前話『異常事態と緊急事態』を見ていない方はまずはそちらをー。
今回は此花視点でお送りします。
時系列的には主人公がヒラルダと戦っていた時くらいです。
彼のことを思い出したのは、あの夜のことだった。
いつもと変わらない夕食時。
病院勤めのお父さんが帰ってきて、お母さんを含めた家族三人で夕食を食べている時に映し出されたテレビに“彼”が映り込んだ。
「あれ? 今から天気予報のはずなんだけど……どうしたんだろう?」
元の番組から切り替わるようにノイズを走らせるテレビ画面。
リモコンを持ったお父さんがチャンネルを切り替えても映像は変わらず、私達の日常で最早見慣れた白い戦士の姿を映し出した。
「白騎士? ど、どういうこと?」
「さっきニュースでまた怪人が出たって騒ぎがあったが、まさかこれも関係しているのか?」
都市に出たと言ってもここからかなり離れた場所だから大丈夫かと思っていた。
でも、今テレビに映し出されているのはここ数か月、宇宙からの侵略者を相手に戦っていた正義のヒーローこと白騎士。
そんな彼の前には不定形の煙のようなナニかが浮いている。
「……ぅ」
その煙のような怪人を見ているだけで胸がざわつく。
なにかに苦しむようにうずくまった白騎士の鎧が消える。
誰もがその正体を知りたいと思っていた姿。下を向いたまま未だに顔すらも見えないけれど、私とそう変わらないほどの年頃の彼に一緒にテレビを見ていたお母さんは言葉を失っていた。
「まだ子供じゃないか」
呆然としたお父さんの呟き。
不意に目に悪い濁った金色の鎧を着た宇宙人が嬉々とした声を上げた。
『さあ、注目せよ! お前達がヒーローと呼んだ男の正体を!! 大衆が望んだその秘密を!!』
「やめて……」
自分でもどうしてそう呟いたのかは分からない。
でも彼の正体を明かすことはいけないことだと、なぜかそう思ってしまった。
そしてその考えは間違いではないことを次の瞬間には無理やり理解させられてしまった。
『ご存知だろうか!! 10年前にこの日本を騒がせた“奇跡の子”穂村克己を!! たった一人生き残ってしまった少年を!!』
「———ほむら……?」
彼の前で変形を繰り返していた
べちゃり、と画面越しでさえも不快な音を響かせたソレは血を地面にまき散らしながら、呆然と顔を上げた彼を憎悪に染まった瞳で睨みつけた。
「あ、あぁ……」
私は
「カツミ、アァ、貴方なのね……」
「父さん……? 母さん……?」
「私達はお前のせいで、死んだ!!」
「お前がいたから!!」
「代わりに死んでしまえ!!」
「そうだ!! お前が生き残ってどうなる!!」
二年前のあの時と同じように両親から責められる黒騎士。
「最初からあいつの狙いは俺だった。此花は巻き込まれただけだ」
「俺のせいで危ない目に遭わせる訳にいかない。こいつには、家族がいるんだ。俺と関わるせいであの人たちまで巻き込みたくない」
彼は自分を責めた。
私が幽霊怪人に襲われたのも自分のせいだと。
そんなはずはないのに。
「怪人の記憶を消して、俺と関わった記憶を変えてくれ」
「此花が、今日まで俺と関わった記憶だ。勿論、その周りの人たちの記憶も」
その末に彼が選んだ選択は私を守るためのものだった。
「……思い出した」
なんで忘れていたんだろう。
あの夜、訳も分からず涙した理由がようやく分かった。
私は、ずっと守られていたんだ。
「ほむら、くん」
私は、彼を知っていた。
穂村克己。
隣の席にいた大切な人で、私のヒーローを。
記憶が戻ったからと言って何かできるわけがない。
穂村君が黒騎士だったってことも今や皆が知ってしまったことだ。
「時間が経っても大変だなぁ」
その中で穂村くん……というか黒騎士の名前を使って変なナンパをして女子の気を引こうとする輩も少なからずいたわけだが、そういう輩は黒騎士ガチ勢という闇深い人たちによって粛清された。
てかうちの学校の生徒だった。
てかその筆頭が私の親友の一人だった。
これほどまでに知らずに済んでおきたかった事実はなかったと地味に打ちひしがれながらも、私の日常はこれまでと変わらず進んでいったわけだ。
「最近、きららが穂村くんのことをよく聞いてくる気がする……」
学校からの帰路を歩きながらそんなことを口にする。
今日の昼休みでもそうだったけど、いったいどうしてだろう?
