ブリタニアに戻るのは夜になってしまった。夜では月明かりだけで非常に飛ぶのは難しい。
「坂本さん、本当にこの機は基地に向かっているんですよね?」
「ああ、もうじき聞こえてくるだろう。」
そう言われて宮藤は疑問に思うが、しばらくしてきれいな歌声が聞こえてきた。
「あのう、坂本さんは何か聞こえませんか?」
「これはサーニャの歌だ。基地に近づいたんだな。」
宮藤は窓の外を見ると、サーニャが横へ並んで飛行をしていた。
「我々を迎えに来てくれたんだな。サーニャはこういうことが出来るからな、普段は夜間哨戒に就いて誘導や夜間迎撃を行ってもらっている。」
宮藤はサーニャの方を向いて
「ありがとう。」
するとサーニャは頬を赤く染めて、雲の中に隠れてしまった。
「サーニャちゃんって、なんか照れ屋ですよね。」
「まあ仕方が無い、普段は皆と生活習慣が違うから少し気の弱い所があるからな。」
そんな時サーニャから通信が入った
「シリウスの方角に所属不明の飛行物体を探知、これより接触、迎撃します。」
「わかった。無理をするなよ。」
サーニャはフリーガー・ハマーを構えて数発発射する。着弾した所は爆円をつくり雲に穴が開く。
(反撃してこない?)
こんなに撃つと普段のネウロイはビームで反撃してくるのだが、今回のは全く反撃してこない。
「サーニャ、もういい。」
「でも」
「この機を守って帰還しよう。もう魔力も残っていないんだろう。」
坂本の言葉にサーニャはこれ以上の追撃をやめて輸送機の横に行き、護衛の任に就いた。基地ではサーニャの知らせを聞いてバルクホルン等が現場に向かった。下のほうは雨であり、上よりも飛び難かった。
「ひどい雨だな。輸送機はうまく着陸できるのかよ?」
エーリカは疑問を投げかけるが、誰も答えなかった。しばらくして輸送機が見えたのでエイラは少しスピード上げて
「サーニャ無事か?」
「うん、エイラ、大丈夫よ。」
輸送機の左右にウィッチ等は展開して護衛をしながら帰還した。
ミーティングルームにはウィッチ全員が集まっていた。夜だけあって、皆が寝巻き姿である。
「では今回のネウロイはサーニャ意外に誰も見ていないんだな?」
「ずっと雲の中にいて出てこなかったよ。」
「でも、反撃してこないってのも気になるな。」
「そこで、次回から夜間戦闘を想定したシフトを考えているの。」
ミーナは突然話を切り替えたので隊員は驚いた。
「まずサーニャさん、それと宮藤さん。貴方達を夜間専従班に任命します。出撃待機には私と坂本少佐が就きます。」
サーニャは慣れているが、宮藤は全くの未経験であり突然の任命に驚いた。
「え?なぜ私もなんですか?」
「今回の戦闘を見ているからな。」
坂本は宮藤に指摘する。
「私はただ見ていただ、うわっぷ。」
突然エイラが宮藤の頭を抑えて挙手をした。
「はいはい、私も専従班をやる。」
「それではエイラさんも含めて3人が専従班ですね。指揮の方はエイラさんにお願いするわ。」
ミーナはすぐにエイラを加えた。尤も、エイラがこう出ることは既に予測していた。
「すみません、私がネウロイを取り逃がしたばっかりに。」
サーニャは頭を下げて芳佳に謝った。これに動揺した芳佳は
「ううん、サーニャちゃんが悪いんじゃないんだよ。」
(うーん、サーニャちゃんとはこの間の作戦で一緒だったけど、まだよく分からないしこの任務で仲良くなっておこう。)
っと、心に決めた芳佳であった。こうして謎の夜間ネウロイを倒すための夜間専従班が臨時に編成された。