ルージュラが相棒の少女のお話。

※(POKENOVEL様に投稿済み)

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写真の中で私が笑う。

 深く落ちていた意識に水を差す不快な雑音。それが私の意識を無理矢理に引き上げる。

 瞼はまだ閉じたままの半分眠ったままの意識でも、それが携帯電話に設定したアラームだとは理解できる。できるけれど、喧しく鳴り続けるそれを薄目を開けて半ば無意識的に手に掴み操作して沈黙させると私はもう一度甘美な微睡みへと――

「――――!!」

 ――落ちていくのを阻止された。

 アラームと比較すればそれほど大きい訳でもないのに何故かよく響く、声。艶っぽく、ハスキーな女性の様な。けれど言語としては理解できない。私をどうしようもなく苛立たせる“鳴き声”。

 その主に、掛け布団をひき剥がされてようやく私はしっかりと瞼を開けた。

「ッ?!」

 そしてぼやけた視界一杯に広がる“それ”の顔に驚いて息を呑む。ここまでが私の朝のいつもの展開。

 一四年間見続けた“それ”の姿はそれでも慣れないくらいに強烈だった。

 長い金髪。黒い肌。丸く大きな瞳。厚めの唇。赤いドレスを纏った様な肢体。一つ一つは魅力になりそうなそれを悪意でも盛ったかのように混ぜ合わせた異形――ポケモン、ルージュラ。それが私を起こした奴。

「……ありがと」

 そのうち驚きで心臓が止まるんじゃないかと思ったりもするけれど、一応毎朝律儀に起こしてくれるので礼は言っておく。

 目も合わせないし、聞こえるかどうかも怪しい小さな声で。けれど聞こえているらしく毎回そのまん丸い瞳を細めて細く鳴くそいつ。

 なんだか無性に腹が立つ。

 意味もなく沸き上がる感情のままににらみつける。けれど鈍感なそいつは目を細めて鼻歌でも奏でるような鳴き声を出しながらくねりと動きハンガーに掛けてあった私の制服を押しつけてくる。

 今日も学校はあるわけで、着ないわけにもいかないので不承ながらも受け取って寝間着を脱いで袖を通す。

「――――」

「ああもうはいはい。この状態で二度寝とかしないから引っ張らないでよ」

 そうして、着替え終わった私の手をを引っ張って部屋から連れ出そうとするお節介焼き。このやり取りも毎日やっているなそういえば。そろそろ飽きてこないのだろうか。

 それに半ば引き摺られて行く途中、机の上に置かれた写真立てに入れられた写真が視界に入るのもいつも通り。私の手を引くこいつの不気味な笑顔と私の無理矢理に笑みの形に作られた表情を写したそれが私を笑うのもいつも通り。

 

 気が滅入る。

 

 

 

 

 身支度を終えて、朝食を食べる。

「――――」

 否、終わってなかった。否、私の行う身支度は終わっている。けれど……何で朝ご飯を食べながら髪を梳かれているんだろう。という毎日の疑問を今日も考える。

 見た目以上に器用に動くそれの手はす、す、と私の無駄に長い黒髪を梳る。私が自分でやろうとすれば断固として譲らないし、時間もたっぷりとかけてやってくれてしまうので中学に入ってからはこんな感じになってしまっている。

 何故ここまで念入りにするのか意味がわからない。そのせいで、私の顔面偏差値に反比例して黒々として艶やかだし。

 などと考えながら箸を動かす私。今日のメニューは焼き鮭、お味噌汁、ご飯、あと納豆。とても朝ご飯って感じではある。

 問題があるとしたら、“何故このルージュラは料理も出来るのか”って事くらい。

 鼻歌混じりに私の髪に櫛を通すこいつと私以外家には居ない。否、両親は居る。今この場に居ないだけ。

 “格好良くも美人でもないけれど、体力と精神力だけはカンストしてるから。”が口癖の両親は怪我、病気それ以外もポケモンの事なら何でもござれのポケモンセンターで昼も夜も馬車馬の如く働いている。……ああ、この場に居ないのだから朝もか。あまり会う時間も少ないし、勿論面と向かって言うつもりもないけれど尊敬できる親であるとは思っている。過労死とか心配だ。ポケモンセンターってブラックなんじゃないだろうか。

 なんてつらつらと取り留めなく思考しながら食べ続け、終える。

 さあ、特に楽しいわけでないけれど憂鬱というわけでもない学校へと行こう。……あ。けれどあの転校生を眺めるのは結構楽し――

「――――!」

 食器を流し台へ片付け終えて鞄を持ち、さあと言う感じで玄関へと向かう私を言語っぽい鳴き声で引き留めて、正反対の方向へと引きずって行く、くねくねと腰を動かし歩くそいつ。

 ……ああ。歯を磨くのを忘れていた。

 

 

 

 