これまでは話題こそ出ても突っ込んだことを聞いてこなかったし、なんとも不思議だ。
もしや業の深い親友と同じくきららも隠れ黒騎士ガチ勢なのだろうか。
あれらの派閥は姉派から幼馴染などという名伏しがたいものに枝分かれするように分岐していると聞かされたわけだが……。
「まさかね……」
きららの性格の良さはよく知ってる。
あんな優しい子が、魑魅魍魎の巣窟に足を踏み入れているなんてありえないだろう。
そのありえない可能性を即座に否定しながら私はいつもの帰り道を歩いていく。
「……やっぱり、無理なのかな」
穂村君にもう一度会いたい。
それが難しい話なのはよく分かっている。
彼は今、世間に顔が知られている上に学校にも来れず、かといって彼の住んでいたアパートは今や事故現場みたいに封鎖されているんだ。
そもそも一般ピーポーな私が簡単に会えるわけがない。
「でも、友達だって思ってくれていたんだよね……」
私の思い上がりじゃなければだけど。
私が記憶を忘れていてもそう思ってくれていたのは正直泣きそうなくらいに嬉しかった。
だからこそより会いたい思いが強くなってしまうだけに———、
「はぁ」
———ため息が漏れてしまう。
もうずっとこのままなのかな、とマイナスなことを考えてしまいそうになりながら、再び前を向いて歩きだそうと———、
「こんにちは。此花灰瑠ちゃん」
前方から私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
ふと前を見れば、えげつないくらいの黒髪の美人が立っていた。
腰に届くくらいの黒髪に、完璧なバランスで整った端正な顔立ち。
身長は170くらいでモデルさんみたいで、黒を基調とした服を着ていた……もう嫉妬の感情すらも湧かないくらいの女性は、私を見てにっこりとした笑みを見せた。
「……っ、妹、もどきさん……?」
穂村くんと一緒にいた妹もどきさん。
彼が妹と紹介した、正体不明の少女を大人にさせたような見た目の女性は、後ずさる私を見て首を横に振る。
「あら? あの子のことを知っているのね。意外と……彼の事情をよく知っているようでびっくり」
っ、違う。
この人は穂村くんと一緒にいた子じゃない!!
見た目は姉妹みたいに似ていても雰囲気が危険な感じしかしない!!
私はすぐにその場を走り出した。
「……ふふ、賢いじゃない」
今の人が穂村君の関係者じゃないとしたら絶対碌なことにならない!
「まさか、私を人質に……とか!?」
そんなことありえる!? と、思う一方でそんな可能性もあるなと思ってしまう。
己惚れていなければ穂村君は今でも私のことを友達だと思ってくれている。
もしそれが事実だとしたら嬉しいどころの話じゃないけれど、それは私は彼への人質としての価値があるということになる。
「た、ただいま!」
とりあえず家に駆けこんで警察に電話しよう。
鍵を開け息を荒らげながら扉を開けた私は、膝に手を突きながら乱れた呼吸を整える。
現状、穂村君に助けを求める手段はないけれど間接的に彼のいるところになにかしらの事件が起こっていることを伝えれば可能性はあるかもしれない。
「な、なんなの!?」
家の奥からお母さんが出てくる。
大きな音を出して帰ったんだし慌てて来るのもしょうがない。
「お、お母さ――」
「貴女どうしたの!? 勝手に玄関に入ってきて!」
「え……?」
勝手に玄関に……? ここは私の家のはずだ。
私を心配する素振りを見せつつ、僅かに不審な眼差しを向けてくる母に私は声を震わせる。
「貴女、近くの高校の生徒よね? どうしたの? まさか通り魔に教われたとか!?」
「あ、え……」
私のことを分かってない?
なんで?
