書き終えたので投稿です。
今回は、とある原作キャラを救済したため原作が大きく変わります。
では、どうぞ。ごゆっくり!
世界最強と謳われるヴィラン『ロード』こと冷気 零は、オーダーメイドの高級スーツを着て不動産屋に来ていた。
もちろんバレないように変装したが無意識の領域でただならぬ威圧感を放っているので大半の従業員が気を失ってしまった。
「お、お客様、こちら本店の最高級の茶葉を使用して作られた紅茶でご、ごごごございます!」
「…いらん」
そんな中、奇跡的に気絶しなかった店員の女性が震えながらティーカップに注がれたお茶を彼の前に差し出した。
が、当の本人は、足を組んだ状態で雑誌を読みながら拒絶した。
「し、しかしお客様…」
それでも引き下がらなかった女性店員に対して冷気は、僅かな殺気を込めて睨み再度断った。
「要らぬと言ったはずだ…聞こえなかったのか?女」
「ひっ!」
裏社会を生き抜いた男の絶対零度の目に睨まれた店員は意識が飛びかけていた。
「ふむ…これを耐えるか。やるではないか女」
「あふぅ…」
「やっぱ何でもない…」
自分の殺気の籠った視線を受けて尚、立ち続けた女性店員に冷気は感心を覚えた。
だが、すぐに気を失ったので己の発言を撤回した。
「お、お待たせしました。私、社長の前園と申します。本日は、どのようなご用件で?」
冷や汗を掻きながらやって来た社長と名乗る少し太った中年の男性が冷気に対して質問を投げかける。
それに対して冷気は小さく短く答える。
「家を買いたい…」
「い、家でございますか?」
「その通りだ」
「かしこまりました。あれを持ってきてくれ」
注文を受諾した社長は、唯一気絶しなかった運が良いのか悪いのか分からない男性店員に家のカタログを持ってこさせる。
「まず、おすすめの物件としまして…」
「俺が条件を言う。それに合わせて見繕え」
「かしこまりました」
説明を始めようとして遮られた社長は取り敢えず了承した。
「近くにデパート…スーパーでも良い。そのどちらかがあって駐車場付きでペット可。あとは…高層マンションか何かだったら、なお良い」
「なるほど…ちなみに予算の方は、おいくら程「ドサドサッ!」へっ?」
社長が質問をしようとしたとほぼ同時に冷気は懐から現ナマ400万をテーブルの上に捨てるように置いた。
「調査費用だ。もう面倒だから高層マンションを丸ごと買い取ってやる。何億欲しい?」
そう言って懐から
「えーと…」
そこから話は、サクサク進んだ。
冷気が現金を見せたからなのか不動産屋の社長の信用を勝ち取り、不動産屋の社長は自分の持てる限りのコネを使い最高の高層マンションを提供した。
冷気はそのマンションを34億ほどで購入。
全財産の半分以上を使い購入したマンションの最上階以外の部屋を全て貸し出し、家賃によって大儲けした。
その金の大半を株に突っ込み色々な企業の株を買い占め自分にとって都合の悪い会社を世界最強のヴィラン『ロード』として襲撃。
暴落した企業の株を買い占め無理矢理成長させ、さらに儲ける。
このような事をやっていながらも、しっかり税金を支払う律儀な一面もある。
「…」
それからしばらく経ったある日、冷気は町を適当に散歩していた。
なぜ散歩しているかは自分でも理解出来ない。
なんら特別な理由はない。ただ単純にマンションに引き籠っているのに飽きただけだったかもしれない。
「あ?」
そして散歩中に立ち寄った公園で偶然、見掛けてしまった。
顔中に掻きむしった跡のある血塗れの少年を。
「おい、ガキんちょ」
普段なら無視するが何故か声を掛けた。
ただの気まぐれかもしれない。
「どうした?そんな血だらけになって…ヴィランに襲撃でもされたか?」
