追加戦士になりたくない黒騎士くん   作:クロカタ

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お待たせしました。

今回はレイマ視点でお送りします。


急襲、波乱の幕開け

 ジャスティスクルセイダーのことがカツミ君にバレた。

 いや、そもそもが時間の問題であったのだろう。

 記憶を取り戻した彼が気づくか、自力で真実にたどり着くか、第三者から知らせられるか、そのどれかで気づくのは想定内だ。

 なので、バレた件に関してはイエローもその家族にも責任はない。

 この状況で警戒しなければならないのは、ルインの干渉だ。

 あのどう見てもカツミ君に異常すぎる執着を見せている奴が、なにかしない保証はない。

 

「正体判明から五日。ルインからの目立った干渉がないということは、こちらからの接触も可能とみてもいいだろう」

 

 だが、それも細心の注意を払わなければならない。

 このミッションを極秘、且つ彼と接触するのは、記憶を欠落する前のある程度見知った仲の者でなければならない。

 申し訳ないが、白川君は除外だ。

 彼女は関係性が深すぎる。

 

『か、カツミ君!! わ、私、頑張って異星人斬りまくったよ!! 斬りまくりんぐだよっ!!』

 

 レッドはメンタルとテンパり具合で、カツミ君ドン引き案件を引き起こしかねないので除外。

 

『カツミく……先輩とは実は中学校からの幼馴染だったのです』

 

 ブルーは多分、こんなやばい発言をすることが予想できるので彼女もアウト。

 ……あくまで想像ではあるが、あながち近いことをやらかすのが目に見えているやばい奴らが、地球のヒーローなのだ。

 逆を言えば、どこかしら並外れていなければ地球の守護者は到底名乗れないとも言える。

 

「逆に普通過ぎるというのも異常ともいえる」

 

 常日頃、命の危険が付き纏うジャスティスクルセイダーの活動。

 幾度となく死線を潜り、時には視力すらも奪われる危険に苛まれてもなお、変わることのない精神。

 普通と呼ばれからかわれるイエローも、ある意味でレッドとブルーと同類とも言える。

 

「……そろそろ向かうか」

 

 研究室の椅子から立ち上がり、椅子にかけていたスーツに袖を通す。

 これから、天塚家にいるカツミ君のところに向かう。

 話し合う場所ならば、他の場所もいいとは考えたが……外には人の目もあるので、やはり天塚家で話した方がいいと判断した。

 

「この私自らが出向くことになるとは……しかし、これも友として私が成さねばならないこと。すまんな、サジタリウス、お前の調整はこの後だ」

 

 研究室内のポッドに保管されている金と白のスーツ。

 それに手を添えると、ひとりでに動き出した金色の粒子が私の指先に吸い付く。

 なにかが指を通して入り込もうとしているのを察知し、すぐに手を戻す。

 

「くっ、やはり私を認めてはくれないか……。触れるだけで浸食しようとするとは……」

 

 コアを中心とした特殊な粒子金属によりスーツを生成する技術。

 厳密には違うが、分かりやすい言い方をすればナノマシンというべきか……。

 サジタリウスはジャスティスクルセイダーと黒騎士のスーツ及び、武器生成の根幹とも呼べる技術に特化したスーツ。

 以前爆破と共に消え去ったスーツから遥かにアップグレートしたが、やはり問題というものが付き纏う。

 

「これに変身するときは俺も覚悟をしなければならないな」

 

 もし全身を侵食されれば何が起こるか分からない。

 だがしかし、序列上位の侵略者たちと戦うにはジャスティスクルセイダーと黒騎士だけでは足りない。

 やれるべきことは、しなくてはならない。

 

「それが、カツミ君たちを戦いに巻き込んでしまった私の責任でもある」

 

 研究室を出る。

 夕焼け色に染まった外の景色を目に移しながら、私はカツミ君に接触すべく地上へと向かおうと……したところで、通路で白川君の姿を見つける。

 

「白川君、大丈夫か?」

「……はい」

 

 大丈夫ではないな。

 かろうじて、職務はこなしているようだが目に見えて焦燥している。

 死んだわけでもないから大げさすぎ……とは思わない。

 カツミ君は、白川君……シグマにとって初めての家族と言える存在だったのだ。

 例え、偽りのものだとしても彼女にとっては本物だった。

 

「睡眠はとっているか?」

「あまり……」

「食事は?」

「お昼は二杯くらいしか食べてません……」

 

 ……十分では?

