東方白望記   作:ジシェ

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遅いことに謝罪を。


二十二話 ~再開業!何でも屋~

「……(ぽけー)」

「…なんか凄く暇そう…」

 

事実やることがない。

縁側で団子食いながらぼーっとする日々。

暇過ぎて死にそうとはこのことだ。

これではいけない。

永琳や夜に久々会って駄目人間の評価を受けるのは望まぬところ。

となればやる…いや出来ることは…

 

―――――

 

「てことで何でも屋開業だ。」

『……』

 

四人が集まった居間で、俺はそう言った。

全員『は?』という顔になっている。

しかし俺のやってたことといえばこれ。

仕事として日々の暇の解消にもなった何でも屋。

後半はあの隊の訓練が主ではあったが、暇なときは何でも屋として別のことを行っていた。

考えると二ヶ月程度の生活で充実していたのは、何でも屋のおかげだった。

短い間で色々あったなぁと感慨に耽っていると、「別にやらなくてもいいんじゃ?」と諏訪子が言う。

 

「そんなことでもやってないと暇で死ぬ。」

「なら私達が何でもするよ?ほら、美少女も美女もいるよ?」

「だ、駄目ですよ!そんな簡単に体を許すのは…」

「冗談だよ。」

「本気でも却下だ。そもそも好きでやろうとしてることだからな。」

 

何でも屋はそもそもやらなくても生活は出来た。

つまり、生活のための金策というわけでは別になかったのだ。

続けてたのはただの暇潰しと、体裁を保つためだ。

ニートはちょっとな…

 

「しかしそれに私達の体が負けたのは納得いかないねぇ。」

「本当にねぇ。香苗のこの豊満な胸を揉みしだきたいとは思わないの?」

「お二方とも本気で怒りますよ…?」

 

二人が香苗をからかって遊ぶ。

勿論本気ではない。

ただ、二人の言うことは世間一般では当然のことだろう。

三人全員種類は違えど美しいと言える容姿。

むしろ一つ屋根の下で、一切手を出さない男は、枯れてる部類だろう。

 

(しかし悲しいかな…不死の体に欲ってないんだ…)

 

不老不死となったことにより、人間の三大欲求全てが、かなり希薄になった。

確かに団子は食べるし、眠りもする。

しかしそれらは、それぞれの欲求に従ったものではなく、娯楽…つまりは子供が遊ぶのと同じこと。

食べるのは上手いから、腹が減ったわけではない。

眠るのは好きだから、眠いわけでもない。

なら性欲は。

もはや認識も出来ない。

妖怪が人間を食らうのが本能であることに近く、俺は自由に生きるという本能で生きている。

枯れているのもあながち間違いない。

 

「とりあえず何でも屋はやる!絶対!」

「やるって言ってもさ…何から始めるのさ?」

「口伝でしょうか…?」

「もしくは適当に軽い手伝いみたいなの色んなとこでやるとかな。まあ基本その辺で十分だろ。」

 

都市でもスタートはそんなものだった。

徐々に紙に纏めてくれたりしてきたのだ。

 

「んじゃ少し回ってくる。」

「私も行こっか?」

「好きに歩きたいからいいよ。土産は団子な。」

「団子以外の選択肢は?」

「ない。」

 

―――――

 

「色々あるなぁ~」

 

町に繰り出し早二時間。

特に忙しそうな店もなく、食べ歩きのような状態。

やはり人伝いに宣伝でもしてもらわなければ難しい。

残念だが今日中にどうなることでもなさそうだ。

そういえばこの町には…というかこの時代には妖怪被害とかないのだろうか。

妖怪退治(追い払うだけ)なら自信はある。

一度帰って諏訪子にでも聞いてみよう。

 

―――――

 

めっちゃあった。

子供が行方不明、店が荒らされる、夜に悪戯をするのもいるらしい。

神奈子の話では大和には妖怪被害はないらしい。

まあ神の数の差だろう。

つまり妖怪に関することで、仕事が殺到した。

凄いね神の口伝って。

雑用と妖怪関連と…恋愛相談…みたいな色々計百近くの依頼が届いた。

つかこの時代に紙ってあるんだ。

 

「どれやるの?」

「確認で今日は終わり。」

「まあ暇潰しにはなってるよねぇ。」

「全部やるんですか…?」

「あー…恋愛相談とかきっかけ作りとかさ…自分で頑張ろーよ…」

「子供の遊び相手…諏訪子合ってるんじゃないかい?」

「それ見た目でしょ?確かに子供の相手は得意だし好きだけど…」

「あ、これ香苗宛の恋文だ。」

「なっ!なんてものを紛れさせているんですか!」

「この中だとやっぱり妖怪退治かねぇ。」

 

その後も一時間程見分していき、明日行う仕事を纏めた。

ちなみに、香苗宛の恋文の数は百中十二だった。

 

―――――

 

「兄ちゃんこれそっち運んでくれ。」

「あいよ。」

 

俺は今、飯屋の荷物運びを行っていた。

というか品の補充だ。

いつも補充に来てくれてた人がぎっくり腰らしい。

急ぎの仕事だし早々に引き受けた。

諏訪子達も普段行くらしいから、休みになると困る。

俺はそこが終わった後、次の依頼に向かった。

 

―――――

 

「いらっしゃいませ~」

 

団子屋の接客、子供の遊び相手、病気の子の話相手、湖での魚釣りなどなど。

危険があったのは魚釣りくらいなものだ。

妖怪退治を受けるのもいいのだが、ガチめに殺れって書いたものばかりだった。

話せば分かる奴もいると思うが…

とにかく一日で消化出来たのは計八つ。

まずまずな稼ぎだ。

 

―――――

 

「それで?依頼書に自分達の願望も混ぜたと?」

『……』

 

実は神二人(柱?)が依頼書を混ぜていた。

神奈子は手合わせ、諏訪子は特訓。

それならやることは決まりだ。

 

「神奈子の依頼と諏訪子の依頼…一片に片付ける。」

「一片に?」

「まあ特訓なんて継続だし、終わりはしないけどな…神奈子の手合わせを諏訪子も一緒にやる。つまり諏訪子の依頼に神奈子の依頼を組み込むってことだ。」

「まあ戦ってれば強くなれるしねぇ。」

「そんな簡単に出来るのはごく一部だろうな。」

「そうかい?」

「……早速明日やるぞ。」

 

気の抜けた返事をした二人は、土産の団子を頬張るのであった。

 

 




次回!諏訪子&神奈子vs望!デュエルスタンバイ!
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