結構王道です。
出来れば本編も見て行って下さい。
それでは、どうぞ。ごゆっくり!
ある日…俺は生まれた。
この世に生を成し幸せな人生を過ごせると思っていた。
両親と兄弟に囲まれ幸せな子供時代を過ごしそこそこ有名な高校のヒーロー科に通い卒業しヒーローとして活躍し添い遂げる相手を見つけ子供を作り、育てヒーローを引退し充実した老後を過ごした後…子供や孫に看取られながらそっと目を閉じて穏やかにこの世を去りたいと願っていた。
だが全ては俺の勝手な妄想だった。
俺を出産してくれた母親は、出産の時に体力を使い果たし絶命したらしい。
父親は俺が生まれる数ヶ月前に死んでいた。
生まれた直後の俺を引き取ってくれたのは父の弟。つまり叔父だった。
叔父に引き取られやっと幸せを掴めると思っていた…だが違った。
叔父に引き取られた俺を待っていたのは虐待と言う名の地獄だった。
夜お腹が空いて泣いていたら叔父に殴られた。
必要な物を言ったら怒鳴られた。
勉強したいと言ったら酒瓶を投げられた。
歌ってたらうるさいと言われ首を絞められた。
座っていたら邪魔だと言われ蹴り飛ばされた。
何もせず無表情で居たら『その顔やめろ!』と言われタバコの火を押し付けられた。
部屋の隅っこでヒッソリと息を殺して座っていたら「目障りだ!」と言われ窓から投げ捨てられた。
少しでも気に入られようと味噌汁を作っていたら「クソまずいもん作ってんじゃねぇ!」と沸騰したお湯をぶっ掛けられた。
その時だろう…俺の中で大事な何かが壊れた気がした。
意識が全て消え去り気づいた時には…
それも苦悶の表情を浮かべ凍り付いていた。
実にいい気味だと思った。
同時に美しいとも思った。
その直後に何かが変だと気づいた。
自分の視線がいつもより高かった。
そこでふと自分の体を見た。
自分の体は何故か氷に覆われていて身長は叔父を超える程高かった。
それを不思議に思いながら洗面所に向かい鏡を見ると一度だけ写真で見た父によく似た男がいた。
それが自分だと気づいても特に驚く事も無くすんなり受け入れた。
これが自分なのだと…そして、この力は自分の物なのだと…
自分の姿を確認した後はお腹が空いていたので町に向かった。
初めて歩く町で何か食べれる物を探したが何も見付からなかった。
何も無い事に絶望しベンチに座っていると黒髪の小さな女の子が飴玉を差し出してきた。
「ん?」
「んっ!」
それを受け取り感謝の印に自分の手から小さな氷の髪飾りを作り出し女の子にプレゼントした。
女の子はすごく喜んでくれた。
飴玉を食べ終えもう一度歩き出そうとすると近くから爆発音が聞こえた。
周りの人間の騒ぎ出していると音が聞こえた方角から
その直後に珍妙な格好をした男達がその怪獣を相手に戦っていた。
周りの人間は「行けー!」とか「やっつけろー!」とか騒いでいたがやがて珍妙な格好をしていた男の一人が
そこで連携が崩れたのか他の男達も次々に倒されて行きついに怪獣は、こちらに向かって走り出した。
それを見た人達は、初めて自分達が置かれている危険に気づき逃げ惑う。
その中で偶然、先ほど飴玉をくれた黒髪の女の子が腰を抜かして動けない事に気づいた。
怪獣は真っ直ぐ女の子の方に向かっていた。
すぐに助け出そうと立ち上がり手に入れたばかりの力を使う事にした。
◆
第三者視点
人混みの中から白い人影が飛び出て来た。
それは、髪も肌も服に至るまで真っ白な男だった。
だがその男には暴力的なまでの美しさ。
圧倒的な力の波動。
そして異常なまでのカリスマを兼ね備えていた。
その男を言い表すなら『白馬の王子』か『氷の王子』もしくは『究極の造形美』と言う言葉がぴったりだろう。
その男が何人ものヒーローを倒し暴れ回るヴィランと逃げ遅れた黒髪無表情の女の子の間に立つ。
その姿は歴戦の戦士が姫をドラゴンから守るような光景だった。
誰もが見とれている中、男は小さく囁くように口を開く。
「
その声は決してオールマイトのように大きく逞しい声やヒーロー達が発する安心する声では無くまるで…魂に直接響く自分が最強だと信じて疑わないような絶対王者の風格を感じさせる声だった。
次の瞬間、ヴィランや周りのビルを超える巨大な氷の怪物が現れた。
それはまさに巨大な化け物。
太い両足に巨大な胴体、背中には背びれのような物が3列に並んでいる。その体に不釣り合いな小さな腕を持ち恐竜を思わせる頭に体より長く太い尻尾を持った巨大な氷で出来た怪物。
ハリウッド版ゴジラ(うろ覚え+氷製)が現れた。
それと同時に先ほどまで居た白髪の男の姿が消えていた。
『ギュオオオオオオォォォォォォン!!!!』
突然現れた氷の怪物に対し
スゥーッ…!
『グルァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
それに対し氷の怪物は、相手と周囲の人間に力の差を分からせるかのような大きな咆哮を轟かせ一歩だけ前進する。
ズウゥゥゥゥン…!
『グゥゥ…』
それに対し
ズウゥゥゥゥン…!
