白兎が怪人になるのは間違っているだろうか   作:白米は正義

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冒険者登録

『恩恵』を授かった僕は【ステイタス】を書き写した羊皮紙の名前とLv.だけを切り取った紙を持ってギルド本部にへと歩いて行く。

 

「あの、すみません。冒険者登録をしたいんですけど・・・」

 

ギルドに辿り着いた僕は受付まで行き、声をかけると眼鏡をかけたエルフの女性職員がこう言ってくる。

 

「冒険者登録ですね、それではこちらの紙に記載をお願い致します」

 

そう言われて僕はサラサラと登録紙に記載していく。

 

そうして書き終わった所でエルフの女性職員に手渡した。

 

すると、女性職員が顔を顰めた後こう言ってくる。

 

「申し訳ありません、Lv.の偽装は禁止されているのですが?」

 

まぁ、確かに恩恵を授かったばかりの新人冒険者がいきなりLv.7を名乗ればそういった反応になるのは当然だ。

 

そこで、僕は先刻更新してもらったばかりの【ステイタス】が記載された羊皮紙を女性職員の前に出してこう言った。

 

「これが先刻僕の主神に刻んでもらった『恩恵(ファルナ)』から読み取ってもらった【ステイタス】です、これを見て貰えば信じて貰えますよ」

 

羊皮紙を受け取った女性職員が目を通すと驚愕の表情を浮かべながら僕と羊皮紙を交互に見てくる。

 

それが終わると、女性職員は頭を下げて謝罪をしてくる。

 

「大変申し訳ありませんでした、クラネル氏。確かにここに記載されている【ステイタス】は本物のようです」

 

そう言ってくる女性職員に対して僕はこう言った。

 

「仕方が無いですよ、今日初めて冒険者登録をしに来た人がLv.7なんて言えば嘘をついているんじゃないかって疑うのは当然ですよ」

 

「お気遣い感謝します」

 

そう言って女性職員は頭を下げる。

 

「それじゃあ、僕は帰ります」

 

「お待ちください」

 

そう言って踵を返そうとしたら女性職員に止められた。

 

「なんですか?」

 

「冒険者登録をされに来た方にはギルド職員が専属アドバイザーを務めさせて頂くので…」

 

「じゃあ、あなたがいいです」

 

「え?」

 

僕の言葉を聞いて女性職員の人はキョトンとした表情を浮かべる。

 

「貴女が良いと言ったんですよ」

 

「は、はい!解りました、それでは冒険者ベル・クラネル氏のアドバイザーは私エイナ・チュールが勤めさせていただきます」

 

「解りました、それじゃあエイナさんこれからよろしくお願いします」

 

「こちらこそよろしくお願いします、クラネル氏」

 

女性職員もといエイナさんと互いにこれからの事で挨拶し合った後、僕にこう言ってくる。

 

「クラネル氏は冒険者となられたばかりなので初心者講習を受けることが出来ますが、どうされますか?」

 

「是非お願いします」

 

「解りました、こちらの別室にいらしてください」

 

そう言われて案内されたのが、黒板と教卓と机と椅子が置かれているだけの部屋だった。

 

「よいしょっと」ドスン

 

そう言ってエイナさんは教卓の上に軽く三重は越える大量の教材らしき本の山が置かれていた。

 

「それでは、始めましょうかクラネル氏」

 

「解りました」

 

こうして、エイナさんによるダンジョン講習が始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講習が終わると、外はすっかり暗くなっていて今日の所はダンジョン探索はお預けだなと判断した。

 

「お疲れ様、ベル君」

 

「ありがとうございます」

 

エイナさんの僕の呼び方が柔らかくなったのは名字呼びに慣れていない僕が頼んだからだ。

 

そして、僕はエイナさんの講習をなんとか合格することが出来た。

 

「それじゃあ、僕はこれで」

 

「うん、明日はダンジョンに潜るんだよね」

 

「はい、そう思っています」

 

エイナさんが明日の予定を聞いてくるので答えると、こう言葉を続けてくる。

 

「それなら絶対に忘れちゃいけない事はなんだったかな?」

 

「冒険をしない、でしたね。コレばかりは賛同しかねますけどね」

 

「安全にダンジョンを探索するための言葉だからちゃんと守ること、解った‼」

 

「…善処はしますよ」

 

そう言って僕は神様の待つ本拠(ホーム)へと帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

「おっかえり〜、ベル君‼」

 

本拠(ホーム)に帰ると、神様が抱きついてくるのを受け止める。

 

「危ないじゃないですか、神様。そんな勢い良く来られたら倒れちゃいますよ」

 

そう言いながら僕は神様を降ろす。

 

「実はね、今日屋台の店長がボクに初めての眷属が出来たお祝いにこんなにじゃが丸くんをくれたんだ‼」

 

「それは良かったですね、それじゃあ早速食べましょう」

 

「うん」

 

そうして、僕と神様はじゃが丸くんを頬張るのだった。

 

食事が終わると、神様がこう言ってくる。

 

「そういえばベル君は今日ダンジョンに潜ったのかい?感想を聞かせておくれよ」

 

「いえ、今日は冒険者登録を済ませた後はずっとアドバイザーになってもらったギルド職員にダンジョンのことを教えてもらってました。」

 

「へぇ、それじゃあダンジョンには潜ってないんだね」

 

「はい。でも、明日は潜るつもりですよ。」

 

神様の言葉に僕はそう言いながら水を飲み干した。

 

「それじゃあ、おやすみなさい神様」

 

「うん、おやすみベル君」

 

明日に備えて僕は神様よりも先に眠りについた。

オリジナルストーリーとかって必要ですか?

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  • いいえ
  • ベルの強化に必要なら
  • どちらでもいい

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