「おはー。相変わらずのぶっちょづらだねー」

 教室の扉をスライドさせて踏み込んだ瞬間にそんな、気の抜けた挨拶なのかもわからない声がかけられる。

「おはよ。あんたは相変わらずにへらへらしてるね」

 まだ人も少ない朝の室内。気の抜けたサイコソーダみたいな声の出所は教室の後方にある扉の一番近く。廊下側に並ぶ席の一番後ろのそれに腰掛けたまま、こちらを向いてふにゃりと笑う眼鏡をかけた女子。

 それに私も適当に返して席に着く。不本意な事にその眼鏡女子の前の席に。

 目が悪いのだから眼鏡をしているのだろうに、先日の席替えでこの席に決まったまま変わることなく此処に居るこいつに、前の方の席にでも行けば良いのに。なんて思いながら。

「相も変わらずつれないにゃー。あ、これ新作ー。見て身てー」

 気持ちの悪い語尾と共に溜息を吐くそいつだけれど、次の瞬間には一転。身を乗り出して腕を伸ばして、私に手の中のものを見せてくる。

 身長が低いが故の当然として小さいその手に抱えられる様にして、私の視界に入ってくるのはカメラの背面ディスプレイ。黒く大きく重そうな本体の中で煌々と灯るそこに表示されているのは――

「うふふー。やっぱり『ひっきー』は可愛いねー。この蓑から顔を出してるのがそそるよー」

 巨大な蓑虫――ポケモン、ミノムッチが木造の建物の窓庇にぶら下がっている画像だった。

 雰囲気のある草臥れた建物と葉や花を纏った蓑虫、それに青空が良い感じに色味を加えていて写真のことなど一切分からないけど綺麗だとは思う。

 けれど。

「それが可愛いって云うのには同意しかねる。あと、前にも言ったけどその名前はどうかと思う」

「えーなんでさー。名前も見た目も可愛いよー。ほらほら、よく見てにゃッ!」

 虫ポケモンの話をしているのに何故語尾は猫なのか。というツッコミは飲み込んで、彼女が取り出した紅白の球――モンスターボールの機構をいじり中に収められた異形が吐き出される様を眺める。閃光がシルエットとなり、そして私の机の端にぶら下がる。

 そして現れる件のそれ。草葉の蓑にうっすらと綿埃を纏い、円らな瞳は虚ろでどこを見ているのか分からない。そして口は突き出した形で尖っている。

 可愛くないだろうこれは。

「ああ、うん可愛くない。……ところで、あの写真のどこで撮ったの?」

「君の目は節穴なのかーっ?! ん、ああ旧校舎」

 テンションの上がり下がりがよくわからない。

 けれど、なるほど旧校舎か。だけど、確かあそこって――

「ああ。でも確か立ち入り禁止じゃなかったっけあそこ」

「そだねー。でも入れない度なら屋上の方が高いかなー。鍵かかってるし。でも旧校舎の方はゆるゆるなんだなーこれが」

 さらりと、そんな事を言う。

 更にじゃらりと鍵の束を取り出してゆらゆらと揺らしながら「まぁ、屋上にも行けるんだけどねー」とか言い始めるので始末におえない。

「流石。『神出鬼没』は伊達じゃない」

「にゃは。男子達がノリノリで決めた渾名にしては当たり、かにゃ? 後は『白雪姫』、『炎の魔女』くらい?」

「じゃない? 何かそういう系の影響受けたの丸わかりだけど。……個人的には秀逸だと思うのが一個あったけど只の悪口だし。私は『ルージュラの子』だし」

 軽く息を吐きながら応える。

 放課後に集まってクラスの女子に渾名を付けていたらしい。情報源は目の前の眼鏡。掴みどころがないわ、いつの間にか消えるわ、そうかと思えば突然現れる奴なので、まあ確かに神出鬼没だ。

 けれど何だルージュラの子って。私はルージュラの子供か。

「ま、香衣(かい)ちゃんのお姉ちゃんかお母さんって感じだものねルージュラちゃん。またツーショットでモデルやらない?」

 なるほど。そう見られているのか。

 まことに不服である。腰に付けたボールが嬉しそうに揺れるのが更に不快だ。

「断る。あの写真見る度に気分が落ち込むし。捨てようとするとあいつ怒るし」

「ありゃ。ルージュラちゃんの心は掴めたけど香衣ちゃんのは無理だったかー。残念無念。ならば尚更リベンジを!」

「だから――」

 しつこく食い下がってくるのに辟易しながら、しかし断固として拒否しようと言葉を続けようとした合間でがらり、と扉が滑り一人の女子が入ってきた。

 言いかけた言葉を切る。

「お。風花(ふうか)ちゃん、おはー」

祗園白(ぎおんはく)さん、おはよう」

 そして入ってきたのはそんな名前の女の子。只の女子ではない。女の子、だ。更に言えば可愛い女の子だ。

 雪の様に白い肌。血の様に赤い唇。黒檀の様に黒い髪。瞳はぱっちりとした二重で鼻筋も通っている。外国人みたいな雰囲気の、正に白雪姫の様な可憐な美少女。この子に『白雪姫』と付けたセンスは素直に賞賛できると思う。例えそれが私に『ルージュラの子』と付けた男子達だとしても。

