万能職を目指します。(異論は認めない)   作:神楽 光

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 ストックを作ってそれを投稿するって言う実験。


二! キャラを作ろう!そして始めよう!

 その日、とある少年は心待ちにしていた。

 NewWorldOnline────通称『NWO』と呼ばれるゲームが今日、サービスを開始するからだ。

 もちろん少年はハードもソフトもどちらも既に用意しており、現実世界(便宜上そう呼ぶことにする)での設定も終わっている。

 

「(くぅ~! 楽しみ~!)」

 

 誰もがそうなるだろう。新しいゲームを買えば、それをプレイしてみたくなるのは当然のことと言える。そして、少年はこのゲームのβテストにも参加していた。つまりは、既に一度体験している為、何よりも心待にしていたのだ。

 

「(よし! もうそろそろ始まる)」

 

 ハードを体に取り付け、楽な態勢になる。

 

「(三、二、一────開始!)」

 

 そして少年は、仮想世界へと旅だった。

 

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 電脳世界へと入ったが、即町の中と言えるほどキャラの設定をしていない。というか、キャラの設定は本来電脳世界の中でする。

 

「名前……は前ので良いか」

 

 カタカタとキーボードで名前を打ち、決定を押す。

 空中に浮かぶパネルが映し出す内容を変え、初期に装備する武器が映し出された。

 少年は既に何を選択するかあらかじめ決めていたのか、迷うこともせずに片手剣を選択した。

 

「やっぱり最初だしね…」

 

 またまた映し出される内容が変わり、今度はステータスポイントの振り分けだった。

 

「まぁ、これは当然……均等振りだよね!」

 

 と言いながら少年はステータスを均等に割り振り、余ったものは上から順に振っていった。

 普通のプレイヤーならばこんなことはめったにしない。極振りよりも更にする人間は少ないだろう。なぜなら、圧倒的に器用貧乏になる確率が高いからだ。器用貧乏よりも特化の方が需要があるのは考えればすぐにわかるし、そもそも武器選択の時点でどのような職になるか決めているのである。ならばそれに沿ったステータスにするのが道理だ。

 ならば何故この少年は均等振りしてわざわざ器用貧乏になりに行くのか。彼は元々、ゲームが好きである。その都度、均等振りしにしていた。故に彼は多くのプレイヤーから頼られまっくった。何処にいても活動できる存在。ずっとそう見られてきたのだ。まぁ、極論。この少年は勘違いしているのだ。何処にいても頼られる存在=強い。この図式がゲームを始めた頃から作られたわけである。

 

「よし、終わり! 今度こそ! 『新世界』へ!」

 

 少年の体が光に包まれ、次に目を開けたとき。活気溢れる城下町の広場に、少年は立っていた。

 

 >>>>

 

「まずは……ステータス!」

 

 ヴォンという音と共に少年の目の前に半透明の青いパネルが浮かび上がる。

 

 夜雪(よるゆき)

 Lv1

 HP 40/40

 MP 12/12

 

【STR 20〈+18〉】

【VIT 20】

【AGI 20】

【DEX 20】

【INT 20】

 

 装備

 頭 【空欄】

 体 【空欄】

 右手 【初心者の片手剣】

 左手 【空欄】

 足 【空欄】

 靴 【空欄】

 装飾品 【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

 スキル

 なし

 

「よしよし」

 

 少年────夜雪は頷く。βテストの時同様で変わっているところはなかった。

 

「それじゃあ早速、この体に慣れる為にもモンスターとの戦闘と行きますか!」

 

 夜雪はスタスタと町の外へと歩き出した。

 

 >>>>

 

 町の外は存外、人が少なかった。サービス開始から時間が経っていないので当然だ。

 

「あんまり誰かに見られるのみ嫌だし…もう少し歩くかな」

 

 夜雪はそのままてくてくと歩いて、人がいなさそう、というか来なさそうな森までやってきた。因みにこの森、後にとある少女が来ることになる森でもある。

 

「よし。此処でいいかな……さぁ行くぞ!」

 

 と、突然尖った角を持った白兎が草むらから飛び出してきた。白兎はかなりのスピードで体当たりをしてくる。現実世界と同じ速度の夜雪が兎の突進を躱せるかというと答えは否だ。しかし、此処はゲームの世界。

 

「うわ! いきなり!」

 

 夜雪は咄嗟に横に避けたため、ギリギリのところでダメージは受けなかった。

 

「あ、危っ!」

 

 ホッと胸を撫で下ろすが、兎はそんなものを待ってはくれない。またまた突進をしてきて、夜雪もまたまたギリギリのところで避けた。

 

「はっ!」

 

「ほっ!」

 

 一度体験しているはずなのに、その様子は初心者にしか見えない。突進とそれをギリギリ避けるということが何度か続いた。

 

「何か楽しくなってきた!」

 

 と、突進を避けるのが二桁に突入したところで、夜雪の頭の中に音声が流れた。

 

『スキル【回避】を取得しました』

 

「お? ……ガフッ!」

 

 夜雪は音声に気を取られ、遂に兎の突進を受けてしまった。それは初心者としか言えなかった。これでβテストを受けましたと言っても、『絶対嘘だ!』としか言われないことが目に見えている。

 

「いつつ……。スキルは後回しにして、まずは倒さなきゃだね!」

 

 誰に言っていいるのか、叫びながら兎の首を狙おうとする。

 

「(確か兎のクリティカルは頚だったはず…)」

 

 その考えはまさしくβテストを受けた者だ。何故それを口に出さないのか甚だ疑問である。

 夜雪は兎に駆け寄り、頚を狙って剣を振り下ろす。もちろん兎も黙って見ているわけがない。前にジャンプして剣から逃れる。しかし、夜雪はそれを予想していた。

 夜雪も兎同様に後ろにジャンプして、兎の進路を阻む。すぐさま剣を振り、兎の頚を正確に捉えた。

 クリティカルが入ったのか、兎の頭上に現れたHPバーが真っ赤に染まる。

 

「よし! 後一回!」

 

 兎はHPが少ないからか、その動きは少しだけ鈍くなっていた。それから数分もせずに兎を討ち取った。

 

「きゅ…」

 

「勝利!」

 

 剣を掲げて勝鬨を上げる。……本当に初心者じゃないのだろうか。

 白兎はパリンという音と共に光輝く粒子となって消えていった。ドロップアイテムを一つも落とさず、跡形も無く無くなってしまった。

 

『レベルが2に上がりました』

 

「お。レベルも上がった」

 

 そう言いながら夜雪はスキルの確認を始めた。

 

スキル【回避】

 敵性体が付近に存在する場合、このスキルの所有者のAGIを二倍にする。

取得条件

 一時間の間、敵からの攻撃を避け続け、ダメージを受けないこと。かつ魔法、武器によるダメージを与えないこと。

 

「へぇ……中々。ってことは……40かぁ~」

 

 と言いながら、今度はレベルアップの確認をする。

 

「5か……βの時と変わらないね」

 

 夜雪は今回も最初と同様に均等に割り振った。

 

「とりあえず、多くのスキル取得とレベルアップが目標かな.」

 

 夜雪はまたモンスターを見つけるため森の奥へと進んでいった。




 一週間ごとに更新していく予定です
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