世界最強のヴィランお兄ちゃん   作:揚げ物・鉄火

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どうもこんにちは。
下手したら全作品の中で一番進んでるんじゃね?って思ってる作者です。

ヒロアカの最新話を読んで第二次氷炎戦争編(執筆済み)の内容を確認すると、今の死柄木に勝てそうなキャラが三人(オールマイトは含まない)もいて草生え散らかしました。

それでは、どうぞ。ごゆっくり!


第十四話

LORDが死柄八斎會を襲撃してから2ヶ月ほど経った日の朝。

 

「おーい、転弧。そろそろ学校に行く時間だぞ。送ってやるから早くしろ」

「ち、ちょっと待ってよ兄さん!靴下が見つからないんだ。確か昨日ここら辺に置いておいた筈なんだけど…」

冷気と転弧が玄関前で慌ただしく動いていた。

学校へ送ってやるつもりの冷気が用意しておいた靴下が見つからない弟の準備を待っている。

 

「はぁ、またかよお前」

prrrrr…prrrrr…

冷気が呆れていると突如スマホが鳴り出す。

 

「ん?誰だ?こんなクソ忙しい時に…チッ!」

若干イラつきながらも相手を確認した所で冷気が顔を顰めた。

 

「お待たせ兄さん!早く行こう!」

「……」

「兄さん?」

「…ん?ああ、すまない。じゃあ行こうか」

準備を済ませた転弧が冷気に声を掛けるが今にも人を殺しそうな目をした兄を心配した。

弟の声に気付いた冷気が何も無かったかのように振る舞い転弧を車へと案内する。

 

 

「ね、ねぇ…兄さん」

「どうした?」

「さっきの電話…誰からだったの?」

「ああ…知り合いだ」

学校に向かう途中の車の中で転弧が兄に質問した。

冷気は、それにただ淡々と不機嫌な声で答える。

「そ、そう…」

兄の威圧的な言葉を聞いた転弧は、それ以上何も聞く事が出来なかった。

その後の会話も無く学校に到着するまでの10分間を無言が支配していた。

 

「着いたぞ…」

「あ、ありがとう。兄さん…」

「おい、転弧…手袋を着け忘れるなよ?」

「うん…」

冷気がポケットから取り出した個性封じの手袋を弟に着けてから軽く頭を撫でる。

 

「安心しろ。お前に怒っていない。だから心配するな…確かにお前や恵理を育てるのは大変だ。だがそれも俺の選んだ道だ。だから心配するな」

「兄さん…」

「ほら、笑顔だ!口の端を指で持ち上げろ」

「うん!行ってきます!」

弟を元気付けてから学校に向かわせた冷気が車のドアを閉めてスマホを取り出す。

 

「先程は、電話に出れなくてすまない。近くに人が居たから会話を聞かれるわけにいかなかったんだ」

『大丈夫よ。それよりこの後会える?注文の品についてとオススメの商品があるのよ』

「分かった…取り敢えず空港で待て。くれぐれも問題を起こすなよ?」

『あら?私を誰だと思ってるのかしら?』

「最重要国際指名手配犯の一人『破滅の女狐』こと.雷帝だろ?」

『あらあら…喧嘩売ってるのなら買うわよ?』

「良いから落ち着け。問題起こさずに空港内の時計台近くで待て…良いか?くれぐれも日本のヒーローと戦いになるような事はするなよ?」

『まあ、頑張るわ。それじゃあまたね』ピッ

電話先の相手との会話を終わらせた冷気が頭を抱えてサングラスを取り出し装着する。

 

「早く来すぎだろ…雷禍。なんで今日なんだよ。煉獄の女王が来るのは、まだ1ヶ月後の話しだろ?あぁ…頭痛い」

ぶつぶつと文句を言いながらも空港へと車を走らせた。

 

 

 

 

約2時間ほどで空港に到着した冷気が空港の駐車場に車を止めて時計台のある広場に向かう。

 

「さてと…問題を起こしていなければいいんだけど、何処にいるんだ?」

合流場所である時計台の所に来た冷気が雷禍を探すが見つからない。

 

「おい、お前何処にいるんだ?」

「暇だからスターバックスに入ったわ。10分以内に来れたら一杯奢ってあげる」

「はあ…分かった。すぐ向かう」

相変わらず自由奔放な性格の雷禍に振り回された冷気が空港の案内図を読みながら新たな待ち合わせ場所であるスターバックスに早足で向かった。

 

