白兎が怪人になるのは間違っているだろうか   作:白米は正義

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暗転

Lv.8になった僕はダンジョンに来ていた。

 

理由は魂の昇華(ランクアップ)に伴って激上した【ステイタス】によって起こった感覚のズレを調整しに闘技場(コロシアム)に訪れ、魔法無しで十時間以上も戦闘を行った。

 

「ふぅ、やっと違和感がなくなった」

 

そう呟く僕の足下には大量の魔石と怪物素材(ドロップアイテム)が転がっていて、壁は無数の亀裂が深々と刻まれている。

 

そして、代剣の双剣は長時間の戦闘によって酷く摩耗していた。

 

「椿に文句を言われそうだな」

 

そう愚痴りながら僕は転がっている魔石と怪物素材(ドロップアイテム)を回収して地上に戻るのだった。

 

地上に戻ると魔石だけを換金し、怪物素材(ドロップアイテム)が椿への詫び賃として渡したのだった。

 

そして、手入れに出していた三本の武器で長剣の「ベーゼ・マーレボルジェ」が先に手入れを終えて戻ってきた。

 

すると、椿がこんな事を聞いてくる。

 

「ベルよ、その剣は呪武具(カース・ウェポン)であろう。どこで手に入れた?」

 

「謎の白装束の覆面集団から奪った」

 

別に隠すことではないため、正直に伝えると苦虫を噛み潰したような顔でこう言ってくる。

 

「ベル、其奴らは恐らく闇派閥(イヴィルス)と言う連中だ。面倒な連中だ、気をつけろ」

 

「あぁ、解っている。それこそ嫌って程にな・・・」

 

そんな会話の後、僕はヘスティア様行きつけの古書店に足を向けた。

 

そして、ある一冊の本と出会うのだった。

 

まさか、この本がある出会いを引き合わせるのだった。

 

 

 

古書店に着くと、何か珍しい英雄譚が無いか探していると真っ白い本が目に入った。

 

「レコード・ファミリア?」

 

そう表紙に書かれた題名を口にし、本を開くとそこには()()()()()()()()()()()

 

疑問に思った僕が初老の男性店主に話を聞くと分からないという答えしか返ってこなかった。

 

それでも、僕はこの本が気になってしまい購入するのだった。

 

そして、僕は本拠(ホーム)に帰り本を取り出すと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「どういう事だ?」

 

疑問に思いながらも本を開いた瞬間、僕の意識はそこで失われるのだった。

 

 

そうして意識を失ってから目を覚ますと、さっきまでの活気あるオラリオとは思えないほど静かだった。

 

その事に疑問に思っていると、都市の中から爆音が響き渡り、悲鳴も轟いていた。

 

「これはどういう事・・・?」

 

あまりにも突然すぎる都市の変貌に僕は完全に混乱していた。

 

「なんだ、ここにも雑音を奏でる者が居たか・・・」

 

後ろから聞こえてきた声に対して僕は長剣(けん)を抜き放ち、臨戦態勢を取る。

 

振り返ると、そこには目を閉じ黒い衣装(ドレス)に身を包んだ灰色の髪の女性だった。


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