオペレーターの選択画面になっていることに気付く。

 

「うぅん、なんか鉄血の人形はクズって記憶にあるんだけど、別に敵対心とか持ってるわけじゃないし……」

 

「急にどうしましたの?」

 

 オペレーターをSledgeにしたスケアクロウは腕を組んで悩んでいるスコーピオンの方に顔を向ける。

 

「ねえ、スケア。確かに鉄血と私達は汚い言葉言い合って争ってたりするかもしれないけどさ。こうやって仲良く、ゲームしたりとかして仲良くなれないのかな?」

 

「無理ですわ。仲良くなんてなれませんの」

 

「で、でも、スケアはこうやって……」

 

「ですが、もしかすれば仲良くできるかもしれませんわ。あの指揮官の持つ技術ならば、それも可能かもしれません」

 

「えっ?指揮官?」

 

「君は私が何故、敵対行動をしないと思いますの?」

 

 スコーピオンは少し悩んだが、難しいことはあまり考えないスコーピオンは顔にわからないと出てしまい、スケアクロウは始まったゲームをしながら答えた。

 

「あの指揮官、妙な薬を作っているみたいですの。私が口に含まされたあの飴。間違いなく、あの飴が原因ですわ。プログラムに入り込んで、敵対心を失わせる効果があるようですの。得体の知れない変な薬ですが、あれが戦いを終わらせる方法かも知れませんわね」

 

「指揮官、凄いんだね。そんな薬作ってたんだ」

 

「一時的なものかも知れませんわ。一日、一週間、あるいは一ヶ月経ってみないと結論を出すことはできませんの」

 

 スケアクロウは口ではそう言ったものの、あの指揮官がそんな手を抜くような真似をするのかという疑問を感じていた。

 鉄血の人形をハッキングしたり、グリフィンの機密情報を全て見た話を聞き、ここに居る人形達を見たスケアクロウは想像を越える技術力を持っていると確信していた。

 

 敵対心が無いのは薬を服用したスケアクロウだけではなく、ここにいる人形も自身に敵対心が無いことにスケアクロウは気付いていた。

 

 

 ~受け入れられない人形~

 

 

「指揮官、鉄血人形をここに連れて来たのは何かあるのじゃろ?」

 

「あの人形を解体して、情報を抜き出すんですよ!きっと!」

 

「まあまあ、二人とも落ち着いて。ワルサーは物騒なこと言わないの」

 

 私は二人が外に出ないように司令室の中で掃除や書類の整理などをさせていた。

 彼女達はグリフィンが贈ってくれた娘達だから、鉄血に対してかなり敵対心がある。

 

 だから、エクスちゃんを逃がしたことをナガンにとても怒られた。

 ワルサーも同じく、表情には出さずとも鉄血に対して敵対心を持っていることは確かだ。

 

「指揮官、ワシらは鉄血を倒すために生まれて来たんじゃ。それなのに、どうしてそれを止めるんじゃ?」

 

 ナガンの質問に私は何も言わずにタブレットを見て作業をしていた。

 

「指揮官、ワシはの。おぬしが何を考えているのかを知りたいんじゃ。鉄血を許せという命令以外なら受け入れるつもりじゃ」

 

「駄目ですよ。ナガン」

 

「ん?ワルサー?」

 

「鉄血は排除しなければいけないんです。私達の敵です。そんな甘いことを言ってはいけません」

 

 言動がおかしく感じた私は手を止め、ワルサーに目を向けると敵対心剥き出しの殺意に満ちたワルサーがこっちに笑顔を向けていた。

 

「そうですよね?指揮官様」

 

 彼女の言葉に私はタブレットを置いて、立ち上がった。

 

「いいや?そうは思わないよワルサー」

 

 そう答えるとワルサーの顔から笑顔が消え、普段見ないような真剣な表情になった。

 

