ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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「気を付けろ!吹っ飛ばす!」

ゲームを知っている人なら誰しもが聞いたことがあるであろう台詞。
自分は「馬鹿デカイ穴が開くぞ!」が好きですね。


火花、爆発、馬鹿デカイ穴

 自分の存在に気付いていないと思っていたSIG-510を驚かせて満足した私は、工廠で作って持ってきた簡易パソコン達を部屋に並べた。

 

「よぉし、用意できた!それじゃ、やろう!」

 

「指揮官、確認ですが本当にこのPCは私が貰って良いんですね?」

 

「勿論!最初から416にあげるつもりだったからね」

 

「おぬし、このパソコンとやら何処で……」

 

「工廠にあった材料使って、ぱぱっと作った。大丈夫、どんなゲームでも動かせるくらいの性能はあるから」

 

「おぬし、器用というよりこれに関係する職をしていたじゃろ。そうじゃないと、説明がつかんぞ」

 

「はてはて、なんのことかな?私は完璧だからね、なんでもできちゃうんだよ」

 

 ナガンの質問に曖昧な答え方をして誤魔化し、私は全部のパソコンにゲームのデータを高速ダウンロードして、ダウンロードが終わるまで待っていた。

 

「あっ、そうだ。SIGはもう専用のガジェットができてるんだ。416、テルミットはもう使った?」

 

「補強された壁を破壊するオペレーターですね。既にヒートチャージを作ってあると?」

 

「そうそう、まだ試験段階だけどね。皆で見に行こうか」

 

「見るって、何処でじゃ?」

 

「私専用の実験室、と行く前にイメージを作っておかないとだね。416、お願い」

 

「わかりました。少し待ってください」

 

 416がシチュエーションの8を選ぶと、動画が流れ始める。

 このシチュエーションは補強された壁を破壊することができるオペレーター、テルミットを使うことができる。

 

 持っている武器はSIG-556のようだが、ゲーム内では556xiという名前になっている。

 まず、最初はドローンで人質の位置を見つけ、そこまで助けに向かい、回収したら外の回収地点に届けてこのシチュエーションはクリアになる。

 

 動画が終わってドローンで偵察する時間になり、偵察する時間が終わると、キャラが武器を構えた。

 そして、すぐにSIGは武器に目が行ったようだ。

 

「この武器……なんだか私の銃と似ているような気がしますわ」

 

「そうだね。名前は違うけどSIGシリーズ関係の武器だと思うよ」

 

「それで、私にこの……」

 

「テルミット」

 

名前を言えずに一瞬、困った表情になったSIGに416は名前を教えた。

 

「テルミットさん?のガジェットを使わせようと思いましたの?」

 

「そうだよ。あと専用とは言ったけど、代役に使わせることもあるだろうから、正確には主にSIG-510が使うガジェットかな」

 

 私が説明している間に416が建物の中へと入り、適当に補強されている壁を見つけると、その壁にThermitのガジェット、ヒートチャージを貼り付けた。

 

「行くわよ。よく見てて」

 

 416が起爆する操作をすると、ヒートチャージの上の縁から二手に分かれて火花が出始め、下まで火花が行くと大きな爆発が起こり、補強されていた壁に大穴が空いた。

 

「こ、これが……テルミットさんの……」

 

「テルミットのユニークガジェット、ヒートチャージ。私が作るのはコンクリートとか、鉄骨が入ってる壁や床なんかの頑丈な物も破壊できるようにするつもりだけどね。イメージはできたかな?忘れない内に実験室に行こうか」

 

「は、はい!」

 

「ほぉ、どんな物か楽しみじゃの~。ん?416 は行かんのか?」

 

「私はこれを終わらせてから行くわ」

 

「そうか、早くするんじゃぞ。でないと見逃してしまうぞ」

 

 ナガンが話し終わったのを確認した私は二人の先頭を歩いて実験室に案内した。

 前の実験室よりも狭いけど、工事するか工夫すれば何も問題ない広さだ。

 

「ほお、宿舎からそんなに離れていないんじゃな。しかし、こんなところに実験室ができていたとは……」

 

「ハッハッハ、私は静かに実験室を作るのも得意なんだよね~。実はたまたまあった部屋を改造しただけだなんて言えない」

 

「おぬし、思うたことが口から出とるぞ」

 

「まぁ、そんなことよりもヒートチャージの試作品だよ!さあ、これが私が作ったヒートチャージだ!」

 

 私は机の上に置いてあるゲームのと同じような見た目のヒートチャージを手に持ち、二人に見せた。

 

「おお、まんま同じじゃな!」

 

「これがヒートチャージですの?」

 

「うんうん、じゃあこれをあそこの壁に貼り付けるね」

 

「ん?おぬし、その壁はコンクリートの……って待つんじゃ!まさか、おぬし!」

 

 私はただ見せびらかしたくてここへ呼んだのではなく、改装工事のついでに、試作品を見せるためにここに呼んだのだ。

 そう、ただコンクリートの塊に貼り付けて破壊するのを見せびらかすだけの私ではない。

 

