ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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最近やりたいことが多すぎて小説が書けなくなってきましたが、まだ続きます。


ナガンの一休み

 416達がお風呂へ向かっている頃、ナガンは情報の整理をしていた。

 近くに元傭兵達の縄張りができていると、偵察に出ていたイェーガーの報告を聞いたナガンは、イェーガーが持ち帰った写真と調査報告で来た方角を確認し、何処かの組織なのか調べていた。

 

「何回調べても盗賊らしいのう。いや、何処かの調査をしている組織かもしれんしなぁ……。迂闊に手を出せないのは困るのう……」

 

 深読みのし過ぎかとナガンは帽子を取って机の上に置き、頭を撫でる。

 頭を撫でているとメールが届き、ナガンはすぐにメールを確認した。

 

「指揮官か……なんじゃ?予定が変わって早めに帰ることになった?……ふむ、それなら手を出さずに指揮官を待った方が良さそうじゃな」

 

 指揮官を待つことにしたナガンは、近くに置いてあった熊のぬいぐるみを見付け、じっと見つめた。

 

「……どうしてここにぬいぐるみがあるんじゃ?」

 

 ため息を吐き出しながら顔を戻し、目を閉じるナガン。

 

 しかし、ぬいぐるみが気になるナガンは少しだけ目を開けてぬいぐるみを横目で見る。

 そして、そのまま部屋の中に誰も居ないことを確認するとゆっくりと椅子から立ち上がって、万が一盗聴などされていたらと考えるが、ぬいぐるみの近くまで来たナガンから余計な考えは全て吹き飛んだ。

 

「可愛いの~う!こやつめ~、モフモフしてていい匂いもする!あ~指揮官は何故君みたいなぬいぐるみを持っているのかな~?」

 

 ぬいぐるみを撫でたり優しく抱きしめてみたりしてナガンは、ぬいぐるみで遊び始めた。

 

『僕はベア!熊のぬいぐるみのベアだよ!よろしくね!』

 

「私はロザリー!よろしくね!ベア!」

 

『うん!よろしく!ロザリー!』

 

 徐々に子供のようになっていくナガンは自分がナガンではなく、子供役人形の頃に戻っていることに気付かずにぬいぐるみと遊び続けた。

 

 しばらくぬいぐるみで遊んでいたナガンは、気が付くと人形を抱えてソファに寝かされて、毛布を掛けられていた。

 ゆっくりと体を起こし、自分が何をしていたのか思い出そうと持っているぬいぐるみと自分の周りを見た。

 

 自分がさっきまで座っていた椅子に指揮官ではない、金髪の女性が座ってタブレットを見ていた。

 

「お母さん?」

 

 ナガンが呟くように言うと女性はナガンのことを見て微笑み、徐々に姿が変わると真顔の416の姿になった。

 

「起きたのね」

 

「ふぇ?」

 

 驚いて変な声で返事をしたナガンは顔が赤くなっていくのが鏡を見ずともわかり、目を泳がせながら自分の発言をどうしようかと考え始める。

 

「落ち着きなさい、ナガン」

 

「え?……え?…あー416、これは…」

 

「落ち着いて、聞きたいことがあるの」

 

 ナガンが言い訳を言う前に416が言葉を遮り、聞きたいことがあると伝えるとナガンは416と目を合わせた。

 

「き、聞きたいこと……?な、なんじゃ?」

 

「ええ、盗賊のことなんだけど…」

 

「盗賊?……ああ!そういえば、言い忘れておった!」

 

「やっぱり言い忘れてたのね。次は忘れないでナガン」

 

「す、すまん…」

 

 頭を下げて謝るナガンに416はため息を吐いてからタブレットを机に置いてナガンの座っているソファまで行くと、ナガンの隣に座った。

 

「とりあえず盗賊のことはイェーガー達に監視させるとして、指揮官が帰ってきて指示を出すのを待てば良いわ」

 

「そ、そうじゃな……」

 

 隣に座った416を見ることができずに部屋の中にあるものを見て、ナガンは何かを思い出したように口を開いた。

 

「そうじゃ、バッテリーができたとスケアが言っておったぞ。そこにあるんじゃが……」

 

 416はナガンが指を指した物を見ると、そこにはダンボール箱に〖取り扱い注意〗と書かれたシールが貼ってある箱があった。

 

「スケアから聞いたけど……ダンボールに入れておいて大丈夫なの?」

 

「大丈夫じゃぞ。今のところは」

 

「そう、じゃあ少し見てみるわ」

 