氷の怪物がまた一歩前進すると怪獣は二歩後退する。
『グッ…グオオオオン!!』
怪獣が己に喝を入れるように雄叫びを上げ氷の怪物に向かって突撃する。
『……』
だが悲しいかな…二体の間には圧倒的なまでの体長差が存在していた。
対する
氷の怪物は、右足を引き怪獣が近づいて来た辺りで蹴り抜いた。
『ガッ…!!!!!???』
蹴られた怪獣は己の肉体へのダメージを認識しビルを幾つも倒壊させながら吹っ飛ばされる。
ドッドッドッドッドゴンッ!!
『ギュアアア!!』
一方の怪物は、怪獣が吹っ飛ばされた方向に歩みを進める。
キィィィィィィィィィィィン!!!!
だが丁度その方向から極細の紫色の光線が放たれ氷の怪物に直撃し爆発する。
ズガ――ンッ!!
『ギュオオン!?』
光線が放たれた方向を見ると先程とは違う見た目の怪獣が立っていた。
割と細身な上半身とは対照的にかなり太ましい脚部という独特なバランスの体型、そして先端が歪な形状をした本体よりも長い尻尾と掌を上に向けた非常に小振りな両腕を持ち、足は鳥や肉食獣のような爪先立ちである。
全身はまるで焼け爛れて炭化したかのような質感の体表で覆われ、ある箇所は皮膚が引き攣って破れているように、またある箇所は骨が露出しているようにも見える。そして皮膚の内側からは高温を放つかの如く赤い光が漏れ出している。
その姿を言い表すならば悪魔という言葉が相応しいだろう。
新しく現れた怪獣の名は…シン・ゴジラ。
その体長は
『……』
『……』
二体の怪物が睨み合い。
『ギュオオオオオオオオオオォォォォォォン!!!!』
『ギュアアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!』
互いに咆哮し走り出す。
そこからの戦いはまさに怪獣特撮映画並みの戦闘だった。
負けじとシン・ゴジラも懐に入り込み体全体を使って担ぎ飛ばす。
飛ばされた
再び氷製の
その攻撃にシン・ゴジラが怯んでいる隙に尻尾を首元に巻き付け地面へと叩き落す。
だがシン・ゴジラも負けじと背中から大量の放射熱線を放ち氷製のハリウッド版ゴジラに傷を付ける。
『グゥゥゥ…』
やっと立ち上がれたシン・ゴジラは、
キュィィィィィィィィン……!!
そして口の中で放射能を集中させて作った光線を発射する。
『ガァァァァ!!!』
それに対し怪物は、口を開き口内へと移動した
そして口を開く。
「四界氷結!」
その技を放った瞬間、シン・ゴジラが発射した光線と周りの空間ごと完全に凍り付いた。
「ヒュォォォ…吸収」
完全に物言わぬ氷像となったシン・ゴジラを吸収し元の人間の姿に戻り先ほど飴玉をくれた少女の元に向かう。
「君……大丈「ば、化け物!」え?」
大丈夫か?と聞こうとした時その声が聞こえ辺りを見渡すと周囲の人間達が恐怖した目で彼を見ていた。
「あ、あんな怪物を一方的に倒せる奴なんて化物に決まっている!」
「こいつも途轍もないデカさの怪物を出しやがったぞ!」
「き、危険だ!危険すぎる!」
「ひ、ヒーローは?ヒーローはまだなの!?」
誰かが喋ったのを皮切りに民衆が次々と口を開き罵詈雑言を浴びせ始める。
「ち、違う…俺はただ…」
それに対し反論しようと口を開くが民衆は聞く耳を持たない。
「こっちに来るな!」
「どっか行けー!!」
「その子から離れろ!」
しまいには、石やゴミを投げ出す者まで現れる。
「待って…!お、俺は!」
それらを即席の盾で防ぎながら尚も反論しようとする。
そして…
『赫灼熱拳プロミネンスバーン!』
「がっ…!」
事情を殆ど知らないエンデヴァーにより顔を殴られ先ほど助けようとした黒髪の子の近くまで飛ばされた。
ズザーッ…
「う、グゥ…き、君…大丈夫?」
「ヒッ…!」
顔上げ助けようとした少女に無事か尋ねると恐れられた。
それもそうだろう彼の顔は先ほどのエンデヴァーの攻撃により片方の目から口にかけて溶かされており若干…いや、かなりホラーな姿になっていた。
だが本人はそれを知らない。
それを知らないからこそこんなにも恐れられ攻撃される理由が理解出来ない。
「ヴィランよ。貴様の悪行もここまでだ!」ズチャッ!
「俺は…」
近づいて来たエンデヴァーを認識した彼は、ゆっくり立ち上がり雲一つない空を見上げる。
「俺は…!俺は――!!!」
全てに絶望した彼は、己の体に氷を纏わせ巨大な氷の鳥へと姿を変え遥か上空へと飛び立ち姿を消す。
「クッソ!逃げられた!」
「あ…」
目の前でヴィランを取り逃がしてしまったエンデヴァーは、悔しそうに燦々と照り付ける太陽の上った空を見上げ助けられた少女…小大 唯は頭の髪飾りにそっと触れる。
その数日後、全世界に最凶最悪のヴィランとして彼の名が報道される事になる。
この時の冷気君の年齢は約10歳(精神年齢は20数歳)。
小大さんの年齢は3〜4歳ぐらいです。
つまり…分かりますか?
反響があればめっちゃ続きます。