怖い。
得体の知れない恐怖に呂律が回らなってしまう。
「顔が真っ青よ!? 待ってて今警察を呼ぶから……って、どこに行くの!?」
私は家を飛び出した。
耐えられなかった。
18年間一緒に過ごしてきた家族がまるで私を初対面の他人みたいに接してきたことが耐えられなかった。
なにか、恐ろしいことが起こっている。
夕焼け色に染まった街並みを青ざめた顔で走る私を、すれ違う人全員が怪訝な様子で見てくる。
その中には見知った顔もいたけれどその人たちもお母さんと同じ、全く知らない他人を見るような視線を向けてきた。
「っ、そうだ。」
人気のない路地の壁に背を預けながらスマホを取り出す。
クラスメートの友人なら、まだ私のことを覚えているかもしれない。
そんな希望を抱きながらメッセージを送ってみる。
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既読はすぐについた。
息を呑み、反応を待っているとピコンという音と共にメッセージが送られてくる。
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短い返事。
ただそれだけで彼女の不信感と恐怖心が伝わってくる。
クラスメートも私のことを忘れている。
あの事件の後、私を含めて穂村くんのことを忘れていたみたいに。
「ッ」
なにが起きているのかまったく分からない。
でも誰かに忘れられることがこんなに恐ろしいことだなんて……。
どうしていいか分からずへたり込んだ私は、泣きそうになる。
「見ーつけた」
「ッ!」
路地裏の奥から聞こえてきたその声に顔を上げる。
そこにはついさっき私に接触してきた黒髪の女がいた。
「もしかしたら長い付き合いになるかもしれないから自己紹介するわね。私は
まるで友人に接するように話しかけてきた女、アズに私は呆然と言葉を返す。
「みんなに何をしたの……」
「特別難しいことはしてないよ? ただ、貴女のことを忘れさせただけ」
「なんのために……っ」
穂村君の記憶を忘れさせた妹もどきさんと似たようなことができるのかこの人は……!?
思わず声を荒らげてしまう私に、うーんとかわいらしく首を傾げた彼女は人差し指を立てる。
「穂村克己の成長の……ため?」
「穂村くんの……!?」
「彼なら私の悲願を達成できる。そのために貴女は必要な存在だから今のうちに人質として手元に置こうと思ったのよ」
頭がぐちゃぐちゃになりそうだ。
もう穂村君を放ってあげてよ。
私のせいでまた彼が重荷を背負ってほしくない。
「貴女は穂村克己が護ろうとした最後の日常。そんな存在が自分のせいで危険に晒されたと知ったら……ふふ、どんな変化を及ぼすか予想すらできないわ」
「ッ」
「ふふふ」
私に伸ばされる手。
得体のしれない存在に身体が動けない。
逃げても追いつかれる。
もう、駄目なの……!?
「穂村くん……!」
「無駄だよ。今、彼はサソリちゃんの相手をしているからここには来れない」
彼の名を口にしても助けは、来ない。
目を閉じ来るであろう衝撃に備えていると、いつまで経ってもアズが伸ばした手が私に触れてくることはない。
「———邪魔しないでくれない?」
目を開けると私に迫っていたアズの手を、私の背後から伸ばされた手が掴み取っていた。
呆然としたまま後ろを見て呼吸が止まりそうになる。
「邪魔? 面白いことを言うわね」
私の背後にいつの間にか立っていたのは、ぴっちりとしたオレンジのワイシャツに紺のジーンズを着た身長190を優に超える大男であった。
整えられたあごひげと短い髪といういかつい風貌と裏腹に、愛嬌のある笑みを備えたその人は
「人の恋路を邪魔しているのは貴女でしょう? アズ」
「サニー……ッ!!」
サニー、と呼ばれた男の手を振り払ったアズは一瞬だけ怒りの表情を浮かべた後に、切り替えるように笑みを浮かべる。
「ここで貴方が割って入ってくるなんてねぇ。どういう風の吹き回しかしら?」
「それはこちらの台詞よ。あんたなにしてるのよ。わざわざカツミちゃんの怒りを誘うような真似をしてどうするつもり?」
私を庇うようにゆっくりと入ってきたオカマ口調の男。
どうみても目の前のアズと知り合いっぽい人だが、私のことを守ってくれているようだ。
「あ、ああ、貴方は?」
「フッ、私はサニー。通りすがりの乙女よ」
「……」
……不審者では?