 私達の挨拶に小さく頭を下げて返したその子――祗園白さんはそそくさと自分の席にと行ってしまう。

 それにしても、

「あんたは誰に対しても馴れ馴れしいよね」

「そういう香衣ちゃんも普段は余り話さないけど話すとズケズケ言ってくるのにゃ」

「いや、それはあんただからだ」

 尤も、ここまで話す様な友達も他に居ないのだけれど。……しかし。……どうやら私の中でこいつは友達のようである。

 気が付きたくなかった。泣きたくなってきた。

「って、ああもう、そんな事はどうでも良くて。どうせ写真撮るならああいう子の方が良いんじゃないの? 可愛いし。ほら、手持ちも同じく可愛いし」

 話の方向を行こうとしていた方に戻す。

 私が視線で示した場所では席にと着いた祗園白さんが、ボールから出した水色の毛並みのポケモン――グレイシアを机に乗せていた。小さく話しかけながら撫でている。

 ツリ目気味な瞳を細めてとろんと寝そべる四足のそれと、小さく微笑みながらその頭を撫ぜる女の子。

 頭側から伸びる身体のものよりも色味の濃い飾り毛を揺らし気持ち良さげに鳴くグレイシアと、その様子に笑みながら接するその様を眺めると自然と私の顔も緩む気がする。

「あー。頼んだんだけど断られちゃったんだよねぇ。残念無念」

「……あれ。私も断ってるんだけど。何であっちは諦めてこっちは諦めないわけ?」

 むしろ私達を諦めてあっちを頑張れ。私も見たい。

「いや、グレイシアちゃんに唸られちゃったのにゃ。その点、ルージュラちゃんはノリノリだから」

 ……なるほどあいつのせいだった。

 頭を抱えて溜息でも吐きたくなるけれど、それさえも許さずにカメラで眼鏡でミノムッチラブな女子がしつこく言ってくるので、それをあしらうという押し問答を繰り広げて結構な時間が過ぎていく。毎日やっているのでそろそろ飽きて欲しい。

 その間にも至近の扉からも教室の前方の扉からもクラスメイト達は入ってきていて、予鈴がそろそろ鳴る時刻となった時に。

「おはよう」

 また一人、私達の位置からは距離のある前方の出入り口から挨拶と共に中へと入ってきた。しかしまぁ、通るけど刃物の様な声だ。眼鏡カメラが気の抜けたサイコソーダならこっちはサイコソーダ炭酸一〇倍、みたいな。……喉に噛み付かれるなそれ。飲めない。

「おー愛璃(あいり)ちゃん、おはー」

 入ってきたのは身長一七〇センチ位あってモデルみたいな体型の女の子。立っているだけで重圧的な雰囲気を撒き散らすその子に対し、距離や雰囲気なんぞに阻まれる玉ではないので全くの気後れなく大声でその子にと挨拶を返す眼鏡。

 マイペースの極地にまで辿り着いているだろうそれに視線を返すその子――名前は近衛愛璃(このえあいり)

 その大きくハッキリとした瞳から発せられる威圧感満載な視線と合ってしまい、小さく会釈しておく。正直苦手だ。

 見た目は脱色や染色ではないらしい綺麗な茶髪を肩程までに伸ばしていて、スレンダーで高身長な体型に負けずに顔も整った美少女である。肌が地黒だけれども、それはそれで健康的な感じで欠点にはなっていない。眺めているだけなら祗園白さんと同じ位飽きずに眺めていられる気がする。

 まぁ、けれど。

 私の視線の先には背筋をぴんと伸ばして姿勢良く歩く美少女(このえさん)。その向かう先には未だに机の上に寝そべる水色の毛並みをした獣と遊んでいる美少女(ぎおんはくさん)

 そしてトン、と上履きを鳴らして止まると、

「祗園白。机はポケモン乗せる場所じゃないから下ろしなさい」

 鋭利な声色でそんな事を言った。そのまま小さな彼女を見下ろしたまま動かない。

 ビクリ、とその声か言葉に反応し、ギシリと軋んだ音を立てそうな動きで自分を見下ろすその姿を仰ぎ見た祗園白さんは、

「……。…………。……ごめん、なさい」

 震えて小さい声でそう返し、最後にグレイシアの頭を一撫でするとボールへと戻した。

 少し、教室内のざわめきが消える。男子も女子も伺う様なそんな感じで遠巻きにそれを眺めている。私を含めて。

 その、僅かな間静寂の中。くすくす、と実際には音には出していないのだけれど、しかし確かに射竦められた祗園白さんを見て笑っている女子の集団の様子がどうにも気になってしまう。

