世界最強のヴィランお兄ちゃん   作:揚げ物・鉄火

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皆様お久しぶりです。
少し長くなりましたが投稿します。

今回は、戦争前の布石と作者の趣味が合わさった回です。

では、どうぞ。ごゆっくり!


第九話

「ん…あぁ…」

雷禍との一夜が明けた。

 

「クソッ…頭痛ぇ…」

ズキズキと痛む頭を押さえて時間を確認するため近くの台に置いたスマホに手を伸ばす。

 

「んぅ…んふぁ…」

「あぁ…?」

スマホに手を伸ばすため体を動かすと布団の中で何かがもぞもぞ動く。

確認の為に布団を捲るとそこには金髪の美女が一糸まとわぬ姿で寝ていた。

それと同時に昨晩の出来事を思い出し頭を押さえる。

 

「やっちまったなぁ…キスだけで済ませるつもりが結局最後までヤった訳か。はぁ…取り敢えず朝飯作ろ」

隣で寝ている雷禍に布団を掛け直して自分はベッドから出て着替える。

 

「頭だけじゃなくて腰と背中も痛ぇな…うん?首にキスマーク…擦れば消えるかな?」

ズキズキ痛む腰やじんじん痛む背中に苦戦しながら服を着ていく。

 

「そういえば今何時だ?げっ!」

スマホで時間を確認すると既に9:30を越していた。

 

「ヤッバ!転弧が起きてる時間じゃねぇかよ!?さっさと朝飯作んねぇと!」

極力音を立てないように寝室から出てキッチンに急いで向かう。

 

「あっ、兄さん。おはよ!」

「転弧!」

キッチンに着くと案の定転弧が料理をしていた。

 

「ケガしてないか?包丁をちゃんと使えるか?火の点け方もちゃんと知ってるか?」

「だ、大丈夫だよ兄さん!それくらい出来るよ」

「そうか?なら良いが…」

問題ないとの返事をされたが心配なので椅子を持って近くに座る。

 

「あ、あの…兄さん?」

「どうした?」

「見られてると緊張するんだけど…」

「気にするな。怪我しないように見張ってるだけだから」

転弧の言葉にそう返して頬杖を突く。

 

「うっ…緊張するなぁ…」

転弧が少しぎこちない動きでコンバットナイフ(・・・・・・・・)を取り出し構えた。

は?いやいやいやいや待て待て待て待て!!何故コンバットナイフなんだ!?

普通は包丁だろ!?まさか俺の真似か!?そうなのか!?

 

「ちょっと待て転弧!どこでそれを見つけたんだ!?」

「え?昨日のお姉さんが持って来たカバンに入ってたけど?」

俺の質問に転弧が当たり前のように答えた。

 

「いや、当たり前のように答えてるけどコンバットナイフだぞ?包丁じゃねぇんだぞ?」

「え?そうだよ?けど、兄さんもいつも使ってるでしょ?」

「う~ん…そういう問題じゃないんだけど」

転弧にそう言われるとあまり強く否定できない。

 

実際、俺もコンバットナイフを使って料理している。理由は、単純に手に馴染むからだ。

やはり食材や人間関係無く肉を切る時には、切れ味が良くて手にしっかりフィットする物の方が良い。

そのため雷禍にオーダーメイドでナイフを作って貰った。

しかし転弧は違う。転弧は、人のこと切れる瞬間を見た事が無い。それに人が血を流す瞬間も見た事が無い。

だから使わせる訳には行かない。そこまで考えて転弧からコンバットナイフを取り上げた。

 

「あっ、兄さん!どうして?」

「お前にはまだ早い。あと十年もすれば本当の使い方を教えてやるから包丁を使って料理しろ」

「むぅ~!僕だって兄さんみたいにカッコよく料理したいのに」

転弧が頬を膨らませて抗議するが努めて無視する。

そのまま転弧を椅子に座らせて自分が調理場に立った。

 

「何か食べたい物あるか?」

「ええとね…う~ん」

「私は、卵料理を所望する」

考え込む転弧の後ろから突如、雷禍が現れて勝手に注文して来た。

 

「うわっ!?ビックリした!」

「いや…お前には聞いてないんだが?」

さりげなく驚く転弧と雷禍の間に入り先程転弧から取り上げたコンバットナイフを構える。

 

「別に良いじゃないか?それよりも何か卵を使った料理を作ってくれないか?今、無性にパンと卵料理が食べたい気分なんだ」

「どうする?」

俺と転弥に構わず自分の意見を言い切る所は、さすが裏社会の大物だ。

雷禍の言葉に転弧に視線を向けて意見を求める。

 

