一京のスキルを持つ悪平等と転生者な僕   作:カステラプリン

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風紀委員長 前編

この世界に転生して数週間が経った。家具を揃えたり、自分の家から箱庭学園までの道のりを調べたり、といろいろしてたら原作は始まりだしてたみたいで。

 

 

あ、ちなみに、僕は三年十三組に所属という事になっていたみたいで十三組の特権というか、不登校でもいいですよ、な制度により、箱庭学園にまだ通っていなかったり。休んでていいなら休んでたいじゃーん、ってね。

 

 

まあ、残りのスキルのお試しがてらにちょこっと、委員長さんクラスにご指導願いたいので今日は登校してみようと思った訳でして、今、僕は箱庭学園の廊下をあてもなくさまよってみてる。

 

 

まあ、実はスキルのお試しがてら、っていう理由以外にも理由はあるんだけどね。人生経験段、という過去に戦った相手の技を使用できるスキルを僕は安心院さんに借りてる訳だけど。これは原作の主人公、めだかちゃんのスキル、完成(ジエンド)の大幅劣化版といった所である。完成と違って劣る部分としては戦った相手の技しか使えない、また、完成と違い、技を使い手以上に完成できない、あとは、楽器演奏等には使えず(戦闘内容によっては使えるかも?)技しか使えない、情報だけでスキルを使えたりしない、といった所だろう。

 

 

という訳で、僕が何しにきたかと言うと、残りのスキルのお試しがてら、委員長クラスからの技の習得である。そもそも、僕の大きな目的が何か、と言うと最終的には獅子目言彦とまともに戦えるレベルまでの戦闘力の向上、である。

 

 

原作介入するなら活躍しない、ぽっと出のモブではつまらない。だから、といって、今の借り物スキルだけで活躍できるのはせいぜい言葉使いとの戦い辺りまでだろう。何せ、どんなスキルも獅子目言彦の前ではまったく通用せず、紙切れのごとく破られるのだから。

 

 

とはいえ、僕は前世の神様とやらに、二次小説にありがちな転生時の特典で、スタイルを習得しているとかのチートまがいなものは得ていない。持っているのは安心院さんからのいくつかの借り物スキルだけ。

 

 

でもまあ、最初からチート過ぎるよりは今借りたスキルから、獅子目言彦とまともに戦えるようになるまで自分を鍛える、ってのはなんだかやりがいあるよね。

 

 

とまあ、大きな目的を公表した所でそれにたどり着くまでの小さな目的を達成していかなきゃね。今の僕に出来るのは超強い身体、幻覚、瞬間移動、超回復、同じ技を二度と受けない、戦った相手の技の習得、である。

 

 

これらを用いて、まずは主人公めだかちゃんが物語の進行上、怪我を負わせて、しばらく戦闘が出来なくなる人物、から技と戦闘経験を得ていこうと思う。

 

 

と、いう訳で、僕は風紀委員の活動拠点の教室の目の前にまで来た訳で。どういう風に接触しようか、考えながらここまで来たけど、原作に関わるにはまあ、名前を広めなきゃだろうし、ここは堂々と行こうかな。

 

 

そう考え、僕は教室のドアを開く。すると、中では都合よく、風紀委員長の雲仙 冥利くん、一人が椅子に座って、ゲームをしていた。

 

 

冥利くんは教室に入ってきた僕に気づくと、じろり、とこちらを睨むように見てくる。

 

 

「あん? なんだテメーは。テメーなんざお呼びじゃねえよ」

 

 

誰かを待っていたのか、その人物じゃない僕の登場に、冥利くんは苛立った様子でそう言う。うわー……まさか原作キャラとの絡みがこの子からとはなぁ……まあ、僕が選んでこうしてるんだけどさ。

 

 

と、相手の言葉にいつまでも反応しない訳にもいかないので。僕は機先を制して、借り物スキルの人間強度で超強化された身体能力を用い、冥利くんの目の前に不意をついて移動する。

 

 

すると、流石は風紀委員長、といった所か、冥利くんは瞬時にして椅子から横に飛び退く。

 

 

それを確認してから、僕はあたかも、それより動きが遅かったように見せながら、拳を椅子へと振り下ろし、破壊する。

 

 

「……その動き……テメー、何者だ?」

 

 

「……さあ、誰でしょう?」

 

 

ギロリ、といった擬音が似合いそうな目つきで睨みつけてくる冥利くんに、とぼけて返す僕……うーん、流石にちょっと早かったかなぁ。元が一般人の僕にこの威圧感はきつい気がする。だって、ピンチでも何でもないのに顔から冷や汗が出てるもの。

 

 

まあ、とりあえず印象をある程度弱く見せたし、そこまでボコボコにはされな……!?