 一月程前に転校してきた彼女だが、それなりの日数が経ったにも関わらず何か宗教上の理由でもあるのか等と思ってしまうくらいに馴染んでいない。まだ日が浅い頃には物珍しさと、本人とそのポケモンの可愛さからも結構話しかける者も多かったのだけれど。

 まぁ、話しかけるとおどおど怯えた様子になって一言二言で会話が途切れてしまうわ、グレイシアは威嚇してくるわだったので最近では話しかけるのはめっきり減ってしまった。今では私の後ろの眼鏡と……後は近衛さんくらいか。何だかんだであのツーショットは良く見かける。一方は威圧していて他方は畏縮しているのだけれども。因みに私は話しかけもしてない。眺めていただけ。

 だがしかし。それでも。可愛いのである彼女は。

 だから男子に人気が高い、らしい。あの様子も庇護欲誘うのだそうだ。男子にも女子にも気にせず懐に入っていく『神出鬼没』曰く。

 故に、一部の女子には蛇蝎の如く嫌われているらしい。これは言われなくても感じ取れる。言いようのないどろどろと汚泥の様な負の感情。大小問わなければ誰でも発しているだろうそれをちょっと強めに出して居るのが約数名。クラスの中ではこれだけだけれども、学年全部含めるとまぁ、結構な数居るのだろう。

 けれど、男子に人気があるということで嫌うのならば、眼鏡ミノムッチラブも大概だし、近衛さんもなのだけど。何故祗園白さんだけなのだろうか。

 何て眺めながら徒然と考えていたら、何時の間にか祗園白さんの席から離れていた近衛さんが此方に視線を放っていた。

 何だ?

鷹司(たかつかさ)もだ。机はポケモンをぶら下げる所じゃない」

「は?」

 よく通る声でそう言われる。けれど意味がわからない。私のポケモンは机にぶら下がる様な奇行は――するかもしれない。

「あー、ごめんー。その子僕の仔だー。戻って、『ひっきー』」

 一瞬机にぶら下がっているルージュラを思い浮かべていた私の後ろから、間延びしたそんな声と共に閃光が奔る。

 ああ、そういえばミノムッチをぶら下げっぱなしだったか。

 私が納得するのと近衛さんが席に着くのと、更には予鈴が鳴るのと担任が入って来るのまでもが同期する。

「ん? どうした|源五郎丸(げんごろうまる)?」

 黒板の前に立った担任が、首を傾げながらそう問うてきた。

 それにふにゃりとした口調で応える源五郎丸。つまりは後ろの席の眼鏡女子。源五郎丸馨子(げんごろうまるかおるこ)

 神出鬼没でマイペース、カメラが趣味でミノムッチラブ。栗色の髪をショートにしていて大きな眼鏡を掛けて陽気に笑う――美少女である。

 非常に残念な事に。

 

 

 

 

「んじゃー、これで連絡事項も終わりなー」

 適当にそんな事を言って出て行ってしまう担任。起立やら礼やらも無く、何時も通りにショートホームルームは終了してしまう。

 別に嫌いではないけれど、もう少し熱心でも良いとは思う。特に祗園白さんのことに関しては。

 なんて考えながら帰り支度を進める。後ろの眼鏡とは違って部活にも入っていないし、特に残る用事も無いのでとっとと家に帰ろう。

 何時も通り。代わり映えのしない惰性染みた動作でもって荷物を纏めていると、何時も通りではない光景が視界に入ってきた。

 黙々と荷物を纏めている祗園白さんに、四、五人の女子達が机を囲むようにして話しかけている。主に口を開いているのはリーダー格なのだと思われる一人。緋本(ひもと)まどか。近衛さん程ではないにしろ高い身長と、少しがっちりした体型をした女子で、容姿は私より偏差値は高い、と思う。

 しかしとても“女子”という感じで私は関わりあいにはなりたくない人達である。

 それが。

 更に一人――近衛さんを加えて祗園白さんを連れて出て行ってしまった。

 その様子を見ていたのは私だけでは無いはずだけれども、けれど誰も何もせず、只「あーあ」という雰囲気で流している。

 思わず後ろの席に振り返る。

 けれども、そこでふにゃりと笑う私の友達は居なかった。

 ああそうだ。あいつは部活のために終われば即座に出て行くんだった。

 私は、どうするか。何て考える間もなく腰に付けたモンスターボールがカタカタと揺れる。

 ああもうはいはい。わかってるっての。

 結論。尾行()ける。

 その後で何をするかは、知らない。

 

 

 

 

