コンコン
「開いてるぞ」
と、連合艦隊司令長官山本五十六は言った
「失礼いたします。軍令部からの命令書をお持ちしました。」
そう言って、若い副官は山本に命令書を手渡した。それには以下のことが書いてあった。
・帝國海軍ハ12月上旬ヲ期シ、米、英、蘭國二対シ宣戦布告ヲ行ウ
・ソノ為二、連合艦隊ハ呉二寄港サセヨ
「ついに、来るべき時がきたか。できればこれだけは、避けたかった。」
山本は嫌々ながらも承認せざるを得ない立場だった。
それから数日後、連合艦隊艦艇は続々と呉に集結していった。
そして、旗艦大和にて、連合艦隊会議を行っていた。
「長官すみません」
と、あわてて会議室に入ってきた通信兵が言った。
「会議中だぞ、何事だ?」
「す、すみません。しかし、中国方面にて巨大な台風がものすごいスピードで急速接近中と、観測機から連絡がありました。」
そして、その台風が艦隊の真上に来た所で突然止まった。
ものすごい揺れで、皆パニックになっていた。そして、窓の外を見た参謀は
「窓の外の景色が、か、変わっていく。」
それから、皆が気を失った。
波の音で参謀達は目を覚まし始めた。
「ど、どうして波の音が?俺達は内地の呉にいたはずだろ?」
参謀達は驚きを隠せなかった。
だが、連合艦隊艦艇は全て無事であった。
「前方より不明艦数隻、中央に空母の艦隊、本艦に向かってきます。」
見張りの声に、双眼鏡を持っている参謀は前方を見た。そして、目を疑った。
「馬鹿な、あの中央の空母は、旗は違うけど赤城じゃないか」
「しかし、赤城は本艦の後方にいるんですよ。同型艦の天城は地震で壊れましたし」
だが、その答えが入ってきた。
「長官、前方の不明艦隊より入電あり」
「読め」
「我々は扶桑皇国第一遣欧艦隊旗艦赤城、貴艦隊の所属と目的を明らかにせよ」
「ふ、扶桑皇国だと!?、我々を馬鹿にしているのか?ふざけやがって、
地理に詳しくないとでも思っているのか?」
皆が怒りの声をあげている。そして
「長官、再度入電です。貴艦隊の司令及び、副官数名を本艦へ移乗せよ
赤城艦長兼第一遣欧艦隊司令 杉田淳三郎」
これを受け、山本は少し笑みを浮かべて
「ふむ、少し会ってみるとするか」
この言葉に参謀達は驚いた。その中の一人の南雲は
「長官、我々は意味の分からない艦隊に降伏すると仰るのですか?」
これを聞いた山本は鋭い目になって
「私は会ってみると言ったのだ。それに、ここが何処だか分からん以上
戦うわけにはいくまい」
さすがの南雲もこれには反論することができない。山本の言っていることが正しいからだ。
「うわーー、大きい船ですね坂本さん。あれは、なんて船ですか?」
と、甲板のモップ掛けをしていた少女は士官服をきた少佐の階級を付けた人に尋ねた。
「さあ?わからん、第一にこんな所で艦隊と合流なんて聞いていない。それと宮藤、手が止まっているぞ」
「すっすみません」
そう言うと少女は、モップ掛けを再開した。