一京のスキルを持つ悪平等と転生者な僕   作:カステラプリン

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フラスコ計画へ勧誘されました

冥利くんと戦ってから二日。あの後、冥利くんはめだかちゃんと揉めて、原作通りの大怪我でフラスコ計画への参加が出来なくて、の流れらしい。らしい、って曖昧なのは、ダメージは回復したものの、なんだか精神的な疲れからだるくなって、僕はまた不登校させてもらっているからだ。不登校が許される十三組バンザイ!

 

 

とまあ、冗談を言えるくらいには精神的に回復してきたかなぁ。そんなにダメージを受けた訳じゃないけど、元が一般人な僕にあの戦闘は想像以上にハードだったようでして。

 

 

あー、戦わずしてスキルを得れる完成のスキルがあれば怪我自体しなくて済むのに。まあ、安心院さんのスキルにはあるのかもしれないけど、原作に出てないスキルだし、効果すら不明だからなぁ。いまいち、怖くて言えなかったんだよね。

 

 

幻覚を操るスキル、幻の幻覚を最初から使って、戦った事にして、技の習得が出来ればいいんだけど、流石に実際に戦っている訳ではないので習得は出来ないし、仮に幻覚をうまく利用して無傷で習得しても僕の目的の為に必要な戦闘経験が減っちゃうんだよねぇ。

 

 

幻覚を極めればいいのでは、と思いたくなるが最終的な敵はスキルが全く通用しない、過去の英雄、獅子目  言彦。おそらく、幻覚自体にかからないだろう。

 

 

つまりは今の手持ちスキルで一番いい方法は戦闘を実際に行い、経験を積み、幻覚で戦闘から離脱、そして、技を習得しているって方法って事だ。

 

 

……痛いのは嫌だけど、全く痛みを伴わない成長はもっと嫌なので、まあ、これでいいんだと思う、性格的に。

 

 

あ、そういえば、冥利くんと戦った事で人生経験段のスキルが使える訳でして。と言っても、得たものはあくまで、技なので、僕に出来るのは冥利くんが技、として自分で認識してるものに限る。そして、おそらくスキルホルダーならスキルを会得できるのだろうけど、冥利くんのスキルはあるのかは知らないけど、とりあえず原作では出ていないはず。

 

 

要するに、現状このスキルは役立たない感じかな。冥利くんの戦い方は技とかというか、知能を活かした戦い方だしね。まあでも、スーパーボールの飛ばし方くらいは会得できたかも、おそらく。

 

 

ま、最初だから、こんなものだよね。スキルやらスタイルの異能バトルへ移行していくのは今からだし。

 

 

とはいえ、あまりゆったりとしてもいられない。何故なら、時間をかければめだかちゃん達が王土くんを倒して、フラスコ計画を凍結させてしまうからだ。

 

 

そうなると、何人かの技やスキル、戦闘経験をしばらく逃してしまう。王土くん辺りなんて学園を去っちゃう訳だし。

 

 

ってな訳だから、フラスコ計画に早めに介入するかな。あ、でも、あれだよね。今日は眠たいし、また明日でいいでしょ……

 

 

なんて、考えて、ごろりと寝転んだ僕だったが、部屋の呼び鈴が突然、鳴った。え、来客の予定とかあったっけか。

 

 

そう思いつつ、起き上がって玄関のドアの覗き穴から外を覗くとそこにいたのは今ちょうど考え事の中に出てきた人物、都城 王土その人だった。

 

 

「え……」

 

 

驚いて思わず声が出てしまう。それによって、王土くんは中にいる事に気づく。まあ、気づいた所で王土くんは何も変わらずただ腕を組んで仁王立ちしてるんだけどね。

 

 

……うーん、こんな所で会うとは思ってなかったけど、あっちから来るなら願ったり叶ったりかな。と、いうわけでとりあえずドアを開けてみる。

 

 

「同じクラスの霧島 響弥、だったか。偉大なる俺がわざわざ迎えに来てやったぞ」

 

 

ドアを開けて早々、無駄に威圧感を出しながら、王土くんは僕に向けて、そう言ってきた。

 

 

「……迎え?」

 

 

記憶を辿ってみるも特には何も浮かばない辺り、僕の知る限り、王土くんと僕に関わる要素はまったくと言っていい程ないはずだ。

 

 

「そうだ。十三組の十三人の一人が怪我で離脱し、そこで新たな候補として白羽の矢が立ったのが黒神 めだか、だったのだが断られてしまってな。偉大なる俺としては最終的に俺の妻になりフラスコ計画にも参加するとは思うのだが、保険としてお前に声をかけろと理事長がな」

 

 

「え」

 

 

王土くんの話の内容に僕は思わず目を見開く。僕に声をかけろ、という事は僕の存在が気どられたという事になる。ほとんど不登校気味で、というか、登校したのはこの前の冥利くんとの一件だけなのにどうして。

 

 

と、ここまで考えてふと気づく。原作と違い、僕が冥利くんと戦った事で(目立ってはないはずなのでほとんど非公式だと思う)原作が少しだけ変わってる事に。

 

 

そうだ。よくよく考えれば、僕が冥利くんと戦った時に、僕が気づかないくらいの距離から誰かが見ていたのかもしれない。この学園にはそれくらいの事できる人の一人や二人はいそうだし。もしくはめだかちゃんが関わるよりは、と思って、僕の存在を冥利くんが軽く話題にしたか、も考えられる。女の子がフラスコ計画に入るよりは見ず知らずの男の先輩が実験された方が彼的にも気分がいいかもだし。

 

 

「……まあ、なんて考えても既に後手後手、か」

 

 

「……矮小なるお前が何を考えているかは知らないが、まあ、その通りだな。既にお前は黒神 めだかが十三組の十三人に入るまでの補欠だ」

 

 

「……拒否権は?」

 

 

「……ふむ、見た所家族とやらもいないようだし、このまま連れていくか。逃げられても面倒だ」

 

 

僕の質問を無視して、王土くんはそう呟くと、一言。

 

 

「平伏せ。」

 

 

次の瞬間、僕は地面に勢いよく平伏した。それはもう、原作のめだかちゃんばりに地面にひびを入れるくらいに。

 

 

「ほう、お前にも奴隷の才能がありそうだな。まあ、積もる話は後でまとめて伝えるとしよう。それではまた後でな、霧島 響弥」

 

 

そう言うと、平伏す僕の頭を王土くんは思い切り踏みつけ、僕の意識はそこで途絶えた。

 




この後、王土くんは霧島くんを肩に担いで運んでます、という小話。
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