 途中で三つのグループに別れられたりしてしまったけれどどうにか尾行は成功し、着いたのは校舎のある敷地の奥の奥。人気の無い旧校舎。あの眼鏡の言う通り、簡単に忍び込めるようだった。というか、緋本まどかとそれに連れられて行く祗園白さんが忍び込んでいった。

 このまま尾行けて行ってもいいのだけれど、果たして別れた奴らが後から来ないとも限らない。

 少し様子を見るか。

 丁度良く茂みが繁っているのでそこに隠れて辺りを伺うことにする。

 ……それにしても何で私はこんな事をしているのか。

 そんな自問が浮かんできて、けれど答えが見いだせないまま時間が過ぎていく。

 更に数分。

 もうそろそろ行こうか、何て思ったその時。

 きゃはは、と甲高い笑い声と共に数人分の足音、更に話し声が近づいて来た。

「んー? まどか何だって?」

「遅い。早く来いって」

「あちゃー。ちょっと遠回りし過ぎたか」

 「近衛さんも居るんでしょ? 急ご急ご」と勿論私に気が付くこともなく木造の建物の中へと入っていく女子三人。

 どうやらこれで全員中に入ったようだ。

 行こう。

 

 

 

 

 初めて入ったけれど、何だか映画のセットの様な旧校舎の中。けれどやはり使われて草臥れているか。更には大分傷んでいるし埃も積もっている。

 その中を進んでいく。

 彼女たちが集合した場所は分かっている。一階の、教室とは違う様子の此処は――職員室か?

 念の為、慎重に扉の方まで近づいて――

「――――ッ!」

 ――何やらヒステリックな声が轟いた。

 驚きで危うく声をだす所だった。危ない。……で、何がどうしたんだ?

 開けっ放しになっている扉からこそりと覗くと中では。

 俯いて震えながら立っている祗園白さんに、緋本まどかを筆頭とした女子四人が激しい口調で何やら捲し立てていた。

 備品の殆どは無くなっていて、がらんと広い空間の中央付近に彼女達は居る。

 姦しいことこの上ないこの騒音を、要訳すれば“少し可愛いからって澄ましやがって気に入らない”といった感じか。

 言葉が機関銃の様に次々と標的へと放たれていく。それを受けて、けれど何も言わない祗園白さんに苛ついたのか、緋本まどかが詰め寄って手を振り上げる。

 そこで。その二人の合間に閃光が瞬いた。

 己の主人を守る様に。外敵に牙を剥いて唸り声を上げる水色の獣が現れる。

 それを皮切りに、他の女子達も自分のポケモンを繰り出した。

 緋本まどかの召喚したポケモンは、彼女と同じ位の身長で、逞しい腕と巨躯を有する二足の豚だった。顎の付近から炎が飾るその名は確かエンブオー。

 他の三人も各々自分のポケモンを召喚している。

 そして、最後の一人。近衛愛璃は、その背筋を伸ばして腕を組んで仁王立ちしたまま、何故か不思議そうに首を傾げていた。

 一体何に傾げているのか知らないけれど、これ、どうするか。

 このまま放っておいたら確実にあのグレイシアはボロボロにされてしまうだろう。他の三人は知らないが緋本まどかとそのエンブオーは相当強かった筈だ。今は何か首を傾げているけど近衛さんも強いし。

 対して祗園白風花がポケモンバトルで強いだなんて話は聞いたことがない。序に言えばグレイシアも精一杯の虚勢を張っている様にしか見えない。

 どうするか。

 ……誰か呼ぶ? 携帯電話はある。とりあえずあの眼鏡――馨子に連絡すれば誰か連れてきてくれるだろう。この際担任でも構わない。

 そうするか。

 そう結論づけて、制服のポケットに入れてある携帯電話を取り出そうと手を入れた瞬間。

 閃光と共にあいつが現れた。

 只、その様相は、常とは違っていた。

 何時もは楽しそうに百面相するその顔は正反対に歪んでいて、まるで怒っているよう。

 否、まさに怒っているのか。

「ここまで来て逃げるな、って?」

 幸いにも中の連中には気づかれていないようだ。私は目の前で腕を組んで睨んでくるそいつに小声で問いかける。

 けれど。何時もは黙れと言っても言葉の様な鳴き声を止める事は無い癖にこんな時に限って無言。

「……ああもう。分かった。あんたに諭されるまでもない。行って助けたい。力を貸して」

 こんなのがらでもないし小っ恥ずかしい。けれどそう思って行動に移してしまっているので仕方ない。

 ちょっと顔に熱を感じる。赤くなっているかもしれない恥ずかしい。

 けれどそいつは私の言葉を受けて顔を見て、にこりと笑む。そして、くねりと赤いドレスを纏ったかの如き身体を踊らせた。

「ここまで言わせたんだから良い格好させなさいよ。どうにか出来るんでしょうねあの『焼き豚』と『炎の魔女』」

 にっこりとした笑みで応える私のルージュラ。

 否。

「そ。じゃあ、行くよッ『ゲルダ』!!」

 そして、私と『ゲルダ』は一触即発のその中へと跳び込んでいった。

 

