ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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シージの台詞を上手く入れられたような気がします。
だが違ったとか言わないで……。


手遅れの救援要請

 発電所の確認を終えて、基地へ戻った416はお昼を済ませた後にスケアと整備班にガジェットの開発をする指示を出した後、救援要請に来た少女の元へ来ていた。

 

「気分はどうかしら?MP7。どこか悪いところとかは?」

 

「特にない、私のことより早く救援部隊を出して欲しいんだけど」

 

「わかった。隣に座らせてもらうわ」

 

 隣に座った416はタブレットを操作して地図を出しながら横目でMP7の体を見る。

 資材不足が原因で修復が中途半端なままで終わっているため、体の一部に傷は残っており、損傷している右側の目は包帯によって隠されていた。

 

「MP7、基地が何処にあるのか。地図で教えてもらえない?」

 

 地図が表示されたタブレットを見せると、MP7はすぐに指を差して基地のある場所を教えてくれた。

 しかし、その基地の場所は墜落現場へ救助に行った日に壊滅した基地だった。

 

「お願い、飼育員…指揮官達が危ないんだ……」

 

「……MP7、残念だけど……今は救援部隊は出せない」

 

「どうして!」

 

「……ここはもう壊滅してる。今更行ったところで残骸と死体の回収くらいしかできない」

 

「もしかしたら誰か生き残っているかもしれない、行ってみる価値はある」

 

 MP7の主張を聞いた416は午後の予定、ガジェット開発を止めて彼女の基地へ向かうか少し迷った後、予定を変更して彼女の基地へ向かうことにした。

 

「………分かった。救援部隊を考える。でも、あまり期待しないで」

 

 416はタブレットの表示を変えて資材の確認をした後、予定表に変えてメモの指揮官のお願いに壊滅した基地の調査と資材の確保があることを確認してから部隊の編成に取りかかった。

 

「少し予定が変わるけど、問題ない」

 

 416がナガンと相談して部隊の編成を終わらせた後にヘリポートで急いでトラックの準備をしていると、MP7が銃を持って416の所へ来た。

 

「私も行く」

 

「駄目よ、貴女は怪我人でしょ?」

 

「なんと言われようと私は行く」

 

 MP7はトラックに乗り込み、椅子に座ると目を閉じて416の言うことを聞くつもりはないとでも言うかのような態度を取った。

 そんな彼女を見た416は、仕方なく同行させることにした。

 

「416、部隊の準備ができた…ん?MP7も連れていくつもりかのう?」

 

「違うわ。勝手に付いてくるつもりよ。でも、放っておいて良い、何を言っても聞かないだろうし、案内役にできそうだから」

 

「そうか、基地の事は任せて良い。それと……袋もいくつか用意しておいた」

 

「ありがとう、ナガン。生きていたら連れて帰ってくるけど、そうじゃなかった時のために準備はしておいて」

 

「うむ、そろそろ出発した方が良い。夜になる前に戻って来るんじゃぞ」

 

 416は電脳内の時計が2時前になっていることを確認して、ナガンに顔を向けて頷いた。

 ヘルメットを被ってトラックに乗り込んだ416はナガンに手を軽く上げてトラックを走らせ始めた。

 

 ナガンが手を振ってトラックを見送った後、副官としての仕事をするために司令室へと戻った。

 

「はぁ、午後からは何もないからのう……。情報集め、基地内の監視、あとは……ゲームをするくらいで何もないのう」

 

 資材は不足し、何かしようにも出来ず、暇を持て余していたナガンは、情報集めをしながら基地内の監視を行い、少し暇になったところで他の基地の情報を集めて今の基地に役に立ちそうな情報を探し始めた。

 

「……評判の悪い基地ばかりじゃな。良い基地は外側から見た評判ばかりじゃ。外側良くても中は分からんからな」

 

 なんとか信用できる情報がないかと夢中になって探しているナガンは誰かの気配を感じて顔を上げて周りを見た。

 しかし、誰もいないことを確認したナガンは気のせいだと思い、情報集めに戻ろうとするが、一旦司令室前の監視カメラや廊下のカメラを見てから戻ろうと考えたナガンは監視カメラの映像に切り替え、司令室前のカメラにスコーピオンが扉を少し開けて見ていることに気付いた。

 

「あやつは……スコーピオン!何か用があるなら入ってくれば良いじゃろ!」

 

「ありゃ?バレちゃった?えへへ」

 

 司令室の扉を開けて笑いながら入ってきたスコーピオンは司令室の中を見渡すと、何かを探すように机の下や物陰、冷蔵庫の扉を開けたりなどした。

 

「何か気配がすると思えば……で、何を探しとる?」

 

「ナガン、ここに誰か入って来なかった?」

 

「なんじゃ?からかっとるのか?誰も入ってきておらんよ」

 

「ふーん、じゃあ勘違いかな……あっ、特に用はないよ!じゃあね!」

 

「そうか、全く自由な奴じゃな……」

 

 スコーピオンはナガンの返事を聞くと足早に司令室から出ていき、ナガンは監視カメラでスコーピオンの姿が見えなくなるまで映像を見た後に情報集めに戻った。

 

 ナガンが情報を集めている頃、壊滅した基地へ向かってトラックを走らせている416は、舗装されていない道を激しく揺れない程度の速度で走らせていた。

 

「うん、やっぱりコイツは最高だな」

 

