東方白望記   作:ジシェ

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『生活記』の更新は読みながらだから時間かかるのに対し、思い付きだから早いこっち。勢い大事ですね。


十五話 ~新たな出会い~

ここはどこだろう。

何故だか見覚えがある。

いつだったかも分からない。

…ああそうか…ここは…

 

「死後の…世界か。」

 

―――――

 

俺は一人、真っ白な空間を漂っていた。

天も地もない。

前後左右も分からない。

ただその場所は、死んだ時に見た場所と近かった。

 

(前は天使が…)

「はい、いますよ?」

「!?」

 

声も出せない驚きとはこういうことを言うのか。

いやそうじゃない。

 

「何でいるのかですか?」

「……そうだよ。」

「冥界の管理者は死神とでも思いました?私達天使は死者の前には必ず来ますよ?」

「いやそういうことじゃ……待ってお前誰?」

「?誰って…天使を見たことあるんですか?そういえばさっきも天使が来るみたいなこと…」

 

俺はよく見もしないでそいつと話していた。

故に、以前話した天使と違うことに気付けなかった。

いや姿ではなく口調、あの天使に敬語は話せない。

 

「……ああ!もしかして転生者の方ですか?なるほど…」

「…何で分からないんだ?」

「いえ忘れてただけです。というより来ること予測してませんでした。」

「?普通は予測出来るのか?」

「はい。ただ不死まで手に入れた転生者が来ることは予測出来ませんでした。」

「……ということは、俺は完全に死んだってことか?」

「そうですね…ここに来たということはそういうことでしょう。不死の方は来られない場所ですから。」

 

俺は衝撃を受けた。

つまりあの天使は不死にしたという嘘を、笑いながら俺に話していたということだ。

 

(………?あれ?じゃ永琳の薬で死ななかったのは?それ以前に体消えてたよな?あれ?あれぇ?)

「どうかなさいました?」

「い、いや…不死の奴がここに来る可能性って、あるのか?死なないんだろ?」

「前例はないですね。貴方が初めてです。」

「…………」

 

俺は呆気に取られた。

不死は来れないこの場所に、俺は平気で立ってる。

そも死んだならここに来るが、死なないはず。

この天使が不死を知っているなら、前の天使の話しに嘘はないはず。

つまり死後の世界に、死なないはずの人間が入りこむ分けの分からないことが起きている。

 

「どういうことだ?」

「こちらが聞きたいですね。」

「…………」

「…………」

 

二人とも沈黙してしまった。

当然のことだろう。

お互い分けの分からない状況で、理解出来ていないのだから。

 

「どういう……」

『私が説明するわ!』

 

何故だか聞き覚えのある声が、空間に反響した。

 

「いや~教えてなかったことがあってね~いつか会えると思ってたからいいかなって……」

「……最初の天使はお前か。」

「そだよ~そこのは後輩ってとこかな?」

「えっと…説明願えますか?一人の空間に二人の天使はあり得ないはずですが…」

「うん!あり得ない!だって必要ないもの!」

「…なあ、そもそもここは本当に冥界なのか?その割に重力もある気が…」

「うん、だって違うもん。」

『え?』

 

冥界じゃない。

それが確実になったようなものだ。

でもそうなると天使の存在が分からない。

 

「ここは貴方の能力によって産み出された世界。能力はいらないって言ってたけど、一応ね?」

「ちょっと待て。能力で産み出したとしても、そしたらお前らは俺の妄想か?或いは天使とのコネクトが出来る能力なのか?」

「どっちでもないわ。私達は本物だし、ましてや連絡出来るってんなら説明するわよ。」

「じゃあ……」

「貴方の能力ね…実を言うとこんな早く使えるものじゃないのよ。本当なら幻想郷が出来る頃…早くてもその数年前程だと思ってたのよ。」

「……それで、能力ってのはなんなんだよ?」

 

気になった能力を問うと、天使は即答した。

 

「『白を操る程度の能力』」

「白を操る?なんだそれ。」

「文字通り白いものを操る…わけではないのですよね?」

「うん。それも出来るよ?でも意味合いとしては…そうだなぁ…空間そのものを操作する感じ?」

「……?どういうことだ?」

 

もう一人の天使も一緒になって首を傾げている。

 

「あー説明難しいのよ。んー例えば自分がいる空間を、一枚の紙とする。その紙をどうするかは、自分次第でしょ?つまり簡単に言えば…想像次第で何でも出来る能力?」

「……はあ?」

「そ、そんな能力を人間一人に与えたのですか!?」

「怒んないでよ…これは望が想定外過ぎるのと、神様からの謝罪の意思、あと…望の人柄の良さが原因よ。」

「じゃあ全部の原因は神様か。」

「そうね~」

「まさか…この世界も…」

「望が瀕死になったことで、偶然発動した能力が創った世界…起点になる紙の部分ね。」

「となるとなんでここにお前らがいるんだ?」

「ああ、その子は担当だから、元々ここに送られる予定だったのよ。能力が使えるようになったら能力の調整と、望が壊れないよう制御、あとは悪事を働くことのないよう監視の役割を持ってるわ。」

「待って下さい!それならなんで私に伝えられなかったんですか!?そんなの嫌です!帰りたいです!」

「でしょ?だから伝えなかったのよ。神命令でも嫌。無理矢理連れてくのも難しい。じゃ言わずに働かせよう。ということよ。」

「貴方がやればいいじゃないですかぁ!」

「無理。監視とかそもそも私が信用されてないもの。自分勝手に使うとかサボるとか思われてる。制御なんて小難しいこと私は苦手だしね。」

「なんで平然としてるんですかぁ!自分勝手過ぎます!」

 

俺は蚊帳の外で、敬語の方がまくし立てているのを、ただ黙って聞いている。

なんか制御とか監視とか、結構重要なことを本人の前で言っている。

これで大丈夫なのだろうか。

 

「―――はぁ…分かりました。仕事として与えられた以上文句は言いません。」

「言ってたじゃん。」

「私暴力は好きじゃないんですよねぇ……」

「拳を構えた人の言葉かなぁ!?」

「それで?終わりか?」

「ああ忘れてた。今の会話聞いてたよね?そゆことだから旅にこの子も付いてくから。よろしく。」

「まぁいいです。現世を自由に歩く許可をもらったようなものですから。」

「あれ?無理なの?私勝手に行くけど?」

「…なんで貴方は平気なのでしょう…」

「キャリアかな。」

「…まあとにかよろしくお願いします。」

「じゃあとよろしく~」

「え!?待って下さい!まだ聞きたいことが…!」

 

言うや否や、不真面目天使はどこかへと飛んで行った。

一体どこへ行ったのか、既に影も形もない。

 

「現世にはどう戻れば…」

「あ」

 

俺は完全に忘れていた。

説明が出来る天使がいなくなった以上、自力で出なければならない。

真っ白な空間に、天使と人間が立ち尽くした。

 

 




能力説明はその内人物紹介の時に。もしかしたら次回紹介の回になるかもしれまん。いつでもノープランです。この展開も前日の思い付きです。
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