 416はソファから立ち上がり、段ボールに近付くと開きかけの蓋を開いて、中からゲームの物と同じ見た目と大きさを再現したガジェットを取り出した。

 

「確か、ゲームだとハサミをここに挟んで電流が流れる仕組みよね」

 

 416は取り出したガジェットを持ち方を変えながら見ていると、突然照明が落ちて部屋が暗くなった。

 

「なんじゃ?……まさか、敵襲ではないじゃろうな?」

 

「タブレットで確認して、ナガン」

 

「了解じゃ」

 

 ナガンはすぐに暗視システムを起動してタブレットを見付け、タブレットを起動して基地の状態を確認した。

 

「……ん?電力が回ってきてないようじゃが……発電所に問題でもあったのかのう?」

 

「この前確認したばかりじゃない、何処にも異状はなかったはずだけど……」

 

「すぐに確認せんとな……うん?そういえば今何時じゃ?」

 

「…………まだ午前10時過ぎ…ね」

 

 二人はタブレットの光で照らされた部屋の中で顔を見合わせると、ナガンが首をかしげた。

 

「どうして暗いんじゃ?まだ日が落ちてる時間でもないのに?」

 

「この部屋に窓がないわけじゃないし、雲があっても夜みたいに暗くなるかしら?」

 

 静かになった部屋の中に外の雨音だけが聞こえ、突然の雷にナガンは体を震わせた。

 

「何かおかしいわね。ナガン、一度皆と……ナガン?」

 

 ナガンが震えていることに気が付いた416は持っていたバッテリーを机に置いてナガンの側に行き、肩に手を置いた。

 

「ナガン?大丈夫?」

 

「う、うむ……雷が苦手なだけじゃ……」

 

「そう……私の側に居なさい。いい?」

 

 ナガンは小さく頷き、416に返事を返すと416はベルトのポケットに入れていた小型のライトを取り出し、スイッチを押して部屋を照らした。

 

「まずは皆のところへ行きましょう」

 

「あ、ちょっと待つんじゃ。これが役に立つかもしれんから持っていこう」

 

 ナガンはバッテリーを持ち、416はナガンがバッテリーを持ったことを確認すると、ホルスターからハンドガンを取り出してゆっくりと扉を開け、通路の左右、扉の後ろと素早く確認し、ナガンに視線を向ける。

 

 ナガンは部屋から出て暗視システムで416が見てない方向を確認して416と背中を合わせた。

 

「なんだか特殊部隊にでもなった気分じゃな」

 

「そうね。今のナガンは人質みたい」

 

「盾にしようなどと考えるな?」

 

「そんなことしないわよ。ちゃんとゲームと現実は区別してる」

 

「それなら良い」

 

 会話を終わりにして二人は背中を合わせたまま、ゆっくりと通路を歩いて行き、恐らく人形達が集まっている宿舎へ向かった。

 

 二人は順調に宿舎へ近付いて行くと、食堂の前を通り過ぎた時に二人は食堂からの匂いに気付き、足を止めて食堂の扉を少し開けて中の様子を覗いた。

 

「いやー真っ暗ね~。真っ暗だとつい小声になっちゃうわ」

 

「そんなことよりそのソーセージを寄越してください。とても美味しいので」

 

「おやおや?誰が焼いてあげてるのか、全然分かってないみたいね。ガーランド?」

 

「それは貴女が食べるような物ではありません。貴女はそこにあるニンジンがお似合いです」

 

「ニンジンを生で食べろとか酷いわね~。隊長の方が一番お似合いだと思うけど?」

 

「私はウサギではないので」

 

「あら、自覚あったのね」

 

「ありません」

 

「寂しくて寂しくて、女の子を抱かないと眠れないものね~?」

 

「その頭にガバの弾を撃ち込まれたくなかったら黙ってくれませんか?」

 

 食堂の中ではガーランドとM2HBが食事をしており、焼き上がったソーセージの匂いが扉の前にいた二人のところにも漂ってきた。

 

「どうするんじゃ?416。残り少ない食料じゃぞ、あれ」

 

「あとで仕事をしてもらうから、今は良いわ」

 

 416はそっと扉を閉めて、ナガンと一緒に再び廊下を歩き始めた。

 食堂から離れる前、ナガンは食堂から聞こえた何かの音に振り返ったが、気にすることはないだろうと416の背中を追いかけた。




長いこと書いてなかったせいか中々書けない……

ここまで読んでいただきありがとうございました。
では、また次回。


「遊びは終わりだ」by.タチャンカ
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