「望…」
「俺の言ってることに間違いはないだろ?」
「…一人で妖怪を抑え、あまつさえ自爆の覚悟を持つ者など…この都市には…」
「俺がやる。」
『!』
実際不可能ではないだろう。
遠くからちまちま弾幕を張るのではないのだ。
殴り殺すのなら、今までしてきた加減をする必要がなくなる。
あの消滅も、巻き込む味方がいなければ使い放題。
更に自分は不老不死。
自爆覚悟など難しくない。
永琳以外知らないとは言え、元々余所者の俺を心配する奴など…精々夜くらいだろう。
(……なんか自分で悲しくなってきた。やめよう。)
「それで、無理だと思うか?」
「……確かに君は強い。この都市で右に出る者はいない。しかし君は若いのだ。命を簡単に投げ出すことは…」
「誰かがやらなきゃ、救える命も救えなくなる。それに…俺程あんたらにとって、都合のいい奴がいるか?」
「っ……!都合の良し悪しなどでは……」
「もうよい。」
『……』
「望よ、殺す覚悟を決めることを迫ったのは儂じゃ。場は戦場、当然死ぬ覚悟もの。望、今一度聞こう。全てにおいて、覚悟は出来たのか。」
月読のその問いに、俺は口角を上げて答えた。
「もちろんだ。」
「そうか……」
その答えに満足したのか、月読も少し笑いながら命じた。
「この都市の民として、民が為に尽力せよ。我が最初で最後の命令、友として答えよ。」
俺は軍の敬礼をしながら答えた。
「この都市の…民の…友のため誓う。そして、最高の活躍をさせてくれることに、感謝する。」
(月読様が友だとは…)
(それほどにこの者に信頼を…)
俺の覚悟を認めた権力者達は、それ以上何も言わず、部屋を出た。
俺も堅苦しい敬礼を解き、口調も砕いた。
「てなわけでさ…夜のこと、永琳によろしくって伝えてくれ。」
「うむ。分かっておる……などと言うと思ったか!」
「はぁ!?さっき友とか言った奴の最後の頼みも聞けねぇのかよ!?器小せぇぞ!」
「お主が不死という情報、儂が持たんと思ったか。」
「……仮にも神だしな…知っててもおかしくないか…」
「何を言いたいか分かるな?」
「生きて自分で言えってか?無茶苦茶言うなよ。生き残っても月に行くのなんて何年かかるか分かんねぇぞ?都市も爆破、とっかかりなし、それでどうやって?」
「何年でも待とう。お主を待つのは、なにも夜だけではない。都市の世話になった者ら、訓練生達、そして何より…この儂じゃ。」
「……分かったよ。いつか帰れるなら、その時は……」
「友として、盃でも交わすかのぅ。」
覚悟は決まった。
準備も終わった。
約束も終わった。
「後は一人で勝てるかだな……大きく出たけど勝てっかなーって、時間稼げばそれで勝ちか。まあ後は神頼みだな。…俺を生き返らせたんだ。元々殺したのもあんただけど…勝つこと願ってくれるくらい、いいだろ……?」
戦いに赴く道程で、俺は祈った。
もう出会うことなどなかろう天使と、顔も知らぬ神に向かって、最後に神頼み。
これで本当に整った。
「さて……始めようか!」
俺は戦場を駆け出した。
準備回みたいなのだし短くても許して……つか打ちきり漫画の最終回みたいになったな…打ちきりとか作者次第だけど。まあこれからも続くし、むしろこっからなので、気楽に~♪あ、『生活記』の方もよろしくね~