1日遅れてすみませんでしたぁぁぁ!!!
このPはオリジナルです。私的には眼鏡で真面目で背の高い感じの人を想定してます。
何の変哲もない朝。強い日差しがアスファルトを焦がす。私には眩しすぎる光。今日は休みだけど、事務所にキノコの様子を見に行かなきゃ。それに……親友もいるし、な。
事務所に着くと、親友がいた。親友は、私をアイドルにして、私が私らしくいられる居場所をくれた。感謝してもしきれない。
「お、おはよう、親友…」
「!ほ、星さん!!お、おはようございます!」
「ど、どうした……?」
挨拶をしたはずだが、親友はとんでもなく驚いていた。何かあったのだろうか……。
「あ、幸子ちゃん、おはよう…」
「ふえぇ!?輝子さん!?」
「え……」
「お、おはようございますぅぅ!!!」
「幸子ちゃん……?」
幸子ちゃんからも避けられた……走って逃げられるほど、嫌われたのかな……
「星さん、今日は仕事はお休みのはずですが……」
「うん、今日は、机の下のキノコ達を見に来たんだ……」
「そ、そうですか!どうぞどうぞ、見てあげて下さい!」
「う、うん……」
(何か変だな……普段より親友がぎこちなく見える……)
いつもの机の下に来て、キノコのお世話をする。普段は隣にいるお隣さん……乃々ちゃん、まゆさんも、今日はいなかった。いつも置いてあるポエム帳とハートのクッションが、やけに目についた。
キノコのお世話も終わり、親友の所に行っても余所余所しいため、私は外に出た。行きたい場所は特になく、ただただ人気の無いところを求めてさまよっていた。
町を歩いてると雑貨屋の横を通りすぎた。窓からちらっと見えた店内には、和気あいあいとコップなどの小物を見ている乃々ちゃん、まゆさん、美玲ちゃんが見えた。
(……嫌われた、のかな……)
私を避ける親友達を見て、私の心はよどんでいた。ぼっちでいることは慣れていた、はずなのに。
「あれ~輝子ちゃん?」
木の影になっているベンチで座っていると、明るい声が私の名前を呼んだ。声をした方を向くと、金髪で明るい、まるで太陽のようなアイドル。大槻唯さんがそこにいた。
「ゆ、唯さん……?」
「やっほ~♪どしたの?今日はお休み?」
流石ギャル……コミュニケーションレベルが私とは違いすぎる……
「じ、実は……」
「 輝子ちゃんのPちゃんや他の子達が輝子ちゃんを避けてる…?」
「う、うん…私、何か親友や幸子ちゃん達に何かしちゃったかなって……」
「うーん、それはないと思うけどな~」
「え……?」
「普段のPちゃんを見てると、唯は~Pちゃんは輝子ちゃんのことだ~い好きだと思うな♪」
「ふぇぇ!?だ、だいすきなんて……」
「好かれてると思うけどな~」
【回想】
『星さん、ライブお疲れ様でした!ファンレター置いておきますね!それと飲み物と、タオルもどうぞ!最高のライブでした!!』
『星さん、星さんがいない間のキノコの世話やっておきました!星さんのくれたメモ通りにやっておきましたよ!』
『星さんが好きそうなメタルの曲、買ってきました!聞いてきませんか?』
『星さん!』『星さん!』『星さん!』………
「うん、嫌われるとか100%ないよ!」
「そ、そうかな……」
「何があったかまでは唯には分かんないけど、もう一回会って聞いてみたら?大丈夫、輝子ちゃんが問い詰めればすぐに教えてくれるよ!」
そう言って笑う唯さんは自信に溢れていて、やっぱり私とは違う人なんだな、と思ってしまった。
「う、うん……」
「じゃあ私はこれでバイバイするね。あ、あとね輝子ちゃん。」
その言葉を皮切りに立ち去ろうとする唯さんだが、立ち上がったと思ったらまた座った。
「今度またカラオケ行こうね♪今度は乃々ちゃんや美玲ちゃん達も一緒に♪」
「えっ……?」
じゃーねー!と別れの挨拶を切りだし唯さんは去っていった。私はおどおどと右腕を振ることしか出来なかった。
(私と行ったカラオケ、覚えててくれたんだ……)
ギャルなんて、リア充は敵だとしか思ってこなかった。けど、アイドルになって、色んな友達が出来て。そんな思いも少しずつ変わっていった。
(唯さんとの約束を守るためにも、乃々ちゃんや美玲ちゃん、親友達に事情を聞かないと……!)
