ヒロアカ原作の展開がヤバい!ってなってる作者です。
今話にてLORDと煉獄の女王が接触しました。
ええ、接触しましたよ?でもいきなりドンパチしません。
ドンパチするのは、二、三話後の出来事です。
では、どうぞ。ごゆっくり!
LORDが料理長とオーケストラの面々を迎えに行ってから9時間が経った頃。
偵察を任されている氷人形からLORDに通信が入った。
『報告!煉獄の女王を目視にて確認!到着予想時間.11時45分です!』
「……」
その報告を聞いたLORDがゆっくりと立ち上がる。
「…来たか」
『我が王よ…!』
海に向かおうとするLORDを氷河が遮るように立って止めようとする。
しかし、言われて止まる彼ではない。
片手で氷河をどけて突き進む。
『我が王よ!止まって下さい!』
「アイナ…」
次いでアイナが剣を向けてでも歩みを止めさせようとして来る。
「どけ…」
『お断りします!』
「聞こえなかったか?どけと言っている」
『我が王よ…!』
「命令だ…どけ」
二度も命令を否定したアイナに対してLORDが強めの口調で命令を下す。
『ぐっ…!うぅ…ぐぅ…っっっ!畏まり…まし…たッ!』
『アイナ!貴様!』
「氷河…動くな」
何かを堪えるように悶えてから命令を聞き届けたアイナに対して氷河が叫ぶ。
しかし、その動きは主たるLORDに止められた。
『我が王よ!まさか
「その通りだ…」
『そんな事!他の兵士に任せれば良いでは無いですか!』
「それじゃあ駄目だ…俺が直接迎え行かないと意味が無い」
『では!せめて護衛に私かアイナを連れて行って下さい!』
「断る…」
『我が王よ!』
氷河の頼みを断ったLORDが更に歩みを進める。
それでもなお止めようよする氷河に対してLORDが説明を始める。
「いいか?俺はこれから煉獄の女王を直接迎えに行く。この出迎えは、一種の誠意を見せる行動だ。誠意を見せるってのに武器を持った護衛を連れて行く奴が何処にいる?もし、お前達も着いて来ればあいつは話し合う暇も無く攻撃してくるだろう。そうなれば今までの準備が全て台無しになる。分かったら命令が出るまで待機だ」
『承知しました…我が王よ』
LORDの説明を聞き終えた氷河が震えながら堪えるように頷いた。
「それと…」
『はい…』
「何があっても絶対に動くな。絶対にだ」
『承知しました…偉大なる我が王よ』
「お前もだアイナ。分かったな?」
『畏まりました…偉大なる我が王よ』
LORDに改めて釘を刺された事でアイナと氷河が肯定の意を示した。
「二人共…あとは頼んだぞ」
『『我が王よ!!』』
海に向かって歩いて行くLORDの言葉に二人の声が重なった。
20万を超える氷人形たちの間を歩いたLORDが遂に波打ち際に到達した。
「……」
少しだけ波の動きを見てから躊躇無く一歩を踏み出す。
靴を濡らすはずの海水が到達する前に凍り付く。
海水が凍ったのを確認したLORDが更に歩みを進める。
一歩ずつ歩みを進めるごとに海面が凍って行き、氷の道が出来上がる。
やがて十数キロ進んだ所でLORDが歩みを止めた。
「ここが丁度良いか…」
辺りを見渡したLORDが雷禍に貰った笑顔仮面を被り胸の中心部から淡い青色の刀身を持った氷獄の
「正直言って…戦いたくないが…それも無理っぽいな?」