 待て、見た目は十代後半くらいの年齢だが、実際は生後一年かそこらのはず。

 ならば、すくな……ん? 生後一年でも二杯は食べすぎではないか?

 

「シロも、君と同じく元気がないようだな」

「はい……。ずっとかっつんの動画ばかり見てぐるぐる言ってます」

「元彼との思い出の動画を見る未練たらたらOLみたいなことをしているな……」

 

我ながらとんでもない偏見だな。

 シロはイエローの嘘を見破り自力でカツミ君の元にたどり着いていたのだが、彼に全く思い出してもらえなくてショックを受けてしまった。

 普通なら共に戦った相棒の存在はすぐに思い出せそうなものだが……。

 

「かっつん、本当に見つかるんでしょうか……」

「……」

 

 正直、見ていられない。

 見た目は大人でも、精神年齢は子供だ。

 レッドとブルーと同じように雑に扱っていいわけではない。

 ……今まで止めてきたが、そろそろ教えてもいい頃合いかもしれないな。

 

「カツミ君が見つかった」

 

 そう口にすると、ややうつむき気味だった白川君が顔を上げる。

 

「ほ、本当ですか? いつもの性質の悪い冗談とかではなく?」

「冗談ではない。実は、彼が失踪してからすぐに居場所を把握していたんだ。……隠していてすまない」

「ッ……いえ、なにかしら理由があるのは分かります」

 

 ここで殴られようものなら甘んじてそれを受ける覚悟があったが、どうやら白川君も分かってくれたようだ。

 

「これから会いに行くところだ」

「そ、それなら、私も……」

「今は無理だ」

 

 カツミ君にとって白川君は一時期家族ともいえる関係だったのだ。

 それだけに白川君との遭遇が、彼にどんな影響を及ぼすか分からない。

 

「彼は未だにお前のことを思い出してはいない」

「……ぅ」

「すぐに会えるように私が手配する。それまで彼に会うのを我慢してくれ」

「……はい」

 

 頷いてくれたことに安堵する。

 白川君ならば、暴走する心配もないしこのまま待ってくれるだろう。

 そのまま彼女に背を向け、地上へ続くエレベーターへ向かっていく。

 

「待ってください」

「む? なんだ?」

「あの、かっつんは今どこにいるんですか? 海外じゃ、ないですよね?」

 

 ……。

 

「……それを知ったら……」

「し、知ったら?」

「イエローが、命を狙われることになる」

「……なんで?」

「さらば!!」

 

 これ以上質問が来るまでに小走りでエレベーターへと乗り込む。

 壁に耳あり障子に目あり!!

 どこで聞き耳をたてられているか分からないので、さっさと天塚家へと向かおう!!

 


 

 

 天塚家の家族構成は、父親の天塚黄真(おうま)、母親の(こよみ)、長女の雲母(きらら)、次女の七夏(ななか)、長男の光大(こうた)の五人家族である。

 一見して普通の家族構成に見えるが、その実態は大きく異なる。

 イエローこときららのご両親は、おおよそ一般とは異なる独特な感性を持っているのだ。

 

「……吞まれないようにしなくてはな」

 

 タクシーを用いて天塚家の家の前にまで到着した私は軽く深呼吸をした後に気を引き締め、インターフォンを鳴らす。

 記憶が未だに戻っていないカツミ君との対談だ。

 私のことを思い出していないという点はあれど、そこはイエローとアルファにより補足されているはず。

 

『はーい』

 

 声と共に扉が開かれ、私服姿のイエローが出てくる。

 彼女は俺の姿を確認すると、おもむろに後ろを確認する。

 

「なにをしている」

「尾けられてませんよね?」

「心配するな。そのようなヘマはしていない……多分」

 

 確証はない。

 だって彼女たちの行動予測するの難しいってレベルじゃないし。

 ブルーに至ってはボーボボ世界の住人って言われた方が納得するわ。

 

「私以外の家族には事情を話して外食に行ってもらいました」

「……そちらの方が助かる」

「カツミ君とアルファは中で待っています」

 

