ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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放置していた本部からのメールが関係するお話です。
あと音もなく来ていたメールも。

あと短い間に色々起こりすぎて資源集まらない、ガジェット研究進まないと思い、日常のお話も入れます。

そして、今回よりガールズラブタグを追加いたします。


指揮官、本部へ

 ドラグノフが配属され、夜が明けて朝になると指揮官があくびをしながら研究室から出てくると、研究室の前でドラグノフが待っていた。

 

「おはよう指揮官。早い目覚めだな」

 

「ドラグノフちゃんもね。あ、はいこれ」

 

 指揮官はドラグノフに追加の機能を加えた彼女の銃を渡すと、早速ドラグノフは確認を行った。

 スコープを覗くと熱を持つものが黄色く表示されて見易くなっており、接眼レンズを軽く回すと普通のスコープに戻ることを確認したドラグノフは自然と口角が上がった。

 

「凄い、本当に凄いな指揮官は。早くこれを実戦で使ってみたいものだ」

 

「あー…その前にね、話したいことがあるんだ。ちょっと皆にも聞いて貰おうと思ってるから、宿舎に皆を集めてきて」

 

「ん?ああ、わかった」

 

 指揮官の指示通りに全員を宿舎に集めたドラグノフは昨日、挨拶したばかりの皆と一緒に宿舎で待っていると指揮官が珍しくガスマスクを外した姿で宿舎にやって来た。

 

「よし、皆居るね?皆に重要なお知らせがあります」

 

 指揮官の真面目な顔と雰囲気で全員が静かに指揮官のお知らせに耳を傾け、宿舎に緊張感が漂う。

 

「えー私が元正規軍研究員だと言うことが本部にバレちゃって……クビになるわけじゃないけど再試験を受けることになったので本部に行って参ります」

 

「ん?……元…正規…軍?」

 

「「「え?」」」

 

「な…なな……なんじゃとおぉぉぉぉ!!?」

 

 FMG-9は知らなかった情報に眼鏡がずれ、全員が唐突すぎる事に驚いて少ししか声が出ない中、驚きを隠せずに声を上げたナガンは指揮官に駆け寄ると腕を掴んで揺らし始めた。

 

「お、おぬしが!?おぬしが元正規軍の人間じゃと!?」

 

「そうだよ。言うつもり無かったんだけど本部のお偉いさん、クルーガーさんがどっからか知ったらしくてね~。いや~グリフィンの情報網は侮れないね~」

 

「そんな軽い感じで言うことではないじゃろう!!再試験とはなんじゃ!!本当に飛ばされるわけではないんじゃろうな!?」

 

「そこは確認済み、嘘付いたら私は死ぬ気で機密情報をあちこちに拡散させてやると脅しもしたし、私を殺さないなら技術の提供をしても良いよって取引もしたから」

 

「は、話がぶっ飛び過ぎじゃぞ……」

 

 ナガンがついていけないと頭を抱えていると、今まで何一つ情報が獲得できずに写真を撮りまくるだけの写真家になっていたFMG-9は眼鏡を直すと指揮官にメモ帳を持って近付いていった。

 

「えっと、自分は色々調べてボスの情報について何一つ得られなかったので、ここで聞いても?」

 

「うん、良いよ」

 

「ありがとうございます。では、まず最初に名前と年齢をお願いします」

 

「正規軍にいた頃はフリーデ・ラインハルト。年齢は18歳だよ」

 

「じゅ、18?嘘……」

 

「嘘じゃない、フリーデ博士は18よ」

 

「む?おぬしは……」

 

 宿舎の扉を開けて現れたのは前で手錠をした状態のジェリカ、全員の視線が手錠に集まるが気にせずにジェリカは続ける。

 

「14歳の時、博士は飛び級で士官学校を卒業後、士官として経験を積む前に研究員としての道を選んで数々の実績を上げ、軍内部で最も優秀な研究員として上層部から気に入られていた人物よ」

 

「上層部から気に入られていたとな……つまり、おぬしは軍へ戻すために派遣された軍の人間かの?」

 

「ええ、ご覧の通り…私は博士に負けて捕まった。博士がこんなに強いなんて思ってもいなかった」

 

「つ、強いんじゃな。おぬし」

 

「勿論!私には才能があったし、自分の作った人形との戦闘で経験と努力もしたから、そんじゃそこらの兵士には負けないよ」

 

「人形が相手じゃと!?それでは人間が敵うはずもないのう……」

 

「あ…あんな戦闘用の人形と戦うなんて……正気の沙汰とは思えない……」

 

 胸を張ってどや顔をする指揮官にドン引きするジェリカと、驚きすぎて疲れて突っ込めなくなったナガン。

 

「……よし、では次にグリフィンに来た目的を……」

 

「無い」

 

「無いっと……え?」

 

 メモを終えたFMGが次の質問を言い終わる前に答えたことにFMGはメモをしようとした手を止めて指揮官のことを見た。

 

「適当に選んだんだよね~。人材不足なところだったら何処でも良いって思っててね。適当に選んだのがG&Kだったってだけ」

 

「そ…そうですか……わかりました。じゃあ、次は基地の場所についてなんですが、何故S09地区ギリギリの端っこにある基地を選んだのでしょうか?」

 

「……えっと、できれば秘密を守るためにこそこそできる場所が良いな~って思ってたら本当に端っこの基地に配属になったんだよ。しかも、近くの味方の基地がこの前潰された基地だけなんだよね……」

 

「選んだのではなく、本部が?」

 

「うん……口には出さずともお願いってしてみるものだよね。でも、ヘリが落ちるわ、本部からの資源配達ができないわ、味方の基地との連携取れないわ、発電所が近くのボロだからいつ停電してもおかしくないわで散々な場所なんだよね、ここ」

