東方白望記   作:ジシェ

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時間はあったんですよ、ここ十日間は。ただバイト新しく始めたらモチベ維持が出来なくて、書く気分なれなかったんです。これは本当に自分のせいなので…ごめんなさい。次はもう少し早くします…


二十四話 ~叶わぬ願いと足掻く者~

鬱蒼と茂った森の中、俺は示された道を歩いていた。

手紙から十日、重い腰を上げ向かうことにした。

眼前にはただただ木が生い茂っており、景色は変わらず森の中。

手紙の主も現れなければ、一人で来たために退屈。

森には小動物も妖怪もいない。

絶対(・・)におかしい。

なにせ空から見た範囲以上に俺は歩いているのだ。

更には範囲はあまり広くしていないが、探知用の霊力を広げている。

それを感じると、妖力は明らかにループしている。

同じような気配が複数箇所にある。

 

「この森…終わりないな。」

 

ならどうすればいいか。

決まっている。

 

「罠って分かったし…とっとと帰るか!」

 

地面へと拳を振り抜いた。

衝撃で木々が揺れる。

空間が歪もうが、破壊すれば関係ない。

十日の間に新しく考案した能力の使い方。

空間を操作する動作の終了、つまり消滅。

それを拳に纏って放つ衝撃波。

絵を描いた紙を白紙に戻すようなものだ。

出来ることは限られるが、指定したものを消滅させる衝撃波を放つことも出来る。

今回の指定は歪み。

本来の空間を歪めている能力そのもの。

ちなみに非常にコスパが悪いためあまり使いたくない。

 

「ん…抜けられたな。」

 

辿っていた妖力が一つの線になった。

犯人の居場所を見つけた。

あとは殴るだけだ。

 

―――――

 

まさかの森を抜け、更に二十分歩き続けている。

何もない平野を歩き続けているのだ。

探知しつつのためにダッシュも出来ない。

 

(面倒な……)

 

まだ歩かせる気かと少しイラついていたら、明らかに終わりのようなものが見えた。

戸…それも単体で。

 

「何だこれ?」

 

どうするか考えたが、開ける以外に選択肢はない。

鬼が出るか蛇が出るか…

戸を開けたその先には…

 

「ようこそいらっしゃいました。」

 

犯人が出迎えに来ていた。

 

―――――

 

「あの手紙なんなのか聞きたいから、親とっとと出してもらえるかな?」

 

少しイラついた口調で、目の前の少女に言う。

紫を基調としたスカート、色の綺麗な金髪は肩より下に垂れていて、身長は俺より三十㎝以上は小さい(百二十㎝程)。

まるで外国の子供だ。

そんな子供が、あんな手紙を出すとは思えない。

そう思って親を出すよう言ったが、自分が犯人だとこいつは言う。

 

「…まあ妖怪の年齢は見た目通りではないか…」

「まあまだ私は百年も生きていない若輩ですが。」

「……」

 

さすがに殴る気にならない。

児童虐待の趣味はない。

いや児童ではないのだが…見た目の問題だ。

まあ年齢だけ言うなら俺の十分の一も生きていないか。

 

「それで?何でここに呼んだ?」

「私の目的を手伝ってほしいのです。」

「目的?お前妖怪だろ?…人間抹殺とか…大和の乗っ取りとかか?」

「妖怪が全て人間を嫌うとは思わないでほしいですね。」

 

確かに鬼子母神は強ければ何でもいい感じだった。

………妖怪の中で知ってるのこいつだけだな。

 

「いまいち納得してませんね。」

「そりゃ妖怪に襲われることしかなかったんだから、当たり前だろ?」

「それもそうですね。では、目的を明確にしておきましょう。私の目的は…いえ…目標は、人間と妖怪の共存です。」

「……無理だな。」

「そこまで頭から否定しなくてもいいじゃないですか。…私だって、無理だと思います。でも…」

「……無理…かもしれないけど、絶対じゃない。」

「…はい。私は、諦めたくない…!」

「何があったか知らないけど、方法はないこともない。」

 

例えば交渉―俺の能力で別世界を創ることで、共存を考える妖怪、人間だけを強制的に隔離する。

例えば支配―実力を見せつけることで、力による支配をする。

例えば……殺戮。

方法はいくらかあるが、どれも無茶なものだ。

だからこそ、ないこともない(・・・・・・)

 

「厳しいことになるのは覚悟の上だな?」

「当然です。」

 

鋭い顔つきで、きっぱりと肯定する彼女は、本気で共存を目指しているようだ。

 

「……そうか…」

「答えをお聞かせ願えますか?」

「…分かった。出来ることがあれば、いくらかは手伝うよ。」

「本当ですか!?」

 

彼女はとても嬉しそうに叫んだ。

理解者などいなかったのだろう。

とても荒唐無稽な話だ。

叶えることの不可能な夢。

しかし実現させようと足掻く哀れな少女。

周りからはどう呼ばれたのだろうか。

裏切り者、愚か者、どれだけ揶揄されてきたのだろう。

 

(せめて俺だけでも…味方であろう…)

 

共にいることを誓いながら、叶わなかったことがあった。

なら今回は叶えてやる。

こんな夢でなければ思わなかっただろう。

たとえ不可能でも、諦めないこの少女に再び誓おう。

俺の願い…『望み』を見つけるなら、他人の願いから叶えた方が見つかるかもしれない。

俺はまだ、自分のしたいことも分からないままだった。

 




この幼女は誰か皆分かるよね?いつ生まれたか特に分からなかったから諏訪位にしました。まだ幻想郷は出来ない…咲夜さんも出ない…(泣)
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