一京のスキルを持つ悪平等と転生者な僕   作:カステラプリン

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痛み分け

『へえ』『幻神モード』『ね』『まるで』『めだかちゃんの乱神モードみたいだね』

 

 

今負ったであろうダメージをなかった事にして、球磨川くんは立ち上がる。その両手には相変わらず螺子があり、僕を見て、肩を竦めていた。

 

 

「まあ、違う所はどこかは探してみてよ。それまでに、全部終わるからさ」

 

 

言い終えて、一呼吸。そして、僕は球磨川くんに向けて、走りだす。幻神モードによって、全力を引き出している僕の速度は相当速いらしく、球磨川くんが防御する間もなく、右拳を彼の腹部に叩き込めた。

 

 

『!?』

 

 

「さらにもういっぱーつ、ってね!」

 

 

僕の拳にて体がくの字に折れた球磨川くんから拳を引いて、僕は左足で側頭部へ蹴りを繰り出す。未だ悶絶している球磨川くんが対応できる訳もなく、なす術もなく、蹴り飛ばされた。

 

 

そして、それを僕は自動操縦にて反射的に瞬間移動のスキル、足しげく通うを使い、蹴り飛ばした先に球磨川くんより早く現れる。

 

 

「球磨川くん、不死身である君に勝つ方法は限られてくる。けど、勝てるよね。君にとっての勝ちってのは君の価値観に基づいているし、さっきの僕の死に近い状態のあれも君は勝ちとは思えてない訳だし」

 

 

「でも、僕にとっては敗北みたいなものなんで、遠慮ない方法で、リベンジさせてもらうよ」

 

 

蹴り飛ばされて、こちらに向けて飛んでくる球磨川くん。それに対し、僕は右手を手刀の形にして、そのまま駆け出して、球磨川くんの胸元を、それで、貫いた。

 

 

『がはっ……!』

 

 

向かってくる相手にカウンター気味に幻神モードでの全力の突き出し、それプラス鶴御崎くんのスキル。本当ならもう少し加減して攻撃するのが僕らしいけど、あいにく幻神モードは隙を生み出す、加減をしない為の、全力を出し切るモードだ。

 

 

「とはいえ、このモードでも即死が狙えない辺り、が僕の弱点、かなぁ……」

 

 

呟く僕の両腰の辺りには片方ずつ一本の螺子が突き刺さっている。どうやら、球磨川くんは防御を捨てたらしく、僕の攻撃を無防備で受けて、それと同時に螺子を突き刺す事で自動操縦を掻い潜ったらしい。

 

 

「まあ、僕としても人を殺したい訳じゃないしね……あー、でも」

 

 

瞬間的に螺子を刺した事で僕の手刀が狙いからずれ、その為、深手ではあるものの、意識があったのか、僕の手刀から体を引き抜いた球磨川くんは大嘘憑きで傷をなかったことにし始めている。

 

 

「それでも、僕の勝ちだ」

 

 

『っ!?』

 

 

大嘘憑きで傷をなかったことにしている球磨川くんの後頭部に急に大きな衝撃が走る。球磨川くんの視界からは見えないが冥利くんの超躍弾(スーパーボール)である。

 

 

そして、僕の狙い通り、突然の不意打ちに球磨川くんは意識を失った。

 

 

「異常性と過負荷の選り取り見取り(カタログショップ) 。ランダムで選ばれた免疫効果と交換で得たスキルは奇想憤慨(ミスアンガースタンド)。予測不可能な一撃のスキル、って事で瞬間移動した時に超躍弾を予測不可能なとどめとして、飛ばしていたんだよね」

 

 

そう、大嘘憑きにはいくつかの弱点がある。一つ目は意識を失わせる事、二つ目は死亡させる事、三つ目は獅子目 言彦そのものである。二つ目に関しては自動でなかったことにして、復活してくるがその場合はある人が編み出した攻略法、拘束しておき、復活した所を殺し続ける、が有効である。まあ、根気がいるだろうけどね。

 

 

「さて、と。どうしようか」

 

 

リベンジを果たして、気分は爽快だけど、この後の展開に少し悩む。こんな場面でめだかちゃんと初対面ってのはどうなのだろうか。僕がまるで主犯のように見えるよね、うん。

 

 

とまあ、考える前に両腰に刺さった螺子を引き抜き、全身の傷をなかったことにする。

 

 

なんて事をしていると、不意に片膝がかくん、と床についた。と同時に幻神モードが瞬時に解けていた。

 

 

「おっと、限界ってやつかな……」

 

 

全身を襲う疲労感。それに加え、所々、痛みも感じる。おそらく、幻神モードにて普段は出さない、全力を出した事による反動だろう。

 

 

いろいろこの先の展開をどうするか、考えていたけど、確実に分かるのはこの展開でのめだかちゃん達、生徒会との出会いはおそらくあまりいい印象は持たれない、って事だ。

 

 

まあ、という訳で。ありきたりというか、いつものパターンでここは離脱させてもらおっかな。あー、でも、球磨川くん気絶してたっけか。

 

 

いつもの通り、瞬間移動しようとした僕だったが、その問題点に気づき、少し考え込む。

 

 

「……うーん、初めて幻神モード使った今の今でやるのはしんどいけど、これが安定かなぁ……」

 

 

言いながら、気絶している球磨川くんの頭に右手を軽くポンと乗せる。今からするのは名瀬ちゃん等に使った幻の幻覚での記憶操作だ。といっても、あくまで幻覚をかけて、僕と戦った事などを現実か幻か、区別がつかないようにするという限定的な記憶操作なんだけど。

 

 

「僕が勝った記憶が消えるのはしゃくだけど、球磨川くん的には負けが一つ減ってよかったね。あ、でも、違和感に気づいたら、このやり方って無駄かもなんだよなぁ。名瀬ちゃんなら違和感からの自分を改造の異常で弄り回して、調べるかもだし、球磨川くんなら大嘘憑きで自分にかかってるスキルの効果をなかったことにしそうだし」

 

 

と、ここまで考えが浮かぶもエレベーターの駆動音が聞こえ出した為、考えてる暇はどうやらないようなので。すぐさま、幻の幻覚で僕との出会い、戦いを幻か現実かうやむやにし、ついでに幻の幻覚で出来る範囲で彼の意識を取り戻させた。

 

 

「さーて、原作に展開が戻る前にここから逃げないとね」

 

 

気絶していた球磨川くんが僅かに動き出したのを確認すると僕はめだかちゃん達を乗せたエレベーターがここに着く前にここから自宅へと瞬間移動して、この場を離脱した。




原作を外れても構わないという覚悟を決めた割に、原作の流れを基本守る響弥くんでしたっと←
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