「ぼ、僕もそれでいいよ…」

「分かった。少し待ってろ」

少し遠慮がちに言う転弧の頭を軽く撫でながらキッチンに向かう。

 

「出来ればポーチドエッグとかが食べたい。お前なら作れるだろう?」

「何様だよ…」

雷禍の言葉に小さく文句を言いながら冷蔵庫から卵を取り出し鍋に水を入れる。

 

「フレンチトーストも食べるか?」

「食べる!」

「ふむ…せっかくだし頂こう」

ポーチドエッグを作るついでにフレンチトーストも一緒に作り始める。

食パンを一升取り出して丁度いい厚さに切って冷蔵庫から必要なものを取り出す。

 

「おい、なんも見るものがないぞ?」

「人の家でパジャマ姿で勝手にテレビ点けといて文句垂れんなよ。なんか見たいならニュースでも見ればいいだろ」

革張りのソファーにドカリと俺のパジャマを着た状態で座り込み、リモコン片手にテレビのチャンネルを変える雷禍にそう答えて卵をラップで包んで行く。

 

「あ、あの…兄さん?」

「どうした転弧?」

「今日は、日曜日だし…えっと、出来れば…その、ホットチョコレートを飲みたいな…」

「…マシュマロも一緒に入れるか?」

「うん!」

もじもじしながら注文してきた転弧の為に別の鍋を用意し、冷蔵庫から新たにチョコレートを取り出す。

 

「私にも用意してくれる?」

「…分かった」

ニュースを見ながら注文して来た雷禍と為にもホットチョコレートを作る為、さらにチョコを取り出した。

 

 

~十数分後~

 

 

「はい、マシュマロ入りホットチョコレート。フレンチトーストにポーチドエッグ。ついでに塩トマトだ。遠慮せず食え」

「悪いわね。私にまで用意して貰って」

「気にすんな。ついでだ」

心にもない事を言う雷禍に対してそう返す。

 

「ありがとう兄さん!」

「おう。残さず食えよ」

だけど転弧には、ちゃんと返す。

 

 

「ふぅ…」

コーヒーを胃に流し込んでから一つ息を吐く。

 

「美味しかったわ。ごちそうさま」

「おう…転弧、少し向こうに行っててくれるか?」

「分かった。待ってるね」

食事を終えた雷禍から食器を受け取りながら転弧に聞かせられない話をするために少しの間部屋から出す。

 

「…それで?」

胸元からタバコの箱を取り出した雷禍が火を点けてから口を開く。

 

「私に何の用?」

「武器が欲しい…」

「どんなの?」

雷禍の質問に答えると雷禍が再び聞いてくる。

 

「巨大戦艦を八隻、列車砲を六両、斬艦刀を四振り、貨物船を十二隻」

「随分と大きな物を注文するのね。他には?」

俺の注文に一切驚かず淡々とメモしていく雷禍の言葉に注文を続ける。

 

「コンバットナイフ3000、スローイングナイフ5万、重機関銃を300丁、軽機関銃を500丁、対物・対人ライフルをそれぞれ3000、ガトリングガンを5000丁、サブマシンガンを7500丁、ハンドガンを…8000丁頼めるか?」

「問題ないわ。弾は何万発欲しいの?」

流石は世界一の武器商人だ。こんな無茶な注文にも対応できるとは思わなかった。

 

「最低でも3億5000万。可能ならば5億発欲しい」

「問題ないわね。期間はどのくらい?」

「煉獄の女王が日本に乗り込んでくるまで」

「は?」

必要な弾数をは問題なく了承してくれたが期間を言うと顔を顰められた。

 

「もう一度期間を言ってくれる?」

「煉獄の女王が日本やってくるまでだ」

「あと3ヶ月よ?分かってるの?」

「だからお前に頼んでるんだ」

しばらく視線を交わしていたが雷禍が先に折れてくれた。

 

「はぁ…分かった。世界中の全工場をフル稼働させてなんとか用意するわ」

「すまない…」

無理な注文を聞いてくれる雷禍に対して頭を下げて感謝する。

だが一番必要な物を忘れてはいけない。

 

「それと、もう一つだけ」

「はぁ…どんなの?」

呆れた様子で聞いてくる雷禍に最後の注文をする。

 

「インドラの矢を一発」

「一発五億よ?」

注文をした直後に値段を提示された。

 