LORDがそこまで口にして遥か遠くにありながらもハッキリと確認出来る程の高さを持つ水蒸気柱を見た。
「ひょえ~、ブチ切れていらっしゃる!」
遥か遠くに居ながら己のヴィランネームを呼ぶ声にLORDが身震いした。
それでもその場から一歩も動かず相手が到達するのを待つ。
それから1時間ほどして目視出来る距離に水蒸気柱の発生源が現れた。
LORDの数百メートル前方に現れたのは、背中からロケットブースターのように炎を噴出させながら海面を歩いている赤髪の女性。
きめ細かな白い肌にはシミ一つ無い。
絶対的な力を感じさせる赤い目をしている。
女性らしく嫋やかでありながらも怒りに染まった鋭い眼光をしている。
細くすらりと伸びた手足は、白く美しい。
怒りによりまるで燃え盛る炎のように逆立つ赤い髪すらも彼女が着けている黒い宝石の嵌められたティアラによってその魅力を底上げしている。
まさに絶世の美女と呼んでも差し支えない程の美貌を持つ彼女を前にLORDが冷や汗を流した。
そんな美しい彼女の足元が触れた海水が一瞬で蒸発し、その周りの海水ですら煮え滾った油のようにグツグツと音を立てて巨大な水蒸気柱を形成している。
こちらにゆっくりと着々と向かって来る煉獄の女王に対し、LORDが生唾を飲み込んだ。
「ひ、久し振りだな…煉獄の女王。元気だったか?」
「………ッ!?」
LORDが片手を上げてした挨拶に対し煉獄の女王と呼ばれた赤髪の女性が怒りに顔を歪めた。
「はぁ…」
しかしすぐに溜め息を吐いて落ち着いた。
「あらあら…」
「久しぶりの再会なのに…昔みたいに名前で呼んでくれないの?ねぇ…レイレイ?」
煉獄の女王が口元を片手で隠し、嘲笑うような笑みを浮かべてLORDに向かってそう口にした。
「うぐっ…!」
「すまん…
煉獄の女王、改め未来火の言葉にLORDが一瞬だけ言葉に詰まってから謝罪の言葉を口にした。
「そう…じゃあ、私に一発殴られる覚悟はあるでしょうね?」
「もちろんだ…全力で殴ってくれ」
「あんた、それじゃあドMみたいに聞こえるわよ?まあ良いわ…さっさとその仮面を脱いで素顔晒しない」
「…分かった」
彼女の言葉にLORDが大人しく従い被っていた笑顔仮面を取る。
「相変わらず…顔だけは良いよね。本当に…馬鹿だったわ」
「未来火…」
どこか悲しそうな顔をした未来火にLORDが近づこうと一歩動いた。
「動かないで!」
「ッ!」
「コントロールを付けている最中だから動かれると困るのよ。分かる?」
「すまん…」
しかし未来火の言葉によって動きを止めた。
「さあ…いつでも来い!」
LORDが覚悟を決めたように足を肩幅に開き両腕を後ろで組んだ体勢で立つ。
「じゃあ…遠慮なく」
それを見た未来火が燃え盛る髪の炎の火力を上げてから体を捻る。
右手で握り拳を作り、体全体を右側に向けて捻り、全体重を込めるて殴れるような体勢を取った。
防御を一切考えない、攻撃にのみ意識を割いた構えを取り力を溜めて行く。
すでに二人が面と向かっただけで大気が震えるほどの力が衝突しているにも関わらず、更にエネルギーが溜まって行き海が割れる。
「こんの…!」
力を溜め終えた未来火が煉獄の女王としてその拳を振るう。
「クソッタレがァァあああ!!!」
煉獄の女王の振るった拳が音の壁を易々と突破し、LORDの顔面に炸裂する。
バッキィィィィイイイイイ!!!!