 

 

 

「サイコキネシス!」

 勢いよく踏み込んだその次瞬。室中の誰かが反応するよりも速くそう叫ぶ。

 言下。人のものとよく似た五指を開いて前へと翳したルージュラ――『ゲルダ』の両手から、得体の知れないチカラが迸る。

 二本の掌から放たれる二つのチカラの奔流は単純な衝撃波と相成って、不意を撃った直撃を喰らった二体を素っ飛ばした。

 吹っ飛ぶ先には、窓。ベキ、じゃりん、という破砕音と悲鳴染みた鳴き声と共に木枠のそれにぶち当たって粉砕し、そのまま二体は外へと投げ出される。

 ポケモンを室外に投げ出された二人も、それ以外の者達も祗園白さんも含めて唖然としてまだ行動に移ってこない。唯一人、近衛さんだけは依然として腕を組んで不思議そうに首を傾げているけれど。寧ろその様子が不思議である。

 何にしてもともかく動く気はないようなので今は無視。続いて狙うのは――

「エンブオーは後回し! ハートスタンプ!」

 ――それとは違うもう一体。

 くるんと長い金色の頭髪を靡かせて、見た目からくる予想よりも軽やかに翻り瞬く間にそれへと接近する赤い影。

 先の二体とは違い二足で立つその左胸へと手を当て、勢い良く打ち抜いた。

 どふッという鈍い音と共に、これまた吹っ飛び外へと消える。三体とも戻って来ないので気絶か何かしているのだろう。

 とりあえず勝てそうなのから沈めるのには成功。

 さて……。

 眼をまん丸くして立ち尽くす祗園白さんとグレイシアを背後に立てば、自然、逞しい身体の相棒を傍らに凄む緋本と対峙することになる。

「何だよ何なんだよお前! 何のつもりだおい!」

 乱入者である私達への主人の激昂を汲み取って、指示無く動き出すエンブオー。振り下ろされる太い腕。

 それを。横から叩き空振らせ、更に最接近して往復ビンタを喰らわせる『ゲルダ』。

 あれは痛いんだよなー。それを見て場違いに思っていると、

「そいつ黙らせとけ『エリザベス』!」

 と、未だにどつき合ってるエンブオーへの指示を放棄して此方に向き治ってくる。……『エリザベス』? 気にしない方向でいく。

「『ゲルダ』、任せた」

 私がそう言えば返事代わりにウインクしてきた。あ、殴られた。しっかりしろ。

「で、何であんたは此処に居るわけ?」

「気になって尾行けてきたら何だか不穏な感じだったから祗園白さんを助けようと思って」

 私の言葉に、ポケモン達を沈黙させられた女子達が口を開く。

「ハァッ!? あんたとそいつは何の関係も無いでしょ!」

「話しかけても話そうともしないそんなの助けてどうすんのさ」

「そもそもお前もそいつと話そうとしてないだろ! 今更なんだよ!」

 キャンキャンと耳に痛い。私に対しての言葉なのだが後ろの祗園白さんにも突き刺さる言葉。

 まぁ、大体合ってはいる。

 けれど。

「関係はあるよ。クラスメイト。話しかけなかったのは気後れしたんだよ可愛すぎて私なんかが声かけていいのかを! 文句あるか!」

 恥ずかしいから大声で言い返す。

「だから!」

 もうこの場の勢いに任せる。いけるところまで言ってやる。

 ぶん、と後ろを向いて、相変わらず何が起きているのか理解していなさそうに眼を丸くしっぱなしの祗園白さんに人指し指をつき指して、

「この後携帯の番号とアドレス教えて!」

「あ、え。……え? ……あ、うん」

「ありがとう!」

 自分でも何を言っているのか理解できない。

 けれど祗園白さんは更に大きく瞳を見開いて、ぽかんと口を開けて、だけど確かに頷いてくれた。

「いや、何なんだよ意味わかんねぇよ!」

「私もよくわからない。けど、私の友達作りを邪魔すんな」

 身振り大きく喚く緋本に、睨みつけながらそう返す。もう会話が噛み合っている気がしないけれど。

「ああああもう! 『エリザベス』火炎放射!!」

 どうも何らかの感情か何かが振り切れたらしい。相手の予想外に強かったらしい『ゲルダ』にエンブオーも苛ついていたようで、その何も考えていない主人の指示を実行に移してしまう。

「ちょ、待った! ――『ゲルダ』!」

 此処は木造の建物だバカ!

