「……あのさ、いきなりはやめてほしいんですけど」
「えー。不意打ちのが面白いじゃん。僕としても照れるんだぜー?」
照れつつ言う僕に、同じく照れたようにしながらくすり、と笑う安心院さん。と思いきや。
「なーんてね。さて、それじゃあ説明に移ろうか」
すぐさま、表情を元に戻し、スキルの説明を始めた。
「スキル名 異常性と過負荷の選り取り見取り(カタログショップ)。効果は、僕のスキルの貸し出し、返却をスキル 口移し(リップサービス)を介さずに行える。時と場所は問わないで使えるけど、ただし、僕にも断る権利があるので悪しからず。あとはそうだね、借りれるスキルは原作内に出てきたもの、限定で。他ならぬ僕が原作で使っても構わないと判断したものだし、世界に優しいだろうし」
「! そんなスキルがあったんだ? そんなの借りていいんですか?」
「うん、いいぜ。スキルをコピーしても、同じスキルが乱立してくだけだし、見応えない気もするからね。ただし、強力なスキルだし、条件をつけるよ」
「一つ、スキルを借りる交渉は原作内で僕が使ったスキルに限る。名称、ある程度の効果を伝えなきゃ、原作内で使ったとは判断しないよ。そして、僕にも断る権利があり……というか、僕の気分次第だね。あんま強いスキルとか使われても面白くないし。まあ、霧島くんの交渉術に期待するとしようか」
「そして、二つ、スキルを借りる際は対価として、今借りているスキルのどれかを一時返却とする。ここは基本はランダムにしよっか。僕の気分、でも構わないけどランダムのが見応えありそうだしね」
「最後に、スキルを借りるのは一日一回。そして、借りたスキルの返却はきっちり一日以内。と、ここまで縛ればまあ、割とメリットとデメリットが丁度半々なんじゃないかな。今あるアドバンテージを差し出して、違うスキルを求める訳だし」
「……今あるアドバンテージを差し出して、違うスキルを借りる……か。しかも、差し出すアドバンテージはランダム、借りれるかも安心院さんの気分次第。借りる回数も時間も制限つき……」
「どうかな、お気に召したんじゃない?」
そりゃあもちろん……
「気に入ったよ! ただでスキルを借りれるなんてつまらない。メリットとデメリットを考慮して新たなスキルを借りる……僕向きだよ!」
「ふふ、霧島くんの性格は大体、把握したからね。当然さ」
「え、そうなの?」
「まあ、長く生きてれば見る目も養えるのさ、それなりにね。さて、と、そろそろ時間かな。大嘘憑きの発動みたいだし、またね」
「あ、そうなんだ? えーと、なんだろ、まあ、うん。それなりにゆるーく頑張るんで気長に見ててよ。暇は潰れるからさ」
けらけらと笑って、そう言ってみる。自信はないけど、ある。新しいスキル 異常性と過負荷の選り取り見取りのレンタル。これにより、僕は今まで以上に異常で過負荷だ。もうそろそろ、普通を名乗るのは卒業としよう。今や、僕はーー異常で過負荷な転生者なのだから。
少し短め。前の章が長くなりそうだったので切って次章としたので。