「どうしてですか?私達の仲間を蹂躙し、人類の敵である鉄血に憎しみは無いんですか?指揮官様」

 

「ワルサー」

 

「毎日毎日、グリフィンに所属している人形達が、それを指揮している指揮官様達が、壊され、殺され、絶望を味わって消えていきます。私はそう思うと、鉄血が憎くて、憎くて、憎くて堪りません」

 

「ねぇ、ワルサー」

 

 私が近付こうとするとワルサーが自分の銃を向けてきた。

 私は進もうとしていた足を止め、ワルサーと目を合わせた。

 

「指揮官様、私達と鉄血は仲良くはなれません。鉄血は敵です。悪です。滅ぶべき存在です」

 

「ワルサー、それは違うよ。生まれた目的、場所、性能、性格が違っても貴女達人形は仲良くなれるよ。それをさせないのは人間達。人形に憎しみを持たせて戦うための道具として使っている人間なんだよ。だから、私が望むのは今宿舎でスコーピオンとゲームをして遊んでるスケアみたいな平和な関係。貴女達が人間の手から離れて、憎しみを忘れて生きれば……」

 

「失望しました」

 

 ワルサーのその言葉と共に引き金が引かれ、自分の体を見るとスーツの胸元に穴が空いていた。

 

「ワルサー!貴様!」

 

 ナガンが銃を取り出してワルサーに向けようとすると、ワルサーが躊躇いもなくナガンに銃を撃ち、ナガンの小さな体に何発も撃ち込んだ。

 

「ワ……ワルサー……おのれ……」

 

「平和な世界なんて鉄血が居る限りやって来ませんよ。ナガン、貴女も指揮官に甘すぎです。指揮官の命令なら鉄血に危害を加えるつもりは無かったんじゃないですか?」

 

「おぬしは……平和を望まんのか?……」

 

「望むのは平和ではなく、グリフィンが望むこと、すなわち鉄血の壊滅です」

 

「人間の望むことより、平和を望むことの方が重要じゃろうに……」

 

「私達グリフィンの人形は鉄血を倒すために生まれてきたんですよ。それに従えば良いんです」

 

「……どうやら、わかり合えんようじゃな。……生まれた時代がゆえかの?」

 

 ナガンは銃を握って震える手でワルサーに向けようとするが、それでは頭を撃ち抜かれてしまうだろう。

 私は使いたく無かったPPKを取り出し、ワルサーの銃を撃ち落とした。

 

 しかし、彼女は二挺持ち、すぐに次を出してくるだろう。

 

「ナガン!」

 

 私はナガンに駆け寄って体を抱き抱え、司令室の机の裏に隠れる。

 銃弾が飛んできたものの、何とか机の裏に隠れることができた。

 

「指揮官!おぬし、大丈夫なのか?」

 

「平気平気、ほら、アーマープレートがあるからさ。こんな形で試すことになるなんて思わなかったけど……」

 

 スーツの内側にアーマーを着ていることをスーツを少し脱いで見せ、ナガンに注射器を打って治療し、私はワルサーが弾切れをしている瞬間を狙って突撃した。

 

「待て!待つんじゃ!」

 

 ワルサーが装填を終わらせ、狙いを定めて引き金を引く、銃口を見て私は銃弾が飛んでくる方向を予想して体を低くして弾丸を避け、ワルサーの体に手が届く距離になったら格闘術でワルサーの銃を手から落とさせ、体を投げて地面に伏せさせる。

 

「さて、ワルサー。罰を受ける準備はいいかな?」

 

「この!離せ!裏切り者め!」

 

 ワルサーの手を後ろに回して携帯していた手錠で拘束すると、ワルサーを担いで私は研究室へ急いだ。




ワルサーがキャラ崩壊、本当にこの世界ならありそうだと自分なりに思った物を書きました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
面白いと感じていただけたら嬉しいです。
では、また次回。


「お注射の時間だぞ」by.ブリッツ
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