世界最強のヴィランお兄ちゃん   作:揚げ物・鉄火

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ハァ〜イ、皆さん!メリークリスマス~!
このサイト内で幾つもの小説でクリスマス回が投稿されるのにこの作品では相変わらずバトらせています。作者です。
本当に何やってんだかね〜。

それでは、どうぞ。ごゆっくり!


第二十六話

「チッ!火炎弾!」

「コフッ!コホッコホッ!」

煉獄の女王が自分に向かって来る暗黒弾を口から放った火炎弾で相殺する。

だがあまりのダメージ量に思わず咳き込み口から血を吐いた。

 

あちらさん(煉獄の女王)は、結構苦しそうだぞ?」

「そうだな」

「見に行かなくて良いのか?」

「あの程度で死ぬほど柔なヤツじゃねぇだろ?もしアレで死ぬようならさっきの戦いで死んでいたさ」

「随分と信用しているんだな」

「そりゃあ、自分を認めさせるために仮にも俺に勝負を挑んだ女だからな?あいつの強さは、俺のお墨付きだ!」

「かのLORDに認められた女か。世界中のヒーローやヴィランからすればこの上なく名誉な称号だろうな!」

互角の打撃戦を行いながら会話を続ける両者が同時に拳を突き出した。

 

「「ハァッ!!」」

両者の拳の衝突と同時に爆風が起こり、二人が後ろに一歩後退する。

 

「決定打に欠けるな…」

「そもそもの話、俺を倒しきれるだけのエネルギーも残ってないだろ?さっさと降参して俺に捕まれ。そうすれば命だけは保証する」

「そう言われて、はいそうですか、って捕まるヴィランが居るかよ?」

「俺を前にしたら大抵のヴィランが降参してくれたぞ?」

「他の雑魚共と一緒にするな。俺は、自他共に認める世界最強のヴィランだ。そう簡単に最強の座を譲る事は出来ないな」

「さっきの一戦で奪われかけただろ?金に物を言わせて武器を大量に購入して雷帝にインドラの矢を撃たせて軍隊まで準備した癖に接戦だったじゃないか?それに今も俺に負けかけている。これでは世界最強の名が泣くじゃないか?」

「貴様…一度死んでみるか?」

「殺してから言え。雑魚が」

「殺す…」

「やってみろ」

売り言葉に買い言葉と言うべきだろうか?

お互いに煽り合ったLORDと闇の帝王が同時に駆け出し右の拳を衝突させた。

 

「ぐっ!?」

「どうやら俺に分があるようだな!」

「ッLORD!!」

本日何度目か分からない拳の衝突によりLORDの拳が罅割れる。

 

だが、これも仕方のない事と言えるだろう。

3ヶ月前の死柄八斎會襲撃後の妹と弟の世話、第二次氷炎戦争の準備、ヴィラン活動時のヒーローとの戦闘、それに加え煉獄の女王との激戦に闇の帝王の乱入から大激闘とイベントが連続で続いて限界を迎えていたLORDの肉体が遂に悲鳴上げた。

ダメージ許容量の限界を突破し拮抗していた闇の帝王とLORDの戦いに勝敗が見え始めた。

闇の帝王が己の勝利を確信し、煉獄の女王ですら悲鳴染みた声を上げた。

闇の帝王が闇水(くろうず)を発動させたままLORDの首を掴み上げゆっくりと締め始める。

 

「…クハッ!」

しかしLORDだけは違う。

彼だけは、頸を締められながらも不適な笑みを浮かべ、コートの下から取り出した一丁のデザートイーグルを闇の帝王の眉間に向ける。

それを見た煉獄の女王が遥か上空へと飛んだ。

 

Hasta la vista, Baby!(地獄で会おうぜ!)

