異次元、そして   作:橘花

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最終決戦へ

-連合艦隊 旗艦 大和-  作戦会議室

 

「今日は総司令部で新たな作戦会議がある。そのためしばらく艦隊をあけるので、その間の指揮は山口中将が執って頂きたい。」

 

「分かりました。まだまだ長官程ではありませんが、指揮を執らせていただきます。」

 

「崎水君、車の用意をお願いしたい。」

 

「長官の頼みとあらば何なりと。」

 

そう言って、崎水栄介特務少尉は車の用意の為に出て行った。

 

 

-ウィッチーズ基地-

 

「ミーナ中佐、何処へ行くんですか?」

 

宮藤は廊下を正装で歩いているミーナ中佐を見つけて疑問に思いながら聞く

 

「今日は総司令部で作戦会議があるの。まだ詳しいことは分からないけど、恐らくガリアの上陸作戦だと思うわ。」

 

「ガリアへ?」

 

「ええ、そこを足がかりにヨーロッパ解放を展開するつもりだと思うわ。」

 

「わかりました。」

 

「では、後は宜しくね。」

 

ミーナは笑顔になって廊下を歩いていく。外では山本と崎水が乗る軍用車が待っていた。

 

 

「今度の作戦は恐らく、そちらにもかなりの損害は出ると思うわよ。」

 

「ええ、ですが、皆覚悟をしています。軍人というのは死ぬことが仕事でして。」

 

「でも、そう簡単に死ねる覚悟がなぜ簡単に出来るの?」

 

「我々の世界では、中国という国と戦争をしているんです。そして、その最中にアメリカ、この世界のリベリオンに相当する国にも戦争を仕掛けようとしていたんです。その国と戦うのは、全員が死ぬ覚悟で戦わないと勝てない国です。」

 

「そんな国となぜ戦おうと思ったの?」

 

「我が国は資源、特に石油が取れない国なんです。そのため、他国からの輸入に頼っていました。ところが、陸軍が中国を攻撃、それと同時にアメリカを含むABCD(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)包囲網をされて、この四カ国に開戦を決意しました。」

 

「では、何故その陸軍を説得しなかったの?」

 

「出来なかったんです。海軍と陸軍の仲も犬猿の仲でしたから。それに、一度開戦をしたらそう簡単にやめることが出来ないんです。第一、わが国にアメリカは絶対に呑む事のできないハル・ノートを突きつけてきました。」

 

「そのハル・ノートは?」

 

「我が国の中国からの撤退。同盟の破棄などです。その他、あまりにも横暴な内容を突きつけられました。それは我が国が明治から築き上げてきた領土、植民地、同盟を全て破棄しろというものでした。それで開戦へと向かっていったのです。」

 

「その中で貴方達はこの世界に?」

 

「はい。開戦への会議の為に呉に集結していた所を台風によって。」

 

「そう。そんな激動の時代を貴方達は歩んできたのね。」

 

ミーナは悲しそうに外を見ながら言った。山本ももうそれ以上何も言わなかった。

  

(彼等は私達とは比べ物にならないほど多くの修羅場を越えてきている。私達の多くはまだ死ぬ覚悟の出来ていない。でも、彼等は簡単に死ねると言った。こんな人達を死なせたくない。)

 

ミーナは心にそう誓った。

 

 

 

-総司令部- 作戦会議室

 

そこには多くの司令官クラスの人間が集まっていた。そこに扉が開き、総司令部の参謀等が入ってきた。

 

「えーでは、諸君に集まってもらったのは他でもない。我々は明日、ガリアのノルマンディーに大規模上陸作戦を展開する。既に各隊には準備を急がしてもらっている。」

 

そこに陸軍部隊の司令が

 

「我々戦車部隊は地上ネウロイの瘴気に阻まれて無力ですが。」

 

「その心配はいらん。すでに我が国、リベリオン、カールスラントがバッテリー式の瘴気を無効化する装置を開発に成功、既にそれを搭載した戦車が生産、集結している。2時間は瘴気の中でも作戦を行えるし、一度瘴気から出て充電すればまた戦える。」

 

「そんなものまで開発していたのは驚きだな。」

 

「この作戦は各軍の戦車や砲兵部隊、陸戦ウィッチに航空ウィッチ、海軍作戦部隊も参加する本格的な上陸作戦です。」

 

「どのくらいの戦力なんだ?」

 

「恐らく、誰も見たことが無いほどの大艦隊で向かって上陸するでしょう。砲撃なども凄まじいものになります。」

 

「各部隊は出撃の準備を急がしてください。それでは解散。」

 

そう言って皆が席を立って出て行った。山本とミーナも外で待っている崎水の軍用車へと向かった。

 

 

 

「まさかこうも早く反攻作戦が行われるなんて。」

 

「早い方が良いんでしょう。その分早く故郷に帰れる人がいますから。」

 

「そうだけど。今の戦力で大陸での作戦は大丈夫かしら?」

 

「大丈夫ですよ。上陸の支援には我々連合艦隊も参加しますから。敵を撃滅して上陸させますよ。」

 

「確かに貴方達の中に一際目立つ戦艦が2隻いるけど、大丈夫なの?」

 

「大和と武蔵のことですか?あれは確かに砲撃戦では無敵ですから活躍すると思います。それに我々には優秀な航空部隊もいます。必ずやお役にたてる戦いをするでしょう。」

 

「分かったわ。明日に備えて準備をお願い。」

 

「分かりました。」

 

基地に着き、山本は直ぐに大和にて皆に伝えた。

 

「我々は明日、ガリアへの上陸を支援することになった。各員の奮戦には期待をする。」

 

「分かりました。ところで長官、先ほどブリタニアの砲口開発部から新種の砲弾を受け取りました。」

 

「どんなのだ?」

 

「なんでも目標に命中して0.1秒後に起爆するのと、時限信管式で拡散する榴弾砲だそうです。」

 

「それでは敵に対してかなりの戦いが出来るな。」

 

「ええ、それにVT信管の対空弾なども受け取りました。」

 

「何、それはすごい。明日の成果を期待しようではないか。」

 

VT信管とは発射後、周囲の数メートルにマイクロレーダー波を発して、それに反応があると起爆する対空兵器で、史実、アメリカはマリアナ沖海戦辺りから実戦配備を始めたもので、日本の特攻機を何機も落としている兵器である。

 

「それでは明日の作戦に備えて早めに睡眠を取らせましょう。」

 

「ああ、そうしてくれ。」

 

 

 

-ウィッチーズ基地-  ミーティングルーム

 

「明日、大部隊によるガリア上陸作戦を開始します。私達の任務はこの護衛、及びネウロイの巣の破壊です。」

 

「いよいよ大陸反攻作戦か。」

 

「私の故郷は必ず取り返しますわ。」

 

ペリーヌは熱意を燃やしながら張り切っている。

 

(いよいよはじまるんだ。)

 

宮藤はそう思いながら拳を握り締める。

 

「では各自、明日に備えて英気を養っておいてください。」

 

「了解。」

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