 慌てる私の指示で気が付いたのか、『ゲルダ』も動き出すがしかし間に合わない。

 顎の炎を燃え上がらせて、仰け反る様に息を吸い、そして吐き出す勢いで火炎を放射する炎豚。

 けれども。

「落ち着けまどか。それを指示するのは無い」

 幸いなことにこの建物にと火が点く事はなかった。

 金色色した九尾の狐が、燃え盛る火炎の帯を悉くその身に吸収したその御蔭で。

 その九尾の狐の主人である今の今まで腕を組んだまま首を傾げて動かなかった近衛さんが、ボールを片手にそう諭す。

「あー、ごめん愛璃助かった。でも良いのかよお前もあいつ嫌いなんだろ? 何か言いたいんじゃなかっけ?」

「ん? いや、嫌いじゃないが」

「……はぁ?!」

 またしても首を傾げて自分の友達の言葉に返す近衛さん。

 その返答に緋本を含めた女子達は言葉を失った。

「どうにも壁を作っているその様子にはイライラしたが、別に嫌いというわけではないが。寧ろうち解けたい。だから――祗園白! 私ともアドレス交換してくれ!」

「ふぇ?! え、え……あ、うん」

「ありがとう。嬉しい」

 何が起きているのか。

 よくわからないが近衛さんはその為に此処に来たのか? うち解けたい、と言う為に?

「要するに近衛さんは祗園白さんと仲良くなりたくて此処に居たわけ?」

「そうだが? 祗園白に話があるから来るか、と誘われたのでまどか達もそうなのかと思って来たんだが、そうしたらあんな感じになってしまって戸惑ってしまった」

 ああ、だからずっと首を傾げていたのか。もう少し早く把握して動け。

「いや、おま、えええええええ。何なんだよもー」

 崩れ落ちる緋本まどか。

 顔を見合わせてヒソヒソ相談している女子三人組。

「ちょっとまどか! ふざけんな! 近衛さんがそうだって言うから乗ったのに何よこれ!」

 掌を返すように詰め寄っていくそれを、止めるか止めないかなんて割りとどうでもいいなと考えた次の瞬間。

 耳障りな騒音が、建物中に響き渡った。無意識に危険を感じるその音は、火災報知のサイレン?

 何で? 火炎放射は何も燃やしていない。火災報知機に炎が引っかかった? いやそれならもっと早くに鳴り始めるはず。

 けど。どうして鳴ったのか。そんなことよりも大事なことはこれが鳴ったら人が来るんじゃないか?

「やば!」

 私がそこに気が付いた瞬間。それより少し早く気が付いた三人組が駆け出していく。向かうのは破れた窓。自分のポケモン達の回収序にそこから外にと逃げ出していってしまう。

「私達も!」

「そうだな。――祗園白、走れるか?」

「あ、ええと……んと、…………。……うん、大丈夫。……『スノウ』守ってくれてありがと。付いて来て」

 彼女達に続いて壊した窓から出て行こうと身体を動かしたその時。

「香衣ちゃーん。そんな怪我しそうなとこから出るより、こっちから出てった方が安全だし人に会う可能性も低いのにゃ」

 ふにゃりと、そんな気の抜けた声がそれを制す。

 声がした方を振り向けば、バズーカみたいなレンズを付けたカメラを構えた眼鏡がこっちに顔を出して笑っていた。

「馨子! あんたどうして」

「望遠レンズで覗いてたら偶然見かけてね―、来ちゃったのにゃ。何かよくわかんない状況だったからボタン押して警報鳴らしてみましたー」

「これはあんたの仕業か! で、どっち行けば良いの!」

 締りのない笑顔を浮かべて「こっちこっち」、と走りだすそいつを追って、まず祗園白さんの手を掴んで一緒に行く近衛さんの二人とそのポケモン達であるグレイシアとキュウコンが走りだし、それに続いて私達も――

「ああもう、ほら。行くよ! あんた達も!」

 なんだか動かなくなっていた緋本まどかの手を引っ張りあげて無理矢理立たせてそのまま一緒に走りだす。それをエンブオーと『ゲルダ』が追ってくるのを確認して、更に加速。

「ちょ、待っ――何で私も連れてくんだよ!」

「序で! あと、祗園白さんに謝ってもらおうとも思って」

「なんでそんな事――」

「謝る気になるまで『炎の魔女』と『ルージュラの子』があんたをぼこぼこしてあげるから早いとこ更生してね」

 憮然とする彼女に向かって、調子に乗ってウインクしながら言ってやる。

「ぷはッ! あはははは、やっばい、ダサいのに勝てる気がしない! あはははははッ……。……ああうん。謝る。許してくれるかわかんないけど」

「私なら絶対許さないけどね」

「クラスじゃ大人しい癖に、実はこんな感じだったのか」

「そうよん?」

 話してると意外と楽しいやつだ。新発見。序にこいつと近衛さんのアドレスも教えてもらおう。

 自然、口角が上がるのを自覚しながら、前を行く三人と二匹に追い縋る。

「馨子ー! ポケセン行きたいんだけどー!」

「ほいほーい。じゃあこっちだねー!」

 全員息を切らして走っていく。

 

