仮想言彦との訓練から一日過ぎて。昨日の死は大嘘憑きでもちろん、なかったことになっている為、僕の体は至って健康体である。
という訳で、今日は昨日みたいに不測の事態に陥らないようにちゃんと事前準備してから仮想訓練を……
「ま、そういう訳にも行かないんだよねー」
肩を竦め、寝巻きのジャージから学園の制服に着替える。
そう、先日、僕はめだかちゃん達、生徒会主要人物とスキルや戦いでの介入以外の出会い方をすると決めたばかりなのだ。
その為の布石は既にうっていて、僕は好印象か悪印象、どっちの印象を与えたかは本人しか分からないも日之影 空洞、と関わりを持った。
そして、その彼は僕が仮想訓練を行っていた昨日、原作通り球磨川 禊と接触し、戦闘から離脱した、らしい。
つまり、だ。計画は順調、という事である。
球磨川 禊と対面した事により、日之影 空洞は過負荷を知り、そして、過負荷詰め合わせを扱う僕という存在がこれから先に必要であると考えるはず。もしくは敵に回すべきではないと考えるだろう。
という事は、今が好機という訳なので。
「そーろそろっ、原作に本格的に関わろうかな!」
身だしなみを整え、準備は万端。後は……
「いつもの瞬間移動(これ)だよねー」
徒歩通学なんてめんどくさいもんね。
と、言う訳で。
学園の目立たない所、校舎裏に瞬間移動し、人混みに紛れて登校する。生徒会メンバーにはおそらく教室にいれば、日之影くんが紹介してくれるであろう。
「まあ、自己紹介でも考えとくか」
なーんて、自己紹介文を考えながら、僕は久しぶりに自分の教室へと向かうのであった。
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「貴様が日之影前会長が言っていた霧島三年生か」
「まあ、うん。その通りさ」
三年十三組。その教室内にて。
僕と対面するはこの世界の主人公である黒神 めだか、ただ一人。なんでも、過負荷を内に持つ僕を見極めるだとか。日之影くんの紹介でも危険性がある僕と仲間を初見で会わせるのは好ましくないらしい。
そして、これは意外と彼女の独断でもないっぽいようで。後ろに控えるは彼女の兄妹。スキル 解析、を持つ黒神 真黒とスキル 改造、を持つ黒神 くじらの二人だ。
要するに過負荷への耐性を持ち、なおかつ観察眼があるメンバーで僕という存在を見極めようという訳だ。
「やれやれ。僕がそんなに気になるの? 嫌になるなぁ」
ちなみに、今日はこれを予測して、スキル 異常性と過負荷の選り取りみどりを既に使っている。交換で借りたのは弱小のスキル、下から目線(ヴィジュアルウォー)、詐欺のスキル、裸足の騙し絵(サイクロトロンブルイユ)の二つ。逆にランダムで返却したのは戦った相手の技が使えるスキル、人生経験段と肉体強化のスキル、人間強度の二つだ。
そして、ここに来る少し前に幻の幻覚で仮想訓練した秘密特訓の成果は既に披露していたり。
成果とは短期間借りているスキルと永続的に借りているスキルの擬似的な合成の事で、これは球磨川 禊が将来行う事になる大嘘憑きと実力勝負のスキル合成とは僅かに違うものとなる。
あくまでこれは擬似的なものであり、異常性と過負荷の選り取りみどりで借りたスキルを返却する為に分解が可能なのだ。通常のスキル合成と違う事でのメリットは先の通り、分解できる事、また、違うスキルとの合成も再度行える事。デメリットは分解できる為、通常のスキル合成よりも性能が低い事、だ。
今回の擬似的なスキル合成は幻の幻覚と裸足の騙し絵の二つを合成している。名前は、騙しの幻使い(フェイクイリュージョニスト)ってとこかなあ。
幻を司るスキルに詐欺のスキルを合成した事により、通常の幻の幻覚よりも幻覚の性能がよくなっており、それにより、僕の他のスキルの存在を隠蔽する。
そして、このスキル自体が擬似的なスキル合成による偽りのスキルであり、おそらくはスキル 完成を持つ黒神 めだかを持ってしても僕が持つスキルはこれのみとしか見抜けないはず。まあ、一応の奥の手はあるけどね。
僕としてはあまり原作外のスキルをめだかちゃんに覚えてほしくないからね。原作の大まかな流れくらいは把握しときたいからさ。
しかし、幻の幻覚が対価として選ばれなかったのは運がよかったや。ランダムってのにも対策しとくべきなのかなあ、そろそろ。
ま、いいや。まずは目の前の驚異に対応しないとね。
オリジナルスキル説明
騙しの幻使い
幻の幻覚と裸足の騙し絵の擬似複合スキル。幻の幻覚を相手を騙すように部分強化したもの。対黒神めだかとの初対面時用。隠された能力がもう一つあり……?