なぜかドヤ顔でそう言ってくる彼に私は最近学校で噂になっているある話を思い出す。
「まさか学校で都市伝説として噂になってる“街を練り歩く巨漢オカマ”って……!?」
「そんな噂になってるの私!? どうりで最近注目を集めていると思ったわ!?」
『うっせぇぞ! オカマ!! 目の前の六位に集中しろ!!』
「わっ!?」
サニーさんのポケットからメカメカしいオレンジ色の喋る鳥が飛び出してくる。
かわいらしい声で怒鳴り散らす鳥に面を食らう。
「分かっているわよ。まあ、貴女のことは友人とは思っているけど、あまりお痛が過ぎるとお仕置きしなきゃならないのよねぇ」
とにかくこの人は私を助けてくれたということでいいんだろうか……。
「でも解せないわねぇ」
「あら? なにか不思議なことでも?」
「貴女の能力を使えばこの子を意のままに操ることだってできるでしょうに。わざわざこんな性格の悪いことをする理由がどこにあるのかしら?」
「人質にも品質ってものがあるじゃない?」
サニーさんの疑問に答えるようにアズが肩を竦める。
……品質って、言外に私もの扱いされてなかった?
「私の力で手駒にしたら人形みたいになっちゃうでしょ? 他人に高く売りつける物品はできるだけ完璧な状態が望ましいことと同じように人質にするそこの彼女もできるだけ穂村克己の
「……性悪どころか、性格捻じ曲がっているわねぇ。素直にドン引きだわ」
……怖い。
この人は私に悪意なんて持っていない。
ただ必要なことだから、躊躇なく私を利用しようとするその異様さに私は薄ら寒いなにかを感じる。
「地球の戦士たちにはもっと強くなってもらわなくちゃならないもの」
呟くように言葉にしたアズはその笑みをこちらに向けてくる。
「黒騎士、ジャスティスクルセイダー、コスモ、ゴールディ。この六人の戦力でも十分に強いけれど……奴と戦うためにはまだまだ足りない」
「……六人? 白騎士ちゃんを忘れているようだけど?」
「白騎士は穂村克己の変身した姿の一つでしょうに。そっちこそ何を言っているのかしら?」
「……ふぅん。なるほどね」
白騎士って確か女の子の姿もいたはずじゃ……。
一時期穂村君が女の子になっちゃったって思って悶々としてしまったので覚えている。
「時間稼ぎはもういい? 貴方も私からこれ以上の情報は引き出せないわよ?」
「これ以上にない良いことを聞いたわ。さて、これから貴女にげんこつを叩きこむわけだけど覚悟はいい?」
拳を固め、はーっ、と息を吹きかけ脅すサニーさん。
それに対し少しだけ頬を引きつらせたアズは一歩後ろに下がりながら、おもむろに片手を上げる。
———瞬間、後ろからサニーさんでもアズでもない別の誰かの手が私の肩を掴んで、後ろへ引き寄せた。
「ん、危ない」
「わっ!?」
綺麗な女の人の声、それを認識すると同時に目の前のサニーさんの足元のコンクリートの地面が割れ、岩で形作られた三体の人型の怪人が彼を拘束するようにしがみついた。
「ナイスタイミングね、イレーネちゃん!」
「こいつを守ればいいんだな?」
怪人に動きを止められながらも後ろを振り向き、私の肩に触れている顔に花のようなタトゥー? に似た文様を浮かべた紫色の髪の女性に声をかけた。
え、よく見るとこの人の髪、毛先が赤色だ……! しかもまたもや美人だ……!!
「こ、今度は誰!?」
「私は黒騎士。なんだか手伝えと呼ばれたので来た。よろしく」
「あ、これはご丁寧に……って、そうじゃなくて!?」
黒騎士と名乗ったところも気になったけど、それは置いといて……! それよりサニーさんが思いっきり捕まってますけど!?
しかもあの怪人って惑星怪人アースってやつと同じ姿をしているんだけど!?