 

 若干の非日常によってテンションを上げてしまった上に何も考えずにそのままポケモンセンターまで走った結果。荷物を教室(馨子は部室)に置いてきたことに誰も気が付かなかったのは誠に遺憾である。

 

 

 

 

 そんな事があった翌日。昼休み。教室の中。色々なざわめきの中。

「あ、そうそう昨日の写真プリントしてみたのにゃ」

「ほう」

「おお、早いな」

「……。……………。……わぁ」

「さあまどか、燃やす準備を。エンブオーをさぁ早く」

「いや、何言ってんだお前。あと話しし始めた翌日には呼び捨てかお前」

「ん。私の『コン太』を出そうか」

「いやいやいや、愛璃も何言ってんだ」

 ポケモンセンターまで走ったメンバーで祗園白さんの机を囲んでお喋り会が開かれていた。

 昨日。ポケモンセンターに着いて、『エリザベス』というらしいエンブオーと、『ゲルダ』を預けたその待ち時間で、緋本まどかは祗園白風花に謝罪した。

 あんな事になった理由はまぁありきたりに気になってる男子が祗園白さんの事をどうのこうのというとても女子女子したもので、私には理解できないものだった。

 多勢に無勢であんな事をしたのだから簡単に許さなくて良い、寧ろ許すな、と言ったにも関わらず、祗園白さんは見た目だけでなく心も綺麗な様で「私も、ごめんなさい」と逆に謝る始末。

 どうも話を聴いていると彼女は超が付く程にコミュニケーション能力不全ならしく、転校する前の学校でもああいった事はあったらしい。全く興味はないが。

 ともかく「不快にさせてしまって、ごめんなさい」と頭を下げる祗園白さん。

 緋本の方も「いやいや私の方こそ」となんだか無限連鎖の如く謝罪合戦を一頻り眺めた後に、回復し終えた二体の入ったボールを私が取りに行っている間にどうにか決着はついたらしくなんだかどちらも照れくさそうに微笑んでいた。

 それをカメラに収めた馨子が「風花ちゃんとまどかちゃんの和解と僕以外の友達が居なかった香衣ちゃんに友達が出来た記念に撮るよ―」なんて言って、全員と全員のポケモンと一緒に集合写真を撮ろうとか言い始めて、丁度良く通りかかった職員にシャッター頼んだらそれが私の母親だったりしたがまぁそれは葬り去ろう。恥ずかしかった。

「意外と近衛さんって抜けてるよね」

「ああ、そうなんだよ。見た目こんななのにな。朝弱いから何時もギリギリだし」

「黙れまどか今はそれは関係ない」

「…………。……私も、そう……思う」

「ふふー。で、これがそれでーす」

 大仰な身振りで指で摘んだそれを振り上げる眼鏡カメラミノムッチラブ。見えない。

「んー何だこりゃ」

 それを、ひょい、と取り上げてしげしげと眺めるのは――

「あーセンセ。返して返して―」

 担任だった。

「へー統一感ない面々だがま、これで安心かね? 良かったな祗園白。あとすまんな、心配だけして何もしなかったわ」

 ひらりと写真を祗園白さんの机に放って、肩越しにヒラヒラ手を振って教室を出て行く担任。しかし本当にやる気のない背中だ。

「あー。そうだ。何か旧校舎の一部が壊されるわ火災報知機鳴るわってのがあったんだがお前ら何か知ってるか―?」

 急に。振り返ってそんな事を言ってくる。

「知りません」

「知らないよ―」

「知らねー」

「知らないですが」

「……。…………。………………。……知らない、です」

「そうかー。ま、怪我人とか出てねえし質の悪いイタズラって感じでどうにかするかなー」

 やる気のない様子のままそう言って今度こそ出て行った。

 ふぅ。と全員で息を吐いて。

 そして視線を戻せば、机の上の写真が眼に入る。

 その中で、美少女三人と平均以上一人、それとそのポケモン達中で。今度は自然に笑った私が居た。

 ……これはまぁ飾っても良いか。

 

 

 

 

 最後に。

 自分に付けられた渾名を知ったまどかが烈火の如く怒り出し、クラスの男子全員にと向かって行ったので、私を含めた他の四人も勢いでそれに加勢したところ。

 近衛愛璃の『炎の魔女』。

 源五郎丸馨子の『神出鬼没』。

 祗園白風花の『白雪姫』。

 という渾名は変わらなかったけれども、まどかの渾名と私の『ルージュラの子』の渾名がそれぞれ『灼熱鬼』と『氷の魔女』という改善したのか改悪したのかわからないものに変わった事を報告しておこうと思う。

 

   fin.


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