 イエローに案内され居間へと足を踏み入れる。

 そこには、腕を組んで待っているカツミ君とその隣で嫌そうな顔で私を見ているアルファの姿を見つける。

 

「カツミ君。覚えていないようだが……ここはあえて久しぶり、と言わせてもらおう」

「!」

 

 初めて会った時と同じ、こちらの様子を伺う純粋な瞳。

 やや驚いた様子の彼の前に座ると、イエローはアルファとは逆のカツミ君の隣の椅子に腰かけた。

 

「貴方が金崎さんですか?」

「レイマで構わない。敬語も不要だ」

「……レイマ、不思議と貴方のことはそう呼んでいたような気がする」

 

 ……今の彼の記憶には緩く蓋がかけられているようなものか?

 中途半端に鍵が外れているせいで、断片的な記憶が少しずつ溢れ出ている感覚なのだろう。

 記憶喪失、という症状にはあまり詳しくはないが、想定したよりは危険な状態ではないように見える。

 

「私はカネザキコーポレーションの社長、金崎令馬」

「もしかして、マグマ怪人の時にヘリを送ってくれた会社の……」

「そう、あの件には我々も関わっている」

「そうですか……」

 

 マグマ怪人……惑星怪人アースによる一度目の進撃で、初めて黒騎士という存在に近づくことができたと言える。

 ぶっちゃけるなら、マグマ怪人の脅威度がぶっちぎりでやばかったせいで、それどころではなかったせいで接触もクソもなかった。

 しかし、彼と自衛隊との交流と、マグマ怪人との命をかけた戦いを知ったことで彼が、スーツを担うに値する人間だということを知ることができた。

 

「そして、社長である裏の顔は……」

「ごくり……」

「地球の平和を守る戦士!! ジャスティスクルセイダーの総司令であり、スーツの開発者なのだ!!」

「そ、総司令!? しかも、スーツの開発者って……」

 

 カツミ君が自身の腕につけているチェンジャーと私の顔を交互に見る。

 その視線にドヤ顔で頷く。

 

「そう! 君が変身に用いているチェンジャーの開発者がこの私だ!!」

「なんだって……!? おい、アルファ、きらら、お前達が話してたよりすごい人だぞこの人!!」

「「でも、変態だよ?」」

「変態なのか!?」

 

「私は変態ではなぁい!!」

 

 アルファとイエローは私をどういう風に話したのだ!!

 いったいどこが私が変態だというのだ!! 皆目見当もつかんわ!!

 

「あの俺、チェンジャー盗んじゃったけど……」

「それは既に過去のこと!! 今やそのチェンジャーは君専用にグレェドウァップされたもの!! 君のために作った君だけにしか使えない至高のアイテムなのだァ!!」

 

 今となっては盗まれたというより、プロトと惹きあったといった方がまだ納得できる。

 

『癪だけど、彼のおかげで喋れるようになった』

「そうだったのか……」

 

 地味に癪だけどって言わなかったかプロト?

 ……まあいい、まずはカツミ君の警戒を徐々に解いていこう。

 

「じゃあ、これが強化されていたのはレイマがやってくれたのか?」

「その通り。実際に使ってみてどうだったかね?」

「イメージ通りに体が動いてくれるな。前のスーツは、だんだん動きが鈍くなっていってる気がしてたし」

 

 ……カツミ君本人がプロトゼロのスーツの性能を凌駕しつつあったということか?

 肉体的……じゃないな。

 これはスーツの適合率と見るべきかもしれない。

 

「まだ改良、否、進化する余地があるということだな。それでこそ君だ」

「……俺は、貴方とどのような関係だったんだ?」

 

 関係……関係か。

 立場としては複雑ではあるが、それほど難しいものではない。

 

「友人だよ」

「ゆう、じん?」

「地球の怪人の大本を打倒したその後、君は自らの信念、目的のために我々との最後の戦いに身を投じ、その末に敗北した」

 

 君はあの時点から先の未来を見越していた。

 宇宙からやってくる未知なる脅威からアルファを救うために、その時の彼ができる最善の手を打とうとしていた。

 例え、その身を犠牲にしてでも。

 

「それから、君はそこにいるイエローを含めた三人の戦士たちと関わることで、当たり前の日常を学んだ。もちろん、常に君の傍にいたアルファにも同じことが言える」

「……当たり前の、日常」

 

