異次元、そして   作:橘花

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初陣

大和の内火艇で山本をはじめとする連合艦隊参謀が扶桑皇国と名乗る赤城に乗艦した。

 

見れば見るほど赤城と一緒である。

 

「どういうことでしょうか長官?」

 

「さあね、分からないが乗り込むと決めた以上は何が起きても驚かないよう覚悟しておけ。」

 

山本は落ち着いた表情で言った。普段は、演技など嫌いだが、山本の内心は驚いていた。

 

内火艇は赤城の左舷に着けられた。

 

山本等参謀は、赤城へと移乗した。そして、待っていたのは日本海軍の制服を着て肩に大佐の階級章を付けた40代位の人と中佐の階級章を付けた30代位の人がいた。その二人は山本等が来ると敬礼をした。

 

山本等も皆、敬礼を返した。

 

「どうも、赤城の艦長の杉田淳三郎です。」

 

「赤城の副艦長の樽宮敬喜です。」

 

二人は名乗った。

 

「連合艦隊司令長官の山本五十六です。」

 

「では、どうぞこちらへ」

 

と、二人はミーティングルームへと山本等を案内した。

 

内部は、連合艦隊の方の赤城と全く一緒であった。

 

「どういうことでしょうか?長官」

 

小声で参謀等は聞いてきた。

 

「わからないが、とりあえず話だけでも聞いてみよう。それに、ここが何処か分かるかもしれないしな」

 

案内されたミーティングルームも全く一緒である。山本はしばらくの間、赤城の艦長もしたことがあるのですぐに分かった。

 

「貴艦隊の所属はどこかね、赤城そっくりの空母があるが、カールスラント海軍とは思えない。」

 

「カ、カールスラントって一体どんな国かね。そんな国は聞いたこともない」

 

参謀の言葉に杉田と樽宮は驚いた。山本は単刀直入に聞いた。

 

「ここは一体何処ですか?」

 

「インド洋を抜けて、アラビア海に入った辺りですが」

 

「アラビア海だと、そこは大英帝国の制海権のはずだぞ」

 

杉田はその言葉に対して

 

「大英帝国とはなんですか?さっぱり話がみえません」

 

「大英帝国を知らんとは何」

 

そこまで言って山本に止められた。

 

「実は杉田さん。我々は、アメリカへの開戦を決意して呉にて会議を行っておりました。そこへ突然、台風が来て気づいたらこの海域にいたんです。」

 

二人は驚いた表情で聞いていた。

 

「じゃあ、つまりあなた方は我々の時代、いや、この世界の人ではないと言いたいのかね」

 

「まだ、その答えは分かりません。」

 

そんな時に突然サイレンが鳴った。

 

「敵襲?」

 

参謀等は、突然のサイレンに慌てた。

 

「ネウロイ、急速接近中!。距離20000、高度3000」

 

その声を聞いて、二人は走り出した。山本等もそれについていく。

 

「ネウロイ、さらに接近!距離15000」

 

艦橋に居たものが杉田に報告をする

 

「全艦、対空戦闘用意!目標、前方のネウロイ、航空隊及び機械化航空歩兵は発艦準備」

 

聞きなれない単語に参謀は疑問を持つ。そんな中山本は、

 

「杉田さん、我々も戦闘に参加します。」

 

「助かります。なにせ、艦隊の数が少ないので宜しくお願いします。」

 

「わかりました、通信参謀、ただち艦隊に発光信号を」

 

「了解」

 

そう言って、艦橋から走っていった。

 

「艦長、航空部隊は発艦準備完了です」

 

「航空隊、発艦せよ」

 

山本は航空隊は、どんなものかと見ようと窓の近くに行った。そして、驚いた。

 

なんと、甲板にいるのは、旧式の96式艦戦そっくりである。だが、さらに驚いたのは、その前で待機している、少佐の階級章を付けた10代後半の女の人である。足に奇妙な物を履いていた。

 

「坂本美緒、発艦する。」

 

そう言うと滑走を始めた。

 

「だめだ、あんなので飛べるわけがない」

 

参謀等は口々揃えて言う。だが、次の瞬間には、飛び上がった。次々と96式艦戦も発艦していく。

 

前方では、連合艦隊と、謎の黒く所々赤い斑点のある生き物?と戦っていた。だが、大和の主砲でもなかなか落とせなかった。そこに先ほど、発艦した坂本少佐と96式艦戦が来た。

 

「すごい主砲だ、40cmは越しているな。だが、コアまで威力が到達していない。」

 

坂本はそう言って、眼帯の下にある明るい紫色の目でネウロイを見渡す。コアをみつけて一気に急降下をかけた。

 

ダダダ、銃を撃つも、ビームが激しくなかなか近づくことが出来ずに再度上昇した。だが、96式は

ビームの餌食となって、火を噴きながら落ちていく。そんな時、赤城ではエレベーターが上がってくることに山本は気づいた。

 

またしても、さっきの人と同じ物を履いている今度は少女であった。そして、発艦していった。

 

「宮藤?」

 

坂本は驚いた。

 

「坂本さん、助けにきました。」

 

宮藤は機銃を持つと、坂本に渡そうとした。

 

「坂本さん、これを使ってください。」

 

「いや、それはお前が使え。」

 

宮藤は驚いたが、

 

「はい。」

 

そのころ戦艦大和は

 

「主砲、仰角修正。今度こそ落とせ。」

 

大和の主砲がネウロイに向けた。

 

「撃ー!。」

 

轟音と共に46cm砲弾がネウロイに向かっていく。そして、ネウロイに直撃した。

 

「す、凄いですね坂本さん。」

 

「ああ、少しはダメージを与えたか。宮藤、コアは敵の丁度中心辺りにある、そこを狙え。」

 

そして、坂本は大和に近づき

 

「敵の中心を狙って1発撃ってくれ。」

 

大和の艦長は一瞬迷ったが

 

「主砲、敵の中心に向けー。」

 

艦長の声が伝声管から第一、第二主砲に伝わる。すぐさま主砲が修正されて、

 

「撃ー!。」

 

再び主砲が放たれた。見事にネウロイの中心に命中して、赤いコアがむき出しになる。

 

「今だ宮藤。」

 

「はい。」

 

宮藤はむき出しになったコアに向かって機銃を撃つ。コアが砕け、ネウロイ共々光る破片に変えた。

 

「よくやった宮藤。」

 

坂本は近くにいくが、宮藤は魔法力を使いきり気絶していた。

 

「全く。遣欧艦隊が無事だったから良かったが、本当に無茶をするな。それにしても、この艦隊は一体?」

 

坂本は眼下の艦隊、特に一際目立つ大和を見ながら言った。

 

「とにかくこれ以上ここにいるのは危険だな。」

 

そう言って坂本は空母赤城へ向かった。

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