「馬鹿デカイ穴ができるよ!!」

 

「待てぇぇぇぇい!!」

 

 ナガンが私に飛び付いて止めようとしてきたが、時既に遅し、抱き付かれると同時に私がスイッチを押すとヒートチャージはゲームと同じように上から二つに分かれて火花が出始め、下に到達すると凄い爆音と共に実験室に粉塵と煙が充満した。

 

「ケホッ…ケホッ……おぬし!なんて奴じゃ!頭がイカれておるのか!?」

 

「ケホッ…ケホッ…何も見えませんわ……」

 

「よぉし、工事成功!換気…換気っと」

 

 扉を開けてそとに向けて扇風機を置き、廊下に舞い上がった粉塵と煙を外へ出す。

 

「凄い音がしましたが、間に合いませ……」

 

 扇風機のスイッチを入れたところにタイミング悪く416が来てしまい、扇風機によって吐き出された粉塵と煙が416に襲いかかった。

 

「あっ……ごめん、416 」

 

 すぐにスイッチをオフにしたものの、416は服が真っ白になってしまい、何も言わずに目を閉じてその場で立っていた。

 そして、ゆっくりと口を開いてため息を吐き出した。

 

「あ、あはは………いやー、まさか416がこのタイミングで来るなんて思わなかったよ」

 

「はぁ……指揮官……」

 

「いやいや!事故だよ!事故!事故だからね416!?」

 

「言い訳は見苦しいだけです指揮官、そこに正座しなさい。今すぐに!」

 

「あっ……はい……」

 

 私は言われた通りに416 の目の前で正座し、416の言葉に耳を傾けた。

 

「指揮官、すぐに言い訳をするのは止めてください。あなたの尊厳に関わります。すぐに謝ったことは良いことですが、その後の聞きたくもない言い訳が私が怒っている原因です。理解しましたか?」

 

「は、はい……気を付けます……」

 

「別に指揮官に塵を被せられようとゴミを投げられようと私は構いません。その事については怒っていませんから、言い訳をするのは止めてください。良いですね?」

 

「はい……わかりました……」

 

「声が小さいですが、わかったのなら良いです。では、私はシャワーを浴びてきます」

 

 なんだかんだ声を荒げずに問題点だけを指摘する辺り、やっぱり完璧だと自分で言っているだけのことはある。

 

 でも、多分シャワー浴びながら後悔するんだろう。

 それで自分が喋った内容を思い出して間違いがないか、徹底的に探し始めるのが彼女の設定された性格だ。

 

「いやー、怒られちゃったよ」

 

「反省しとるのか?おぬし」

 

「反省はするけど、態度は変えないよ。暗い雰囲気は嫌だからね」

 

「うむ……まあ、確かに暗い感じで落ち込まれたらそれはそれで困るのう」

 

「さぁ気を取り直して、ヒートチャージの威力を見てみようか!……んんっ!?」

 

 私は実験室に新しくできた空間を見ようと、爆発した場所を見て自分の目を疑った。

 なんと、ゲームのよりも何倍も大きい空間がそこにはできていた。

 

 乗用車が二台入るくらいのスペースだったのが、爆発して広げた後は一台と半分くらいのスペースが追加でできたのだ。

 しかも綺麗に、もっと雑な感じになると予想していた私はそこに驚いていた。

 

「ありゃ……これじゃ、向こう側にもし人形とかいたら木っ端微塵だね……」

 

「それよりもおぬし、どうやったらあの程度大きさで、こんなにも横に空間ができるんじゃ」

 

「それは爆薬に使った素材のせいだと思う。こっちには被害が少ないように設計してあるから大丈夫だったみたいだけど、まさか横にこんなに空間ができるとは……予想通りだったけど驚いたね」

 

「やった後ならなんとでも言えるのじゃぞ」

 

「本当だよ。想定内だけど驚いてるのはこんな綺麗に横に空間ができたことだよ。さて、じゃあ多分さっきの音で皆が寄ってくるだろうから、二人は皆とゲームで遊んでおいで。私はやることができたから」

 

「うーむ、何か手伝うことがあるなら手伝うぞ?」

 

「大丈夫、それよりも二人はゲームをして戦術の理解を深めてほしいな。どう道具を使い、いつ使い、そしてどうするのかをね」

 

「なるほどの。ならSIGと一緒に戻っておるぞ。SIGが一番重要そうじゃからな」

 

「えっ?私が?」

 

「そうじゃ、ほれほれ早く行くぞい」

 

 ナガンがSIGの手を引いて部屋から出ていき、宿舎へ向かっていくのを私は廊下に出て手を振って見送った。

 ナガンは長い歴史を持つ銃なだけあって察しがいい、ナガンの言う通りSIGは重要なガジェットを持つことになるのだから、今は一番重要だ。

 

 早速、試作品の手直しに取り掛かり、最初のものよりも安全で使いやすい、いい物を作るとしよう。




上手く書けたは置いておいて、少し面白くできたような気がします。
それでは、また次回。


「さぁて、消灯だ!」by.サッチャー
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