ドールズフロントライン Rainbow   作:碧眼の黒猫

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今回は少しばかり真面目になっていると思っています。

そして、新しい人形達とガジェットも登場します。
登場するガジェットのヒントは、[挑むものに勝利あり]と稲妻です。


初めての実戦、救出任務開始

 工廠で人形やガジェットを作っていると、突然持っていた無線機が鳴り始めた。

 これは、タブレットにメールが届いたことを知らせてくれるもので、通信が来たわけではない。

 

「うぅ、今手が離せないって……」

 

 嫌な予感がするため、早くメールを確認しに行きたいところだが、あと少しで人形とガジェットの用意ができるところだった為、とてもタイミングが悪かった。

 

「ぐぬぬ、雑用でも良いから人手が欲しかった……」

 

 愚痴をこぼした後は黙々と素早く作業を進め、やっと終わったのは無線機が鳴ってから数分後だった。

 急いで司令室に戻り、机を飛び越えて椅子に座ろうとしたら椅子がひっくり返り、私は後頭部を強く打った。

 

「痛った~……。もう、上手く座れたら良かったのに……それはさておいて、メールメールっと……」

 

 後頭部を撫でながら椅子を立てて、タブレットを手に取った私はメールを確認した。

 メールの内容は人形の救出任務だった。

 

「おや、早速ガジェットと彼女達の出番だね。さてさて、それじゃ準備するとしようかな」

 

 私はタブレットを持って司令室にから出て、宿舎に向かった。

 宿舎に向かいながら、興味本意でグリフィンの極秘情報にハッキングをし、宿舎に着くまでの間の暇潰しとして情報を流し見していた。

 

「うーん、どれも興味ないなぁ……。っと、これは……へぇ……これは面白いね。M4A1か、ちょっと会ってみたいかも……」

 

 極秘情報の中に見つけた面白いものを見た私は、それに関係している人形に興味を持った。

 なかなかに興味深い経歴の持ち主ようだけど、きっと本人は知らないだろう。

 

 極秘情報だし、これに関わってる人間が自分から告白なんてするはずもないだろう。

 

「さてと、あんまりこうゆうのは好きじゃないし、早く彼女達の所に行こっかな」

 

 タブレットを見ることを止めて、宿舎に着いた私は壊されている扉を見て、携帯していたPPKをホルスターから出そうとしたが、宿舎の中から聞こえてきた声で出すのを止めた。

 

「だから!いきなり扉を壊して入ってくる奴が居る!?あたしビックリして、火炎瓶投げるところだったよ!」

 

「えぇ~?ごめんなさい、これなら楽に道を開けられるのでつい……」

 

「いやいや、おかしいよ!というか、そのハンマーって確か……ええっと……」

 

「スレッジのブリーチングハンマーよ」

 

「そう!それ!なんでそれ持ってるの?しかも、原理わかんないけど一撃でしゃがんで通れるくらいの穴が綺麗にできるし、色々おかしいよ!」

 

「まあまあ、落ち着いてください。お茶にしませんか?」

 

「落ち着けないよ!」

 

 宿舎の壊された扉にはちゃんと正方形にしゃがんで通れるほどの穴ができており、私の作ったハンマーがしっかり動作していることを表していた。

 

「あ、指揮官さん。やることは終わったの?」

 

 扉に出来た穴を見ていると、G3が後ろに立っていた。

 彼女は追加の装備としてベルトを着けてもらい、そのベルトにあるポーチにはある秘密兵器が隠されている。

 

「いいや、これからやるところだよ。皆に任務を伝えに来たんだ」

 

「そうですか。私も入った方が良いですか?」

 

「勿論、G3は今回の任務に出てもらうからね。さぁ、一緒に入ろうか」

 

 私はG3の手を握ってL85A1が作った穴から部屋に入った。

 部屋に入ると、L85A1に全員が視線を向けていて、向かい合っていたスコーピオンが、一番先に私に気がついた。

 

「あっ、指揮官!ってなんで穴から入ってきてるの?」

 

「ドアノブ回すのが面倒だからだよ。そんなことより、皆聞いて!私達に救出任務のお達しが届きました」

 

 スコーピオンの疑問にすぐに答え、私が救出任務が来たことを知らせると、部屋の雰囲気が変わった。

 あまりこういう緊張した雰囲気は好きじゃないけど、ちゃんと指揮官としてのお仕事はしないといけない。

 

「えー、今回届いたメールは救出任務。この任務を受けようと思います。理由は近くの指揮官達は鉄血との衝突で手が離せず、近くで暇なのが私達だけだからです。この任務が成功すれば、救出した人形と鉄血の拠点にある物資を得ることができるので、頑張ろう」

 

「指揮官、編成は決まっていますか?私はいつでも準備はできています」

 

「勿論だよ、416 。今回のメンバーは隊長に416、SIG、G3、L85A1、あと一人は……」

 

 私があと一人を言おうとすると、スコーピオンが手をあげた。

 

「はい!はいはい!あたし、行きたい!」

 

「ごめんね~。今回はスコーピオンはお留守番だよ」

 

「えぇ!?じゃあ、ステンが行くの?」

 

