正直に言うと第十九話は、超難産でした。
ですがここからは、作者の本気です。
ブランクを含めての執筆期間、約2ヶ月の第二次氷炎戦争開戦です。
では、どうぞ。ごゆっくり!
世界最強の
戦場は、海辺。
もっと詳しく言うのであれば街からそう遠くない海水浴場だった。
LORD側の戦力は、世界最大の武器商人が用意した武器を装備している軍隊を模した
それに加えて氷で作られた得物を装備している騎士団を模した大量の
更にそれぞれが100メートルを優に越す超巨大な人型
とどめと言わんばかりに巨大戦艦が八隻が煉獄の女王を砲撃できるように10キロ以上離れた海上で待機中だ。
だが忘れてはいけないのが列車砲の存在だ。巨大な主砲を持った移動可能な陸上火砲としては最大級の兵器であるそれが六両。
いつでも煉獄の女王を砲撃できるように狙いを定めている。
そして、総数25万体を超える
黒スーツの上に黒いコートを羽織り笑顔仮面を被った世界最強の
相対するは、煉獄の女王。
健康的な白い肌と燃えるような赤い髪に宝石のような赤い瞳。
ほんのり朱が差した頬と目の下にある泣き黒子に健康的なプルンとした艶やかな赤い唇が美しい。
肥満体型でなければ不健康な痩せ型でもない女性なら誰もが羨むような理想の体型を持ち、男なら誰もが欲情するような妖艶な肉体。
スラリと伸びる手足には、傷一つどころかシミ一つ存在していない。
その身に纏う衣装は、真紅の宝石が散りばめられ背中が大きく開いた赤を基調に黒が入ったドレス。
足元には、大きな赤い宝石を囲うように小さな黒い宝石が並べられた赤いヒールを履いていた。
彼女が着るからこそ美しい。
彼女が身に着けるからこそ
そう思わせる力強い美しさだった。
そんな彼女は、海に一人で立っている。
比喩表現では無くプカプカ浮かぶように海の上に立っているのだ。
美しいドレス以外に何も装備していない。
剣も銃も槍も弓矢も斧も杖も大槌も短刀も盾すら持っていない。
完全なる丸腰に近い状態。素手。
だからこそ危険なのだ。
彼女は戦う際、一切の武器を使わない。
使えないのではなく、
武器を使わずとも己の手だけで片付く。武器を使わずとも己の技だけで片付く。自分が本気を出せば世界に終焉を齎す事が出来る事を己自身が一番良く分かっている。
だからこそ目の前の相手に期待している。
過去に一度、本気の自分と互角に渡り合い、剰え引き分けに持ち込んだ『
自分を確実に殺すために着々と準備を進めたLORDに…否、自分を楽しませる事が出来るLORDとの出会いに感謝しながら煉獄の女王が一歩踏み出した。
それが開戦の合図だった。
「今だ!撃てぇえええええ!!!!!」
ゴロゴロゴロゴロ…
「恨まないでね!」
カッ!!
LORDが空に向かって叫ぶと同時に遥か上空から一筋の光が煉獄の女王に向かって叩き込まれる。
ドッガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!
ヴァリヴァリヴァリィイイ!!!!!!!
耳を劈くような破裂音と閃光が視界を埋め尽くす。
それは、
突風と爆音の影響により海辺に建てられた建物が軒並み吹き飛ばされ、周囲10キロ圏内の窓ガラスが軒並み割れる。
更に塩化ナトリウム等を含んでいる故に電気伝導率が高い海の周囲数キロ圏内に存在していた全ての海洋生物が感電死した。
それは、電気ウナギの流す600~800ボルトなど目じゃない威力。
ポ〇モンのマスコットキャラクターたるピ〇チュウの放つ十万ボルトの10万倍の一撃。
ボルト数にして約100億ボルトの一撃。喰らった相手は、跡形も無く消滅する。
それが常識だ。
しかし…
「うん…今のは、結構痛かったわ」
「チッ、やはりか…なら!」
案の定それなりのダメージが入ったものの二本の足で立ったままの煉獄の女王の姿にLORDが一つ舌打ちをして八隻の戦艦に一斉に指示を出す。
ちなみに雷禍は、さっさと撤退した。
『面倒事には巻き込まれたくないんでね.by雷禍』
「全砲塔構えろ!俺が許す。全戦力を持って我が軍の力を見せつけろ!!全砲塔一斉掃射!」バッ!