某大人気映画の筋肉モリモリマッチョマンの変態の俳優さんの台詞を口にしたLORDが躊躇無く発砲した。

ほぼゼロ距離でデザートイーグルから発射された弾丸は、何物にも遮られる事なく闇の帝王の眉間へと吸い込まれて行く。

 

「くっ!」

迫り来る弾丸を首を後ろに反らす事で間一髪で躱しデザートイーグルを持ったLORDの腕を武器諸共破壊した。

その一瞬後に自分へと迫る燃え盛る太陽(・・・・・・)を見た。

 

 

「過去は此処に! 現在もまた等しく。未来もまた此処にあり。風よ来たれ、雷よ来たれ! 明けの明星輝く時も! 太陽もまた、彼方にて輝くと知るがいい!」

太陽暦石(ピエドラ・デル・ソル)!!』

 

 

迫るは、煉獄の女王が己の(コア)を燃やして始めて使える捨て身の一撃。

当たれば周囲一帯が壌土と化す程の熱量を持った煉獄の女王渾身の一撃。

煉獄の女王がそれ程の熱を一点に集め、己の内側で(コア)を暴走させて更に熱量を上げた。

 

「我が身は、遠い魔境の神性なれば!闇の帝王、何するものぞ!我ら南米の地下冥界(シバルバー)、多くの生命を絶滅させた大衝突の力を見せてくれる!我が身を燃える岩と成し、彗星となって大地を殺す!!」

煉獄の女王が己の身を焦がすレベルの炎を左足に集中させてロケットブースターの様に炎を放出し、その加速エネルギーを推進力として生物の限界を超えた速度で闇の帝王に迫る。

その姿勢は、俗に言うライダーキックの姿勢に類似していた。

 

「受け止め…られるか!!?」

嘗て大陸そのものとも謳われた大地の王(グランドキング)を殺した時に煉獄の女王が使った燃え盛る太陽の如き熱量を誇る一撃。

自分に迫り来るそれを避けようと闇の帝王がその場から動こうとするが足が貼り付いたように動かない。

 

「LORD!?」

氷の領域(アイスフィールド)…逃がさねぇよ!」

動けなかったのは、逃げようとした闇の帝王の足元をLORDが残った腕で地面を凍らせる事で拘束していたからだった。

足元を凍らされて身動きが取れない闇の帝王が両手に闇を集めて氷を破壊しようと試みるも地面から伸びた氷の柱に両掌を貫かれ妨害される。

更に凍った地面から無数の腕が現れ、闇の帝王を全方向から掴みその体を拘束する。

 

「貴様!俺ごと死ぬ気か!?」

「否、死ぬのはお前一人だ!」

闇の帝王の言葉に対してLORDがそう返しその場から一気に離れた。

 

「L、LOOOOOOOOOOOOOOOOORD!!!!!!!!!」

「ウルティモ・トペ・パターダァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

闇の帝王が叫びを上げた直後に煉獄の女王が超高温の塊となって闇の帝王に蹴りを叩き込んだ。

 

 

「うおおおおおおっ!!!!?」

隕石の衝突にも匹敵する程の突風が発生してLORDが吹き飛ばされかけたが何とか気合で耐えた。

 

衝突から十秒経った頃、少しずつ煙が晴れ始め衝突地点の様子が確認出来た。

 

「クソが…当然のように防ぎやがって!」

衝突地点の様子を確認したLORDが欠損した腕の修復を急ぎながら一気に駆け出す。

 

LORDが煉獄の女王と闇の帝王の衝突地点で見たのは、ウルティモ・トペ・パターダを叩き込んだままの姿勢の煉獄の女王と、その攻撃を無数に重ねた闇の盾で防ごうとしたものの防ぎ切れずクロスさせた両腕を折られながらも何とか防いだ闇の帝王の姿だった。

 

何故闇の帝王が煉獄の女王渾身の一撃を防げたか?