「えっ?なんですか?ドラグノフ」

 

「いいや、なんでもないぞ。SIG」

 

「そうですか……。ふぅ……」

 

「ん?」

 

 ドラグノフは持ち歩いている箱に腰を下ろし、銃を抱えるように持ちながら、スキットル型の水筒で牛乳を飲んでいた。

 SIGは発電所でL85が言っていたことをまだ気にしていて、切り替えようと必死に瞑想をしており、その隣では言った張本人が静かにティータイムを取っていた。

 

「地図通りに行ってたら二時間ぐらいかかりそうね」

 

「そうですね。でも、トラックが通れそうな道は限られていますから、夜までに基地に戻るのは難しそうですね」

 

「元々は基地だったんだから、多分寝られる場所くらいはあるはずよ。運が良ければお風呂にも入れるかもしれないわ」

 

「そうだと良いんですけどね。一応、泊まる覚悟はしておきます」

 

 416とG3が話をしていると突然、416の被っているヘルメットに内蔵された無線機に通信が入る。

 

『ナガンじゃ、少し良いかのう?』

 

「ええ、良いわ。どうしたの?」

 

 通信の相手はナガンだったが、声から何か問題があったと感じた416は、運転をしながらナガンの言葉に耳を傾けた。

 

『ここ最近のことを調べていて気になったことがあるんじゃ。ドラグノフについてなんじゃが、確かここに来る前は無所属だったそうじゃな?』

 

「ええ、指揮官はそう言っていたけど……」

 

『二週間程前、指揮官を殺害して逃走中の人形が居るそうなんじゃ。それで、気になって調べてみたら……その人形がドラグノフ狙撃銃だったんじゃ』

 

「まさか、ドラグノフが指揮官殺しの?」

 

 416の言葉に隣に乗っていたG3が思わず顔を向けるが、横目で416がG3のことを一瞬見た後、すぐに視線を前に戻した。

 

『うむ、確かおぬしの隣にはG3が乗っておるだけじゃったな?』

 

「ええ、大丈夫。運転席から荷台には聞こえないはずよ」

 

『そうか、それなら良いんじゃ。用心するんじゃぞ、捕まえようとした人形も何人かやられておるそうじゃ』

 

「本当に?本来、人形は味方を撃ち殺せるようにはなっていないはずでしょ?」

 

『本部が言うには深刻なエラーが原因らしいんじゃ。もしかしたら、指揮官はこの事を知っていて基地に招き入れたんじゃないかのう?』

 

「それで本部に呼ばれた可能性も?」

 

『ありえない話ではないんじゃが、本部に呼ばれたのは元正規軍の研究員だったからじゃろ?指揮官が嘘をつくとは思えんし、本来なら秘密にするべきことを言う理由は無いはずじゃ』

 

「確かにね。分かったわナガン、隙を見て話をしてみる」

 

『なんじゃと?416、止めておいた方が……』

 

「昨日のドラグノフが夕食を食べていた姿、ナガンも見たはずよ。異常のある人形が、あんな姿を見せると思う?」

 

『うぅむ、それはじゃな……』

 

 ナガンは話をしようとする416を止めようとするが、416の言葉でナガンは食堂で416が作った料理を食べて泣いていたドラグノフの姿を思い出し、言葉を詰まらせた。

 

「何か理由があるはずよ。大丈夫、万が一のことがあっても私は負けない。それに、ドラグノフはもうチームメイトでしょ?ナガン」

 

『チームメイトを信じていると?』

 

「ええ」

 

 416が微笑みながらすぐに返事を返した姿に、隣で見ていたG3も微笑んでいた。

 

『はぁ……分かった。おぬしはまともだと思っておったんじゃが、この基地はワシも含めてゲームに影響されとる奴らばっかりじゃな』

 

「ステンとワルサーはそこまで影響は受けていないはずよ」

 

『う、うむ……確かにそうなんじゃが……ワルサーはのう……』

 

「ワルサーが誰かの影響を?」

 

『いいや、あやつは……まあ、ちょっと異常なだけじゃ。それより、ワシの方でももう少し情報を集めてみる。何かわかったら連絡するぞい』

 

「そう、わかった。情報ありがとう、ナガン」

 

『礼には及ばんよ』

 

 ナガンとの通信が終り、416が隣を見るとG3が微笑んでいることに気が付き、すぐに顔を前に戻した。

 

「何か言いたいことでもあるの?G3」

 

「いいえ、なんでもありませんよ」

 

「そう、さっきの話は……」

 

「ええ、勿論秘密にします」

 

「ありがとう。早まった行動はしないように、まだ決まったわけじゃないから」

 

「勿論です。でも、話をする時は私も隠れて聞いても良いですか?」

 

「そうね。万が一もあるし、頼める?」

 

「任せてください」

 

 笑顔で頷くG3を横目で見た416が前に視線を戻すと、廃墟になった街に入り、舗装された道になるとトラックの速度を上げて割れている場所や窪みに気を付けながら、道が再び舗装されていない場所になるまで416はトラックの速度を落とさずに走り抜けた。




アーマープレートさえあればグラズの弾だって3発耐えられるようになるんです。(ヘッドショット?論外です)

投稿が遅れてしまいましたが、ゆっくりと書いていこうと思います。
それでは、また次回!


「一撃必殺だ」by.グラズ
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