「…」
冷気は声を掛けたが少年は、何も答えず虚ろな目で空を眺めていた。
「もしかして…誰か殺したか?」
「…」コク…
何も答えない少年に対してその質問を投げかけると小さく頷いた。
「そうか…」
公園の椅子に座っていた少年の隣に座り、また質問する。
「いくつか質問する。喋りたくないなら別に良い。ただ首だけを動かせ。いいな?」
「…」コク…
少年が頷いたのを確認してから再び質問する。
「お前が殺したのは、ヒーローか?」
「…」フルフル
「じゃあ…ヴィランか?」
「…」フルフル
冷気の質問に少年は二回とも首を横に振る。
「一般人か?」
「…」コク…
「お前の友達か?」
「…」フルフル…
少年の答えに冷気は確信したように口を開く。
「もしかして…家族か?」
「うぐ、ひぐ…ゔん!」
「そうか…」
そして確信を突いた質問をすると少年は泣きながら肯定し冷気は溜め息を吐きながら空を見上げる。
空を見ながら、この少年をどうするべきか考え始める。
この少年をここで見捨てても問題ないはずだ。
だが、このまま見捨てるのは何故か気が進まない。
どこか昔の自分によく似た雰囲気を醸し出している。
ここでこの少年を見捨てたら確実にヴィランに成るだろう。
自分的には、どうでも良いが何故か気が進まない。
この子をここで帰してしまったら何かヤバい事が起きる気がする。
て言うかこの少年を原作のどこかで見た気がする。
そこそこ重要なポジションのキャラだった気がする。
どこかよく思い出せないが取り敢えず聞いてみよう。
「お前…名前は?」
「志村…転弧です」
「そうか…」
(バリバリの主要キャラだったよ!)
志村 転弧と言えばオールマイトの師匠役の志村 菜奈の孫にして未来の死柄木 弔じゃないか。
たしか原作では、家族を殺した後にオール・フォー・ワンに拾われてヴィランルートを辿ったんだっけ?
じゃあ、今この瞬間こそが志村 転弧が死柄木 弔に成るかどうかの分岐点って事か…
このままヴィラン化すればいつか確実にぶつかるだろう。
そうなればちょっとした戦争が勃発するかしれない。
(被害は被りたくないなぁ…でも、この子は助けたい。このまま養護施設にでも預けてもオール・フォー・ワンが確実に回収しに来るだろう。そうなれば元も子も無い。ならば…)
「なぁ、お前…俺の家族に成らないか?」
俺がこの子を貰っちまえば良いじゃないか。
「え?」
当たり前の反応をした少年…転弧の目を見ながら言葉を続ける。
「ただ何となくの気まぐれだ。最近マンションを買ったは良いけど俺一人が使うには大き過ぎるんだよ。だからお前、俺の家で俺の家族として暮らさないか?」
「え?で、でも…僕は人を」
「別にお前のやった事に興味無いし知る気もない。何せこう見えて俺もヴィランだからな。第一お前は人を殺すのは初めてなんだろ?ならお前が犯した罪を俺が全て被ってやるよ。今更ほんの10人や20人殺したくらいで俺の罪は変わんねえよ」
転弧が犯した罪なんざ自分の罪に比べれば大した事ない。転弧の家族殺しは俺が起こした事にすれば良い。
そうすれば、転弧は潔白。
さらに俺の力で家族を殺した記憶を凍らせれば晴れて無罪。
「どうだ?」
「うぅ…うぐ、ひぐ。よろじぐお願いじまず!」
そこまで言い切ると転弧は泣きながら了承した。
俺は、泣いてる転弧を抱きしめて泣き止むのを待った。
途中で「あっ、僕に触ったら死んじゃう!」と言ってたが『崩壊』くらいで俺を殺す事は不可能なので無視した。
泣き疲れて眠ってしまった転弧を腕の中に抱えながら彼の家が在った場所に移動する。