「今度は何?…えっ!?」
LORDが右腕を横に振って命令を下し煉獄の女王が後方を振り向いた直後に全八隻の巨大戦艦から一斉掃射された無数の砲弾が着弾する。
再び鳴り響く轟音。
立ち昇る水柱。
飛び散る水飛沫。
轟く爆音。
破壊される景色。
地形に絶大なダメージを与えながら煉獄の女王へ攻撃をした。
しかし…
「効いたわ…少しね」
やはり、ダメージを与えるには些か威力不足だった。
「全く効いてないか…仕方ない」
LORDが氷獄の剣をゆっくりと振り上げて切っ先を海上で余裕綽々とした様子の煉獄の女王へと向けて口を開く。
「敵は、煉獄の女王ただ一人!全戦力を持って奴を殺せ!!」
己の後ろに控える全ての
「全軍突撃!!」
『『『『『ウォオオオオオオオオオオオ!!!!!』』』』』
20万以上の
彼等が走り出した先に待ち受けるは、生命の源たる海。
いくら彼等でも海に入れば動きが鈍くなり格好の獲物となってしまう。
しかし誰も足を止める気配を見せない。
まるで己の主を心底信頼しているかのように迷い無く走っている。
「
LORDが海へと一歩足を踏み入れた瞬間、海が凍った。
カメラ越しにそれを見た誰もが目を丸くした。
しかし
「クフフフ…楽しませて貰うわ!!」
自分に迫り来る
LORDの率いる
「オラァ!」
「ハァッ!」
LORDと煉獄の女王が殴り合った。
己の拳を相手の拳へと叩き込む技でも何でもない攻撃から、この第二次氷炎戦争が始まった。
本来なら拮抗しているはずの力と速度もLORDが第一次氷炎戦争で弱体化した影響により煉獄の女王が有利になっている。
「フンッ!」
「ガハッ!」
LORDよりも一手早く動いた煉獄の女王の拳が彼の腹にめり込む。
「セイヤァ!」
「ゴフッ!?」
おまけと言わんばかりにLORDの頭に回し蹴りを喰らわせ遥か遠くへと蹴り飛ばした。
頭に回し蹴りを受けた影響で力が緩み手に持っていた氷獄の剣を放してしまう。
が、
『ハァッ!!』
「おっと!」
その一撃を躱した煉獄の女王が襲撃者を視界に入れた。
「あなた…誰?」
『初めまして…氷の騎士団騎士団長.アイナ・フローゼン・ヴェルナージュ・ミラ・レイキと申します。以後お見知りおきを』
「アイナね?覚えたわ、よろしくね」
丁寧に自己紹介をしたのは、LORDこと冷気が作成出来る五体の『カテゴリー5』の
一騎当千の実力を持つ氷の騎士団騎士団長.アイナだった。
『行きます!』
煉獄の女王へと一歩力強く踏み出し剣を一気に振り下ろす。
この時の剣を振り下ろした速度が音の壁を突破し、そのままの勢いで煉獄の女王へと振り下ろされた。
「クッフフフ…惜しい」
『チッ!』
アイナの振り下ろした氷獄の剣は、煉獄の女王により
アイナがすぐさま剣を引き抜こうと力を込めるが剣が1ミリも動かなかった。
『馬鹿な!?』
「粉バナナ?」
アイナの言葉に適当に返した煉獄の女王が拳に高熱を込めて拳で殴った。
「火拳!!」
『ぐぉああああ!!!』
燃え盛る拳で殴られたアイナは、苦悶の声を上げながら消滅した。
この世界でも強者の部類に入るアイナが何故こうもあっさり倒されたか。
それは、単純な実力差。煉獄の女王がアイナよりも遥か上の実力を持っていただけ。
ただそれだけの事だ。
「ふ~ん?本体が消えても武器は消えない…面白いわねぇ」
煉獄の女王は、所有者が倒されても尚残り続ける氷獄の剣を一瞥してから凍った海面へと捨てた。
「さあ、掛かって来なさい!!」
そう口にして迫り来る
煉獄の女王が突っ込むと同時に
仲間が吹っ飛ばされた事へ大した反応も見せず煉獄の女王を殺そうと騎士型の
煉獄の女王は、彼等の攻撃を躱しながら殴打、蹴り、打撃による胸部の貫通、蹴りによる肉体断裂に両手足に炎を纏わせた攻撃で無双していた。
騎士型がやられていくのを見た兵士型が懐からハンドガンを取り出し煉獄の女王に向けて発砲する。
「遅いよ!」
しかし弾丸は、空しく空を切りハンドガンを持っていた兵士は、煉獄の女王の拳によって胸を貫通され破壊された。
ならばと全方向から一斉にコンバットナイフや剣などを持った兵士と騎士の入り乱れた集団として飛び掛かった。
それでも誰も敵わなかった。
攻撃をしたと思ったらいつの間にかこちらが破壊されるか破壊寸前まで追い込まれて、胸に付けた手榴弾を奪われ仲間の騎士の鎧にピンを抜いた手榴弾を入れて遥か遠くへと蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた騎士型は、戦士型と騎士型の入り乱れる集団へと突っ込みそこで爆発した。
仲間が破壊されようと果敢に挑み続けるも成す術無く次々に破壊されていく。
誰から見ても一方的な蹂躙劇だった。
しかし、その蹂躙劇も終わりを迎える。
「次は誰?」
「オ・レ・だ!!」
二体の
もちろん煉獄の女王も両手でガードしたがそれでもダメージが響き両腕が痺れている。
「ウッヒャー、凄いね。まさかもう戻ってくるなんて思ってなかったよ」
「ああ、結構良いのを貰った。おかげで仮面に罅が入ってやがる」
煉獄の女王が軽口を叩くのに対してLORDは、罅割れた笑顔仮面に手を掛けてダメージを確認する。
「ペッ!思ったよりもダメージ入ってんな…さすがは最強の一角」
「あら?褒めても炎しか出さないわよ」
口に溜まった血の代わりの液体を吐き出したLORDに対して煉獄の女王が両手で印を結びながら答えた。
「ちょっとペース上げてこうか!」
「チッ!てめぇらどけ!」
煉獄の女王が息を吸うと同時にLORDが最前線に出て右手を向ける。
「火遁・業火滅却!!」
「
広範囲を焼き尽くす『火遁・業火滅却』に対して高層ビル程の大きさを誇る0ポイント仮想
切りの良い所で少しずつ切ってから投稿して行くので一話の長さが毎回変わります。
それでは、また次回!
また明日。