それは、煉獄の女王渾身の一撃が発生させた膨大な熱量により闇の帝王を拘束していた氷が溶けたからに他ならない。

 

太陽にも匹敵するその熱量は、砂を一瞬で結晶化させ、剥き出しになった岩盤をドロドロに溶かし、広範囲に亘って海水を蒸発させた一撃がLORDが闇の帝王を拘束するのに用いた氷を溶かしてしまったのだ。

闇の帝王は、氷が溶けて煉獄の女王の一撃が当たるまでの一瞬、時間にして0.0000001秒の間に無数の闇の盾を作り出し両腕を強化させた状態でクロスして防ごうとした。

だが煉獄の女王渾身の一撃は、張られた盾を全て破壊した上で闇の帝王の両腕を折るに至った。

しかし、闇の盾と闇の帝王の両腕を破壊した煉獄の女王渾身の一撃ですら、そこで止まってしまったのだ。

 

渾身の一撃を防がれた事で動揺した煉獄の女王が動きを止めた。

闇の帝王が動揺により動きを止めた煉獄の女王の首を刎ねようと足を振り上げた。

確実にその首を刎ねられるだけのエネルギーを纏った闇の帝王の足が煉獄の女王の首に当たるまで、あとほんの数センチと言った所でLORDが間に割って入った。

 

摩訶鉢特摩(マカハドマ)!!」

LORDがそう口にすると同時に全世界の時が凍り付いた(・・・・・・・・・・・)

 

LORDの持つ切り札の一つである摩訶鉢特摩により疑似的な時間停止を起こし、煉獄の女王を回収して闇の帝王に一発蹴りを入れてから退避した。

退避が完了した頃に摩訶鉢特摩の効果が切れて闇の帝王の一撃が空を切って、煉獄の女王が驚いた表情をした。

 

「ゴフッ…!」

「LORD!!」

その数秒後に摩訶鉢特摩を使った反動でLORDが片膝を突いて吐血する。

 

「俺の事は良い…それよりもあいつを倒す準備をしろ」

「何言ってんの!?あんたボロボロじゃない!そんな状態でこれ以上やったら!!」

「大丈夫だ」

「ぴゃっ!」

これ以上やったら死ぬ。

そう言おうとした煉獄の女王の言葉を遮るように彼女の手を握り口を開いた。

 

「俺もお前もまだエネルギーを温存しているだろ?それを全て使い切るぞ」

「あんたねぇ!!温存したエネルギーってアンタとの決戦用に取って置いた最後のエネルギーの事でしょ?それを全て使い切るって簡単に言ってるけど、準備とか開放とか、その他の事を幾ら急いでも一分は掛かるのよ!その間の時間稼ぎは、誰がするって言うのよ!?」

「安心しろ、もう十分時間は稼いだ。あとは、あいつ(・・・)に任せる」

LORDを支えながら煉獄の女王の当然の疑問に彼が小さく笑みを浮かべサムズアップをしてから上空を指差して答えた。

 

「あいつ?雷帝ならさっき帰って…嘘でしょ!!?」

雷帝でも呼んだのかと上に視線を向けた煉獄の女王が素っ頓狂な声を上げた。

 

煉獄の女王の視線の先に居たのは、筋骨隆々の巨漢。

触覚のように伸びた髪型以外は、オールバックにした金髪。

その目元は、深い影が落ちて青く光る瞳しか見えない。

その口元から覗くのは、光を反射してキラリと輝く白い歯。

鍛え抜かれた鋼の肉体がぴっちりとした青と赤に白い線の入ったヒーローコスチュームで覆われている。

一人だけ画風がアメコミ調のその男が戦場となった地にスーパーヒーロー着地で降り立った。

 

「HA-HAHAHAHAHAHA!!!!私が来た!!!!」

「オールマイト!!?」

その男の名は、オールマイト。

世界でもトップクラスに有名な日本のNO.1ヒーローである。

その実力は、弱体化したとは言え一度LORDを追い詰めたと言っても過言ではない程の世界最強のヒーローである。




やっぱね、『ヒロアカと言ったらオールマイトだろ!』って書いてる途中に考えて登場させました。
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