異次元、そして   作:橘花

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巣へ

宮藤、坂本、バルクホルンの三人は坂井等のいる出撃待機所へと向かった。

 

「坂井さんは大丈夫なんでしょうか?」

 

「まあ、心配ないだろう。」

 

出撃待機所の扉の前に来て坂本はノックをすると、中から『どうぞ』という声がして中に入った。

 

「坂井、大丈夫か?」

 

「坂本少佐か、心配はない。あの時はすまなかった。」

 

「気にするな。」

 

「あのー、坂井さん。怪我とかしていませんか?しているなら治療しますけど。」

 

「すまない、腕を負傷していてな。頼めるか?」

 

「はい。」

 

宮藤は坂井の左腕の傷を治療し始めた。」

 

「それで、そちらの人は?」

 

「ああ、まだ自己紹介をしていなかったな。」

 

坂本がそう言うと、バルクホルンはカールスラント式の敬礼をして

 

「私はカールスラント空軍第JG52第2航空隊のゲルトルート・バルクホルン。今は501空の副官を務めている。」

 

「副官って、坂本少佐が務めているんじゃないんですか?」

 

「私は雑務とかは無理だからな。実質、戦闘指揮を執るくらいだ。」

 

しばらく坂井と会話をしていて

 

「終わりましたよ。」

 

宮藤が坂井の治療を終える。

 

「すみません。」

 

「では、また後で。」

 

そう言って三人は自分達の部屋に戻り、巣への攻撃準備を始める。

 

 

 

その頃、ブリタニア空軍省の地下研究所

 

「司令、もうすぐ我々のネウロイ研究で製造を始めたウォーロック0号機が完成します。ただ、技術者の話では今度の作戦への投入は早すぎるとの事です。」

 

「ふん、我々の勢力拡大にはどうしても必要なのだ。戦争終結後の世界の利権の為にもな。」

 

「分かりました。出力安定次第、ウォーロックを出撃させます。」

 

「しかし、我々の最初の実験で思わぬ連中を呼び寄せてしまったようだな。」

 

「あの艦隊の事ですか?彼等の介入は全くの予想外でした。」

 

「全く、ネウロイを異空間に閉じ込める実験の失敗が無ければこんなことにはならなかった。」

 

なにやら不穏な動きのある上層部の会話をウィッチーズ等、そして連合艦隊の人間が知るよしも無かった。

 

 

「第一次攻撃隊、発艦準備急げー。」

 

各国の空母の飛行甲板は第一次攻撃隊の参加機に爆装をしている。戦闘機にも25kgもしくは50kgの爆弾を二つ取り付けての攻撃である。

 

「長官、ブリタニアの飛行場からの爆撃は成功しています。既にガリアの殆どの建物は跡形もなく消しました。」

 

「ふむ、ガリアの復興はかなり掛かるだろうが、仕方が無い。」

 

爆撃の目的は鉄骨でできた建物を壊してネウロイの再生をさせないためである。

 

「各空母から攻撃隊を発艦始めました。我々も出撃命令を。」

 

「よーし、風に立て。攻撃隊、発艦せよ。」

 

空母はいったん風に立てば安定する。したがってどんな嵐の中でもすぐに飛び立つことができる。

 

「出撃命令を受けた。これより発艦する。」

 

最初に零戦が発艦を始める。零戦はなめらかに上昇をして高度をとり、艦隊の周囲を警戒する。

 

「淵田機、出撃する。」

 

第一次攻撃隊指揮官、淵田(ふちだ) 美津夫(みつお)中佐の乗機が発艦を終えて、次にウィッチ等が出撃をする。

 

淵田中佐は史実において真珠湾攻撃の総指揮官で第一次攻撃隊を指揮し、その後は南方作戦やインド洋作戦にも参加した人物である。

 

第一次攻撃隊の任務は巣の下の占領された都市へと侵攻する陸上部隊の航空支援、及び防空任務である。ただし、ウィッチーズは巣への直接攻撃が任務である。

 

「此方は淵田機、母艦へ発信、『我順調に飛行中。今のところ敵影なし。』」

 

しばらく飛行をして戦闘地域の上空に到達した。

 

「こちらハーミーズ攻撃隊。これより急降下、敵への爆撃を行う。」

 

淵田だ後ろ振り返ると、ハーミーズから発艦したソードフィッシュが急降下にはいった。

 

ソードフィッシュは第二次大戦において活躍したイギリスの雷撃機で複葉機時代の最後を飾った非全金属製の機体であり、アベンジャーと同じく雷撃機の中では急降下爆撃ができる貴重な機体で評価も高い航空機である。

 

急降下にはいったソードフィッシュはネウロイの対空砲火を掻い潜って接近する。そして搭載している250㎏爆弾を2つ投下する。地上に火柱が上り、ネウロイは崩れ去った。

 

「攻撃成功。我々は母艦に戻る。」

 

先ほど爆弾を投下したソードフィッシュは反転をして母艦へと針路をとった。地上では砲弾の炸裂音が響きそれが止むことの無い空を航空隊が通過していくと

 

「こちら、カールスラント陸軍第18戦車大隊第6戦車連隊。現在、ネウロイと交戦中。航空支援を要請する。場所は今から信号弾を上げる。」

 

無線から入ってきた声を聞き、各パイロットは辺りを見回す。すると、西の空に発光が起こった。

 

「赤城攻撃隊。直ちに目標へと向かいます。」

 

淵田の指示で赤城攻撃隊は針路を西にとって向かう。

 

「目標視認、ネウロイ3体。いずれも戦車型。」

 

「了解。各機へ、爆撃針路維持。爆撃用意」

 

「用意よし。投下」

 

機体下部から1t爆弾を投下し、爆発音と共にネウロイは沈黙する。

 

「支援に感謝する。これより進撃を続行。」

 

下の戦車連隊は再び進撃を開始する。

 

その頃、ウィッチーズは巣の近くまで接近に成功していた。

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