 

~数分後~

 

 

少しだけ遅れながら店に入店した冷気が窓際でコーヒーを飲んでいる雷禍を見つけて近づいた。

「着いたぞ」

「3分遅刻よ。コーヒーは奢らないわ」

「別にいいさ。それくらい自分で買う」

「あっそ。じゃあ座って」

皮肉を軽く躱した冷気に雷禍が着席を促す。

 

「で?どうしたんだ?」

「貴方の無茶な注文の事で話しがあるのよ」

「期日に間に合いそうに無いか?」

「嘗めないで。全然間に合うわ。本題はそこじゃなくて、武器を何処に隠すかって事よ」

「コンテナを契約しておくから問題ない」

「そう…戦艦は?」

「戦艦は…流石に入らないから普通に港近くに待機。列車砲は、空輸で頼む。大型貨物船は、遠くで待機」

「はいはい。ついでに斬艦刀は、海に沈めておくわ。んでまあ、一番大事な話しだけど…」

一切目を合わせず美男美女が淡々と話す光景は、傍から見るとこの上なく不気味な光景だった。

が、二人ともそれを気にするほど左顧右眄では無いので話しを続けた。

 

「煉獄の女王が大西洋を渡り切ってアメリカのNo.1ヒーローをぶっ飛ばしてからアメリカ横断を果たし、今は太平洋を横断している真っ最中よ」

「あいつが?相変わらずやべぇな…」

「なに言ってんのよ。あんたもアメリカのNo.1くらいならぶっ飛ばせるでしょ?」

「全盛期ならな?弱体化した今じゃ…まあ、どっこいどっこいって所だ。何のためにお前に協力を仰いだを思ってる?」

雷禍が1ヶ月後に訪れる煉獄の女王の現在の状況を話し、冷気がそれに相槌を打つ。

 

「ああ、そういうことね。納得行ったわ。それよりもコーヒーの一つくらい注文しなさい。流石に迷惑よ」

「そうだな…ちょっくら注文してくる」

「キャラメルマキアートがおすすめよ」

「うぃーっす」

遠まわしな雷禍の注文を了承した冷気がレジに向かう。

 

「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」

「エクストラショット アーモンドミルク ラテ with キャラメルソースをトールサイズで一つ。アイス リストレット ノンファットミルク キャラメル キャラメル マキアートをグランデで一つ。あと、ホットサンドとチキンフィローネ、ハム&オニオンフォカッチャを一つずつ。支払いはカードで」

「かしこまりました」

注文を済ませ待っている間に1ヶ月後にまで迫った決戦に思いをはせる。

 

自分と煉獄の女王の戦い。

確実にどちらも無事に帰れないであろう世紀の一戦。

周りに与える被害は、最低でも決戦の地となる場所の完全消滅。

それに加えて街の半壊と都心部の一時的な麻痺。

それだけならまだ可愛い方だ。

下手したら、日本が滅びる。

 

「お待たせ致しました」

「ああ、ありがとう」

そこまで考え至った所で注文した品々が出来上がり思考を切り替えた。

今は悩んでいても仕方ない。

そう自分に言い聞かせて席で待つ雷禍の下へと向かった。

 

「お待たせ。食っていいぞ」

「ありがとう。代金は?」

「お前じゃねぇんだから一々要求しねぇよ」

「あら、そう」

雷禍にキャラメルマキアートを渡してから冷気も自分の飲み物に口を着ける。

 

「んで?続きは?」

「ああ、そうね」

冷気が話しの続きを促すと雷禍がキャラメルマキアートを置いて話しを続ける。

 

「で、その煉獄の女王がね。太平洋を横断中なのよ。周りの海水をジュウジュウ蒸発させながら一歩一歩確実に歩みを進めているようなの。このペースだと…そうね。日本到達まで、あと32日って所かしら?」

「マジの1ヶ月後かよ!?」

「そうよ。そこでオススメ商品の出番って訳」

「オススメ商品?ティアマトでも撃ち込むってのか?」

「あんな風船レベルのおもちゃじゃ煉獄の女王にかすり傷を付ける事すら不可能よ」

呆れた様子でわざとらしく肩をすくめた雷禍がカバンから一つの封筒と『笑顔仮面』を取り出した。

 

