ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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久しぶりの投稿です。

風呂の話が多くてどうしようかと思いましたが、やっぱり彼女達が幸せそうなので良いかなと思ってます。


全てを洗い流す大浴場

 基地に着いた416を乗せた戦車は一旦、空きの倉庫に格納し、戦車の乗員全員は416の後に続いて脱衣所へと向かっていた。

 

「久しぶりのお風呂ですわ~。耐え難い肥溜めの臭いともこれでおさらばですわね」

 

「こ、肥溜めって……貴女達、ここに来る前に何があったのよ」

 

「盗賊の隠れ家を一つ吹き飛ばしたのですが、その際に榴弾で見事に肥溜めを吹き飛ばしてくれたんですよ」

 

 416の質問にガーランドが隣へ素早く来るとその理由を説明してくれ、すぐ隣へ来たガーランドに驚きながらも416はガーランドが視線を向けている方向にいるMP40のことを見た。

 

「す、すみません……」

 

「アッハハハハ!謝ること無いわよ、MP40。戦車の中にその臭いを持ってきた奴らなんだから」

 

「M2、私達は家族ですよね?なら、安全な車内に入るのは当然ですよね?」

 

「臭い戦車の外でしばらく機銃手をやらせた車長の言うこととは思えないわね~」

 

「あれはM2が勝手に出ていったんじゃないですか」

 

 笑顔で言い合いをしている二人の事は放って脱衣所の前に着いた416は脱衣所の扉を開けて中へと入ると、スケアクロウがガスマスクをしたままタオル一枚の姿で宙に浮いて、他の鉄血の人形達と待機していた。

 

「ようこそ、グリフィンの皆様」

 

「スケアクロウ!?」

 

 スケアを見たMP40が腰に下げていたホルスターから拳銃を抜こうとするが、それをStgが止めて被っていたもう片方の手で帽子を取って胸の前で持ち、ガーランド達の側を通って前に出るとスケアの前に立った。

 

「ごきげんよう、スケアクロウ。確か、最近破壊されたと聞きましたが?」

 

「どうして私がスケアクロウだと思いますの?」

 

「そのガスマスク、スケアクロウの物だとお見受けしましたが……間違っていたのなら、非礼を詫びますわ」

 

 スケアが416に目を向けて指示を求めると、416は目を合わせて静かに頷いた。

 それを見たスケアも小さい頷きを返し、ガスマスクをゆっくりと……外そうとして手を止めた。

 

 スケアの下半分の顔が見えそうになるが、スケアは素早くガスマスクを戻した。

 

「確かに私はスケアクロウですわ。ですが、今ここにいる私はグリフィンと敵対している訳ではありませんの。そこを理解して頂きたいのですけど……」

 

「鉄血の言うことなんて信用できませんよ。そうやって嘘ばっかり言って!」

 

「まあまあ落ち着きなさいよ、MP40。副隊長に任せなさい」

 

 Stgとスケアはお互いに目を合わせたまま、身動きせずに言葉も発することなく、沈黙が続いた。

 

 そして、Stgが片手をゆっくりと動かすと手をスケアに差し出した。

 スケアもゆっくりと手を差し出すが、416に目を向けてその手を止め、手を引っ込めてStgの目を見る。

 

「まだ何か、不安なことが?」

 

「いえ、これで不安なことは無くなりましたわ」

 

「他の鉄血とは違って、ここのグリフィンの人形達と上手くやっているようですね」

 

 ガーランドがスケアに近付いていくと手を差し出し、スケアは再び416に視線を送るがガーランドがスケアの手を握って無理矢理、握手を交わさせる。

 

「Stg、それMP40に返してあげて」

 

「あら?もう大丈夫ですの?」

 

「大丈夫よ。敵対心があるわけじゃなさそうだし、タオル一枚で丸腰だったんだから、貴女も薄々気付いていましたよね?」

 

 Stgは笑顔を見せると帽子の中に潜めていた拳銃を取り出して見せ、MP40はStgの隣に来ると拳銃を受け取ってホルスターにしまう。

 

「それと、MP40も芝居はしなくて良いです」

 

「えっ?」

 

「関係が悪化するだけです。敵対心を見せるような真似はしなくて良いですよ」

 

「わ、分かりました…」

 

 MP40はスケアを見るが目があった瞬間に目をそらし、帽子を取って目を合わせずに軽く頷いて挨拶をした。

 

「よぉし、みんなで仲良く背中を流しましょう!」

 

 M2は416の首を後ろから腕で捕まえるとそのまま脱衣所へと入っていった。

 その後へ続くようにしてガーランド達も脱衣所へ入っていき、全員で服を脱いだ後に浴場へと入っていった。

 

「お風呂ですわぁぁーーー!!」

 

 Stgは走って湯船の中へ飛び込んでいき、ガーランド達は鉄血の人形達に引き止められ、プラスチックで作られた小さな椅子、バスチェアに腰を下ろすと鉄血人形達が丁寧に優しく彼女達の体を洗い始めた。

 

「楽だけど、誰かに洗ってもらうのってなんだか申し訳ないわね……」

 

「気持ちいいです。洗うのが上手いですね」

 

「「ありがとうございます」」

 

 MP40の褒め言葉に返事を返す鉄血人形のリッパー二人、M2の体を洗っているイェーガーの二人はM2の豊満な胸をじっと見つめながら同じところを何回も洗い続けていた。

 

「あ、あのガーランドさん!?」

 

「何でしょう?何も問題ありません。続けてください」

 