やはり、それなりの値段はするか。

インドラの矢は、雷禍が持つ最強の一撃必殺。

喰らえば大体の者が即死するレベルの一撃だ。

一発撃つのに一時間ほどのチャージを要するらしいが、それに見合う破壊力だ。

実際に一度だけ遠目で見たがあれはヤバい。

自分が見た時は、喰らった相手が島ごと消し飛んだ。

 

「分かった。今、現金を用意する」

それほどの一撃を使って貰うのだ。これくらい安い

 

「ふぅん?結構用意が良いのね」

「万が一に備えてだ…ほれ五億だ」

雷禍が要求した通りの現金の入ったアタッシュケースを床下から取り出し目の前に並べる。

 

「ちなみに撃つ相手は?オールマイトとか?」

「いや、煉獄の女王だ。開戦と同時に撃って欲しい」

「アレを相手に時間稼ぎなんて出来るの?今の貴方より強いんでしょ?」

雷禍の言葉に少し黙り込む。

 

確かに今の自分では、煉獄の女王を相手にしたら普通に負ける。

全盛期でもギリギリだったのだ。弱体化した今の状態で勝てる程、あいつは甘い相手では無い。

だからこそ準備を万端にして挑む。雷禍にインドラの矢を撃って貰う事も準備に入っている。

これでも足りない。だから更に準備を進める為にもうじき起きるだろうイベントを狙う。

原作とは、起こるタイミングが全然違うが仕方ない。先に起こるだけラッキーと考えよう。

 

「何とかするさ…それよりも注文してた武器は出来たか?」

「露骨に話題を逸らしたわね。出来てるわよ…よいしょっと!」

話を注文した武器へと変えると雷禍が玄関から一つのライフルケースを持ってくる。

 

「飛距離5000の対物プラズマライフルよ。よくこんなの思い付いたわね?注文を受けた時『どこの殺戮ロボットだよ』って思ったわ」

「すまないな。解説を頼めるか?」

雷禍の皮肉を軽く受け流しながらライフルケースから取り出して軽く構える。

 

「ほう?これは…」

「飛距離5000の対物プラズマライフル.雷霆。今までの対物ライフルとは比べ物にならない化け物。対物ライフル用の12.7x99mm NATO弾では無く、専用の電磁式プラズマ弾を使用する銃よ。全長1m50㎝、重量25㌔、装弾数3発、チャージ時間30秒。もはや人間に扱えない代物さ」

「専用弾は?」

「23㎜電磁式プラズマ弾」

「弾速は?」

「時速1500キロ」

「威力は?」

「二階建ての一軒家が木端微塵」

「弾丸のリロード方法は?フルオート式かセミオートマチックか」

「セミオートマチックさ」

雷禍の説明を聞いて思わず頬が吊り上がる。

 

「パーフェクトだウォルター!」

「感謝の極み!って、言えば良かったの?」

「クハハハッ!」

わざわざ乗ってくれた事に思わず笑いが零れる。

 

「買うの?買わないの?」

「買うに決まってるだろう!いくらだ?」

雷禍の言葉にそう答えて胸元から小切手を取り出す。

 

「8500万よ。弾丸三発で300万。どのくらい買う」

「本体と弾を15発だ。小切手で支払う」

「はい、毎度。それじゃ、武器が出来たら報告するわ」

「ああ、頼んだ」

買い物を終えて雷禍が服を着替え、さっさと退散した。

 

「さてと…予定日まであと一週間だったか?」

残された二つの大仕事のうちの一つを片付ける為に襲撃の準備を進める。

 

「待ってろよ…俺と転弧の妹。今、迎えに行ってやるよ」

相手にとっては、ただの傍迷惑な行為かもしれないが別にどうでもいい。

自分と家族さえ無事なら世界が滅びても構わない。

 

「さあ…戦争だ!」

デザートイーグルを二丁腰に装着してコートを羽織る。

 

「兄さん、何処か行くの?」

「うん?ちょっくら出生届を偽造して(出して)来るだけだ。ついでに色々と買って来るよ」

「あっ、じゃあ新しい絵の具のチューブを買って来てくれる?もう無くなっちゃて…」

「分かった。んじゃ行ってきます」

転弧に別れを告げて買い物に出かける。




次回は、ある場所を襲撃します。

どこかって?妹を回収しに行くと言えば分かると思います。
原作でも結構人気な話だし作者も個人的に好きな話でしたが、お兄ちゃんが壊しに行きます。

あと、ちゃんと武器を使うと思います。
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