「いや、今回の五人目は……ナガン、貴女に行ってもらおうと思います」

 

「わしか?」

 

 まさか選ばれるとは思ってもいない様子だったナガンは弾薬箱に座ったまま話を聞いていた。

 選ばれたナガンは自分を指差して驚いた表情をしていた。

 

「うん、そうだよ。あとで工廠に来て、渡すものがあるから」

 

「まさか、ワシが選ばれるとはのう。あまり年寄りに無理させんでくれ」

 

「ごめんね。でも、お願い」

 

「仕方ないの~、指揮官の頼みなら聞かないわけにはいかんな」

 

 ナガンは弾薬箱から立ち上がり、今回はお留守番のステンとスコーピオン、ワルサーとK2には宿舎でゲームをしてもらうことにする。

 

「よし、じゃあK2!三人のことお願いね!」

 

「任せておいて!かわいい後輩たちのことは私に任せて、指揮官は心配しなくていいからね!」

 

「ありがとうK2。それじゃ、ヘリで作戦地域に向うから四人は先に行って」

 

「了解、指揮官」

 

「緊張しますわ……」

 

「そんなに固くならないで~、はい。笑顔笑顔」

 

「……ARが四人にHGが一人、大丈夫でしょうか?」

 

 私は四人には先にヘリに向かってもらい、ナガンを連れて工廠にやってきた。

 そこで私は、二人のガジェットとついでに作った物をナガンに見せた。

 

「シールド?……じゃが、どうしてライトが……む?ライト……。もしや、そのシールド」

 

「うん、やっぱりナガンは察しが良くて助かるよ。はいこれ、フラッシュシールド。片手で銃を撃つことになるけど、ナガンなら大丈夫だよね?」

 

「勿論じゃ、これでも戦術人形なんじゃぞ?銃の扱いに問題はないぞい」

 

「そうだね。でも、人形だからって無理しちゃ駄目だよ?ナガン。私は任務よりも自分達のことを考えて欲しいって思ってるから」

 

「わかった。できるだけ、無理はせん」

 

「できるだけじゃなくて、しないで。お願い」

 

「ん?……うーむ、状況によっては難しいかもしれんが、わかった。約束しようかの」

 

 私は手を差し出し、ナガンはその手を握ってくれた。

 固い握手を交わして約束した私達は、手を離してヘリへと向かう。

 ヘリに向かう間に気付いたけど、シールドが大きいようでシールドを背負っている彼女の後ろから見ると背中と頭は隠れ、足首も隠れてしまっていた。

 

 使い辛いかもしれないと思いながら、彼女を信じて私は送り出すことにした。

 本当は、少しだけ不安だけど。

 

 ヘリに着いた私とナガンはヘリに乗り込み、待っていた皆の顔を操縦席から覗いた。

 

「やぁ、お待たせ。416、ヘリの操縦はできる?」

 

「いいえ、指揮官。知識としてはありますが、実際に操縦するとなるとわかりません」

 

「それじゃ、教えてあげるから隣に乗って」

 

「わかりました」

 

 416を操縦席に誘い、私はヘリを飛ばすための基本を彼女に教え、ヘリの準備をした。

 ヘリのローターが回り始め、ヘリを飛ばす準備を416と進めていき、丁寧に操縦の方法を教えて基地を飛び立ったのは数分後のことだった。

 

「指揮官さん、ヘリを飛ばせるなんて凄いですね。何処かで飛ばしたことがあるんですか?」

 

「ん?いいや?説明書を見て、後はイメトレで鍛えて今、実際に飛ばしてるってところかな」

 

「「「えっ?」」」

 

 G3、SIG、ナガンの驚く声がヘッドセット越しに聞え、私は問題ないという意味で親指を立てて見せた。

 

「お、おぬしは本当に器用なんじゃな」

 

「指揮官さん、もしやただ者ではない人なのでは?」

 

「ハハハ、そりゃこんな世界に生きてるんだから、ただ者なわけないよ。普通の人間はすぐ死んじゃうから、優れてないと生きるのは難しいのさ」

 

 彼女達が感心する声を聞きながら私はヘリを目標地点まで飛ばし、彼女達が緊張で固くなりすぎないように雑談をしながら目標地点に着いた私達は、なるべく危険じゃ無さそうな場所にヘリを下ろして彼女達を下ろし、私は作戦地域から離脱する。

 

『指揮官、聞こえるかの?』

 

「良好だよ。ナガン」

 

『うむ、こちらも良好じゃ。さて、指示は任せるぞい隊長』

 

『そうね。まずは指揮官のプラン通りに、敵施設の偵察から入りましょう』

 

 私が渡しておいた情報のデータと、プランを見て416に判断してもらい、彼女達は416の指示に従って行動を開始した。

 私はヘリを作戦地域外で下ろして、タブレットで彼女達の動きを見守っていた。




スレッジ、初心者の頃からお世話になっています。

しかし、L85A1にハンマーを持たせて良かったのだろうか。
そもそも彼女の持つ銃自体が鈍…ゴホッ…ゴホッ…いえ、なんでもありません。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


「爆発に気を付けろ!」by.アッシュ
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