死後の世界。それがあるのならどんな所なのだろう。まあ、僕は一度、転生した時にそれを垣間見たのかもだけど。とはいえ、記憶に残っているのは真っ白な世界で神様とかいうのと話してたのと気づいたら、神様は居なくて、人外さんな安心院さんと邂逅していたって事くらいなんだよね。
さて、雑談はこれくらいにして。死後の世界を拝見させてもらおーかな。
体の感覚はある。それを確認し、真っ暗だった僕の視界は目を開ける事で光に包まれた。
まず、視界に映ったものは机や椅子、黒板。ここで僕は何故だか、教室にいる事に気づく。って、あれ。これ、なんか原作で既視感があるような。
「ここが死後の世界……なんてね。安心院さんの仕業かな?」
「へー、流石はこの世界の時間の流れを知ってる霧島くん。お見通しかよ」
僕の呟きに聞き覚えのある声が返答する。声の方を振り返るとそこには教室のカバン棚に座ってこちらを見つめる安心院さん。しかも、封印状態ではなく、学生の制服に髪の色は黒、動きを封じる螺子は一つもついていない。
「ここにいるって事は……あれかな?」
「そうさ。お察しの通り、君は死んでるよ。あ、でも、仮死状態、が正しいかな。君はなんたって、スキル全治死を持ってて、即死じゃなければ超回復するんだし。とはいえ、回復速度より死が速い可能性もあるんだけどね」
「あはは、それじゃ死んじゃうかもだねー。ここで死んだらこの先にもう一回、転生、なんかがあるのかな?」
笑いつつ、冗談めいて言うと安心院さんは表情を変えずに答えてくれた。
「まあ、どうだろうね。僕はこの世界で神様とやらを見かけた事は未だにないし。そして、だ、霧島くん。どうせ君は死なないさ。君に貸したスキルの効果をよーく思い出してごらん。君が今やっている事も」
「…………あ、なるほど。戦ったって事だから、大嘘憑きはもう僕のものでもあるのか」
数秒考え、把握する。そうなのだ。戦闘は球磨川くん的には勝敗はあやふやだけど、僕としては敗北として、戦闘は終わっているのだ。つまりは、スキル 人生経験段にて既に大嘘憑きは僕も使える過負荷、という訳だ。そして、大嘘憑きの死後の自動発動にて僕は死をなかった事にして蘇る。んー、本格的に不死身じみてきてるな、僕ったら。
「しかし、君は面白い事を思いつくね。7932兆1354億4152万3222個の異常性(アブノーマル)と4925兆9165億2611万0643個の過負荷(マイナス) 合わせて1京2858兆0519億6763万3865個のスキルを持つ僕でさえ、君のやり方は面白いと感じるよ」
「相変わらずえげつない数のスキルですね……面白い、というと?」
苦笑しながら、そう尋ねる。
「いや、他の知識があるスキルを複数借りれば、もっといろいろ出来るのにわざわざ、自らを痛めつけて、相手のスキルを会得していく、なんてやり方をしているものだからさ。おそらく、だけど、霧島くんが効果を知ってるスキルって割とあるんじゃない? 結構、普段使わないスキルの効果まで知ってた訳だし。まあ、僕ならテンション上がったら、一気に百個くらいスキル使いそうだけどね、わっはっは」
「……まあ、いろいろ考えがありまして? それに原作と同じスキルを使いたいって憧れがどうしてもあって、こうなったと言いますか……ほら、原作が好きだから、転生とやらで選んでた訳ですし。転生前の事なんて、そんな覚えてないですけど」
笑う安心院さんに苦笑して、返す僕。
「ま、僕としては面白いからいいんだけどね。スキルは借り物とはいえ、球磨川くん以来に見所がある少年だ。せっかくなら、見守らせてもらおうかな……あ、そうだ、観てる側としては原作とやらの流れに出てきたスキルだけ使うってのも面白くない気もしてきたんだよね」
「?」
「だからさ、もう一つおまけでスキルを貸してあげちゃう。そして、おそらくこのスキルは原作とやらでは出てない筈さ。何故なら、僕が使う事はないし、霧島くんみたいなイレギュラーがいなきゃ、貸す事も考えなかったからね」
「原作外のスキル……」
と、いう事は設定にはあるけど、原作には出なかったスキルって訳か。まあ、なんにせよ、借りれるなら借りたいよね。
「はい、そんな訳で」
原作外のスキルについて、考える僕の不意をついて。悪どく笑い、安心院さんは僕に口付けをした。
原作外のスキル(オリジナル要素)の介入。作者は霧島くんをどこまで無双させたいのか←