途轍もない炸裂音と共にLORDが海面に叩き付けられる。
高速で叩き付ける事によりコンクリートにも匹敵する硬度となる海面。
そこにLORDが勢いよく叩き付けられた。
『『ッ!…クッ!』』
その光景を元の待機場所で見ていたアイナと氷河が動きだそうとしたが、己が主の命令を思い出し唇を血が滲む程に噛み締めて耐えた。
海面に叩き付けられたLORDが2~3回ほどバウンドして巨大な水飛沫を上げてから海に沈んだ。
「いっぺん死ね!!」
沈みゆくLORDに対して煉獄の女王が中指を立てて罵倒する。
「…この程度の攻撃でくたばるタマじゃないでしょ?遊んでないでさっさと上がって来なさい」
「いや…たしかにそうだけれど。せめて少しくらい心配して欲しかったな…」
煉獄の女王の言葉に従うかのようにLORDが海中から顔を出し凍った海面に手を掛けて這い上がった。
「気は済んだか?」
「まあまあね…」
LORDの問い掛けに煉獄の女王が若干不機嫌に答える。
「そうか…なら、少し着いて来てくれるか?食事の用意をしておいたんだ」
「あら?エスコートも無し?」
「これは失礼…お手を失礼しても?未来火様」
煉獄の女王の望むものを理解したLORDが右手の掌を上に向けて差し出す。
「ふふふふ…やれば出来るじゃん?それじゃあ、お願いするわね?」
「喜んで…」
小さく笑みを浮かべてLORDの手に自分の手を乗せた煉獄の女王に対してLORDが小さく答えた。
「ねぇ…」
「どうした?」
手を繋ぎ指を絡ませて状態で二人が揃って歩いていると唐突に煉獄の女王…否、未来火が
「目的地まで後どのくらいなの?」
「…10キロ以上…だったと思う」
「…馬鹿なの?」
「…すまん」
未来火の純粋な疑問に冷気が申し訳なさそうに答えた。
その答えに未来火が純粋に思った事を口にする。
その言葉が純粋に冷気の心を抉った。
「気が利かなかったみたいだ…」
「少しだけ待っててくれ」
冷気がそう言うや否や凍った海面が盛り上がり、その中から一頭の白い氷製の馬が出現する。
『ブルルルッ!』
「どうどう…氷獄最速の馬、名前はランスロットだ。こいつに一緒に乗って行こう」
「ふ~ん?」
未来火を見て暴れようとした氷獄最速の名馬.ランスロットを落ち着かせた冷気が左手を差し出す。
未来火が嬉しそうな顔をしてその手を取る。
「すまないが少し屈んでくれないか?そう。その通りだ」
「さあ、お手をどうぞ。我が…いや、なんでもない」
馬に跨った冷気が未来火に手を差し出す。その途中でセリフを切り、そのまま押し黙ってしまった。
「はぁ…いつまで引き摺ってるのよ?」
その様子を見た未来火が一つ溜め息を吐いてから手を取り同じように馬に跨った。
ただし自ら前に跨り冷気に背中を預けた。
「未来火…」
「なによ?なんか文句あんの?」
その行動に対して冷気が何か言おうと口を開く。
未来火は、文句でもあるのかと睨むが冷気はただ微笑みを浮かべているだけだった。
「いや、なんだか昔に戻ったみたいでな…嬉しいのさ。またお前とこうして居られてな」
「…っ!!!………馬鹿」
心底嬉しそうな柔らかな笑みを浮かべた冷気の言葉を聞いた未来火が顔を真っ赤に染めて前を向いた。
怒りで炎のように燃え盛っていた赤い髪は、既に治まっていた。
「……」
その反応を見た冷気が未来火の後ろから腕を回し手綱を握る。
「…ッ!?……」
その行動に一瞬だけ跳ねた未来火だったが、すぐに落ち着きを取り戻し自分の手を冷気の手に重ねた。
『ブルルルッ!!』
自分の背中の上でイチャイチャしだした二人に対してランスロット(馬)が鼻嵐を吹いた。
少々荒れた態度を取ったもののランスロットが凍った海面を歩き始める。
氷炎戦争開戦まで残り…2時間ッ!!!
やっと接触させる事が出来ました。
え?なんでこんなにも仲が良いかって?
その理由は、多分今年中に判明すると思います。…判明するか?正直言って微妙です。
では、また次回!