私はオニナラタケのように気合いをみなぎらせ、事務所へ帰るために立ち上がる。不安もあるけど、それ以上に、心を燃やして。
(でも、どうしよう……)
事務所まで来たはいいものの、燃えていた心火はヒメコガサのようにすっかり萎んでいた。
(唯さんはああ言ってくれたけど、もしも嫌われていたら、私は……)
ぼっちには慣れている、けど。
意を決してドアノブに手をかける。冷たい金属製のドアノブが手を固める。徐々に手から熱が奪われる。そのまま心火まで消えてしまいそうだ。
(……大丈夫。だってこの先にいるのは……)
「私の、親友だから。」
扉を開く。そこで待つのは。
パン!パン!パァン!
「……へ?」
「「「「「「輝子(星)ちゃん(さん)!!お誕生日おめでとう!!!」」」」」」
「…………誕生日?」
「いやー準備中に輝子さんが来たときはヒヤヒヤしましたね!」
「ですね……バレるんじゃないかとヒヤヒヤしました…」
私が現状を理解できていない間に話が進んでいく。誕生日?誰の?私の?
「あ……6月6日って、私の誕生日か……」
「フフーン、サプライズ大成功みたいですね!」
「星さん、誕生日おめでとうございます。これ、私からのプレゼントです。」
そう言って親友はリボンで包まれた箱を渡した。
「あ、抜け駆けはずるいですよプロデューサーさん!輝子さん、かわいい僕からもプレゼントですよ!大事にしてくださいね!」
「私も……いつも隣でお世話になってるので……はい。プレゼントです……」
「輝子ちゃん、私からも……どくろとキノコがモチーフになってるんだ……ふふ♪」
「まゆからも、輝子ちゃんにプレゼントです♪お誕生日おめでとう♪」
「ショーコ、誕生日おめでとう!これ、ノノとまゆさんと一緒に見て回ったんだ!受け取ってくれ!」
皆がおもいおもいに彩ったプレゼント。それが私へと渡されていく。
「皆……ありがとう……嫌われてた訳じゃなかったんだな……」
その言葉を聞いた皆は何故かポカーンとし、何故か大きく笑い出した。
「フフっ、星さん。私が担当であるあなたのことを嫌いになるわけないじゃないですか。今年も、来年も、再来年も、その先も。ずっとあなたのことを好きでい続けますよ。」
「……プロデューサーさん?それって告白でしょうか?」
「……はい!?いえ、その、違いますよ!?告白とかではなく、担当として……佐久間さん!?目が怖いです!!!」
笑い声が響く。皆からプレゼントを貰って、誕生日を祝ってもらって、親友から、好き、って言って貰って……。
「っ、ショーコ、泣いてるのか!?」
「大丈夫?どこか痛い?」
「え……?」
気づけば両頬を涙が伝っていた。
「だ、大丈夫。痛いとかじゃなくて…その、友達に誕生日を祝ってもらえたことが嬉しくて……」
「……輝子さん!このかわいい僕が輝子さんの誕生日を祝ってるんです!その誕生日会で、主役のあなたは笑顔でいないといけません!プロデューサーさん、あれを!」
任せろ!と言わんばかりに親友は事務所の奥へ引っ込み、大きめの箱を持って帰ってきた。
「このために用意した、星さんへ特製の、キノコケーキです!」
「うわぁ……!」
そのケーキは大きな原木のようで、ところどころにキノコのような砂糖菓子が乗せられていた。
「そうです、誕生日を祝われる人は笑顔でなければいけません!輝子さん、今すっごくいい笑顔でしたよ!僕よりもいい笑顔だったかもしれませんね!」
「ブッシュ・ド・ノエル、というケーキをアレンジしてもらいました。十時さんのお手製ですよ。今日は生憎仕事で来れませんでしたが……」
「……嬉しい、ありがとう……!」
万雷の拍手と祝福を込めて。この日に産まれた星のように輝く少女に世界で一番の幸福と、ガラスの靴を。
輝子ちゃん、お誕生日おめでとう!!!!!!