 

「指揮官って運が悪いのか?なら安心しろ。エリートの私は、自分で言うのもなんだが運は良い方だぞ」

 

 慰めの言葉なのか怪しい言葉をかけられる指揮官だったが、そんなドラグノフの言葉に笑顔を見せる。

 

「そうなんだ。ならドラグノフのおかげで、しばらくは平穏になるかもね」

 

 頭を撫でられてそう言われたドラグノフは顔を少し赤くして指揮官から顔を背けた。

 そして、FMGは今度は指揮官の体について探ろうとジェリカに近付く。

 

「ジェリカさん、身長とか体重ってわかります?」

 

「勿論よ。身長は172、体重は58、AAカップよ」

 

「さらっとバストサイズ言わないでくれないかな?」

 

 少し怒り気味に言うもののジェリカは悪い笑みを浮かべ、FMGもそれをメモ帳に一切の躊躇いもなく書き込む。

 

「ご協力ありがとうございます」

 

「ふふ、どういたしまして。やり返せるのがこれくらいなのは正直悔しいけど、やり返せないより良いものね。ところで私のバストサイズはDなの」

 

「いえ、興味ないです」

 

 FMGはそう言うとメモ帳を閉じてジェリカから離れると、悲しそうな表情をした指揮官がジェリカの肩に手を置いた。

 

「えっと……醜い争いは止めようよ。ね?」

 

「いい…あっいや…隊長…お姉さんはそこの白い髪の人形ぐらいにはあったはずよね?」

 

「えっ?私?」

 

 突然、飛び火を食らった416は自分を指差すと指揮官が腕を組んでじっと416の胸を見つめ、段々と416の顔が赤くなっていく、そんなことを気にも止めずにじっくり見た指揮官はジェリカに顔を向ける。

 

「いや、416も大きいけどお姉ちゃんはもしかしたらもう少し大きいかも」

 

「な、なんですって!?や、柔らか…あ、いやいや…触り心地は?」

 

「む?触り心地と言うか感触は……マシュマロ?」

 

「へ、へぇ……その……揉んでみたことが?」

 

「あるよ。というか揉んでみろって言われて揉んだことがあるだけだけど……と言うかジェリカちゃん鼻血出てるけど、もしやそっちの方?」

 

「ふ、ふふ……つまり、お風呂場で博士が攻めで……隊長が受け……いえ、逆も……ふ、ふふ……」

 

 鼻血が出ていることに気付かず自分の世界へ入ったジェリカ、その様子を見た指揮官は真顔で放って置こうと決めてナガンのところへ行き、手に持っていたタブレットをナガンに渡した。

 

「なんじゃ?これは?」

 

「私が予定してたことはなんだけど、急用ができちゃったからね。ナガンが副官ってところは割りと多いみたいだから、ナガンに任せようと思ってるんだけど良いかな?」

 

「むぅ……普通に頼めばよい。余計なことを言われると少し頭に来るのじゃ」

 

「ごめんごめん、じゃあ留守の間はよろしくね」

 

「うむ、任された。くれぐれも気を付けるんじゃぞ」

 

「わかってるよ。出発は15分後かな、それまで何か聞きたいことがあったら聞いてね」

 

 手を振ってヘリポートへ向かう指揮官の背中を見送ったナガンは早速、初めて触れるタブレットを操作して予定表などを見ようとすると、見ようとは思っていなかったものを見てしまう。

 

「む?むむ?」

 

 誤って予定表ではないものを表示させてしまったナガンが見たものは、いつ書いたものなのかわからない数々のユニークガジェットの設計図案だった。

 

 その中でもナガンの目を引いたカプカンのEDD、侵入阻止デバイスの設計案はコンパクトな見た目で微弱な電磁波を感知し、瞬時に敵味方の区別をつけて自爆を行う自爆装置だった。

 

 改善点として不具合で自身が放つ電磁波を感知し、誤って自爆をしてしまう危険性とセットした者が離れるまでの間にぶつかるなどの軽い衝撃を加えられた場合、一部の機能が損傷して修復しなければいけないほど脆い内部設計、触った時の静電気を感知して使用者に死傷を与える危険性があることなどが書かれていた。

 

 その他にも開発済みのガジェットの改善点や修正案などがこと細やかに書かれ、それを見るナガンを驚かせた。

 

「ほお、SAS…FBI…GIGN…スペツナズ…GSG-9のガジェットは設計案があるようじゃが……これはなんじゃ?」

 

 ナガンは設計に酷く苦戦しているのが改善点の文で分かる謎のガジェットに目が行き、内容を読もうとしたナガンの肩に誰かの手が置かれ、ナガンはタブレットを閉じて後ろを振り向いた。

 

「どうしたの?」

 

「なんじゃ、416か。何でもない、ちょっと予定を確認していただけじゃ」

 

「そう、なら早くした方が良いわ。指揮官、出発するそうよ」

 

「ん?まだ5分程度しか経っとらんが?」

 

「天候が悪くなりそうだから早く出発するらしいわ」

 

「なるほどのう、わかった。急ごう」

 

 ナガンはタブレットを持ったままヘリポートへ向かい、ヘリポートに来たナガンはすでに集まっていた人形達の後ろから飛び立とうとしているヘリを見ていた。

 

「よし、それじゃ皆!基地は頼むよー!」

 

 スケアクロウ以外の全員が敬礼すると指揮官は手を振ってジェリカを乗せたヘリに乗り込み、ゆっくりと上昇して基地を飛び立っていった。

 

 指揮官の居ない基地で人形達の日常が始まる。




指揮官が居ない間、ガジェット製作はナガンと416が頑張ります。
苦戦して貰いましょう。

では、また次回。


「いいか、死など存在しないんだ」
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