慌てて彼の方を見れば、赤熱する怪人に掴まれながら涼しい顔をしたサニーさんがアズと相対していた。
「力が吸い取られるわねぇ。これが地球の怪人ってやつなのかしら?」
「惑星怪人アースは“対三位”怪人。恒星そのものな貴方の動きを封じることを目的とした怪人だから当然でしょう?」
「地球産の怪人を隠していた上にちゃっかり友人の私の対策までしてるとか悲しくなっちゃうわー……。惑星怪人ねぇ、随分御大層な名前だけれど……」
そこで言葉を切ったサニーさんが空気を大きく吸い込む。
まるで私まで吸い込まれそうになるくらいに空気を取り込んだ彼は、呼吸を止め———、
「フンッ!!」
気合を入れるように全身に力をいれ、しがみついた三体の怪人を振り払った。
アズの近くに叩きつけられた怪人を指さしながら、サニーさんはにやりと不敵な笑みを浮かべる。
「いつだって私は生きとし生ける命を照らしてきた光よ」
「……」
「
もう状況が二転三転としすぎて頭の中がいっぱいいっぱいになってきた……。
この人たちはいったいなんなんだ。
穂村君のことを知っていそうだけど、仲間ではなさそうだけど……本当に意味が分からないよ。
「イレーネちゃん。ちょっとこの子たちを片付けるからその子、守ってね」
「妹の世話は得意だった。今は死んでるが」
「不安になるからそういうこと言わないでね……?」
声を震わせながら前を向き直ったサニーさんが、立ち上がった三体の怪人と相対する。
それと同時にぱたぱたとオレンジ色の機械の鳥さんが、サニーさんの傍にやってくる。
「やるわよ、ヴァルゴ」
『え、嫌だなぁ。お前で変身すると変な音なるんだよ』
「文句言ってないでほらっ!! 貴女着ないと被害大きくなるんだから!!」
『しゃーねーな。わーったよ化物』
「誰が化け物よ!!?」
サニーさんの手の中に飛んできた機械の鳥が箱のような形状へと変化する。
トサカにあたるボタンを逆の手で押し込むと、地球で気にいった演歌に似たメロディー響かせ、彼の後ろに半透明の壁のようなものが現れた。
「な、なに!?」
「変身———ぬぅん!!」
ドスの利いた声と共に手に持った箱を右手に現れたドリルみたいな武器に嵌めこむ。
同時に演歌のメロディーが加速し、ヴァルゴと呼ばれた鳥さんの声が響き渡る。
「なにこれ!?」
「郷に入っては郷に従う、それがこの私のポリシーよ」
情熱乙女ってなに!!?
その声の後にさらに背後に映し出されたモニターが切り替わった。
最強漢女伝説
序章 夜明之刻
日輪纏大地焼尽
覇道阻者悉打滅
生涯愛生戦人哉
生様咲見漢女道
愛羅舞勇店長
星将序列三位
恒星顕現 太陽
え、えぇと、ひと昔前のヤンキー文字に巻物の古文? みたいなやつにまた演歌みたいなメロディー!?
もうやりたい放題すぎない!?
色々ごちゃまぜすぎて混沌した状況に変な声が出てしまう……!!
そして半透明の壁を突き破るように大きな機械仕掛けの鳥が現れる。
その鳥は炎を纏いながら空に上がったと思うと、すぐに落下して———サニーさんの身体を翼で包み込んだ。
とてつもない光と炎に包まれ、目をつぶってしまうが相変わらずその音声だけは聞こえていた。
顔の半分と上半身を包み込むような翼を模したアーマー。
右腕と一体化した杭打機に似た武器と腰のマント。
どこか黒騎士や白騎士に似た姿に変身した彼の姿は暗い路地裏に光を照らしていた。
「人の恋路を邪魔する輩は、この
サニーさんは暗闇の中を進んでいた私に夜明けを告げるように、そう眼前の敵に言い放った。
途中の縦文字についてはあまり深く考えて解読しなくても大丈夫です()
地球文化に影響されまくったパッションヴァルゴは畳をぶち破るタイプの変身でした。
最初の変身イメージはエグゼイドのそれに近いかもしれませんね。
今回の更新は以上となります。