一京のスキルを持つ悪平等と転生者な僕   作:カステラプリン

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知られざる英雄•2

僕と日之影くんが瞬間移動した先。そこは箱庭学園時計台の上。かつて、めだかちゃんと善吉くんが王土くんと対峙した場所の一つだ。

 

 

「なっ……!?」

 

 

場所が瞬時にして変わった事に驚く日之影くん。その隙に僕は彼の腕を掴むのをやめて、背後へと通り抜けて、ゆっくりと歩いて距離をとる。

 

 

と、ほぼ同時に日之影くんの片膝が地面についた。

 

 

「幻の幻覚 バージョン 過負荷詰め合わせ(マイナスボックス)。これで過負荷ってのについて、少しは知れたかな? まあ……まだ未完成だし本気じゃないから球磨川くんの過負荷性の半分も出せてないけど」

 

 

僕が隙が出来ていた日之影くんに対して、すれ違いざまに繰り出したのは幻の幻覚。それも名瀬ちゃんのスキル 改造で最適化した強化状態のものだ。

 

 

と言っても、実の所そこまで強化していないんだよね。バージョン 過負荷詰め合わせは速攻性を重視したバージョンの一つだし。

 

 

例えば、今の僕。幻神モード未使用の僕は大体、めだかちゃん、日之影くん、高千穂くん、古賀ちゃんクラスの身体能力をスキルの重複使用にて得ている。と、いう事は、だ。同クラスかそれ以上の身体能力を持つものが相手の場合、接戦となりおそらく幻の幻覚で自分が有利となりえる幻覚を相手にかける隙などそうそうない可能性が高い。そして、可能だったとしても、回避、反撃のリスクが高すぎる。

 

 

そう考えた僕はスキル 改造で幻の幻覚を調べあげ、その結果、幻覚のパターンをいくつか持っておく事で速攻性が高められる事に気づいた。そう、ゼロからスタートするのでは遅いのであれば、始めからストックしておけばいいのだ。

 

 

そして、今のはそのストックの一つ、バージョン 過負荷の詰め合わせ。名前から察せれる通り、僕が原作知識や球磨川くんとの戦闘経験から過負荷たりうる由来、場面、気配などを想像し、幻覚として相手に見せる技だ。まあ、球磨川くんとしか過負荷と遭遇していないので、僕としては未完成の技だったり。

 

 

とはいえ、こんな技でも過負荷と出会った事のない人からすれば結構きついらしく。日之影くんは片膝をついたまま、動く気配がない。

 

 

僕と彼は今、お互いに背を向けあっているので表情は見えないけど、おそらく汗ばんではいそうだよ、なんだか。

 

 

「……き、り、しっ……まああああっ!」

 

 

なんて考えていると、何をされたかも把握できないまま、日之影くんは立ち上がり、僕をさっきまでくん付けで呼んでいたとは思えない程の形相で僕に向かって殴りかかってきた。

 

 

……んー、初見なら驚くかもだけど、あいにく原作で見てるからな、その感じ。

 

 

正直、今の僕なら強いだけの日之影くんなんて速攻で倒せるけど、せっかくのめだかちゃんクラスの強さの持ち主。球磨川くんと違って、弱さを見抜いて、僕を倒すなんて出来る訳じゃないだろうし、いろいろ試させてもらおうかな。

 

 

まずは、スキル 自動操縦のオフ。今まで戦った相手の技を使えるのがスキル 人生経験段。めだかちゃんの完成と違って不便でもあるスキルだけど、利点もある。オンオフは自在である上に一つのスキルとして完成はしないのだ。

 

 

そして、完成しないという事は最終的にめだかちゃんの完成でのスキルの完成形と違う道をスキル合成で生み出せる可能性がある。と言っても、めだかちゃんがスキル合成しないだけで完成形もスキル合成できるのかもだし、完成形同士のスキル合成のが使えるのかもしれないのだけれどね。

 

 

ともあれ、僕が試すのはまず、自動操縦なしの僕の動き。後はスキルを組み合わせて使う事で出来る事、そこから推測するスキル合成後のメリット、デメリット、そして、スキルを全て失ったと仮定した時の僕がどこまで弱いのか、かなぁ。

 

 

まあ、最後のを試すには日之影くんは強すぎて危険だから、やめとこうかな。とりあえずは、っと。

 

 

目の前には殴りかかってくる日之影くん。自動操縦は既にオフにしている。さてと、スキル掛け合わせにて上がっている身体能力だけで躱せるといいけど……

 

 

迫り来る拳に対し、自動操縦を制限した僕がスキル 人生経験段で使うスキルや技は……特にない。

 

 

基本的に古賀ちゃんのスキルと僕が持つスキル 人間強度は掛け合わせて常時発動している。ちなみに古賀ちゃんのスキルの欠点、エネルギー消費は人間強度と掛け合わせている時点でほぼ消失していて、更に僕という素体と古賀ちゃんのスキルについてはスキル 改造でチューニング済みでエネルギー消費は通常と同じ、と考えてもいいくらいだ。

 

 

そんな僕がわざわざ他の誰かの技やスキルを使って、対応する程、目の前の拳は驚異ではない。自動操縦がなくてもっ……!?

 

 

顔面に痛みが走り。気づけば、体は先程の位置より数メートル先に吹き飛んでいた。どうやら、考え事しすぎて、対応が遅れたらしい。やっぱり、自動操縦に頼りすぎていたせいか、油断や反応の鈍さが目立つや。

 

 

そして、だ。スキル 全治死によって、超回復を得ている僕だけど、痛覚をシャットアウトしている訳ではないし、ダメージそのものを無効にしている訳でもなく。つまり……今度は僕が隙だらけって訳で。

 

 

「おおおおおおっっっ!!」

 

 

起き上がる時間もなく、僕に撃ち込まれるは拳のラッシュ。原作で球磨川くんが食らったのとおんなじようなものだ。瞬間移動する暇も悲鳴をあげる隙すらも与えてくれず、僕は激痛と共に更に吹き飛んで、時計台屋上まで続く階段近くの地面まで吹き飛ばされた。

 

 

「はあ……はあ……」

 

 

疲れたように息をつきつつ、こちらの様子を伺う日之影くん。何をするにもとりあえず全身のダメージが酷いので超回復待ちで倒れておく事にしようかな。大嘘憑きもあるけど、それはネタバレだし、何より僕がそれを使える事への疑問など、今持たれる必要はない。

 

 

まあ、この方法に難点があるとすれば、治るまで痛いってのとここまでダメージを負った事があまりないので分からないがどのくらいで全快なのか、ってとこだね。

 

 

という訳で自動操縦に続き、大嘘憑きをも制限して、僕と日之影くんの喧嘩は続くーー。




簡易説明。
幻の幻覚通常版→自由自在に幻覚を生み出せる。その分、速攻版より遅い。

幻の幻覚速攻版→既にどんな幻覚を生み出すか構想済み。自由性は皆無。その分、通常版と違い、ほぼノータイム。過負荷の詰め合わせ、のように複数用意済み。
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