「は、鼻血が出てるのに問題ない訳無いですよ!?」

 

 ガーランドの体を洗っていたドラグーンは両方から大量の鼻血を出しながら平然としているガーランドに驚き、軽くパニックになっていた。

 その様子をドラグーンと同じく反対側でガーランドの体を洗っていたガードは、どうしたものかと腕を組んで見ていた。

 

「優しいですね。ドラグーンタイプの方、よろしければ今夜式を挙げませんか?」

 

「ど、どど、どうしましょう!?ガーランドさんが私のせいでおかしくなっちゃいました!式を挙げた方が良いんですか!?ガード!」

 

「なに言ってる!落ち着けドラグーン!」

 

「整った顔に美しい髪、優しくてほっとけない性格、これは私と結婚するしかありませんね」

 

「アンタ、本当にさっきのガーランド?」

 

「ドンピシャだったんでしょう。それより、早く体を洗って入ることを考えた方が良いですわ」

 

 416の隣で体を洗っていたスケアの言う通りに416は体を洗おうとするがその前に少し注意をしようとして目をガーランドに向けた時だった。

 MP40が音もなく近付いてきて、素早くガーランドの首筋に手刀を入れて気絶させる光景を見てしまい、ガーランドを気絶させたMP40と目が合う。

 

「いつもなら鼻血で済むんですけど、ドラグーンさんはゴーグルが無いと凄く美人ですからね。結婚しようって言うのも分かります」

 

「あ、ありがとうございます……MP40さん」

 

「いえいえ、慣れっこですから。気にせず早くお風呂に入ってくださいね。お二人とも」

 

 いつもこうなのかと思いながら気絶したガーランドの上を通って湯船に入って行ったドラグーンの隣に416とスケアがさりげなく来ると、変態の可能性がある二人をドラグーンに近付けさせないようにガードも入れて三人でドラグーンを守る壁を作った。

 

 リッパータイプはガーランドのことを心配して脱衣所に置いてあった救急箱を持ってきて、鼻に止血用の綿を入れて処置してから、湯船には入らないM2に気絶したガーランドを預けた。

 M2はガーランドを背負って浴場から出ていき、ガーランドを見送ったリッパー達はStgとMP40と一緒に湯船に入って雑談をし始め、ちょっとした騒ぎは収まった。

 

「なんだが、変な人形を引き入れた気がするわ……」

 

 自分がしたことが正しかったのか疑い始める416は天井を見上げて呟くと、雑談をしていたStg達が鼻歌を歌い始め、その歌がドイツの軍歌である[エリカ]だと気付いた416は静かにその鼻歌を聞きながら目を閉じた。

 

「416、湯船の中で寝るのは危険ですわ」

 

「分かってるわ。ありがとう、スケ…ア…!?」

 

 416は目を開けて正面を見るとお互いの顔が触れそうな程、近くに来ていたスケアに驚いて後ろへ下がろうとするが後ろは壁であり、逃れることができずに壁に後頭部を付けて少しでもスケアの顔から離れようとすることしかできなかった。

 

「フフフ、面白い反応でしたわ」

 

 スケアは満足げに笑みを浮かべると416から離れていき、416はスケアの行動に驚きが隠せず、顔を赤くしていた。

 

「尊い、この尊さをメンタルモデルに刻みますわ」

 

「同感です。副隊長」

 

 二人の発言に416は素早く反応して顔を向けると、二人の周りにいた鉄血人形達も同じように頷き、視線を反対側へ向けるとドラグーンが両手で顔を覆い、ガードは苦笑いを浮かべていた。

 

「そ、その……スケアクロウ様」

 

「言われなくとも分かってますわ。ガード」

 

「は、はい……失礼しました」

 

 何かを言おうとしたガードだったが、スケアの言葉に謝罪の言葉を言うだけに終り、416は恥ずかしさのあまり再び目を閉じて必死に逃げ出したい気持ちを抑えていた。

 

「そうですわ。416?」

 

「なに?」

 

 何かを思い出したように口を開いたスケアはまだ少し顔が赤い416と目を合わせると、微笑んで見せる。

 

「やっと、[バッテリー]が作れましたわ」

 

「えっ?作れたの?アレ?」

 

「ええ、徹夜までしてやっと試作品一号が作れましたの。大変でしたわ。できれば早めに見せたいのですけど……」

 

「分かったわ。あがったら後に見せてもらうわ」

 

「分かりましたわ。それと最近、基地の周辺に盗賊が来たそうですわ。ナガンから聞いていると思いますけど……」

 

「え?そんなこと聞いてないわよ?」

 

「おや?確かにナガンがそう言っていたのですけど……」

 

「まさか………仕方ない、私は早めに出るから後はスケアに任せるわ。基地の軽い案内をするだけでいいから、後の事お願いしても良いかしら?」

 

「ええ、分かりましたわ」

 

 416は湯船から上がり、体を急いで洗った後、早歩きで浴場から出ていった。

 それを見ていたスケアの近くにガードが来ると、耳元で囁くようにスケアに話しかけた。

 

「スケアクロウ様、準備はできていますが……いかがなさいますか?」

 

「ええ、予定通り行いますわ。416がいた方が良かったのですけれど、仕方ありませんわね」

 

「了解しました」

 

 ガードは何かをドラグーンに伝えに行き、スケアはリッパー達と雑談している二人と目が合い、二人に微笑みを見せると二人も微笑みを返した。




ガーランドの理性も洗い流されたみたいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
では、また次回~


「常に冷静にな」by.モンターニュ
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