 その試みが無駄に終わったのか、それとも意味のあるものだったのかが分かるのは、君が本当の意味で記憶を取り戻したその時だけだ。

 

「……貴方は、俺にどうしてほしいんですか?」

「我々と共に戦ってほしい」

「きらら達と?」

 

 ちらりと彼が隣にいるイエローを見ると、彼女が頷く。

 

「これから地球を襲う脅威は、怪人とは比較にならないほど強大だ」

「……星将序列とかいう奴らですか」

「ああ。既に接触されていることは聞いている」

 

 星界戦隊。

 私が序列として並んでいた頃は敵対していた“正義(ルイン)の敵”だった彼らが、今や我々の敵としているという状況が皮肉としか思えない。

 だが、奴らの持つ装備や技術がジャスティスクルセイダーと同じ水準……いや、それ以上の可能性もある。

 

「アルファにもきららにも言ってはいなかったけど……俺は星将序列、その3位と6位に遭遇している」

「なんだって……!?」

「今のところは敵対する意思はないらしい。だけど、3位の方はすごく強い」

 

 一桁クラスが既にカツミ君に接触しているだと!?

 しかも敵対する意思がないとはどういうことだ? 星将序列内も一枚岩じゃないってことか?

 

「少なくともあいつより強い奴が二人以上いるんなら、今まで通りってわけじゃいかないのは俺でも分かる。それに……」

「……? 私?」

「いや……」

 

 意味深にアルファに視線を送った後に、彼は私を見る。

 

「貴方は信用できる。言葉で言い表すのは難しいけど、記憶を失う前の俺は貴方のことを信頼していたんだと思う」

「カツミ君……」

「今、はっきりと分かることはこの空白の記憶の中で“俺”は変わることができたってことだ」

 

 そう言葉にした彼は自身の掌を見つめる。

 

「あと少しで、ほんの少しのきっかけで思い出せそうな予感がするんだ。穂村克己と白川克樹としての両方の記憶を……だから、提案を受けるよ」

 

 変わることができた。

 それを彼の口から聞くことができてよかったと思う。

 それはつまり、レッド達のこれまでの献身がカツミ君にとって無駄なものではなかったという証明になったことと同じだからだ。

 

「君は純粋すぎる!!」

「レイマ!?」

 

 思わず感激を口に出してしまったが、まだ話は終わりではない。

 まずはカツミ君の記憶を戻す方法だ。

 これでまず分かるのは、アルファの認識改編で簡単に治そうとすれば、確実にルインが妨害してくることだ。

 恐らく、ルインは彼が完全な復活を遂げるチャンスを伺っている。

 そしてそれは……そう遠い未来ではない。

 

「失礼、少々取り乱した」

「お、おう……?」

「気にしなくてもいいよ。いつものことだから」

「うん、いつも変なことしてる」

『大体いつもこんな感じ』

「貴様らはいい加減、逐一私の印象を下げるのはやめろ……!! なんだ嫉妬か!?」

 

 失礼な奴らだな。

 とにかくだ。

 

「そろそろ、レッドとブルーにも会わせなければならないな」

「レッドとブルーというと、前に居合わせたきららの仲間か。……きらら、アルファ、どうした? 顔が真っ青だぞ」

「い、いやぁ、なんでもない。なんでもないよ……」

 

 正直、気持ちは分からなくもないが、彼女たちもカツミ君の身を案じていたのだ。

 一応隠していたことをフォローはするが、ある程度の制裁は覚悟しておいた方がいいかもしれないな。

 

「あの二人は———」

「ッ、レイマ」

「む?」

 

 何を思ったのか一瞬で目つきを鋭くさせたカツミ君が、窓の外を睨みつける。

 その次の瞬間、窓から見える夜空に青色の波動のようなものが広がり、大きな爆音と建物を揺るがすほどの振動が叩きつけられる。

 ———ッ、なんだ!?

 ここを狙ったものではない!! もっと遠くに起こった衝撃だが!!

 

「社長!」

「分かっている!! 今、状況を確認する!!」

 

 窓にまで歩み寄り、端末から本部へと連絡を繋ごうとするが———繋がらない。

 常に本部にはスタッフが対異星人への監視のために常駐しているため、繋がらないなんて事態はありえない。

 導かれる結論は……。

 

「本部を襲撃されたか……!」

 

 だとすれば空に見えた青色の波動は、ビルを守るエネルギーフィールドと侵略者の兵器が激突した衝撃!!

