ミーナ中佐、坂本少佐、山本大将はブリタニアの総司令部へと出頭していた。
「エジプト解放はご苦労だったな、諸君にはしばらくネウロイとの戦闘は無いのでその間に休んでくれたまえ。」
ブリタニアの首相のチャーチルは意外な事を言った。
「それはどういうことですか?」
「観測班の話ではあと1週間はネウロイが攻めて来ないとのことだ。」
チャーチルは海軍相から首相になり、海軍を指揮していた時に何度も観測班に助けられているのでこの報告も信用していた。
「そこでだ、坂本少佐と山本大将には明日到着する扶桑からの補給が終わり次第、その輸送機に乗って一時扶桑へ戻って頂きたい。」
「何故ですか首相。」
山本は少し焦った表情になった。
「あなた方は日本という国から来た。話を聞く限りでは扶桑と全く同じ国のようなので正式に、形だけでも扶桑の艦隊にもなってもらいたい。」
「もちろん、今までどおり501航空団の所属艦隊になってもらうが、国籍が無ければいろいろと問題にもなるのでな。」
空軍総督官のトレマー・マロニー大将は付け加えた。
「わかりました。では明日に扶桑へと向かいます。」
その夜、連合艦隊旗艦の大和にて会議を行った。
「というわけで、私は明日に扶桑へと向かう。扶桑にいる間は艦隊指揮を井上成美大将に委任する。」
「しかし長官、本当に正しいのでしょうか?」
参謀の黒島亀人は言ったが
「わからないが、所属国籍が無いと面倒になるのも事実だからな。形だけでも所属してくれと言われたよ。」
全員は頷いたが、本音の所は納得できない者もいた。
会議を解散させて山本も自室へと入った。
(本当に我々は元の世界に帰れるのだろか?第一、我々がこの世界に来たのはなぜだ?我々にこの世界で何をしろというのだ?)
山本はそんな事を考えながら眠った。
次の日、扶桑からの補給機が到着した。操縦手はお馴染みの佐藤武彦であった。
「扶桑から米を1t、農作物2t、梅干1㎏、リベリオンから小麦粉2t、トウモロコシ2t、カールスラントからジャガイモ500kg、補給弾薬を各国から200㎏を運んできました。」
富嶽には最大で20tの物を積める輸送機としてはかなり優秀な機体である。
補給物資を降ろしている整備員の隣では宮藤とリーネも手伝っている。そんな時、坂本少佐と山本大将が富嶽に乗り込んでいくのを見た。
「坂本さん、一体何処に行くんですか?」
「一時、扶桑へと戻るだけだ。」
扶桑と聞いて宮藤はうれしくなり
「私も連れていってください。」
宮藤は頭を下げてお願いした。
「いや、しかしだな」
「お願いします。」
(ここまで頼まれてはなー)
坂本は少し悩んだが、
「よし、急いで支度をして来い。」
宮藤はそれを聞いて急いで支度をして富嶽に乗った。
離陸予定は少し遅れたが、無事に飛びたつことが出来た。
「しかし宮藤、なぜ扶桑に戻ろうと思った?」
「私は一旦家に帰って、もっとしっかりさようならをしたいんです。それにお父さんのことも伝えたいので」
宮藤は最後の方は暗い表情で答えた。
(まずいことを聞いたかな?)
富嶽はその後大西洋を越えてリベリオン上空を越えてハワイへと向かった。なぜ、こんな大回りをするのかというと、欧州はネウロイに占領されて、アフリカもまだネウロイの巣が残っているからである。
陽気なハワイアン音楽が聞こえてきた。その後はリベリオンの国歌が流れる。
ハワイに着陸をして、燃料の補給を行っている間、坂本の案内で宮藤はハワイのオアフ島を回った。