代わりに望を苦しめた~…いや本当…辛そうですね…
これだから旅は嫌なのだ。
分かりやすく歩道でも作ってくれ。
そんな感情を抱きながら、今度は山で迷子になる。
下ればいいだけ?
残念ここは山脈です。
下れど登れど飛べども歩けども人っ子一人、妖怪一体いやしない。
わりと既に一月程迷ってる。
「はぁ…せめて動物いないのかよ…生物いないのおかしいだろ…山だぞここ…」
愚痴りながら足は止めない。
不老不死でもなければいつ死ぬかも分からない絶望的状況。
欠片もないサバイバル知識。
人工物の見当たらないこの山々。
飛んでも出口の見えない広い山脈。
下手したら外国の広い山脈にいるのかもしれない。
国を出てから早五年旅をしているからおかしなことはない。
海を越えた覚えはないが…昔は島々が繋がってたらしいし…まだ繋がりがあるかもしれないだろう。
「まあまだ楽しいけど。」
一月も迷子になっている俺は…以外にも楽しめていた。
―――――
…サバイバルも何年もやると飽きるんだよ。
三年もいればそりゃ飽きるよ。
しかも信じられないことに生物は一切いなかった。
生態系的にあり得るのだろうか?
「ああ…流石に寂しい…誰かいないのかよー!」
叫び虚しく、静寂の中木霊した。
必要とはいえサバイバルも楽ではない。
ちなみに何故必要なのか、それは課題が関係している。
『蓬莱の薬の破棄』
…どうにも聞き覚えのある名前だ。
月の都の地上時代、永琳が研究していた薬。
そしてもう一枚のこの紙。
『詫びヒント:課題はおよそ五十年後』
これが必要の理由だ。
蓬莱の薬のために五十年も待機しなければならない。
そのための娯楽代わりのサバイバル。
結構後悔している。
そろそろ人のいる場所を探しに行くべきだろう。
ということで…
―――――
三日飛んで山脈を抜けた。
そこに広がるは何もない平野。
山より見晴らしはいいが、山よりサバイバルに味気ない空間。
「……辛い。」
とてもシンプルに辛い。
―――――
およそ一週間飛び回った、人の気配はない。
一月飛び回った、人の気配はない。
一年飛び回った、海に出た。
海沿いに一週間飛んだ、孤島だった。
「一年で島同士の距離が…」
陸沿いに歩いて来た場所だから孤島ではなかったはず。
それがいつの間にか孤島になっていた。
蓬莱の薬がある場所…現れる場所は、間違いなく日本国内。
しかしどちらが日本か分からない。
「あ゛あ゛ー…」
空腹、渇き、寂しさ、辛い…
「なんて言ってても仕方ないか…どうせ死なないし。」
度重なる絶望感によって、変な風に達観していた。
―――――
海を越えた。(一月ぶっ通し飛行)
舗装された道を見つけた。
喜んだのも束の間、家は石で出来てた。
人を見つけた。
服は葉っぱだった。
「言葉通じねぇ…」
話した、言葉分からない。
ここまでで確信した。
ここは日本ではない。
―――――
ショボくれながらも、その国(島?)で暮らすかと諦めかけていたが、蓬莱の薬のある村や国を探すのに一年。
少なくとも日本の島内にいなければ探す目処すら立たない。
せめて言葉も通じなければ暮らすのも苦労する。
結局また海を越え、飛び続けるしかないのだった。
やっとの思いで日本語の言葉を聞く頃には、十年の月日が経っていたとか…
合計二十年の旅の末、定住場所を一つ決める俺であった。
東方キャラ一人出ます。これは元々の予定通りです。ノープランでもいくつかは考えているんです。適当とか言わないで下さいよ。