「まず一個目のオススメの商品は、この破壊不可能な笑顔仮面よ」

「破壊不可能?」

「そうよ。今までの笑顔仮面と違って耐久性が桁違い。第一次氷炎戦争を基準に耐久力を底上げしたから、あんた達の殴り合いでも耐えられると思うわ」

「それは…凄いな」

雷禍の説明に冷気が純粋に驚く。

自分と煉獄の女王の殴り合いにも耐えうる強度の笑顔仮面がこの世に生み出した雷禍の技術力に純粋に驚いた。

 

「で、二つ目が…その封筒の中にある」

「これは…雷迎?」

「そっ!私の切り札の一つにして、溜め技。一発5億だけど、今回は特別価格で3億5千万よ。どう?」

「要らない。笑顔仮面だけで良い」

封筒の中身を説明していた雷禍に淡々と言い放った冷気が懐から小切手を取り出す。

 

「いくらだ?」

「その仮面はサービスよ…じゃあ、また連絡するわ」

「何処か行くのか?」

「ちょっとだけ京都観光してから帰るわ。『インドラの矢』は、チャージに一時間掛かるからそっちで何とか時間を稼ぎなさいよね」

冷気との会話を強制的に切り上げた雷禍がキャラメルマキアートを持って席を立つ。

その目元は、うっすらと滲んでいた。

 

「そうか…」

冷気が店から出て行く雷禍の姿を横目にコーヒーに口を付けた。

 

「転弧に土産が出来ちまった…」

手つかずのサンドイッチを袋に詰めながら冷気が呟く。

 

 

 

 

アメリカ付近の海上で300にも上る米海軍の軍艦が待機していた。

 

「提督!全艦所定の位置に着きました!」

「分かった。指示があるまで待機しろ」

「イエッサー!」

敬礼をしながら報告する部下に髭を生やした男が答える。

 

「すーっ…ふぅ…」

「大将殿、確か奥様のために禁煙なさったのでは?」

「人生最後の一服になるんだ。今日くらい目を瞑れ」

部下の質問に男が諦めた様な顔で葉巻を吸う。

 

「まったく、お偉いさん方にも困ったもんだよ。国としての威厳を守るためとは言え、『ウチ(アメリカ)のNo.1を倒した煉獄の女王を殺せ』って命令を出して来るなんてな…」

「確か世界最強の(ヴィラン)と互角に渡り合い、あろうことかイギリス最強のヒーロー『光の皇女(みこ)』を倒したって言う…」

一人愚痴る様に呟いた男の言葉に確認するように部下の男が煉獄の女王の成した偉業を語っていく。

 

「そう…そいつだ。第一次氷炎戦争でLORDと戦い国を3つ滅ぼし、何を思ったのか光の皇女を瀕死に追い込み、再度LORDと戦おうとしているあの煉獄の女王だ」

「また…戦う気なんですね」

「ああ、しかも日本(Japan)で決着を着けるつもりらしい」

「沈むでしょうね…」

提督の男の言葉に部下の男が同情するような声を出した。

 

 

『報告!12時の方向に高さ数百メートルの巨大な水蒸気柱を確認!煉獄の女王です!!』

それから1時間ほど経った頃に無線機から偵察向きの個性を持った男の焦った声が響く。

 

「分かった。全艦!戦闘態勢に移行!あの女にアメリカの意地を見せてやれ!」

『『『『『イエッサー!!』』』』』

報告を受けた提督が指示を飛ばし窓の外に目を向ける。

 

「現れたな…化け物!」

その視線の先には、海上を歩く赤髪の女がいた。

煉獄の女王の存在を目視で確認した提督が無線機を持って口を開く。

 

「全艦…撃て(FIRE)!!」

提督が指示を発砲命令を出し全艦が一斉掃射を行った。

 

「……」

自分に飛んでくる無数の砲弾を確認した煉獄の女王が懐から一振りの刀を取り出し小さく口を開く。

 

「流刃若火…残火の太刀!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『続いてのニュースです。

アメリカのNo.1ヒーローを倒し日本に向かっている煉獄の女王をアメリカ海軍が迎撃。約5時間の戦闘の末、アメリカ海軍の艦隊が全滅しました。

煉獄の女王は、依然として日本に向かって進行中です。

専門家の話しでは、今から約30日後に日本に到着した後にLORDと接敵する可能性があるとの事です。

この国は、一体どうなってしまうのでしょう?』




ヤバい…話しがあまり進んでない…どうしよう?

次回から第二次氷炎戦争編が始まります。
戦闘シーンだけで5万字を越えた第二次氷炎戦争編です。

では、また次回!
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