 状況を予測した私が取るべき対応は……!!

 端末をさらに操作し、チェンジャーを通しての介しての通信を繋ぐ。

 

「ジャスティスクルセイダー!! 本部が襲撃された!!」

『え、司令は大丈夫なんですか!?』

『もぐもぐ、ごくん……緊急事態ですね』

 

 レッドとブルーの返答を確認し、要請を送る。

 

「私は運良く……いや、運悪く外にいる!! 私もすぐに現場に向かうが、お前たちはスタッフの救出と敵侵略者の排除を頼む!!」

『『はい!!』』

「それと———」

 

「レイマ」

 

 いつの間にか私の隣に来ていたカツミ君の声。

 いや待って、カツミ君。

 今声をかけられると端末越しに聞こえて非常にまず―——、

 

『カネザキレイマ……なにを隠しているのかな? かな?』

臨・兵・闘・者……皆……怨……怨……怨……!

「ひぇっ」

 

 うわあああ!? 移動しながら私への怨嗟の声を飛ばしてきている!?

 ブルーに至ってはうろ覚えではないか!

 後の展開が怖いが、とりあえずは一旦通信をシャットアウッ!!

 

「俺は一足先にその本部って場所に行く」

「あ、ああ、タイプ1の速さなら可能だろう!! イエローは彼と一緒に向かえ!!」

「分かりました!! カツミ君、窓から外に!!」

 

 開けられた窓からカツミ君とイエローが外へと出る。

 塀に囲まれた庭で、二人は同時にチェンジャーのボタンを押し変身を行った。

 

CHANGE(その名は)TYPE 1(タイプ・ワン!!)!!』

「いけるか? プロト」

『絶好調だよ! カツミ!!』

 

CHANGE(チェンジ) → UP(アップ) RIGING(ライジング)!! SYSTEM OF(システム オブ) JUSTICE(ジャスティス) CRUSADE(クルセイド)!! VERSION(バージョン)2.0!!』

「こっちも変身完了だよ!」

 

 銀と黒の戦士、プロト1と、黄色の戦士、ジャスティスイエロー。

 一瞬で変身を完了させたイエローはそのまま左手のチェンジャーへと手を伸ばす。

 

「黒騎士くん! 私はビークルで行くから、君は先に!!」

「いや、その必要はない」

「え、必要ないって……わひっ!?」

 

 カツミ君が軽々とイエローを抱き上げた……!?

 

「こっちの方が速い。行くぞ」

「え、あ!? その、色々な意味で心の準備がって、わ、わわわ―—!?」

 

 軽く地面を跳躍し、イエローを抱えたまま空高く飛び上がったカツミ君。

 彼はそのまま空中を蹴りながら、赤い軌跡を空に刻み付けながら侵略者たちが攻めているであろう本部へと真っすぐに突き進んでいく。

 

「……我々も行くぞ、アルファ」

「きららァ……」

「嫉妬タイムは後!!」

 

 カツミ君とジャスティスクルセイダーが向かったのならまだ安心できるだろう。

 問題は……ッ、む!?

 鳴り響いた端末をすぐに手に取り、連絡を受ける。

 

「大森君か!! そっちの状況を簡潔に聞かせてくれ!!」

 

 ……。

 ……襲撃してきたのは星界戦隊だと!?

 クソッ、最悪のタイミングで最悪の奴らが来たな!!

 

「ッ、白川君が!? 単身で!? 今すぐやめさせろ!! ―——くっ、妨害されたか!!」

 

 一瞬でノイズがかかり通信が強制的に切断される。

 歯痒い気持ちを抑え込みながら、外へと飛び出した私は急いで現場に向かうための足を探す。

 

「社長! ハクアになにかあったの!?」

「分からん!! だが、予想よりまずい状況になるかもしれん!!」

 

 相手は危険な星将序列だ。

 実戦慣れしていない白川君の力じゃ太刀打ちできるはずがない。

 カツミ君、急いでくれ……!!

 




イエロー、ランキング浮上……!!

本部襲撃回。
ようやく戦闘間際まで進められました。
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