 

 

と、油断していた僕の頭頂部に何かがすごい勢いでぶつかって、油断していた為か、一瞬、意識が飛んでしまった。そして、その隙を冥利くんは見逃さなくて。ふらつく僕に、三度程、同じように何かを飛ばしてきた。

 

 

が、ここで役立つのが免疫効果のスキルだ。一度受けた技は二度と受けないのがこのスキル。冥利くんの、おそらくはスーパーボールを反射して飛ばすこの技……もう二度とは食らわない。

 

 

意識が飛んで、やや無意識ながら、僕の体は免疫効果のスキルのお陰でスーパーボールを壁やら床やらで反射して飛ばす攻撃を無傷で躱す。そして、最初に受けた攻撃のダメージは超回復のスキル、全治死にて瞬時にして回復した。

 

 

うーん……このスキルの組み合わせだとこうなるのは分かってたけども、やっぱり痛いもんは痛いね、うん。

 

 

意識が戻ってきて、そんな事を考えてると目の前の冥利くんは少し驚いた表情でこちらを見ていた。

 

 

「おいおい、マジかよ……たった一度の攻撃で見切ったってのか? ……テメー、あれか、十三組か」

 

 

「あ、うん、三年十三組、霧島 響弥。以後、お見知りおきを?」

 

 

所属を聞かれたので、それとなく自己紹介させてもらう。なんか、普通過ぎてつまらない返しな気がしたけど、まあ、気にしないどこ。

 

 

「ケケッ、やっぱ十三組かよ! テメーが何が目的でここに来たかは知らねえが、風紀を乱す奴を見過ごしちゃおけねえな!」

 

 

え、やっぱ椅子を壊すだけでも風紀乱しちゃってるの? まあ、そりゃ椅子壊すって風紀守ってはないけどさ。

 

 

「さーて、もう一度避けれるか、まぐれじゃねーか見せてくれよ、センパイ!」

 

 

言い出して、冥利くんが仕掛けてくるのは先程と同じ、スーパーボールの跳弾攻撃である。先程と違うのは個数くらいだろう。なので、特に意識せずにスキルの効果で自然と避ける。

 

 

「やるじゃねーか! ならこいつはどうだ?」

 

 

また同じかな。が、同じように飛んでくるボールをスキルの効果で無意識的に避けようとすると、何故か、スキルが発動しない。仕方なく、スキルで向上している身体能力で自分でボールを避ける。

 

 

と、ふと、よく見ると飛んできたボールの中に、スーパーボールではない物が混じっていた事に気づく。なるほど、スーパーボール以外が混じってたから同じ技じゃないので、スキルが発動しなかったのか。

 

 

内心で考察していると、体が何かに引っかかり、動かなくなる。目を凝らして周りを見れば、体に薄い鋼の糸が無数に絡んでいた。

 

 

「鋼糸玉、特注のアリアドネってなぁ! これでしばらく大人しくしててくれよ、センパイ! 風紀を乱すテメーを取り締まってやるからよぉ!」

 

 

体が縛られた僕に、冥利くんは悪どく、にやりと笑いながらスーパーボールを無数に取り出し、一斉に投げつける。反射まで計算されて投げられたそれはおそらく僕の全身を捉えるだろう。僕のスキルを知っていれば、他の攻撃を仕掛けるだろうに、これでは同じ技を二度と受けない僕には何も意味もない。

 

 

と、顔に思っている事が出ていたのかは分からないけど、冥利くんは僕の方を見て、更ににやりと笑った。

 

 

「あー、テメーの異常はまだ検討ついちゃねーが、今度は避けらんねえぜ? 何せ、爆発つきだからな」

 

 

爆発……! 辺りを見渡すといくつか、原作で見た事のある火薬玉の灰かぶり(シンデレラ)が落ちていた。そして、冥利くんの手には多量のマッチ。

 

 

「ちょっ……」

 

 

「じゃあな、センパイ」

 

 

瞬間、教室が爆風に包まれた。




基本的に原作主人公より早く、対戦相手と戦っていきます、現状。
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