探している途中で二世帯住宅を片っ端から襲撃しようと思ったが『志村』と表札が掲げられた家を案外早く見つけられた。
「ここか…」
結構立派な家だったが所々崩壊しており辺りには嗅ぎなれた人が死んだあとに発する死臭が漂っていた。
「う、うぅ…た、助け…て」
「…」
タァーン…
まだ息のあった一人の人間に銃口を向け一発だけ発砲。
真夜中だった事もあり周囲に銃の発砲音が大きく響き渡り近所の人間が「なんだなんだ?」と言いながら群がってくる。
すかさず『笑顔仮面』を被り家の中に侵入。『金銭目的で家に押し入り、そこで一家に見つかったため全員を殺害したが子供を一人だけ人質として誘拐した』というシナリオを作るため家の金庫の扉にロケランを撃ち込み破壊。
金庫の中身を全て近くにあったバッグに詰め込んでから窓を割って氷製の馬に乗って逃走。
目撃者を多数残し、そのまま行方をくらます。
これで志村家を皆殺しにした犯人が『ロード』という事になった。
つまり、志村転弧は家族を皆殺しにされ誘拐された可哀そうな子供という事になった。
これはこれで救済と言えるかもしれない。
その数日後。
マンションの最上階の一室で俺は転弧の小学校への入学書類を書いていた。
(原作なんて無視して志村転弧を救済した…なら、原作が壊れても良いからこいつを幸せにするために自分の好きなように生きて行くとしよう)
心の中で、そう決めて書類を書き終えテレビを点ける。
テレビを見ると丁度、生放送のニュース番組をやっていた。
『…一家殺人事件の犯人が判明しました。
犯人は世界最強と称されるヴィラン.LORDによるものだと先ほど警察が発表しました。
このヴィラン.LORDは、今までも国家転覆、国家壊滅、売国、大量殺人、銀行強盗、銃器所有等を始めとした数々の凶悪犯罪を繰り返してきましたが誘拐事件は、初めてです。いったいなぜ誘拐などしたのか?専門家の意見を聞いていきましょう』
『○○先生。よろしくお願いします』
『お願いします』
『さっそくですが何故、誘拐をしたのか?という疑問について先生はどう思われますか?』
『そうですね。やはりこれは』
ダァン!
「チッ!早くテレビ買い替えねぇとな…」
専門家と名乗る男が説明を始めようとしていたのを見てついうっかり対戦車ライフルを撃ってしまった。
「兄さん!凄い音したけど大丈夫!?」
「ああ、大丈夫だよ。心配せず勉強でも進めてろ。俺は、ちょっとテレビを買い替えてくる」
「あっ、じゃあ4Kのテレビ買って来て!あとこの前、発売されたゲームも一緒に!」
「あいよ…」
転弧の注文を受けながら外に買い物に行った。
テレビはデカいので今日は、改造しまくった4WDかセネターAPCに乗って行くとしよう。
出来ればジャガー XJに乗って行きたいが別に遠出する予定はないので
そのまま地下駐車場に仕舞ってある車に乗り買い物に行った。
買い物中にヒーロー達に襲撃されたが全員返り討ちにした。
けど途中から参戦して来たオールマイトからは逃げた。
全力で戦えば勝てるかもしれないが、町が壊滅的な被害を被るだろう。
別にそこまでして勝ちたい相手じゃない。
この町は、結構気に入ってるし破壊衝動がある訳じゃない。
それに今俺は、休息期間中だ。
ヴィラン活動は、可能な限り抑えたい。
「帰ったら風呂沸かそう…」
そう呟きながら車を運転する。
と言うわけで救済したのは死柄木 弔こと志村 転弧です。
弟として迎え入れて家族を殺した記憶を忘れさせました。
これでオール・フォー・ワンは、迂闊に手が出せなくなります。
ある意味救済だと思います。
この作品の結末がある程度決まりました。
細かい所は、まだ考え中ですが大体決まりました。
では、また次回!