燃料補給や簡単な整備を終えて、富嶽は再び離陸をして扶桑へと向かった。
「坂本さん、ハワイはとってもきれいでした。」
宮藤は坂本の案内でハワイを少し回っただけでハワイの美しさに目を回してしまった。
「たしかにあの島は欧州の戦争の被害を受けていないしな。あそこは疲れた体を癒すにはいい場所だろう。」
坂本は1度、海軍の交流でハワイに訪れた事があり、ハワイのことは大体理解していた。そんな中山本は
(自分はあっちの世界では、あのきれいな島を焼き払おうとしていたのか。)
山本も駐米武官として渡米したことがあるが、ハワイには実際に行ったことが無かった。
「坂本さん、私は早く欧州の方もハワイみたいに平和な土地にしたいです。」
「よく言った宮藤。よし、帰ったら普段の練習メニューを2倍に増やそう。はっはっは。」
坂本は笑いながら言うが、宮藤は唖然としたが、
(ごめん、リーネちゃん。)
心の中で謝る宮藤であった。
扶桑皇国の土浦飛行場に富嶽はその巨体を下ろした。
「整備を頼む。」
佐藤飛行兵長が整備員に頼むと、自分は宿舎に戻っていく。
宮藤はしばらく行った所にバス停があるので、それに乗って横須賀まで帰れると坂本少佐に教えられたので、出発まで家で家族と話をする時間をもらえた。
坂本は山本と共に迎えに来た土方の車に乗って帝都「東京」に向かった。
「土方圭介二等兵曹です。普段は坂本少佐の従兵をしています。いまは補給物資など欧州支援物資の管理等をしています。」
土方は山本に自己紹介をした。
「こちらこそ、大日本帝国連合艦隊司令長官の山本五十六です。」
山本も土方に自己紹介をする。
車を走らせること50分、帝都「東京」へ到着した。そして皇居へと到着した。
坂本も天皇に会うのは初めてでさすがに緊張を隠せない様子であるが、山本は何度か天皇に謁見したことがあるので特に緊張はしていない。二人は皇居へと入っていった。
その頃、坂本少佐の苦労を知らない宮藤はバスで横須賀へと向かっていた。
「坂本さんは今頃何をしているんだろう?それに山本さんって一体どんな人なんだろう?」
宮藤はまだ殆ど山本大将のことを知らないでいた。
(今度、機会があったら聞いてみよう。)
っと、宮藤は考えながら海を見ていた。
「つまり、報告のあった通り君達の艦隊と乗組員は別次元から来たのだね。」
いきなり裕仁天皇が言うので山本は呆気にとられるも
「はい、私達はこちらの世界でいうリベリオン合衆国に宣戦布告をするべく集結していた所を謎の台風によってこちらの世界に飛ばされました。」
裕仁天皇は少し考えるも、隣の男が
「では、あなた方の艦隊は我が扶桑皇国の所属艦隊として501航空団の配属となって任務に従事してくれたまえ」
山本はその男を見て驚愕した。なんと初代連合艦隊司令長官の伊藤祐亨中将だった。っといっても、写真でしか見たことが見た事が無いのでどうかまでは分からないが。
皇居を出て、土方の運転で土浦に戻ったが出発は明日なので、宿舎を用意されていたからそこに戻って山本はしばらく一人になった。
その頃宮藤は自分の家に戻っていた。
「えへへへ、半年振りに帰ってきたんだ。」
そう言って家に入っていく。
「おかーさん、おばーちゃん。」
「芳佳ちゃん、久しぶり。」
家にいて初めに出迎えたのがみっちゃんだった。
「みっちゃん、どうしてここに?」
「あなたのお母さん聞いて急いで来たんだ。」
久しぶりあって、二人はしばらく話して、夕方あたりになって別れた。
そして、親にお父さんの事を話した。
「そう、それは辛かっただろうね。」
「うう、おかーさん、あの手紙が届いたからもしかしたらと思ったけど、やっぱりお父さん死んじゃったんだ。」
宮藤は半分泣きながら話した。
その晩、宮藤はなかなか寝付けずに2時まで起きててしまった。
次に日、宮藤は坂本と山本が待つ、土浦飛行場に向かうバスに乗るためにバス停に来ていた。
「じゃあお母さん、お婆ちゃん。行ってきます。」
そして、家族と別れてバスを待った。そうしているとみっちゃんが走ってきた。
「芳佳ちゃん、もう行っちゃうんだね。」
「うん、ごめんねみっちゃん。もう少し一緒に居たかったけど、ブリタニアでも皆が待っているし。」
「ううん、芳佳ちゃんが決めたことだもん。私は応援してるよ。必ず欧州を平和にして戻ってきてね。約束だよ。」
「うん、みっちゃん。必ずその約束守るよ。皆と一緒ならどんな事だってできるもん。」
「戻ってきたらまた中学校に復帰するの?」
「坂本さんがうまくやってくれるから心配するなって言ってたから。」
そんなこんなで話している内にバスが来た。
「じゃあねみっちゃん。今度会うときは平和な世界で会えるからね。」
「楽しみにしてるよ。芳佳ちゃん。」
バスのドアは閉まり、出発をした。
土浦飛行場に着くと、滑走路の脇には坂本少佐が居て富嶽の物資積み込みを見ていた。
「坂本さん。」
「おお宮藤か、家族と久しぶりに会えてどうだった?」
「はい、とってもよかったです。いろいろと話も出来ましたし。」
「そうか。もうじき終わるから富嶽に乗ってていいぞ。」
そう言われて宮藤は富嶽へと乗った。しばらくして山本と坂本も乗ってきたので、富嶽は滑走路に移動して離陸した。